平成15年度『月例金曜講話』決定

分野広げ講師13人が講演


 東京大田区・池上宗務院で開かれる、平成15年度「月例金曜講話」の講師が決まった(下記)。

 全体のテーマは昨年、一昨年に続き『伝える』。

 今年度は一層多くの人が聴講の機会を持つように、江戸東京博物館長で立正大学大学院教授の竹内誠氏や哲学・倫理学を基盤にファッションなどにも活躍分野を広げる大阪大学大学院教授の鷲田清一氏、元衆議院議員・民社党委員長で熱心な法華経信者、「善知識の橋」など著作もある塚本三郎氏ら、僧侶以外からも講師が幅広く登場する。

 3人の僧侶が30分ずつ高座説教を披露する初の試みも行われる。

 講話は毎月第1金曜日(5月と平成16年3月は第2金曜日。1月は休講)。午後1時から信行会、2時から講話が行われる。

 詳細は宗務院伝道部(п@03−3751−7181)まで。

『月例金曜講話』日程表

▽4月4日 「日蓮聖人のこころ」
           上田本昌師(山梨県上澤寺住職)
▽5月9日 「江戸開府400年と法華信仰」
           竹内誠氏(立正大学大学院文学研究科教授・江戸東京博物館長)
▽6月6日 「理想に向かって歩き続ける」
           冨田義董師(鹿児島県教王寺住職)
▽7月4日 「この世はハッピー縁土 ―我此土安穏―」
           中村潤一師(福岡県真浄寺住職)
▽8月1日 「めいわくかけて、ありがとう―弱さの力」
           鷲田清一氏(大阪大学大学院文学研究科教授)
▽9月5日 「傳統の高座説教蘇る。今茲に大聖人の往時のご苦難を再現」
           高友会(上村貞雄師・谷川寛俊師・辻本学真師)
▽10月3日 「立正安国の宗教」
           塚本三郎氏(民社党委員長・元衆議院議員)
▽11月7日 「今、なぜ法華なのか」
           井上日宏師(東京都玉泉院住職)
▽12月5日 「無分別智(損得を考えず)」
           橘高智光師(東京都蓮華寺住職)
▽2月6日 「縁を生かそう」
           梶原北天師(長崎県實相寺住職)
▽3月12日 「お釈迦さまと御子ラーフラに学ぶ」
           菅野啓淳師(東京都浄延院住職)



第八十九定期宗会開く、イラク問題に「声明」発表

 岩間湛正宗務総長が就任して初めての第89定期宗会が、3月11日から14日まで東京大田区・日蓮宗宗務院で開かれ、岩間総長は施政方針挨拶の中で、総長選で掲げた「4つの政策の重要目標」〈@布教伝道A(僧侶)教育B宗門財政C過疎・過密地の寺院配置)について項目ごとに述べた。

 特に布教伝道について、心の荒廃を招いている現代社会の中で苦しみ、もがいている人びとと同じ目線で見、考える必要性を強調、また、イラク問題の平和的解決、北朝鮮による拉致問題の早期解決を要求すべきだとし、「新たに現代社会の苦悩を見据えた宗門統一運動」を提唱した。

 平成15年度の布教方針は「伝える〜新たなる第一歩、次世代へのアプローチ」と述べ、お題目総弘通運動からさらに新たなる伝道の第一歩を踏み出す時であることを訴えた。

 立教開宗750年の最後を飾り4月22日身延山で行われる「立教開宗750年慶讃結願大法要」と3期18年にわたって展開されたお題目総弘通運動の結実大会「ワールドフェスタin池上」(4月20日)への協力を呼びかけた。

 平成15年度予算は19億5961万円(前年比・149万円減額)。別枠になる立教開宗750慶讃会予算では、「750」慶讃事業への勧募金収納率が当初の見込みを超えたため、補正予算の中で、将来に向けて宗門が法器養成・布教伝道に関わる重要課題に対応できる資金を設定できるよう「教育布教資金」として6億円を予算化した。

 なお、前宗務総長・渡邉清明師の退任に伴う第1区(東京東部)宗会議員には小林順光師(葛飾区妙源寺住職)が選出されたことが報告された。

緊迫するイラク問題の平和的解決訴え日蓮宗「声明」

 国際問題となっている対イラク武力行使をめぐり国連安全保障理事会の協議が大詰めを迎える中、日蓮宗(岩間湛正宗務総長)は3月13日、イラク問題の平和的解決を訴える「声明」を発表した。

 「声明」では、現在の軍事的緊張を「一触即発の戦争の危機」ととらえ、戦争になれば子どもや女性、お年寄りをはじめ多くの犠牲者をだし、地球環境の破壊、政治・経済にも最悪の影響を及ぼすとし、「法華経と日蓮聖人の教えを受け継ぐ」「不殺生戒」の立場から、どんな理由があっても戦争は認められないこと、「立正安国・世界平和を宗是とする日蓮宗」は各国が国連憲章と国際法を守り「平和的解決を達成するよう強く訴える」としている。

 岩間宗務総長は就任にあたり「宗門は現実に起こっている社会の諸問題に対し、法華経、宗祖の教えにもとづいた意見や見解を社会に向かって堂々と発表すべきだ」と表明しており、今回の定期宗会の施政方針挨拶でも触れ、「声明」することになった。

 「声明」発表の13日は宗会開催中で、宗会議員と関係者に文書として配付された。

 日蓮宗での世界に平和を訴える行動は、最近では平成13年9月、アメリカでおきた同時多発テロの後、アメリカの報復が迫り、宗務院がブッシュ米大統領に、犠牲者への哀悼とともに「世界の平和と人類の幸せを常に願って、仏陀の教えたる慈悲と平等の精神をいただく我々は、再びかかる悲劇が起きないことを念じてやみません」との書簡を、日蓮宗として当時の渡邉清明宗務総長名で送った。


「声明文」全文

イラク問題の平和的解決についての日蓮宗の声明

 今、世界の眼はイラクに注がれております。イラクが大量破壊兵器を開発しているという疑惑調査のため国連査察が行われ、この危機回避を求めて国連安保理に於ける討議が根気強く続けられる一方、軍事的緊張が高まりつつあります。

 一触即発の戦争の危機がまさに世界を襲おうとしているのであります。もし、戦争が始まれば、多くの人々の命が失われることは明かであり、最も犠牲になるのは、幼い子供、女性そしてお年寄り達であります。ましてや大量破壊兵器が使用されれば、その犠牲者の数は想像を絶するものとなります。そして、戦争は、殺戮だけでなく、地球の環境や政治・経済など多方面にわたる最悪の影響を及ぼしかねません。

 このような人類の危機を目前にして、法華経と日蓮聖人の教えを受け継ぐ私達は、口を閉ざしていることはできません。

 釈尊は「すべての者にとって生命は愛しい。わが身にひきあてて殺してはならない。殺させてはならない」と不殺生戒を定められ、日蓮聖人は「いのちと申す物は一切の財の中に第一の財なり」と生命の大切さを説かれております。

 私達日蓮宗は、全世界の人々を殺戮・破壊の苦しみに陥れた第二次世界大戦への反省から、戦後、世界立正平和の運動を展開して、世界平和を念願し続けてまいりました。

 いかなる理由があろうとも、戦争という手段は認めることはできません。戦争により国土は荒廃し、尊い人命は多数失われ、またそれによって報復のための戦争やテロが繰り返されるだけであります。

 立正安国・世界平和を宗是とする日蓮宗は、世界各国が国連憲章と国際法を遵守するとともに、戦争ではなく平和的解決方法をもって、世界平和を達成するよう強く訴えるものであります。

 平成15年3月13日

日蓮宗宗務総長 岩間 湛正




『平成15年写真コンテスト』作品募集
テーマはやすらぎ

 日蓮宗の伝統・大荒行の出行会が終わり、日ごと春の訪れを感ずるようになりました。

 日蓮宗新聞社では恒例の「平成15年度写真コンテスト」の作品を大募集いたします。テーマは「やすらぎ」。

 あなたにとって至福を感じる「やすらぎ」の瞬間を写真にとらえてください。くもりない目であたりを見れば、身近にもきっとすばらしい「やすらぎ」を見い出すでしょう。

 審査は今年米寿を迎える京都・頂妙寺の永田恵遠貫首が当たります。平成5年度日本写真家協会展金賞など数々の入賞歴を持つ写真家です。

 なお応募作品は、未発表のものに限り、応募作品は返却しません。

【テーマ】やすらぎ【大きさ】2Lから4つ切りまで
【賞】受賞者には賞状と賞品をお送りします。
【締切り】5月31日必着
【発表】7月1日号でカラーで掲載
【応募方法】写真の簡単な説明をつけ、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を必ず明記の上、〒146-0082 東京都大田区池上7-23-3 日蓮宗新聞社編集部「写真係」まで。
 問い合わせは編集部(03-3755-5268)へ。




『大日蓮展』
拝観者15万人突破し終了

 立教開宗750年を記念して東京・上野の東京国立博物館平成館で開かれていた「大日蓮展」(日蓮聖人門下連合会・東京国立博物館・産經新聞社主催)は2月23日閉幕した。1月15日の開幕以来、会期中の拝観者は、冬期開催では異例の15万1660人にのぼった。

 18日には常陸宮妃殿下・華子さまが来館されたのをはじめ、週末や平日にも日本在住の外国人や韓国からの信徒10人、さらに国内寺院の団参も相次ぎ終幕近く大きく盛り上がった。

 「七五○」慶讃事業は4月22日、身延山久遠寺で営まれる結願大法要へと集結する。

 1日としての最高入場者数は、2月22日の8850人だった。




『大日蓮展』感想募集

 いよいよ23日までとなった『大日蓮展』(主催=日蓮聖人門下連合会、産経新聞社、東京国立博物館)、拝観の「感想」を募集いたします。

 今日まで、大切に格護されてきた160点余にのぼる宝物を一度に拝観できる貴重な機会です。日蓮聖人のご真蹟からは聖人の心中までもが胸に迫ってきます。また大名や名だたる芸術家の、法華経信仰に生きた証が、ご遺物や作品に息づいています。

 拝観の感想は、足を運ぶことが出来なかった読者のみなさんに、感動のおすそ分けにもなるでしょう。拝観とあわせて行った団参などの思い出もお待ちしています。


【締切り】2月末日
【字数】400字まで
【応募方法】郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を必ず明記の上、
〒146―0082 東京都大田区池上7―23―3 日蓮宗新聞社編集部「大日蓮展感想」
またはEメール(nichiren@t3.rim.or.jp)まで。

問い合わせは編集部(03―3755―5268 または、Eメール)へ。




任期前に体調崩し渡邉清明宗務総長辞任
後任に岩間湛正師が選出される

 体調不良を理由に任期前の辞任を表明していた渡邉清明日蓮宗宗務総長の後任に岩間湛正師(66)=山梨県増穂町昌福寺住職=が選出された。

 1月23日、第88臨時宗会が東京大田区池上の日蓮宗宗務院で開かれ、宗会議員全員(45人)による投票の結果、岩間議員(正法クラブ会長)が23票、板垣禎一議員(同心会会長)が22票で、岩間師が1票差で選出された。新総長は「布教伝道、教育制度、宗門財政、宗門組織(過疎化寺院問題など含む)4本柱の公約実現をめざす」と挨拶した。任期は4年、平成19年4月まで。

 渡邉前総長は宗務院の仕事納めの昨年12月25日、井村大祐宗会議長に辞表を提出していた。肝臓の具合が悪く早期辞任を望んでいたが、種々の会議や日蓮聖人門下連合会理事長として主催する『大日蓮展』(1月15日〜2月23日)をひかえ、3月の定期宗会前まで職にとどまって欲しいとの声も強かった。

 しかし1月10日の宗務院御用始めの挨拶でも「新内局、新総長を近日中にご選出いただいて」と早期退陣を明確に述べていた。

 宗会議会には渡邉前総長の属する最大会派「同心会」(23人)と「正法クラブ」(17人)「新成会」(5人)の3会派があり、第2会派の「正法クラブ」から総長が選出されたのは平成2年の伊藤通明師(静岡市感應寺住職)以来13年ぶり。

 岩間新総長は栗原正震議員(新成会会長)とならび、5期当選している最古参の1人。

 臨時宗会の閉会式で退任挨拶に立った渡邉前総長は「岩間新総長とは何度も2人で宗門のあるべき姿を論議した仲。会派を越えて真摯に論議し宗門の発展を実現してほしい」と述べたあと、宗会議員の辞任を表明した。

 岩間新総長は「本来なら感謝を申し上げるところだが、責任の重さにとまどっている」と前置きし、4本柱の公約実現を目指すことを強調、また「票は分かれたが、同心会、新成会の協力を得て運営していきたい」と挙宗一致でのぞむ姿勢を意欲的に語った。

 岩間新総長は1月30日に新内局を発足。内局就任式が宗務院で行われた。岩間内局役員は以下の通り。

 宗務総長──岩間湛正師
 伝道局長──藤崎一明師   総務局長──栗原正震師
 伝道部長──田端義宏師   教務部長──三坂恵人師
 総務部長──小倉光雄師   財務部長──中條令紹師
 宗務総長室長─────────遠藤文祥師
 立教開宗750年慶讃会事務局長-─田澤元泰師
 現代宗教研究所所長──────久住謙是師
 参与─────────────堀江宏正師
 参与─────────────浅井玄祐師
 日蓮宗新聞社社長───────西嶋宏明師



『大日蓮展』開幕
成功をめざしテープカット

 開幕に先立つ1月14日午前10時から平成館展示室の一塔両尊四士(千葉県本山藻原寺出陳)の前で、多くの人の来館を願い、事故のないことを祈る法要が渡邉清明日蓮門下連合会理事長(日蓮宗宗務総長)を導師に行われた。同会常任理事の小松浄慎総務局長をはじめ、法華宗本門流、顕本法華宗、法華宗陣門流、法華宗真門流、本門法華宗、国柱会の門連役員が参席した。

 その後、午後2時から平成館1階入口広間で渡邉理事長、野崎弘東京国立博物館館長、齊藤繁産經新聞事業局長、日蓮門下の信徒代表・森喜朗元首相、檀徒代表・鴻池祥肇防災担当大臣、銭山眞美文化庁次長の6人がテープカット。引き続き、展示品を所蔵しているゆかりの寺院、日蓮門下連合会の関係者をはじめ、招待客など約800人が特別内覧をした。


立教開宗750年信仰のかがやき一堂に

 立教開宗750年を記念する「大日蓮展」(日蓮聖人門下連合会・東京国立博物館・産経新聞社主催)が1月15日、東京国立博物館で開幕した。命をかけて法華経を弘め、伝えた日蓮聖人ゆかりの門外不出の秘宝・至宝をはじめ、鎌倉時代から江戸時代までの法華経信仰にかかわる貴重な美術品など161点が一堂に展示されるのは、今回が初めて。初日は午前9時半の開場を待ちかねて博物館まえに行列もできた。拝観を終えた人たちは、法華経への真摯な信仰と法華文化の真随に触れ、感嘆していた。

至宝≠ニ向き合う喜び−思わず合掌する姿も−

 「すばらしい。ほんとにびっくりしました」「ありがたくて思わず合掌してしまいました」

 「大日蓮展」の会場・東京国立博物館の平成館はどの展示室にも至宝がならび、脈々と続く法華経信仰の強さと深さ、広がりと美しさを表し、大本堂にいるような感じさえ与えた。開幕初日は平日で、拝観には法華経や宗教に関心を持つ人が多く訪れたとみられ、「信仰をしていない人にもぜひ見てもらい、美術の面でも日蓮宗の優れたところを知ってほしい」という声が聞かれた。




『大日蓮展』おすすめ、前売り券・特別鑑賞券

申込みは宗務院『大日蓮展事務局』へ

 12月1日号見開きカラー『大日蓮展』(日蓮聖人門下連合会・東京国立博物館・産経新聞社主催)の紙面はいかがでしたでしょうか。

 法華経や日蓮聖人への信仰にもとづく宗教的、美術的に貴重な宝物類、聖人の門弟に縁ある宝物を含め一挙公開する『大日蓮展』は年明けの平成15年1月15日(水)から2月23日(日)まで東京国立博物館[平成館]で開催されます。なお月曜日が休館となります。

 『大日蓮展』に合わせて、会場に比較的近い池上本門寺や中山法華経寺、寅さんでおなじみの柴又題経寺や日蓮宗の霊跡、由緒寺院、各所など団参計画を立てておられているご寺院も多いのではないでしょうか。

 そこで『大日蓮展』鑑賞にお得な前売り券をご紹介します。いずれも寺院・教会・結社を通して日蓮宗宗務院「大日蓮展事務局」チケット係に申し込み、購入することになります。

 前売り券は、一般=990円、高校・大学生=720円、小・中学生=270円です。一般プレイガイドの前売り券1100円よりもさらに割安な日蓮宗料金となっています。

 特別鑑賞券は、団参など20人以上で同時入館する場合の団体前売り券で、個人がバラバラに入場できません。料金は1枚が一般=950円、高校・大学生=510円、小・中学生=230円と一層安くなり、さらに人数に応じ5lの招待券がつきます(20〜39人は1枚。40〜59人は2枚。60〜79人の場合は3枚…など)。どうぞご利用ください。

 ☆各ご寺院へ☆『宗報』の「大日蓮展前売り券・特別鑑賞券申込書」に管区名、寺院教会結社名、申込み枚数など必要事項を記入の上、FAXあるいは郵送で大日蓮展事務局までお申込みください。締切りは平成15年1月10日です。

 チケットの郵送は大日蓮展事務局負担です。ただし、チケットは各寺院に送付されますので、個人にはご寺院からお渡しいただくことになります。

 『大日蓮展』の展示等に関しての質問は大日蓮展事務局(03―3751―7181 FAX03―3754―5855)へ。

 大日蓮展事務局(日蓮宗宗務院)の年末の業務は12月25日まで、年始は1月8日からです。




宗門先師126人に感謝を込めて法要

第32回宗門先師追悼法要


 日蓮宗宗務院(渡邉清明宗務総長)主催の第32回宗門先師追悼法要が11月21日、東京・池上本門寺(酒井日慈貫首)本殿で営まれ、126師に回向が捧げられた。

 法要は午前10時から藤井日光管長猊下(身延山久遠寺法主)を導師、井村大祐宗会議長、井出存祐審査会長を副導師に、全国38ヵ寺の89人の遺族遺弟、渡邉宗務総長、内局各部長、宗会議員、宗務所長ら約140人が参列して営まれた。

 法要中、渡邉宗務総長が追悼文を読み終えると、参列者は先師に香を手向けた。焼香を終え、祖訓として『観心本尊抄』の一文を皆で唱和。その後、遷化された上人一人ひとりの命日と俗名、法号を副導師が読み上げ、最後に藤井管長猊下が檀信徒教化、宗門寺門興隆に尽力した先師へ感謝の言葉を述べられた。

 法要後、朗峰会館で開かれた清宴では渡邉宗務総長が「先師上人の思いを展開し、日蓮大聖人の教えを引き続き弘め、新しい第一歩を踏み出すためにもさらなるご協力をお願い致します」と挨拶。遺族を代表して静岡県清水市本能寺住職、中條曉秀師が謝辞を述べて終了した。

 先師 ことしは平成13年10月1日から平成14年9月30日までに宗務院に遷化届のあった上人で、126師。




伊豆諸島噴火・地震被災

宗務院が勧募から各100万円を5島7ヵ寺に


 三宅島の被災と式根島などの地震被害から約2年、いまだに災害の傷跡が癒えぬ中、日蓮宗宗務院は11月18日東京東部宗務所(東京都江東区平野、外山寛穂宗務所長)で、5島の7ヵ寺にそれぞれ100万円の義援金を贈った。被災後、宗門寺院と檀信徒救援のため全国の寺院・教会・結社に義援金勧募を呼びかけ、寄せられた約1900万円の一部。残りの1200万円は全島避難が続く三宅島島民への生活再建資金として、12月2日に、新宿都庁の三宅村役場で長谷川鴻村長に手渡す予定。

 義援金を贈られたのは、伊豆7島にある全ての日蓮宗寺院、大島の海中寺、瀧泉寺、利島の長久寺、新島の長栄寺、妙蓮寺、式根島の東要寺、三宅島の善陽寺。宗務院の曲山海光総務部長が伊豆諸島を管区とする東京東部宗務所の外山所長に手渡した。この日は三宅島善陽寺の山本政信住職、大島海中寺の吉川泰全住職、利島長久寺の西村宏一代務住職の三師が同席したが、その他の寺院には後日改めて宗務所から渡される。

 曲山部長は挨拶の中で「全国から寄せられたあたたかい義援金です。大変かもしれませんが今後ともご精進下さい」と激励した。

 山本政信善陽寺住職の話では、本堂の内陣はガスの影響で真っ黒くなり、避難して人が住んでいないため、いたみが早く進んでいるという。「現在、一時帰宅しか認められていないが、島民は帰島するとお墓の掃除にもっとも時間をかける。祖先を大事にしている人々をなんとかしてあげたい」と話していた。



大日蓮展――国宝 重文含め160点展示


 立教開宗750年を記念して来年1月15日から2月23日まで東京国立博物館の平成館で開かれる「大日蓮展」(日蓮聖人門下連合会、東京国立博物館、産経新聞社共催)に展示されるのは、国宝4件、重要文化財45件、重要美術品2件を含め約160件にのぼることが明らかになった。

 また、展示品候補を調査中、長谷川等伯筆の「鬼子母神十羅刹女像」が発見され、美術的史の上からも貴重な作品で、初の一般公開が決まった。

 10月18日、東京・千代田区の日本記者クラブで門下連合会理事長の渡邉清明師(日蓮宗宗務総長)、東京国立博物館の宮島新一企画部長、小松大秀工芸課長、松嶋雅人列品課研究員、産経新聞社の齊藤繁取締役事務局長が会見し、「大日蓮展」の概要と主な展示品を発表した。(12月1日号に特集)



東京博物館で来年1月15日〜2月23日まで開催

四部構成でご真筆『立正安国論』と「臨滅度時の御本尊」も


 「大日蓮展」は、東京国立博物館平成館で、美術品を通して日蓮聖人の生涯や高弟・六老僧が布教を展開し教団として発展していく足跡をたどる「日蓮聖人とその門弟」、日蓮門流で制作された多彩な法華経美術を概観する「法華経の美術」、加藤清正や徳川家康の側室・お万の方など熱心な法華経信者ゆかりの品々を展示する「外護者と信者」、日蓮宗信者の著名な芸術家の作品が彩り豊かに展示される「法華文化の精粋」の四本柱で構成される。

 展示される主なものは、1本の木から神奈川県妙本寺と身延、池上の三祖師像を造ったと伝わる一木三体の御尊像「日蓮聖人坐像」(妙本寺蔵)、日蓮聖人御真筆の国宝「立正安国論」(千葉県法華経寺蔵)、日蓮聖人のご真筆で聖人が入滅の際枕頭に掲げられたといわれる臨滅度時の御本尊「曼荼羅本尊」(神奈川県妙本寺蔵)など日蓮聖人ゆかりの宝物をはじめ、長谷川等伯筆の重要文化財「仏涅槃図」(792.8a×521.7a、京都本法寺蔵)、葛飾北斎筆の「七面大明神応現図」(茨城妙光寺蔵)、五十嵐道甫・後藤程乗作「蓮池蒔絵舎利厨子」(個人蔵)、尾形乾山作「色絵紅葉図透彫反鉢」(同)など宗門に帰依した多くの芸術家たちの作品がならぶ。

「聖人のお人柄と法華経の理解を」 渡邉理事長

 日蓮聖人門下連合会の渡邉清明理事長(日蓮宗宗務総長)は、主催者挨拶の中で、日蓮聖人が初めてお題目を唱えられてから今年で750年目を記念した門下連合会十宗派合同の記念事業として「日蓮聖人をはじめ門下の方々が信仰の活路として生み出してきたさまざまな美術品を多くの方に間近にごらん頂き、日蓮聖人のお人柄、法華経の思想の内容を理解してほしい」と語った。

☆開館時間と休館日

 午前9時半から午後5時(入館は閉館の30分前まで)。毎週月曜日休館。観覧料は、一般1300円、高校・大学生900円、小・中学生400円(20名以上の団体割引有り)。

☆期間中の催し

 1月25日、作家の立松和平氏が「日蓮その人へ」、2月11日は中尾堯立正大学名誉教授が「法華経のたび人 日蓮」と題して記念講演を行う。いずれも平成館大講堂で午後1時半から3時まで。定員380人(当日先着順)。

 また、2月15日、橘雅友会が雅楽公演、16日、聲明研究会が声明公演「法華懺法」を行う。いずれも午後2時から3時まで。

 申し込みは、往復はがきに希望日と公演名(雅楽が声明)、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記の上、大日蓮展広報事務局イベント係(〒105ー0001 東京都港区虎ノ門3-6-2 第2秋山ビル7階)まで。定員380人(申込み多数の場合は抽選)。1月31日締切(当日消印有効)。


新発見 等伯の「鬼子母神」

富山・妙伝寺秘蔵の寺宝  初めて公開へ


 新たに発見された長谷川等伯(1539〜1610)筆の「鬼子母神十羅刹女像」一幅は、今年6月20日、東京国立博物館列品課研究員の松嶋雅人氏と門下連合会の関戸堯海師が展覧会出品候補の事前調査で訪れた富山市妙伝寺(関之信住職)で発見された。

 室町時代の元亀2年(1571)の作で、絹本着色、表装部分を除いた画面は縦103.5a、横38.0a。中央に鬼子母神が描かれ、そのまわりに十羅刹女が立ち並んでいる。

 調査にあたった松嶋氏によると、等伯の作品と断定する決め手となったのは、等伯が能登在住時に名乗っていた「長谷川信春」の署名と、主に衣装に使われている鮮やかな赤色の顔料で、赤い色彩は、等伯がこの作品を制作した時代の仏画で最も特徴的なもの。

 信春の署名に重ねて「信春」の赤い印章が押され、画面右下の「妙伝寺常住 主日敬」は妙伝寺第3代世仏蔵院日敬上人(1584年没)の署名、左下の金色文字「元亀二 辛未年日霜月十九日」(11月19日)は、妙伝寺がこの作品の開眼供養を行った日を表している。

 鬼子母神の視線は、前方のやや下を向いており、その視線の先に、わが子が無事に産まれ育つようにと祈願する女性信者の姿が想像できる。鬼子母神の顔の部分に顔料の剥落が目立つのは、ご利益にあずかろうとして信者が手で触れたためのもの。

 精妙で美麗な衣服の描写は、等伯がこの時期に制作した仏画に共通してみられ、羅刹女の手の表情は、実際の人間の手をデッサンしたかのように卓抜している。

 鬼子母神の像容には、一児を懐にし吉祥果(ざくろ)を持つ天女下形と、忿怒相の鬼形があるが、今回の作品は天女形で、頭上にある三つの円筒は三光天子(日天、月天、明星天子)を表し、法華経の守護神として扱われている。

 左下隅の女性は、この作品を制作する際に、経済的な援助を行った妙伝寺の有力な信徒と想定される。

 等伯は、元亀3年(1572)に郷里の七尾から京へ本拠を移したと考えられているが、この作品の出現によって、彼が上洛したと考えうる最も遅い時期が示され、等伯の年譜に新たな一行が記された。

 松嶋氏は、等伯がこの作品を制作した元亀2年は等伯が両親をなくした年で、等伯は鬼子母神に母親を投影しているのではないか、と推測。さらに、等伯はこの時代に仏画を描いた人の中でも最も高い技量を持った画家で、今回発見された「鬼子母神十羅刹女像」は、等伯の仏画の中でも最も素晴らしいもの、と語っている。 これまで寺外で公開されたこともなく「大日蓮展」が初の一般公開となる。



場が和む自慢の料理&蛯閧ワす!
レシピ・写真つき大歓迎!

 紅葉が進み、菩提寺での行事や信行会に参加する機会も増え、みんなで共に語り合うひとときは楽しく、信仰の励みにもなります。

 場を和ます名脇役は、なんといってもお料理や茶菓。そこで、今回は「料理」を募集のテーブルにのせることにしました。

 お寺の伝統料理(名菓)から、腕によりをかけた創作料理など、レシピ(材料、作り方)をお寄せ下さい。写真やイラストつきも大歓迎です。

 応募していただいた方の中から七人に粗品をお送りします。


【締切】平成14年12月1日必着。
【応募方法】住所・氏名・年齢・電話番号を必ず明記して日蓮宗新聞社編集部にお送りください。
【宛先】〒146−0082 東京都大田区池上7‐23‐3 日蓮宗新聞社編集部 「自慢のレシピ」係

お問い合わせは編集部(03-3755-5268 または、Eメール nichiren@t3.rim.or.jp)へ。



新企画―感謝の年賀状℃闔・自筆絵はがき募集!
一番伝えたいあの人への年賀状『感謝の手紙』を募集します。

 新企画――一番伝えたいあの人への年賀状『感謝の手紙』を募集します。文章や絵で、あなたの熱い思いを綴ってください。自筆絵はがきも受け付けます。

 なお受取人となる方の対象は自由。お世話になった方々、ご両親、よき伴侶、お子さん、お孫さん愛犬愛猫、今は亡き人へ伝えられなかった思いなどをお送りください。

【規程】文章による手紙は100字以内。絵はがきは官製はがきの大きさで(住所氏名などは絵側に書かないでください)
【締切】平成14年11月30日必着。抽選で粗品をプレゼント
【発表】入賞作品は、平成15年正月号に掲載
【応募方法】郵便番号・住所・氏名・年齢(学年)・電話番号を必ず明記して日蓮宗新聞社編集部にお送りください。
【宛先】〒146−0082 東京都大田区池上7‐23‐3 日蓮宗新聞社編集部 「年賀」係

お問い合わせは編集部(03-3755-5268 または、Eメール nichiren@t3.rim.or.jp)へ。




第15回書初め展″品募集開始!
新年にふさわしい作品をお待ちしています。

 立教開宗750年結願の平成15年(2003)。みなさんの思いを筆にこめて「第15回書初め展」の作品を仕上げてください。応募をお待ちします。

 審査は日展審査員の星弘道先生(東京都新宿区戒行寺住職)です。

【題】新年にふさわしいもの。漢字・かななどの書体は問いません。
【大きさ】タテ1b×ヨコ25a以内
【賞】最優秀賞・優秀賞・入選作品には賞状と賞品をお送りします。
【締切】平成14年11月30日必着
【発表】入賞作品は、平成15年正月号に掲載
【応募方法】郵便番号・住所・氏名・年齢(学年)・電話番号を必ず明記して日蓮宗新聞社編集部にお送りください。
【宛先】〒146−0082 東京都大田区池上7‐23‐3 日蓮宗新聞社編集部 「書初め展」係

※作品の返却は原則として行いません。
お問い合わせは編集部(03-3755-5268 または、Eメール nichiren@t3.rim.or.jp)へ。




東京千鳥ヶ淵で戦没者追善し平和を祈願
57回目の終戦記念日、蝉しぐれの中 お題目

 57回目を迎えた終戦記念日の8月15日、日蓮宗(渡邉清明宗務総長)では、東京千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「第58回忌戦没者追善並びに世界立正平和祈願法要」を営んだ。参列した僧侶檀信徒約300人は、戦災犠牲者の冥福を祈ると共に、世界平和への誓いを新たにした。

 昨年は小泉首相が就任後、8月15日の靖国神社参拝を明言したことにより賛否両論が沸騰(結果は13三日に繰り上げ参拝)、会場周辺や近くの靖国神社など緊張感が漂っていたが、ことし小泉首相は4月21日に靖国参拝を済ませ、この日は午前11時半前に墓苑に、また橋本龍太郎元首相もその1時間前に訪れ参拝したが、会場は落ち着いた雰囲気だった。

 午前9時、うちわ太鼓を打ち鳴らす東京四管区日蓮宗青年会の唱題隊を先頭に式衆、導師が入堂。導師に外山寛穂東京東部宗務所長、副導師には神蔵義一東京西部、中里勝禮東京南部、佐野詮学東京北部各宗務所長、修法導師には村上慈昌東京北部修法師会長、式衆には東京四管区の声明師会、修法師会が出仕した。
 六角堂内にお曼荼羅を掲げ、34万8千8百24体の遺骨が納められている陶棺を囲み、尊い命を落とした犠牲者へ供養を捧げた。強い日差しの中法要は進められ、外山所長が世界平和、核廃絶、人類尊重などを目指す祈願文を読み上げた後、参列者全員でお題目を唱え、焼香。墓苑内には蝉の声とお題目が響き渡った。

 法要後、日蓮宗を代表して市川智康伝道局長が「今年で58回忌を迎えました。国を思い家族を思って散華された方々のその思いが、今日の日本社会を築いていったのであります。それぞれの御霊に感謝し、供養することが残された私たちの役目です。世界平和と仏国土の建設のため、皆さんの力を貸して下さい。立正平和のために共に歩んでいきましょう」と挨拶した。

 日蓮宗の法要は昭和34年に戦没者墓苑が建てられて以来、毎年営まれ、今回で44回目。




教化学研究発表大会の発表者募集
テーマは「宗教活動の現場からの教化≠フための研究・調査・問題提起」

 日蓮宗現代宗教研究所(石川浩徳所長)は、9月27日に開催する第3回教化学研究発表大会の発表者を募集する。

 大会は東京・池上の宗務院で午前10時から行われ、内容は「宗教活動の現場からの教化≠フための研究・調査・問題提起」。発表時間は15分。

 なお、聴講希望者は8月末日までに現代宗教研究所へ。

【参加資格】日蓮宗僧侶、寺族、檀信徒。参加費は無料。
【定員】10人(申込み多数の場合は選考)【締切】8月末日
【応募方法】住所・氏名・年齢・性別・職業(僧侶は僧籍)・電話番号を明記のうえ、発表論題とその要旨を200字程度にまとめ、〒146−8544 東京都大田区池上1−32−15 日蓮宗宗務院内 現代宗教研究所(03─5700─5451)まで。




読者投稿心に残る寺院参拝&蜿W
旅の思い出を綴って下さい

 8月のお盆が終わり、ほっと一息。まだまだ暑い日が続きますが、9月は目の前です。もう秋の寺院参拝の計画を立てられましたか。目のご馳走#しい紅葉を味わいながらのお寺参拝は人生に潤いを与え、心を豊かにしてくれます。
 季節を問わず、忘れられない寺院参拝や参拝に関連した思い出をみなさまから募集します。

 菩提寺がおこなった団参でご住職や親しい顔ぶれと一緒に訪れたお寺めぐり、また、ひとりでふと訪れたお寺で住職と思いがけなく弾んだ会話、もちろん家族揃っての参拝でとんだ珍道中があったかもしれません。

 人それぞれの心に残る寺院参拝がきっとあるのではないでしょうか。贈って喜ばれたおみやげ物などの情報もお持ちしております。分量は400字程度。

また、応募していただいた方の中から抽選で粗品を進呈いたします。

【締切】10月1日
【応募方法】郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、〒146―0082 東京都大田区池上7―23―3 日蓮宗新聞社編集部「思い出の参拝係」またEメール(nichiren@t3.rim.or.jp)までお送りください。
 問い合わせは編集部(рO3―3755―5268)へ。



仏事の「ハテナ?」募ります
悩みや意外な体験談も

 日常の生活の中で「あれっ、どうして」「どうしたらいいのだろう」など、仏事関係の疑問や悩みのいくつかは誰しもが持っています。

 たとえば、お焼香のあげ方や、お数珠の持ち方というごく基本的なことも、「正式には…」となるとなかなかむずかしいのではないでしょうか。若い人には仏前結婚式のあげ方なども関心があるかもしれません。疑問や悩みを含め知りたいことについてなんでもお寄せ下さい。

 また「当たり前」と思っていたことが通用しなかったり、逆にマナー違反だと思ったことが、かえっていい印象を与えたなど、そんな体験もお寄せ下さい。お待ちしております。

【締切り】8月20日必着
【発表】9月10日号
【応募方法】郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、〒146―0082 東京都大田区池上7―23―3 日蓮宗新聞社編集部「教えて係」までお送りください。
 問い合わせは編集部(рO3―3755―5268)へ。



「佛智」と「土籠御書」

星弘道師 書2点を宗務院へ寄贈

 日展「書」の審査員で日蓮宗新聞書き初め展でもおなじみの星弘道師(東京新宿・戒行寺住職)が、7月1日東京池上の宗務院を訪れ、渡邉清明宗務総長に書2点を贈呈した。

 2点は「佛智」の大字書と日蓮聖人のご遺文「土籠御書」の行書。 星師は「佛智」の文字に、仏の智慧を感じられる世の中になるよう、またそれを若い人に伝えられたら、という思いを託したという。 

また多数ある聖人のご遺文から「土籠御書」を選んだのは「法華経を読誦する人は沢山いるが口先だけで読み、身や心で読む人が少なくなっている。心に深く法華経を信じ、読むことが大切だと感じてもらいたいから」と語った。

 土籠御書はご真蹟が遺っていないため他のご遺文から集字をし、聖人が字に込めた思いを伝えようと、聖人の字に近づくよう努めたという。「佛智」は総長室に、「土籠御書」は管長室に飾られている。

 星師は「新庁舎ができ、新たなる日蓮宗の出発となります。皆が法華経を色読し、宗祖の遺訓を胸に日蓮宗がさらなる発展をしていくよう願っています」と話した。

 『土籠御書』日蓮聖人が、龍ノ口の法難(1271年)を免れて、佐渡へ流されようという前夜に、土牢に幽閉されている弟子の日朗上人に宛てた手紙。法華経のために寒さと不自由とに闘っている日朗上人を慰め諭すために書かれた。



身延山で中央檀信徒研修道場
24人が新たな気持ちで法華経学ぶ

 それぞれの地域で檀信徒の先達になってもらうための中央檀信徒研修道場(主催・宗務院伝道部)が、5月29日から31日まで山梨県南巨摩郡身延町の檀信徒研修道場で開かれた。

 立教開宗750年の今年は27年目。今回は平成14年度の第1回目で、24人(うち女性13人)が参加した。平均年齢は67歳だった。

 3日間を通して法華経講義や書写行、法座、祖廟参拝など盛だくさんの研修が組まれ、参加者は新たな気持ちで法華経の真髄修得に努めた。

 主任講師は久住謙是師(神奈川県妙法寺住職)、講師は吉田弘信師(石川県全性寺住職)、書記は植坂泰雄師、浅川寛祥師、小林慈瑛師。

 初日は午後1時から開講式、法華経講義、ご遺文講義と続いた。

 2日目は午前5時の朝勤後、9時に久住師を先頭に奥之院に出発。お題目を唱え、声をかけあいながら、日蓮聖人が実際に歩まれた道を3時間半かけて登頂した。

 午後7時からの法座では、参加者が自由に発言できる形式で意見が交わされた。

 はじめに「信仰の道に入ったきっかけ」を参加者一人一人が発表。きっかけは異なっても、信仰を始めて人との縁や巡り合わせ、救いを感じる、というお題目への感謝の思いが多く発表された。

 「750年を迎えて次に望むこと」のテーマでは「750慶讃の大会では、僧侶が主体となり企画、運営の全てを行っていた。檀信徒が活躍する場があると、自身も参加している意識が高まって良いのでは」「むしろ檀信徒が積極的に活動し盛り上げて行くべき」との意見を受け、「研修道場の修了者が、行事等を手伝う組織をつくっては」という提案が出された。

 法座全体を通して、寺院の檀信徒に対する意識の持ち方と檀信徒側の積極性のなさが話題の中心となった。講師が僧侶檀信徒一体になることが課題だと説明した。

 第2回檀信徒研修道場は、10月26日から28日までの予定。




心の旅路お盆の思い出%轄e募集!
お盆の思い出を綴ってみませんか

 じりじりと照りつける太陽、より一層暑さに拍手をかけるセミの声。縁側でかぶりついたスイカが甘かったこと―。

 みなさんにとっての「お盆」で思い浮かべることはどんなことでしょうか。お盆はご先祖さまをお迎えする特別な時。生かされてきた私たち自身の命のありがたさを実感できる時といえるかもしれません。

 幼少の頃、過した色あせないお盆の思い出。あるいは戦時中の大変な生活の中で、ご先祖さまをお迎えし、必死の思いで子や孫へと信仰の姿を伝え奮闘されてこられた方もおられることでしょう。厳しくもあり優しくもあった父母の姿や、お墓参りに立ち寄ったお寺で住職と交わした心に残る言葉など、お盆になると、去来するみなさんの秘めた思いを教えてください。

 なお、投稿くださったみなさまの中から立教開宗750慶讃の正当を記念して抽選で、5人に「750年記念絵傳置き時計」をお送りいたします。

【字数】400字程度以下
【締切】平成14年7月10日必着
【発表】平成14年8月1日号に掲載
【応募方法】郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を明記して下さい。
【宛先】〒146−0082 東京都大田区池上7‐23‐3 日蓮宗新聞社編集部 「お盆の思い出係」または、Eメール nichiren@t3.rim.or.jpまで

お問い合わせは編集部(Eメール nichiren@t3.rim.or.jp)へ。




鎌倉開教750年慶讃宗門大法要
日蓮聖人が不惜身命で伝道の地

 日蓮聖人が初めてお題目を唱えられた地・清澄寺での立教開宗750年慶讃大法要に続き、5月16日、鎌倉で宗門主催「日蓮聖人鎌倉開教750年記念法要」が営まれた。

 鎌倉は、日蓮聖人が立教開宗宣言の後、不惜身命で法華経弘通をされた地。宗門法要の会場・妙本寺(鎌倉市大町、加藤日暉貫首)にはこの日、僧侶檀信徒450人がつめかけ、聖人に報恩感謝を捧げお題目を世に伝えていくことを誓った。

 午後2時、祖師堂前に張られたテント内の檀信徒のお題目に迎えられ、藤井日光管長猊下が昇堂、祖師堂で管長猊下を導師に法要が営まれた。管長猊下は「我等一乗の行人、異体同心の祖訓を体し、獅子王の心を取り出して、一天四海回帰妙法の大願成就の誓願を捧げ奉る」と慶讃文を読み上げられた。

 法要中、挨拶に立った渡邉清明宗務総長は「宗門あげて新しい宗門を創り、日蓮聖人のお示し下さった教えを全世界に伝えていくことに身命を賭し、信条をみなさまと共にして歩みたい」と述べ、三田村鳳治鎌倉開教慶讃会長は「大聖人の『異体同心なれば万事を成ず』のお言葉のごとく、数多くの方々のお力添えをいただき、このような法要を行うことができました。私たち慶讃会にとってこれ以上の幸せはございません」とお礼の言葉を述べた。堂内では僧侶と地元神奈川の管区檀信徒協議会長らが参列、入りきれない檀信徒はテント内に設置されたモニターを拝しての参列となった。

千葉清澄寺から鎌倉本學寺まで110`を行脚

 鎌倉開教慶讃会(神奈川三宗務所で結成)では、4月から催しを繰り広げてきた。神奈川県下の青年僧約80人は、5月7日から11日までの5日間をかけ、千葉県清澄寺から鎌倉市本覺寺までの約110`を、日蓮聖人の足跡をそのままに唱題行脚した。1日目午前9時、雨の中、青年僧15人が清澄寺を出発。小松原鏡忍寺、花房蓮華寺を経由し、太海へ。2日目は館山まで歩き、3日目、富浦を経て金谷からフェリーで久里浜に渡り、4日目は横須賀市龍本寺、大明寺を経て葉山に宿泊。最終日、一路鎌倉を目指した。鎌倉市長勝寺からは檀信徒20人が加わり鎌倉市内を歩いた。安国論寺、妙本寺を経て午後1時、55人の行脚隊が本覺寺に到着した。

修学旅行生もお祈り立正平和祈願会

 また、5月15日には本覺寺で修法師60人が出仕しての「世界立正平和祈願祭」が終日行われ、通りかかった修学旅行の小学生や女子高校生がお堂に上がり、手を合わせてご祈祷を受ける姿が絶え間なく見られた。



ラオス学校建設スタディー・ツアー℃Q加者募集
労働奉仕の学習ツアー

 ラオスの小学校建設現場で労働奉仕をして視野を広げ、心の豊かさや社会にどう役立つのかを考えてもらおうという『ラオス学校建設スタディー・ツアー』の参加者をNGOのBAC(仏教救援センター)が募集している。(詳細は下記)

 これまでにもラオスへのスタディーツアーは行われていたが、今回は立教開宗750年慶讃を記念し、日蓮宗の僧侶檀信徒に限って募集する。

 現場はビエンチャン市内で、ラオス教育省、同仏教連盟の協力のもと、名古屋市情妙寺が全額寄贈した「未来小学校」の作業を手伝う。ラオスの仏教会訪問やビエンチャン、タイ・バンコクの市内観光も予定されている。日本からBACスタッフが同行する。

 BACでは、「学校建設に労働参加し、村人とふれあいや大自然の中での生活を通して、心の豊かさとは何かを考えて欲しい。また、未来を切り開く青年たちに、日本を外から見つめ、未来への道筋を考えてもらいたい」としている。

 参加希望者は、所定の参加申込書をBACに申請、記入の上、A4判1枚程度の「仏教の未来」と題する小論文を提出する。

【期間】8月24日〜9月7日(17日間)
【参加資格】日蓮宗僧侶、沙彌、寺庭婦人、檀信徒の18歳から30歳までの男女
【募集人数】約15人   【参加費用】約16万円
【締切】六月末
【申し込み・お問い合わせ先】BAC(仏教救済センター)事務局 054−272−5674  FAX054−652−1982



第14回絵画コンクール″品募集開始!
テーマは『宝もの』作品募集

 日蓮宗新聞では第14回絵画コンクールの作品を募集します。今年のテーマは、子どもの部・大人の部(高校生以上)ともに『宝もの』です。

 みなさんの『宝もの』とは何でしょうか。この世に生を授けてくださった両親であったり、いつも支えてくれる親友(ペットなど)であったり、または思い出の一場面かもしれません。燃えいずる山々や大いなる自然の姿に勇気づけられることもあるでしょう。あなたに生きる力を与えてくれる『宝もの』に感謝の心を込めて、自由に描いてください。みなさんの個性あふれる作品をお待ちしております。なお、画材は自由です。

【テーマ】『宝もの』   【大きさ】A2(縦60cm×横40cm)以下
【賞】最優秀賞・優秀賞・入選作品には賞状と賞品を差し上げます。
【締切】平成14年9月1日必着
【発表】入賞作品は、平成14年10月1日号に掲載
【応募方法】作品に郵便番号・住所・氏名・年齢(学年)・電話番号を必ず明記して下さい。
【宛先】〒146−0082 東京都大田区池上7‐23‐3 日蓮宗新聞社編集部 「絵の係」

お問い合わせは編集部(Eメール nichiren@t3.rim.or.jp)へ。




家庭、地域の精霊だなを教えてください
「わが家、わが地域のお盆のお飾り(精霊だな)は…」

 ご先祖へのご供養として家庭で、地域で、大切にうけつがれてきた伝統・精霊だなも時代の流れにおされ失われつつあります。

 日蓮宗新聞社では伝統にはぐくまれ真心のこもったご先祖供養を多くの人に知ってもらうため、精霊だなの飾り方を募集します。

手書きのイラスト、文章での説明、写真などなんでも結構です。また、
@現在も伝承されて「いる」のか「いた」のか、その地域名
A材料と飾り付けの方法(できるだけ詳しく)
B飾りが持つ意味
など説明を加えてください。

 情報をくださった方の中から5人(多い場合は抽選)に額絵「日蓮聖人の旭が森立教開宗」をお送りいたします。
【締切】平成14年6月10日必着
【応募方法】飾り方に郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を必ず明記して下さい。
【宛先】〒146−0082 東京都大田区池上7‐23‐3 日蓮宗新聞社編集部 「精霊だな係」、または、Eメールnichiren@t3.rim.or.jp





立教開宗七五○年 4月28日
〜この結縁を永遠に〜

全国の寺院・家庭で誓願の灯

 平成14年4月28日。「お題目」が誕生してまさに750年。空は青く、全国的にさわやかな晴天に恵まれた。
 日蓮聖人お題目始唱の聖地、千葉県清澄寺では前日の27日から28日の2日間、宗門法要が厳かに営まれ、全国74管区からの僧侶檀信徒代表者約1000人が集結した。

 特に28日午前8時からの宗門法要に合わせ、全国各地の寺院、家庭で「誓願の灯」の赤いローソクを灯し、それぞれの「立教開宗750年慶讃」法会が営まれた。

 また29日には清澄寺主催で檀信徒中心の「清澄寺大法要」が営まれ、檀信徒約3000人が参加した。

 28日の宗門法要には、日蓮聖人門下連合会加盟の法華宗陣門流、日本山妙法寺からの代表も参加し、共に慶事を祝った。

 お題目を信仰しご正当に出遇えた悦びを分かち合うと共に、これからは日蓮聖人のみ教えを子や孫に、さらに未信徒に伝え、広めること。その誓願を心に、立教開宗750年は果てしない未来への新たな始まりになる。

日蓮聖人お題目始唱の地―清澄寺で宗門法要

 清澄寺(奥邨日鳳別当)での宗門主催立教開宗七百五十年慶讃大法要は27日から28日にかけ3会に分けて営まれ、全国の僧侶500人、檀信徒400人が参加した。

 27日午後3時前、バスで到着した参加者はそれぞれ境内にある、日蓮聖人の師僧・道善御房墓所で法味を言上、これを1会の始まりとし、午後3時からは摩尼殿へ場所を移し「道善御房、両親の妙日・妙蓮、兄弟子の浄顕房、義浄房への報恩法要」と「虚空蔵菩薩祈願法要」が渡邉清明宗務総長導師で営まれた。檀信徒と行脚隊は祖師堂と摩尼殿の前に特別に設置された会場に集い、モニターに映し出された法要を拝して参列した。

 第1会の後、研修会館で久住謙是全国布教師会連合会会長(横浜市妙法寺住職)が『いのちを継ぐ発起衆たれ』と題して法話し、「いのちの法華経を継ぐ志をもち、一人でも多くの人にお題目を唱え伝えていくことが報恩であり、日蓮聖人の誓願を継ぐことです。ご正当に巡り会えた喜びをかみしめ、日蓮聖人の志に生きていきましょう」と諭した。

 第2会は翌28日の暁天法要。参加者で埋め尽くされた旭が森で、銅像に向かって法味言上した後、かじかむ手を合わせお題目を唱えて昇り来る日輪を待った。暗闇に光を射す日輪が顔を出すと、お題目の声は一層強くなり、感激のあまり涙する檀信徒の姿が見られた。

 第3会「御書礼講法会」は祖師堂で午後8時から藤井日光日蓮宗管長を導師に営まれた。うちわ太鼓とお題目を染め抜いた紫色ののぼりを手に唱題する青年僧約50人の後に、修法師約50人、声明師約50人と続いて会場後方から入場。声明師の色とりどりの散華が華やかに舞った。管長猊下は「一天四海皆帰妙法本願をば成就し給わんことを」と表白文を読み上げられた。浅学の僧の質問に対し学徳兼備の高僧が御書を講讃する「御書礼講法会」、千葉県4管区合同の千葉県和讃振興会50人が和讃を奉納した。

 最後に渡邉総長が「各地で一人一人が社会の柱となり眼目となり大船となれるよう、大聖人に続いて、わたしたちがいただいたこの命を捧げたいと存じます。心を新たに、お題目の生活をお暮らし下さい」と挨拶した。

 高松市の南原不二雄さん(69)は、「先祖の遺徳。立教開宗800年の時は子孫が参列できるように信仰を伝えていきたい」。北海道の島崎光一さんは「赤いローソクが火を灯してだんだん短くなっていくのを見て、世の中を明るくするために自身の身を削った日蓮聖人のことが思い浮かびました」と目に涙を浮かべて語っていた。

檀信徒3000人、散華140万枚―清澄寺大法要

 宗門法要に続いて29日、第七五〇回正当立教開宗会・清澄寺大法要が3000人を超える檀信徒中心に営まれた。

 未明、旭が森での暁天法要後、午前10時半から奥邨別当を導師に祖師堂前に設置された会場で法要が営まれた。唱題行の中、境内に参集していた檀信徒約3000人は、旭が森や蔵王権現など8ヵ所から色とりどりの散華を境内全域にまきながら祖師堂前・本堂に向かって練り歩いた。檀信徒は自分のまいた散華を見上げ目を輝かせ、美しく華やかで大規模な散華を体でうけながらにこやかに行道した。散華の総数140万枚。歩く檀信徒と舞う散華、響き渡る唱題によって清澄寺境内は幻想的な空間となり、鮮やかに色づいた。

 会場ではコーラス・和讃と法要が進み、奥邨別当が記念品として本願人にご本尊、沙弥に経本を授与。また、日蓮聖人の誓願劇が行われ、その中で渡辺玄浩師が青年僧を代表して誓いを立てた。

 赤羽浩教関東教区長は「法華経の本質は慈悲の心です。日蓮聖人は慈悲の実践行であるお題目を我々に授けて下さいました。そのお題目を一人でも多くの方が唱え、伝え、お題目の輪が広がっていくことを願います」と祝辞。奥邨別当は、僧侶檀信徒に対し「皆さんのおかげで法要が無事行われました。大聖人の異体同心がかなったものと言え、大聖人もご満悦であると思います。この法要で終わりではなく、これからが出発です。今日からもお題目を広めていきましょう」と謝辞を述べた。

 前日の28日夜は研修道場で、権藤泰隆師(東京・釋迦本寺住職)による唱題修行が行われ、道場から溢れ出る程の檀信徒が参加。照明をおとし暗くなった会場で心を静め一心にお題目を唱えた。


春4月――宗門機構衣がえ

第2次「渡邉内局」スタート

 「立正安国の教えを根底に据えた伝道宗門作りをめざし、立教開宗七百五十年を宗門新生の第一歩とする」宗門の新しい機構が4月1日スタート、これに伴い渡邉清明宗務総長の第2次内局が新しい顔ぶれを加え発足した。2局4部1室を柱とする新機構の中で、新しく設けられた伝道局の局長には市川智康師(東京都大田区妙安寺住職)、総務局長には小松浄慎師(山梨県武井坊住職)が就任、立教開宗750年のご正当を迎え、立教開宗七百五十年慶讃会事務局長は田澤元泰師(千葉県妙弘寺住職)が再任された。

 新しい宗務役員の認証式は4月2日、東京・池上の新築なった宗務院で行われ、渡邉宗務総長から就任辞令が手渡され、退任する旧役員には免辞令が渡された。

 そのあと、渡邉総長は「これからが新しい日蓮宗の出発。魂の入った日蓮宗にしていきたい」と述べた。
 新内局が身延山久遠寺祖廟で日蓮聖人に奉告する「祖山就任奉告式」は5日に行われた。

 なお、参与の堀江宏正師(島根県大田市法蔵寺住職)、浅井玄裕師(神奈川市本山本興寺貫首)は再任された。

 ―渡邉新内局の顔ぶれは次の通り―

伝道局長=市川智康師
(東京都大田区妙安寺住職)東京池上本門寺学頭、元日蓮宗新聞論説委員、67歳

伝道部長=田端義宏師
(青森県西津軽郡永昌寺住職)第38区岩手秋田青森宗会議員(新成会)61歳、前護法伝道部長(旧体制下)

教務部長=及川周介師
(東京都新宿区常圓寺住職)元立正大学学園常任理事、57歳

総務局長=小松浄慎師
(山梨県南巨摩郡武井坊住職)第14区山梨1部宗会議員(正法クラブ) 54歳、元庶務部長

総務部長=曲山海弘
(福島県会津若松市大法寺)第37区福島宮城山形宗会議員(同心会)58歳

財務部長=中條令紹師
(福井市大法寺住職)第24区福井中南北部宗会議員(同心会)65歳、元国際開教室長

宗務総長室長=篠原智高師
(東京都豊島区慈眼寺住職)前日蓮宗宗務院綜合企画部長、元宗会議員、56歳

立教開宗七百五十年慶讃会事務局長=田澤元泰師
(千葉県茂原市妙弘寺住職)第9区千葉西部宗会議員(同心会) 53歳

日蓮宗現代宗教研究所=石川浩徳師
(千葉県市原市本念寺住職)再任。元宗会議員、元護法伝道部長(旧体制下)66歳

日蓮宗新聞社社長=西嶋宏明師
(広島県呉市法華寺住職)第31区広島山口(正法クラブ) 68歳


立教開宗750年――お題目、大法輪の新たな出発
全国で『誓願の灯』を

 世界の平和を祈り、人びとの幸せを願って唱える南無妙法蓮華経。篤く法華経を信じた宮沢賢治は「世界ぜんたいが幸福にならない中は個人の幸福はあり得ない」と言い切った。一人ひとりが地涌の菩薩 として法華経を信じ、多くの人に広め、いつまでも後世に伝えてゆくこと―立教開宗750年は伝道の、新しい一つの始まり。

 立教開宗750年のご正当、4月28日には日蓮聖人が出家・得度され、お題目始唱の霊跡・清澄寺をはじめ全国の寺院・教会・結社で午前8時から一斉に「慶讃大法要」が営まれ、特注の赤いローソクを「誓願の灯」として灯し、お題目が唱えられる。

◆赤いローソク

 日本中がお題目の力で包まれるように―各寺院・教会・結社・檀信徒の家庭で赤いローソク「誓願の灯」を灯し、お題目を力強く唱えて、この慶事を祝ってもらおうと立教開宗七百五十年慶讃会実行委員会で企画した。

 現在、日蓮宗宗務院「立教開宗七百五十年慶讃会事務局」へ申し込んだ各寺院に無料配布されている。詳しくは菩提寺にお尋ねください。

清澄寺での宗門法要

4月27日
   午後3時 道善御坊の墓参法要。摩尼殿で妙日妙蓮(宗祖ご両親)、浄
          顕義浄(宗祖兄弟弟子)報恩法要、虚空蔵菩薩平和祈願法要。
4月28日
   午前4時 旭が森で暁天法要
   午前8時 祖師堂で慶讃大法要

※参列は会場の関係から僧侶200人(来賓及び各管区宗務所長と他1人)、檀信徒400人(各管区5人程度、もしくは各教区40人)に限られます。


「平成14年写真コンテスト」作品募集

テーマは『私たちの信仰』

 「平成14年写真コンテスト」の作品を募集します。テーマは今回も『私たちの信仰』です。

 今年は日蓮聖人が旭が森で初めてお題目を唱えられてからちょうど七百五十年。各地のお寺でお祝いの法要が計画されていますが、日常生活や何げない行動の中にも、私たちは信仰の喜びを感じることができます。その一瞬、一場面が写真を見る者に伝わるよう思いを込めて撮って下さい。

 未発表であれば最新作でなくても結構です。

 審査は平成5年度「日本写真家協会展金賞」など数々の入賞歴を持つ京都・頂妙寺貫首の永田恵遠先生が当たります。

募集要項

【テーマ】私たちの信仰              【大きさ】2Lから4つ切りまで
【賞】特選、準特選、入選、準入選など。入賞者には賞状と賞品を差し上げます。
【締切り】平成14年5月31日必着    【発表】平成14年7月1日号に掲載
【応募方法】写真の簡単な説明と郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を必ず明記して下さい。
【宛先】〒146-0082 東京都大田区池上7−23−3 日蓮宗新聞社編集部 「写真係」

お問い合わせは編集部(03−3755−5268)へ。




4月から紙面が変わります
カラー、月2回に拡大、新企画続々と登場

 立教開宗750年を迎え、読者のみなさまの信仰がいっそう深められるように、また未信徒の人もお釈迦さま、日蓮宗の教えに親しみながら、自然と学ぶことができるように、新しく連載を始めます。また、元気に毎日を過ごすため健康な心身を維持するのに役立つ健康情報も取り上げていきます。

 さらに、これまで月1回だったカラー紙面を原則として1日号と10日号の2回に拡大します
 
 まず、1日号は、さいあいこさん(東京在住)による「ソウルバードの引き出し」(4面)が始まります。だれしものこころの中に住んでいるという鳥、ソウルバードが私たちに課題を出す6つの物語です(6回連載)。さし絵は、中高生、大人が思い思いに描いた、引き出しを持つソウルバードです。

 また、同じ4面に本紙編集委員の藤井照源師(京都市左京区妙雲院住職)「法華IN伝統文化」を執筆します。僧侶になるまでは舞台役者の修行をしていた藤井師が歌舞伎や能をはじめとした伝統芸能に描かれた日蓮聖人や法華文化について解説します。これに伴い「海外短信」は2面に移します。
 1面をカラーで飾り、好評の本山貫首さまの「一句芳談」はこれまで通りですが、 次の4月1日号は立教開宗750年に当たり、いついつまでもの信仰の継続を願っ て次代を担う子どもの写真を掲載します。

 10日号1面に、中村潤一師(北九州市小倉真浄寺住職)の「お題目ランド」が始まります。60回にわたり掲載した「ご遺文に照らす現代」では日蓮聖人の教えをわかりやすく具体的につづって中村ファン≠増やした師が今回は私たち日蓮宗徒が日ごろから知っておくべきこと、行うことなど「信行必携U―日蓮宗のおしえ」(編集・日蓮宗、平成13年度8月発行)にそって解説します。お釈迦さま、日蓮聖人のご生涯からお題目のひみつまで、日蓮宗に関することをわかりやすく解き明かしてくれます。さし絵は「ご遺文を照らす現代」でもコンビを組んだ勝博茂氏が担当します。カラーのさし絵がみなさまの目を十分楽しませてくれるでしょう。

 4面には文化欄として、1日号2面に掲載していた「法華俳壇」を移します。音楽CDの紹介をクラシック専門誌でコラムを担当していた三好一行師(兵庫県赤穂市高光寺住職)が当たります。

 20日号1面は従来の「金曜講話」に加え、3面に掲載していた「お題目に生きる」が登場します。檀信徒の信仰体験をスペースを広げた中で掘り下げ、みなさまの信仰にも役立たせていただき、合わせて共感の輪を未信徒の方にも広げていきたいと願っております。

 長寿の大国%本で健康問題への関心は高まる一方ですが、お年寄りから幼児まで、医師からのアドバイスを紹介します。大人の健康相談は東海大学医学部教授の岡崎勲先生、お子さんの健康、子育て相談は産業医科大学名誉教授の山岸稔先生が答えてくださいます。相談内容も募集しますので、日蓮宗新聞社編集部までお寄せください。

 日蓮宗新聞はみなさまのご意見、ご要望を反映し、今後も紙面内容を充実したいと考えております。5月からも新企画を予定しております。みなさまの声をお待ちしております。


喜びの荒行“成満”
中山法華経寺、遠寿院合わせ加行僧116人

 日蓮宗加行所(大荒行堂)の加行僧は法華経寺106人、遠寿院10人の合わせて116人。法華経寺の開門は午前6時、遠寿院は6時半。清浄衣はすり切れ、頭髪や髭が伸びた加行僧たちが、しわがれた声を振り絞るように力強くお題目を唱え姿を現した。

 「おつかれさま!」「おかえり!」──出迎えの家族や檀信徒から声が飛ぶ。加行僧のお題目に合わせ、家族や檀信徒のうちわ太鼓は力がこもり、お題目を唱える声も一層大きくなる。中には、合掌し深々と頭を下げたり、涙を抑えながら加行僧に話しかける姿もあった。

 法華経寺加行僧はその後、奥の院、常修殿など諸堂を参拝、遠寿院の加行僧は日久上人御廟所を参拝した。

 午前8時、祖師堂で成満会が行われた。加行所伝主代行・廣野観順法華経寺代務住職を導師に、全加行僧による読経と修法の後、廣野伝主代行から各行の代表者に許証、久富諦順伝師から全堂代表・副代表、各行代表・副代表、全堂木鉦師に感賞状が授与された。

 引き続き、渡邉清明宗務総長から修法師辞令が初行64人に、修法師範允許が参籠の能勢頼昭師(東京都妙見山別院住職)、阿部是秀師(岩手県法華寺住職)、山本信行師(大阪府法性寺住職)に、伝師相承允許が5行の伊藤守温師(愛知県本覚寺住職)、藤本胤尚師(青森県延壽寺修徒)、松本慈恵師(東京都法華結社教導)、前田海意師(埼玉県妙林寺住職)、山口法博師(大阪府涌泉寺住職)に授与された。

 続いて渡邉総長が、加行僧にお祝いと労いの言葉をかけた後「今年は立教開宗750年のご正当です。この年にみなさまが行堂をでられましたことは、まことに仏縁篤く大聖人の思し召しにも大いにかなうところと存じます。檀信徒、そしてすべての人間の願いである現世安穏、後生善処≠この行堂で身につけられました法力と教化力をもってかなえていただきたい」と延べ、久富伝師が「入行の時にお預かりした命、名誉、財産、本日ただ今をもってお返しします」と挨拶した。

 来賓の堀龍雄修法審議会副委員長、林海雄全国修法師会連合会会長、渡辺照敏地元宗会議員が祝辞を述べ、謝辞として法華経寺代表の伊藤守温師と遠寿院代表の増田幸静師が、一天四海皆帰妙法、広宣流布のために精進することを誓った。 最後に加行僧全員で、参拝者への大衆法楽加持を行った。



檀信徒青年会管区代表者会議で熱論

 管区の代表が集まって情報交換を通し交流を深め、全国的な活動を話し合おうという「平成13年度全国檀信徒青年会管区代表者会議」(日蓮宗護法伝道部主催)が1月26日、東京・大田区の朗峰会館で開かれ、20管区を代表して全国から40人(うち女性3人)が参加した。

 今回で3回目で各寺院の檀信徒青年会の会長・会員らの参加者数は第1回目の平成11年から年々増加、来賓として全国檀信徒協議会からも代表が出席した。

 分散会では、参加者がそれぞれの青年会活動について説明、情報を交換し、抱えている問題点への対策などを熱心に話し合った。主催者に対し「毎回内容が同じ」「具体的な目標、行動が必要」という声も聞かれた。

 午後1時、田端義宏護法伝道部長を導師に法味言上の後、来賓の全国日蓮宗檀信徒協議会副会長の江守幹男氏が「ここ数年、全国檀信徒協議会の総会では、他教団に比べ日蓮宗では若者の意欲が欠けており、若い人が少ないことが指摘されている。全国5000ヵ寺のうち青年会として正式に登録されているのはわずか26ヵ寺。我々として宗門として、これでいいのだろうか。宗門の若い人に対する働きかけが怠慢」と指摘。また、江守氏自身が40年間福井立正青年会の会長として組織してきた経験を話し「若者を呼び込むには全国の横の連携が必要。この会議で、お互いに青年会の活動を紹介し、一緒にできることはないか、なぜマンネリになってしまうのか話し合って、青年会をどんどん増やしていってほしい」と結んだ。

 青少年教化対策委員、浜島典彦師(東京都修性院住職)の記念講話に続いて田端部長が会議の趣旨説明と、寺院数や管区、教区、行政機関や立法機関など日蓮宗のしくみと現状を詳しく紹介した。

 その後の質疑応答では、「少しでも交通の便のいいところで会議を開いて欲しい」「管区から2人という人数制限を緩和すればもっと参加者の輪が広がるのでは」との意見が出た。

 田端部長が「やはり全国からの参加者のことを考えると、便宜上宗務院がいいのでは」「旅費を支給したいが、現状では予算が少ないためできない。各地の檀信協に負担をお願いしているがなかなか難しい状態」「2名程度としているが制限はしていない。どんどん参加してほしい」と答えた。また、

 引き続き、青少年教化対策委員を座長に、参加者が6つに分かれ分散会が行われた。参加者は青年会の会報や、会則、年間活動予定表、自分のEメールアドレスなどを記した印刷物を、あらかじめ用意して配るなど積極的に情報交換する姿が目立った。

 問題点としては、青年会員の高齢化、固定化、会員数と行事への参加者の減少、行事のマンネリ化がどの分散会でも共通してあげられ、会員数減少に対しては「信仰、信仰≠ニばかり口にするのではなく、楽しみを加えながら」。また「年代間の隔たりを感じる」という点には「年代別に得意分野での役割分担をつくり、お互いを信じて任せることも大切」などのアドバイスが出された。




立教開宗750年の鏡開き
宗務院「御用始めの儀」

 立教開宗750年ご正当を迎えた平成14年の「御用始めの儀」が1月10日、日蓮宗管長・藤井日光身延山法主猊下を迎え、東京・池上の本門寺と朗峰会館で行われ、渡邉清明宗務総長をはじめ内局各部長、全国から本山貫首、宗会議員、宗務所長ら約200人が参列した。

 午前11時、本門寺本殿で藤井管長猊下を導師にお経を読み、お題目を唱えた。最後に藤井管長猊下が勧請文と祈願文を奉読。

僧侶檀信徒と共に不惜身命の経意を体し、異体同心の祖訓を奉じて、宗門と寺院・結社・教会の興隆隆昌、寺檀和融、さらに宗内役職員が精励精進し、宗勢・宗務の充実と宗風宣揚、以てお題目総弘通運動を世界にあまねく流布し、立教開宗750年慶讃事業を円成することを祈願した。

 法要後、正午から朗峰会館で賀詞交歓会が行われた。はじめに藤井管長猊下が「七五○の盛儀は私たちの誓願表明と、全世界に対する立教開宗≠フ盛典であらねばなりません。本年を契機に、法華の大灯明をかかげ、濁世の暗闇に歩み出すべく、新世紀弘通の初年として頂きたく心から願う」と挨拶。

続いて渡邉総長が「昨年は憎悪が憎悪を生み、不安が不安を増大し、多くの人々が不安と苦しみと絶望の淵に立たされた年でした。宗祖日蓮大聖人が鎌倉時代牛馬巷に倒れ、骸骨道に満てり≠ニ指摘された状況とまったく同じです。日蓮聖人は苦しみが充満する世界をお与え下さったのです。今年は立教開宗750年のご正当年ですが、私ども日蓮宗徒にとって試練の年であり、私どもに与えられた使命の重大さを自覚するように求められたものと考えるべきであろうと思います」と述べ、さらに4月1日から実施される機構改革について触れ「新しい形と新しい心をもって精進して参りたい」と抱負を述べた。

 その後、渡邉総長、井村大祐宗会議長、廣野観順第2部審査会長が、参加者の「ヨイショ!」の声に合わせて鏡開きを行い、井村議長の音頭で乾杯し、歓談に移った。



仏讃歌の興隆へ全国組織
仏讃会
指導者養成や新曲作成も
まず各地の状況把握


 仏教讃歌を行っている団体が共に語り合い協力しあって仏教讃歌の一層の興隆を図ろうと、宗門内で初の全国組織「日蓮宗全国仏教讃歌振興団体連絡協議会(仏讃会)」が昨年12月19日、発足した。初代の会長に設立発起人の村上佼正師(千葉県長善寺住職)、副会長に石井隆康師(東京都立源寺住職)が就任した。

 この仏讃会は、数年前から仏讃歌の振興にむけた全国的な組織設立を目指してきた護法伝道部を中心に、さまざまな立場で仏讃歌の振興普及に携わっている石井隆康師、田島辨正師(埼玉県圓受院住職)、宮沢順教師(新潟県妙興寺住職)、村上佼正師の4人が発起人となって検討を重ね、設立に至った。

 19日、東京・池上の朗峰会館で行われた設立総会には全国から15管区19団体の代表者や事務局、幹事ら23人が出席した。

 会議では、はじめに田端義宏護法伝道部長が今回の仏讃会設立への経緯を述べ「信仰の歌を歌う者同士、声と共に心も合わせて仏讃歌の輪を全国に広げていきましょう」と挨拶した。

 その後、宮沢師を議長に進行。田島師が設立への詳しい経緯を説明し「現段階では各地のさまざまな団体がまだ十分把握し切れていない状況だが、組織した上で把握し普及に努めていく」と述べ、「日蓮宗全国仏教讃歌振興団体連絡協議会」設立が満場一致で決まった。

 続いて規約について協議され、「仏教讃歌の興隆を通して、四海帰妙の祖願達成に努める」を目的とすること、役員として委員には「各団体を代表する教師(僧侶)、または寺庭婦人」をあて、会長、副会長、常任委員(若干名)を委員の中から互選し、監事(2人)を委員会で選出すること、任期は4年、毎年1回定期総会を開催すること等が採択された。

 また、仏讃会としての事業は行わず、今後は連絡協議会として全国の状況を把握し、仏教讃歌の発掘と確認、指導者の養成と派遣、新曲の作成など資料の作成や情報提供に務める。



青年僧の主張コンクール
最優秀賞に延本妙泉師

 日蓮宗護法伝道部(田端義宏部長)主催の「平成13年度 第9回青年僧の主張コンクール」が『若者と信仰』をテーマに12月7日、東京・池上の朗峰会館で開かれた。檀信徒ら聴衆約120人を前に、女性2人を含む青年僧10人が登壇し、熱弁をふるった。

最優秀賞は「祖母からのプレゼント」を発表した延本妙泉師(福岡県妙法寺修徒)が受賞した。

 開会に先立ち、釈尊成道会が加賀美泰全宗務副総長導師のもと営まれた。ご宝前には日本画家・勝博茂師=福岡県真浄寺(中村潤一住職)檀徒=がこの日のために描いた「釈尊成道会図」の掛け軸が掲げられた。

 開会式では、加賀美副総長と田端部長が挨拶に立ち、この中で田端部長は「上手下手だけなく、その中に込められた意思・情熱をお汲み取り下さい」と聴衆に呼びかけた。

 青年僧らはくじ順に、7分間の制限時間の中で、同世代の若者に伝えたいことや、僧侶としての未来への誓願を、生き生きと主張した。

 最優秀賞の延本師のほか優良賞・月例講話賞に「妙輝」の阿部和正師(山梨県正法寺修徒)、佳良賞に「ラオスでの決意」の小埜栄輝師(岡山県妙林寺修徒)が選ばれた。

 閉会式では、田端部長から入賞者に賞状とメダル、副賞が贈られた。

 最優秀賞の延本師は「自分の今を伝えられたらと思いましたが、思いがけずこのような賞を頂き、深く感謝しています」と語った。

 なお、審査には田端護法伝道部長(審査委員長)、全国布教師連合会代表の植坂行雄師、お題目総弘通委員の村瀬章遠師と柴田寛彦師、全国日蓮宗青年会委員長の伊藤順正師、寺庭婦人代表の野澤秀江さんがあたった。また、聴衆も、最も感動した発表者に投票して「月例講話賞」を選ぶ形で審査に加わった。

 入賞者以外の発表者は次の通り。(発表順)
 「信仰心の気付き」宮本観靖師(大阪府真如寺修徒)▽「感動を得ること、伝えること」宇都宮恵禎師(神奈川県妙傳寺修徒)▽「若者は求めている!」室伏見真師(北海道法華寺修徒)▽「信仰に生きる」成田晴宗師(北海道妙照寺修徒)▽「心の架け橋として」坂井智洋師(長崎県立正寺修徒)▽「本当に大切なことは…!」小林慈瑛師(神奈川県妙海寺修徒)



岩間日勇上人本葬儀
四門三匝、歴代廟へ─身延山久遠寺

 9月17日に遷化された、身延山久遠寺前法主(第90世)で日蓮宗元管長(第46、47代)の岩間日勇(智行院日勇)上人の本葬儀が11月29日、山梨県身延町の久遠寺本堂で、全国から参列した僧侶・檀信徒約1600人が見守る中、しめやかに行われた。

 来賓の渡邉清明日蓮宗宗務総長、全日本仏教会事務総長・西村輝成師、比叡山延暦寺副執行・教化部長の小堀光實師ら各宗派の代表者や日蓮宗大本山、本山の貫首らがご宝前に向かって左側に臨席。右側には、喪主の伊藤通明身延山総務、子息の岩間湛正師(山梨県昌福寺住職)ら遺弟遺族が麻の清浄衣で参席した。

 法要は午後1時から、日蓮宗管長・身延山久遠寺法主・藤井日光猊下を導師、貴家是勝師(身延山・北之坊住職)、樋口是澄師(覚林坊住職)、望月海淑師(樋澤坊住職)、町田是正師(延寿坊住職)を副導師、身延山支院を式衆に営まれた。

 雅楽が奏でられる中、式衆が入堂。藤井猊下がご宝前に進み焼香し、歎徳文を読み上げ、日勇上人の徳行を讃えた。続いて伊藤総務、渡邉宗務総長、岩間師が焼香し、遺影を前に静かに合掌。読経が続く中、各仏教界の代表、宗門関係者らが次々に焼香。本堂いっぱいの参列者や本堂に入りきれず、境内で参列したすべての人が日勇上人を偲んで香を手向けた。

 その後、渡邉宗務総長、身延山参与・伊藤勝淳師(東京都浄心寺住職)と全国の檀信徒代表、身延山参与・堀内光雄衆議院議員(自由民主党総務会長)が弔辞を述べ(秋山章檀信徒総代が代読)、全日本仏教会会長・大谷暢顯師、自由民主党総裁・小泉純一郎氏らからの弔電が読み上げられた。

 続いて、遺骨が伊藤総務から昌福寺・岩間師に分骨された。

 伊藤総務が挨拶に立ち、命日・9月17日の日勇上人を振り返り、その徳行多いご生涯を回顧しながら「おそらく日勇上人は今日も、あの温顔に満面笑みを称えられみなさん、長い間お世話になりました。どうもありがとうございました。身延山のことはぜひ法主さまを中心としてよろしくお願いしますよ=iとおっしゃっていることでしょう)あの温顔が彷彿として眼に浮かんでくる思いでございます」と語り、参列者に心からの感謝の意を述べた。

 この後2時50分から久遠寺境内で「四門三匝之儀」が営まれた。境内にあふれた参列者がお題目を唱えて見守る中、遺弟遺族がそれぞれにお供物や仏具を、伊藤総務が位牌を手にし、その後を遺骨の祀られた御輿と続いた葬列が、四門を3回、ゆっくりと静かに匝った。伊藤総務を導師に法味言上がなされると、葬列は歴代廟へと向かった。岩間師らの手によって、遺骨が丁重に埋葬されると、一人ひとり焼香をし、改めて日勇上人の冥福を祈った。


 四門三匝 四方に設けられた四つの門(東・発心門、南・修行門、西・菩提門、北・涅槃門)を右匝に3回まわる儀式で、釈尊が涅槃に入られた後の荼毘所が城内だったという故事に由来し、城の四門に擬して設けるようになった。右に三匝することは、葬送する死者が身口意三業に釈尊の如く、順次修行の段階をつんで成仏するようにという意味。



国際協力「アジアンフェスタ」
アフガン難民へ街頭募金も─東京・新宿で

 一人ひとりが世界の平和を願い、国際協力への一歩を踏み出してほしい──と日蓮宗宗務院(渡邉清明宗務総長)は日本ユニセフ協会の後援で11月28日、東京・新宿区常圓寺(及川周介住職)で「アジアンフェスタ2001 メコンを渡る〜国際協力への道〜」を開いた。旅行会社5社と6団体が協賛、東京都4管区宗務所、東京国際学園高等部(東京・渋谷区)、新宿常圓寺が協力した。また、JR新宿駅西口周辺で午前10時から2時間、アフガン難民救援街頭募金を行った。
 常圓寺では午前11時半、「フェスタ」開会式。田端義宏護法伝道部長が「21世紀は心、精神、宗教の時代といわれますが、9月には同時多発テロが起こりました。仏さまの子である私たちは、国の違い、肌の違いを越えて、お互いを認め合い慰め合うことが必要です」と挨拶。

その後、常圓寺内に設けられた「イベントホール」で文化交流会やラオスの在日留学生、タイの舞踊家による民俗舞踊などを行った。

 「文化交流会」は柴田寛彦師をコーディネーターに、日本の高校生や民俗舞踊を教えている在日タイ人、ラオスからの留学生、日蓮宗布教研修所研修生がパネラーになり、お互いの文化や考え方の違いについて話し合った。

 また、これまでラオスに小学校2校を寄贈している東京国際学園高等部の生徒有志でつくるボランティアグループ「笑顔がラオス」の8人が、活動状況について代わる代わるパネルや模造紙を使いながら発表した。

 境内では、東京の4宗務所や協賛団体が間仕切りをしてそれぞれの活動を紹介したり、アジア諸国の織物や衣類、民芸品を販売。宗務院はアフガン難民支援のためのチャリティーバザーを行った。タイ料理店の出店も人気を集めた。

 街頭募金は垣本庶務部長はじめ東京4管区の僧侶、日蓮宗布教研修所の研修生、谷中学寮生、宗務職員約70人が参加。2時間で5万8百64円、終了後や事前に寄せられた分を合わせて10万4千8百79円に。さらにチャリティーバザー収益金2万8千円、境内の宗務院募金箱5万4百21円、合計18万3千3百円となり、ユニセフを通しアフガン難民救援基金に贈られる。

 閉会式の前にはバンコク行き航空券がもらえるクイズ大会も開かれ、アジア諸国に関する○×クイズに多くの人が一喜一憂した。

 協賛の企業と団体 大陸旅遊、JTB、日本旅行、東急観光、近畿日本ツーリスト▽BAC仏教救援センター、アーユス仏教国際協力ネットワーク、ブリッジ エーシア ジャパン、幼い難民を考える会、ラオス政府観光局、AIM国際ボランティアを育てる会



立教開宗750年 「わたしの一大決心」
投稿募集 正月紙面に掲載


 いよいよ立教開宗750年慶讃の年を迎えます。日蓮聖人は、法華経を広めるには多くの苦難に遭うことを知りながらも、真実の教えを私たちに伝えるために、命も惜しまないご覚悟で布教を続けられました。日蓮宗新聞社では、この慶事の年を迎えるに当たり読者の皆さまの「わたしの一大決心」を大募集します。ふるってご応募下さい。

 応募方法―名前・住所・年齢・ご職業・電話番号を明記の上、400字詰め原稿用紙1枚程度にまとめて送って下さい。

 締切り 12月1日必着

 掲載 平成14年1月1日号紙面にて発表。

 宛先 〒146-0082 東京都大田区池上7-23-3 日蓮宗新聞社編集部「お正月号読者の声」係まで。Eメールでも受け付けますnichiren@t3.rim.or.jp(件名に「お正月号読者の声」係と明記のこと)



立教開宗750年慶讃教区大会
「関東」最後に国内10教区終わる
ご正当へ改めて誓うお題目弘通


大宮・開催に2500人
代々受け継ぎ未来までも



 立教開宗750年慶讃教区大会は10月19日開かれた関東教区を最後に国内10数区すべて終了した。平成10年10月、中・四国教区から始まり、3年を費やして全国の僧侶・檀信徒一体になって、法華経をこの世に説き、お題目を広める誓願を改めて誓った教区大会。ご正当の年はあと1ヵ月余に迫った。

 関東教区大会は「日蓮聖人とともに―お題目の心 未来までも流布るべし」と題して埼玉県大宮ソニックシティで開催され、教区(千葉東・千葉西・千葉南・千葉北・埼玉・群馬・茨城・栃木の8管区)の僧侶、寺庭婦人、檀信徒合わせて2500人が参加した。

 午後0時55分開会。青年僧の団扇太鼓と参加者全員のお題目の中、750年慶讃講演・講師の三木隨法師が登壇。三木師は米国テロ事件についてふれ、アメリカが過去への反省なしに報復を続ければ世界平和の実現はないとし、また、仏教的な平和の捉え方がなければ本当の平和はあり得ないと説いた。そして「今みなさんが受けているお題目の功徳を、世界中の人々に伝えていかなければなりません。せめて次の世代にお題目の種を植えつけ、お題目によって生かされているということを伝えていって下さい」と呼びかけた。


 1時55分からは藤井日光管長猊下を導師に慶讃法要が行われた。参加者が口々にお題目を唱える中、会場後方から8宗務所の檀信徒代表者が、お題目旗を先頭に青年僧と共に入場。登壇し、お題目旗、誓願の灯、お題目写経をご宝前に奉納した。式衆が入場、僧侶と参加者とが一体となって自我偈とお題目を唱えた。

 藤井管長猊下が慶讃文を読み上げられた後、ご親教。お経頂戴の儀の後、管長猊下は「混迷する世の中にあってこそ、大聖人立教開宗の誓願を、私ども一人ひとりが心に深く受けとめ、立正安国仏国土顕現に向け異体同心して精進することが肝要でありましょう」と呼びかけられた。また米国テロ事件は絶対に許せるものではないとし、「これ以上の人命が失われることのないように、平和の祈りを捧げることが大切であります」と諭された。

 法要後は、埼玉県無形文化財・高野右吉氏と秩父社中による「秩父屋台囃子」が披露され、力強く鳴り響く太鼓と軽快な笛の音の祭り囃子に、場内がわいた。
 その後、檀信徒代表の山田雄太郎さん(千葉北)と田中貴恵さん(同)がご宝前で誓いの言葉を読み上げた。そして埼玉県檀信徒協議会会長・吉田卓治さんと埼玉県鳩ヶ谷市常住寺たちばな幼稚園園児2人が登壇。園児が「おじいさん、南無妙法蓮華経≠ニ唱えるのはどうしてですか?」と質問すると、会長が「嬉しい事も、悲しい事も、仏さまが教えてくれたんだなと気づく強い心を持つためです」と答え、園児たちが「いつでもありがとう、ごめんなさいが言えるように、日蓮さまがお考えになった社会になるように、南無妙法蓮華経≠ニ唱えながらどんなことにも一生懸命がんばります」と誓い、誓願が次世代へと継承された。懸命に発表する園児とやさしく答える会長の姿に、会場は和やかな空気に包まれた。

 最後に赤羽浩教関東教区長が挨拶、終了した。

 参加者は「お題目を代々受け継いでいく大切さを再確認した」「世界中の人々がお題目を唱えられるよう、自分も伝えていきたい」と感動の面持ちで話していた。


受講生募集「世界の中の日蓮宗」 11月20日、海外布教セミナー
D・モンゴメリー氏が講演

 宗務院国際開教室(川名義顕室長)は平成13年度第5回海外布教セミナーを11月20日、東京・池上の日蓮宗宗務院仮庁舎(朗峰会館)で開く。

 当日は村野宣忠師の英訳法華経の校正者で世界における日蓮宗の情勢に詳しい、ダニエル・モンゴメリー氏(米国テキサス州在住)が「世界の中の日蓮宗」と題して講演を行う(同時通訳付き)。

 その後、ダニエル・モンゴメリー氏と共にパネルディスカッション、質疑応答などもある。 受講費は宗務院負担(旅費は自己負担)。

 参加申込みは官製ハガキに「海外布教セミナー受講希望」と明記し、僧籍、現住所、氏名、年齢を記入の上、日蓮宗宗務院国際開教室(〒146-8544 東京都大田区池上1-2-1朗峰会館内)に直接申し込む。締切りは11月12日(必着)。

 詳細は国際開教室(電話03-3751-7181)へ。



立教開宗750年慶讃中部教区大会世界全体の幸福と平和の祈りを
藤井日光管長猊下ご親教
同時多発テロに触れられて



 立教開宗750年慶讃中部教区大会が10月5日、名古屋市民会館で行われ、中部教区(長野、岐阜、愛知名古屋、愛知尾張、愛知三河、三重6管区)の僧侶、寺庭婦人、檀信徒合わせて約2400人が参集した。

 9月11日、米国で起きた同時多発テロで世界の平和が危機に直面しているとき、藤井日光管長猊下はご親教の中で亡くなった人々への冥福を祈ると共に、悲劇を繰り返さぬよう「平和の祈りを捧げることが大切」と述べられ、教区大会の参加者に、世界全体が幸福になることを祈り、現代社会の暗闇に光をそそぐ地涌の菩薩になるよう念願する、と訴えられた。

お題目の下2400人結集

 大会に先立ち、午前中、教区青年会の行脚隊が会場周辺を唱題行脚、伝道車布教も行われた。参列者たちは会場入口で行脚隊のうちわ太鼓、お題目に迎えられた。

 午後1時開式。第1部の劇座DNAによる慶讃法要劇「日蓮聖人のちかい」では、立教開宗する劇中の日蓮聖人を参加者たちは感動の面もちで見つめた。

 劇後、第2部「供養」へ。唱題に合わせ、舞台上正面の宝塔のお題目が次第に明るく照らし出され、行脚隊が入場。藤原円俊教区長と各管区の宗務所長が舞台へ出、藤原教区長が祭壇に誓願の灯を奉納、名古屋管区の女性檀信徒9人が献華・献灯・献香を奉納し、林海雄全国修法師会連合会会長を修法導師に修法師33人が迫力ある修法を行った。

 その後、奉楽「矢吹紫帆ミニコンサート」。矢吹さんは「慈愛(いつくしみ)」を披露したあと、会場の参加者から寄せられた「鬼子母神」の題で曲を即興演奏。また「電気大正琴」なども披露、歌手の矢中鷹光さんも登場して会場をわかせた。

 第3部は、藤井日光日蓮宗管長猊下を導師に「誓願法要」。法要中、藤井管長猊下が慶讃文を読み上げられ、各管区代表の6人の檀信徒が誓いの言葉を読み上げた。

 「私たち中部教区日蓮宗徒は、人々の苦しみ、悩みをとり除き、生きる喜びと安らぎを与えて下さるのは、お題目だと確信しています。今後とも、そのお題目の信仰に励む道場、寺院・教会・結社の発展に努めることを、ここにお誓い申し上げます」

 その後、藤井管長猊下がご親教。管長猊下は中部教区が常明寺誓願の井戸など多くの誓願の霊跡を有し、安土法難後の宗門の危機を救うため、身を挺して再興に尽くした諸先師輩出の広宣流布の誓願発祥の地と述べられた。また身延山の御真骨堂と拝殿の大改修が落慶して、どんな地震や火災、盗難にも、宗祖の御真骨をしっかりお守りする現代設備を完備したことをご報告、かつて徳川時代や明治八年に身延山が火災に遭ったときの復興に、尾張や名古屋、美濃などの檀信徒・講・寺院らが尽くした功績を述べられた。さらに、9月11日、米国を襲った同時多発テロに対して「私ども日蓮宗徒は、物故せられた方々のご冥福を願うと共に、さらなる悲劇が繰り返されぬよう、平和の祈りを捧げることが大切であります」と述べられ、大会の参加者には「世界全体が幸福になることを祈り、現代社会の暗闇に光をそそいでゆく地涌の菩薩たらんことを切に念願します」と投げかけられた。

 立教開宗750年慶讃の教区大会は国内10教区のうち9教区で開催され、最後の関東教区大会は19日に開かれた。

「来年に向け頑張る」
参加の檀信徒感激と決意と


 大会後、参加者の若い女性は「とてもよかった。参加できて嬉しいです。日蓮聖人のありがたさ、管長猊下のお言葉が身に沁みました。いよいよ来年の立教開宗750年に向けて、頑張っていきたい」と話していた。

 また、一緒にいた別の若い女性も「盛りだくさんの内容で、楽しい時を過ごせました」「日蓮聖人劇の中で、われ日本の柱とならん! われ日本の眼目とならん! われ日本の大船とならん! 南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経≠ニ立教開宗する日蓮聖人がとても格好良かった」。ほかにも「皆さんの顔が見たいから、会場を明るくしてほしい≠ニ(ご親教の前に)言われた管長猊下の言葉がとても嬉しかった」「法要後、緞帳が下がってきたときには、感極まって涙が出ました」など、皆満足げだった。



宗務院総合庁舎 上棟式24日に
宗門中枢として設備充実はかる
延べ床面積 旧庁舎の約2倍



 来年に迎える立教開宗750年慶讃事業として建設が進められている日蓮宗宗務院総合庁舎(東京都大田区池上)の工事は順調に進み、10月24日上棟式を行うことになった。その後、内装など整え、完成引き渡しは来春3月29日の予定。
新空調システム「エコアイス」採用

 新庁舎は、地上5階、地下1階、建設総面積は駐車場を含め約1200坪。環境、経済面に配慮し建物全体に地球にやさしい新しい空調システム「エコアイス」を採り入れている。また、旧庁舎にはなかったエレベーターも2基設置、高齢者・障害者にも利用しやすくしている。十分な光を取り入れ、明るくするために玄関ホールや受付は2階吹き抜けにしているのも特徴。

 新庁舎各階の概容は次のとおり。

 地下には研究室、会議室、書庫、資料閲覧室など布教情報センターとしての役割を担う施設、1階は受付、外来者の応接コーナー、12台分の駐車場など、2階に新機構各所管の事務室、3階に管長室や総長室などの宗門関係者の執務室や、応接室、4階に会議室のほかに研修室や相談室など宗門僧侶育成に対応できる施設、5階は礼拝施設としての機能を果たすほか、日蓮宗政を決定する宗会や宗務所長会議などの会議場にも使用される。また、檀信徒に親しまれている月例金曜講話の会場にも使用される。

 このように、激しく変化する時代に即応するための総合的・多目的な機能、伝道教化に役立つ機能を備えた宗門中枢機関としての諸設備の充実をはかっている。

 延べ床面積は旧庁舎(590坪)の約2倍の広さになり、建設総額は本体工事のほか仮庁舎賃貸料などを含め23億9百万円。全国の寺院、教会、結社、檀信徒の浄財によっている。
エコアイス
 通常用いられてる空調システムに氷の蓄熱槽を設置したもの。夜間に作った氷を昼間の空調に利用するシステム。



岩間日勇猊下荼毘式
遺徳しのび合掌、唱題


 身延山第90世法主岩間日勇猊下の荼毘式が9月19日午後1時、身延山久遠寺(藤井日光法主猊下)仏殿納牌堂で貴家是勝一老職(身延山・北之坊住職)を導師、樋口是澄師(身延山・覚林坊住職)、望月海淑師(身延山・樋澤坊住職)の2人を副導師、身延山支院が式衆となって行われた。

 正面から向かって右側には喪主の伊藤通明身延山総務をはじめ、子息で遺弟の岩間湛正師(山梨県増穂町昌福寺住職)ら10人余りが麻の清浄衣で着座、その後ろに黒の喪服の遺族、親族ら、左側には藤井法主猊下をはじめ加賀美泰全副総長、大本山の各貫首、宗務院各部長、浅井圓道身延山大学学長ら30人余りが着座。外陣には、一般寺院、檀信徒300人余りが合掌して猊下の遺徳をしのんだ。また、身延山久遠寺の職員、在院生たちは堂内に入りきれず廊下で合掌し、唱題した。

 仏殿納牌堂の外では身延山高校の生徒や多くの檀信徒が堂内から流れてくるお経や唱題を聞いて手を合わせた。

本葬儀11月29日に

 荼毘式の最後に、喪主の伊藤総務が「ご遷化以来昨日は仮通夜、本日は荼毘式という慌ただしい日程になりました。明日からは彼岸に入り各寺院にご迷惑をおかけできないとの遺族の強い希望で今回のような日程になりました。本葬儀は、11月29日に日蓮宗管長・身延山法主藤井日光猊下導師のもと執り行います」と挨拶した。

 荼毘法要に続いて、位牌を手にした伊藤総務、遺影を持った岩間湛正師を先頭に、岩間猊下の柩は遺弟にになわれて、大玄関へ。大勢の参列者に送られて霊柩車に納められ山梨県中巨摩郡甲西町の火葬場へ向かった。

 火葬場で岩間猊下との最後のお別れの儀が福井教明身延山法要部長を導師に法味言上。読経の中、荼毘にふされた。

 御舎利納めの儀のあと仏殿納牌堂に戻り、福井法要部長を導師に法味言上、遺弟、遺族など多数の参拝者が合掌しお経を唱え、香を手向けた。

 岩間師が「晩年に療養しながら時には念願であったご廟所に参拝でき無事霊山浄土に旅立つことが出来たと思います」と挨拶した。



日蓮宗宗務院がブッシュ米国大統領宛の書簡送る
米同時テロに対し犠牲者への哀悼の意と、テロによる悲劇が繰り返されないよう世界平和を願って
米国大使館へ



 日蓮宗宗務院(渡邉清明宗務総長)では9月18日、米国大使館へブッシュ米国大統領宛に米同時テロに対し犠牲者への哀悼の意と、テロによる悲劇が繰り返されないよう世界平和を願う英文の書簡を送った。

The President
The White House
Washington, D.C. 20500
United States of America

Message of Condolence

September 18, 2001

Dear Mr. Bush,
President, United States of America:

We are very shocked and deeply saddened by the events that occurred on the 11th day of September at the World Trade Center, Pentagon and Pennsylvania as a result of terrorist actions.

We, Nichiren Order of Buddhism, sincerely express our heartfelt regret and sorrow on the loss of so many innocent people. We, who adhere to the Buddha's spirit of mercy and equality, also pray that this kind of tragedy will never happen again by sharing our doctrine of world peace and happiness of people in this world.

Again, we would like to express our deepest condolence to all the victims of this tragedy.


With deepest sympathy,
Bishop Seimei WATANABE
Chief-administrator
Nichiren Order of Buddhism

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇
以下は日本語の大意

アメリカ合衆国
大統領ジョージ・W・ブッシュ閣下
2001年9月18日

合掌 去る9月11日、貴国ニューヨーク市世界貿易センタービル及びワシントンD.C.国防総省が、卑劣なテロリストたちにより、民間旅客機の乗客を巻き添えにしたテロ行為で破壊され、多くの人々の命が奪われました。

 我々日蓮宗は心から遺憾の意を表し、謹んで哀悼の念を捧げます。

 世界の平和と人類の幸せを常に願って、仏陀の教えたる慈悲と平等の精神をいただく我々は、再びかかる悲劇が起きないことを念じてやみません。

 閣下並びに貴国民の心中をお察し申し上げ、犠牲者となられた方々のご家族に対し、甚深のお見舞いを申し上げます。合掌


日蓮宗 宗務総長 渡邉清明



身延山久遠寺前法主・日蓮宗元管長
岩間日勇猊下遷化

93歳布教伝道に献身の生涯


 日蓮宗総本山身延山久遠寺前法主(第90世)で日蓮宗管長(第46代、47代)の岩間日勇猊下が9月17日午後6時、遷化された。93歳だった。18日午後6時から久遠寺で仮通夜、19日午後1時から荼毘式が営まれ、遺徳を偲び全国から多数の参列者が訪れた。

 岩間猊下は、昭和34年から23年間身延山布教部長として在職。この間身延山街頭布教隊を結成し、全国各地へ出動するなど、教化活動に身を捧げられ、昭和59年から15年間、身延山久遠寺第90世法主として日蓮宗の法灯を継承、その間、昭和62年から平成7年まで8年間、第46代、47代日蓮宗管長を務められ、まさに人生を布教伝道に捧げられた。


加行所伝師に久富諦順師
渡邉総長が辞令伝達
伝師、副伝師きまる



 平成13年度加行所(大荒行堂)伝師に久富諦順師(北海道妙法寺住職)が任命され6月12日、東京・池上の宗務院仮庁舎で渡邉清明宗務総長から辞令が伝達された。

 また、8月22日には法華経寺行堂、遠寿院行堂の副伝師が決定した。法華経寺行堂の副伝師には吉野諦光師(神奈川県円妙寺住職)、佐々木瑞英師(岩手県瑞然寺住職)、原慈孝師(福岡県妙貫寺住職)、高川法晴師(大阪府七寳寺住職)、成田遼英師(北海道妙照寺住職)、遠寿院行堂の副伝師には戸田善育師(千葉県遠寿院住職)、林智佳師(福岡県法華寺住職)、影山教俊師(千葉県釋迦寺住職)となった。

 久富師は「論理論法でなく、体で法華経を宣布することは生半可なことでは達成できません。命がけで行堂を遂行していきたい」と抱負を述べている。



広島で原爆死没者を慰霊
唱題行脚し祈念式に参加


戦後の生まれ布教研修所の10人
研修の一環 
悲惨な戦争を繰り返さぬために



 8月6日、広島・平和記念公園で行われた「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」(平和記念式典)に、戦後生まれの日蓮宗僧侶10人が参加、黙祷を捧げた。式に先立ち早朝の1時間半、広島市内の住宅街や繁華街を唱題行脚した。10人は身延山久遠寺内、清兮寺で6月1日から11月30日まで開設されている布教研修所(加藤英明主任)の研修員で、広島慰霊行脚は研修の一環として行った。研修生はそのほか芸予地震(3月24日)で被害にあった寺院なども訪れた。

 広島への慰霊行脚は「戦争を知らない世代が2度と戦争を起こさない気持を持ち、これを後世に伝えてもらいたい」願いをこめて研修生の企画で初めて行われた。

 「広島慰霊行脚から始まる一天四海皆帰妙法への道」と題したこの研修は8月5日から9日まで、広島、岡山、島根で行われた。

 行程は、初日の8月5日、午前6時に清兮寺を出発、午後6時に広島市・妙風寺(渡部公裕住職)に到着し、法味言上、同寺に宿泊した。

 翌6日、この行脚のために新調し、身延山久遠寺の伊藤通明総務(布教研修所所長)が染筆したお題目の旗を先頭に、午前6時半から約1時間半、広島市内の住宅街や繁華街をうちわ太鼓を叩きながら唱題行脚した。早朝だったが、住宅街ではビルの窓から行脚隊を見る人もいた。その後、平和記念公園に到着後、「唱題行脚を見たことがあるか」「唱題行脚についてどう思うか」など、年代・性別などに分けて唱題行脚に対しての意識についてアンケートをとった。また、この日の意義についてと、同日夜、各宗派が平和記念公園内の原爆供養塔で順番に法要を行う「原爆死没者各宗派別慰霊行事」に日蓮宗が参加することを知らせるチラシを配った後、平和記念式典に参列し、黙祷を捧げた。その後、再び行脚で同市の本覚寺(渡部康国住職)を経由し妙風寺へ戻った。さらに、芸予地震で被害にあった呉市の養運寺(新田龍渕代務住職)を参拝し、同寺を護る加藤恵誠師から地震災害の様子を聞いた後、「原爆死没者各宗派別慰霊行事」の法要に出仕、妙風寺で宿泊した。

 7日は平和記念資料館見学後、宮島・厳島神社を参拝。岡山市・妙林寺(小埜栄裕住職)で法味言上し、宿泊した。8日は朝、妙林寺で研修員の小埜栄輝師を導師に研修員全員が参列して「全世界戦没者慰霊法要」を行った。広島・長崎の悲劇を2度と繰り返さず、世界各国で今も続いている紛争を1日も早く終わらせ、お題目により世界が平和になることを祈って回向を捧げた。その後、出雲大社、出雲市・連紹寺(米田宣雄住職)を参拝。米田淳雄院首から原爆体験の話を聞いた。同市・光明寺(土井一顕住職)で法味言上し宿泊、9日は日蓮宗不受布施派祖山・妙覚寺(岡山県御津町)を参拝した。

 今回の研修は、原爆で世界初の犠牲者を出した広島でお題目による慰霊行脚を行い、仏使としての役目を少しでも果たすこと、戦争を知らない世代に行脚する姿を見てもらい悲惨な戦争を繰り返さないよう、後世に伝えていかねばならない意識を改めて感じさせること、また、研修員としてはこの体験で得たそれぞれの考えを布教の中で活かすことなどを目的に行われた。

 研修員たちは「合掌し礼をしてくれる人、来年も来てくれと言ってくれる人を思うと、行脚をしていてよかったと思う。続けることに意義があるのではないか」「これを始めとして、全世界の平和のために何かができれば」と話していた。



保育研修京都大会
「基本をしっかりすれば崩れない」
狂言 茂山家の家訓に含蓄 記念講演
講演・法話・遊技指導も



 「仏様と人と自然と≠ニもに生きる保育を求めて―」をテーマに第47回日蓮宗保育研修京都大会(日蓮宗保育連盟主催)が7月28、29日京都市内のホテルで行われ、42園から268人が参加した。

 日蓮宗寺院関係の保育園、幼稚園の職員を対象に仏教保育の研修を深めるため、毎年行われているが、今年は長崎県から初参加した男性保育士(1人)の姿もあった。

 午後1時から開会式。法要は、京都で宗派を超えて活動する音輪会による雅楽が奏でられる中で始まり、舞楽「打球楽」「陵王」が奉納された。法要後、冨田義董保育連盟理事長が挨拶。田端義宏護法伝道部長は、近年の教育事情を説明しながら「み仏の子を育てて欲しい。そのためにはまずみなさんが仏になることかと思う」と述べた。引き続き、杉若恵隆京都1部宗務所長、地元宗会議員の上田尚正師、地元代表の藤井尚哉勝光寺たちばな保育園長が挨拶した。

 永年勤続者の表彰は、30年以上(5人)に管長表彰状、10年以上(19人)、20年以上(11人)に保育連盟理事長表彰状が贈られた。

 その後、記念講演。大蔵流狂言の茂山狂言会から人間国宝茂山千作さんの2男・七五三(しめ)さんが狂言の歴史や基本的な表現技法、茂山家の家訓でもある「お豆腐狂言」について話した。

 お豆腐は真っ白だが鍋や煮物で染まることもでき、そのままでも美味しし、高級料理にもなる。角張っているけれど柔らかい、それでいて崩れない。

 茂山家は江戸幕府直属であったため幕府終焉後は京都に戻った。武士という後ろ盾を失ったが、京都の社寺の庇護を得て、これらの恩返しの意味も込めて「多くの人が狂言を楽しみ、元気になってもらいたい」と独自の試みを行っていたが一部から批判も出た。しかし、「基本がしっかりしていれば、崩れることはない」と豆腐になぞらえ「晩のおかずに詰った時、気軽にほな、お豆腐にでもしとこか≠ニいうように、私たちはいつの世も、どなたからも広く愛される狂言を目指している」と語った。講演中、狂言初体験の参加者代表に狂言の所作の手ほどきもした。

 講演後、七五三さんの子息・宗彦さん、逸平さんを加えた3人で狂言「蝸牛」を実演した。初心者にも分かりやすい内容とユーモラスな動きに笑いが絶えなかった。

 引き続き浜田寿美男花園大学教授が「ありのままを生きる」と題して講演。近年、小学校の学級崩壊問題が大きく取り上げられ、その責任の矛先は幼稚園や保育所へと下がっていく傾向があるが、だれのせい≠ニ原因追及できるほど単純ではないと前置きし、「子どもたちが変わったのではなく、子どもを取り巻く状況が変わった」と強調した。

 その大きな変化として@学校の知的権威の崩壊A学校が人生を大きく左右するような権力性を持ったと説明。@についてはこれまで分からないことは学校で教師や図書館などで解決できた。今はどの家庭でもあふれるほど本があり、テレビの前に座っているだけでも膨大な情報を得られるようになった。Aは中3を対象とした調査に基づき、子ども達は高校で人生が決まると思い「将来のために」と受験勉強するが、将来のことは不確かであり、結局は「人は今を生きるしかない」ことを強調した。子どもには出来る力は一杯あるのに、家庭が生きる形≠鍛える機能を失っている。例えば、「お手伝い」という仕事は喜びを分かち合え、子どもにとって嬉しい。「生きる形を伸ばすためには仕事≠することだ」と述べた。

 2日目は三木随法京都1部布教師会長(京都上京区教法院住職)が「法華経と子どもたち」と題して法話。身近な言葉で仏教全般についてと日蓮宗のご本尊の意味などを解説、また胃ガンで2月に手術をした経験談を交えながら「勇気をもって、元気な子ども達を保育してほしい」とエールを送った。そのあと増田裕子さんと平田明子さんの2人組ケロポンズが、パネルシアター(フランネルのシートを張ったパネルを使って、物語をつくっていく)や遊技を披露、すぐに園で実践できる遊びを伝授した。

 閉会式では、北海道芽室幼稚園の結城千尋さんが、生き生きとした保育へ、学んだものを、ともに活かしていきたいと謝辞を述べた。

 なお来年の開催地は立教開宗750年慶讃の正当となり、東京になる予定。



事故犠牲者慰霊と世界平和祈って
第3回アジア仏教合同追悼法要


僧侶・檀信徒 日本含め8ヵ国が参列 
東京・新宿 常圓寺で



 世界で起きた多くの事故の犠牲者慰霊と世界平和への祈りを込め、日本の僧侶・檀信徒をはじめ、中国・台湾・タイ・マレーシア・スリランカ・シンガポール・アメリカなど各国の僧侶や信者らが一体となった「第3回アジア仏教合同追悼法要」(全国社会教化事業協会連合会主催)が7月26日、東京・新宿の常圓寺(及川周介住職)本堂で行われた。また、各国の僧侶や信者らは7月22日から29日まで、「禮拜梁皇寶懺」という経典をすべて読み上げるため、同寺の祖師堂で朝六時から夜まで読経と供養を続けていた。

 法要は26日、濱田文護全国社教会連合会会長を導師、佐野順常全国声明師会連合会会長、旭英順全国社教会連合会副会長を副導師に、修法師・声明師・社教会会員が出仕して行われ、日本の僧侶・檀信徒、黄色・オレンジ色の僧服を纏った台湾・中国・タイの僧侶、各国の信者ら併せて約150人が参列。スリランカからミリサバティ寺院住職のニャーラ・ティラカ師、スリランカ日本仏教センター所長のダン・ミッサラ師、シンガポールからテーラワーダ寺院住職のディーバ・ナンダ師も参列した。

 法要中、声明師の「対揚」(仏の功徳を讃え、法要の意義を宣言する声明)のあと、濱田会長が「明年いよいよ立教開宗七百五十年を迎うるに、我等、仏祖の誓願を体し、ますますお題目総弘通運動を推し進め、菩薩の浄行を実践し、世界平和と人類福祉、自由と平等、人権擁護、環境問題、ひいては国際社会に寄与し、もって諸霊が意志に報いんことを誓願す」と追悼祈願文を読み上げた。読経後には修法師がご宝前修法と参列者の前で大衆法楽加持を行った。

 濱田会長が「皆さんが幸せになって、笑顔で生活ができることを心から祈ります」と挨拶し、渡邉清明宗務総長からの祝電が披露され、来賓が紹介されたあと、小野文b師(群馬県天龍寺住職)がスリランカ、シンガポールの各師を紹介、その後ニャーラ・ティラカ師が挨拶し、「すばらしい、大切な法要に参加できてとても楽しく思っている」とお礼の言葉を述べた。

 また、台湾・中国・タイの僧侶・信者から日本の僧侶へ、お釈迦さまに誠心誠意心を込めて敬意を表す儀式で感謝の気持ちが捧げられ、供養がされた。

 この合同法要は、日本を含む諸外国で亡くなった台湾人の慰霊と世界平和を祈る法要を続けていた台湾僧侶・信者らが、アジア諸国の仏教界との交流を深めるために中国、日本にも合同法要の出仕の協力を求め、平成11年3月、台湾僧侶から高鍋隆孝師(千葉県市原市妙蔵寺住職)に「日本・中国・台湾の物故者の合同慰霊法要を日本で行いませんか」と開催要請があったことがきっかけで行われてきたもので、ことし3回目。

 濱田会長は法要後「諸外国の仏教徒にも、立正安国の精神を法要を通じて伝えたい」と話し、「諸外国との交流を兼ねた法要を宗門として行い、手を携えて、絆をもってほしい」と強調した。また、高鍋師は「忙しい中集まってくれた大勢の協力で、3回目の法要ができ、感無量。4回、5回を目指して頑張りたい」と話している。

 この法要とは別に、各国の僧侶・信者らは22日から、祖師堂の地下1階で朝6時から夜まで世界平和を祈りお経を読み、供養を続け、同一階では正面に向かって左側の祭壇に、地蔵菩薩像と同菩薩の絵を奉り、前世に関わった人々への回向のための黄色の札が奉られ、右側の祭壇には薬師如来像と同如来と月光・日光菩薩の絵を奉り、お祓い、身体健全や家族の幸福などの願いを込め、先祖供養のための参拝者の名が書かれた赤い札が奉られた。



新しい伝道宗門の形成へ
機構改革来年4月実施


6月宗会 宗憲改正など可決


 宗教法人法改正に伴い決算宗会として位置づけられた六月宗会は、26日から28日まで東京・池上の宗務院で開かれた。今回は平成12年度決算と共に宗門の新機構改革に必要な宗憲、規則、規程の改正案が提出され、一連の改正案はすべて可決・承認された。これにより宗門の機構改革は当初の目標どおり平成14年4月実施となる。また、平成10年から開かれてきた6月決算宗会は、機構改革の一環として常任議員会に委ねることに改め、宗会は再び年1回(3月)の開催となる。
 渡邉清明宗務総長は挨拶の中で、「明年4月1日からの機構改革を実現すべく、今宗会においては、いよいよその第一歩として日蓮宗宗憲と日蓮宗規則の改正案を中心に、その骨格に関わる日蓮宗規程の改正案も合わせて提出した」と述べた。
 新機構の骨格はこれまでの「日蓮宗宗務院に綜合企画部、庶務部、財務部、教務部及び護法伝道部の5部並びに現代宗教研究所、国際開教室及び人権対策室を設け、役職員を置き、宗務を分掌する」が「日蓮宗宗務院に伝道局、総務局の2局を置き、伝道局には伝道部及び教務部の2部、総務局には総務部及び財務部の2部を設け、別に宗務総長室、総合相談所及び現代宗教研究所を設け、役職員を置き、宗務を分掌する」となること。また、これに伴う人事では、これまでの宗務副総長、国際開教室長、人権対策室長がなくなるが、宗務総長が欠けたときや病気その他の事由により3月以上その職務を行うことができないときの宗務総長代務者は宗務副総長から「宗務総長が局長のうちから予め指定した者」に改めることとなった。

 宗務行政の方向を決める「内局」の構成は宗務総長、伝道・総務の局長2人、伝道、教務、総務、財務の部長4人に宗務総長室長1人が加わり8人。

 宗務総長室は宗務総長の「責任と指導力」の機能を強化するため、宗務総長に直属して設置、さらに宗務全般にわたる相談窓口として、新たに総合相談所を設ける。

 また、宗門と教区・管区が温度差なく一体となった、全宗門的な布教活動を展開するため、宗務院には伝道局長を議長に僧侶・檀信徒から宗務総長が任命・委嘱する20人以内の委員で組織する伝道企画会議を設ける。同会議は教区・管区にも設けられる。

 機構改革に伴う23の議案が可決されたため、来年4月からの実施が本決まりになったが、今後、文部科学大臣より規則変更の認証を得る手続きが必要となる。


平成12年の決算も全て承認

 平成12年度の決算は経常部会計歳入(19億3045万3685円)、同歳出(17億2540万705円)、差引残高2億505万2980円の調整資金組み入れなど8件が承認・可決された。




文楽「日蓮聖人御法海(鵜飼い勘作住家の段)」
39年ぶりに大阪で上演


 日蓮聖人主演の文楽(人形浄瑠璃)「日蓮聖人御法海(鵜飼い勘作住家の段)」が大阪・国立文楽劇場(大阪市中央区日本橋)で7月21日から8月12日まで39年ぶりに上演される。 もともと「日蓮聖人御法海」は五段(物語の五つの区切り)からなるが空襲により人形の頭、浄瑠璃本とも焼失。現存しているのは3段目「鵜飼の勘作住家の段」だけ。 今回の上演では、日蓮聖人の人形遣いが人間国宝・吉田玉男さん、勘作の妻お伝は、同じく人間国宝で女形遣いの名手吉田文雀さん、義太夫語りは9代目竹本綱大夫さん。迫力と品格とこまやかな情愛とがあふれる舞台が待ち遠しい。

日蓮宗新聞を持参
すれば1000円割引き


 この公演は、子供向けの文楽や家族で楽しめるように構成された「文楽夏休み特別公演」の中で行われる。第1部夏休み親子劇場(午前11時開演)は「金太郎の大蜘蛛退治」と「鼠のそうし」、第2部名作劇場(午後2時30分開演)は「日蓮聖人御法海」と「勧進帳」。第3部サマーレイトショー(午後6時30分開演)「夏祭浪花鑑」が行われる。6月29日から前売り。一般料金4600円(税込み)。

 なお「日蓮宗新聞」を持参し、国立文楽劇場一階入場券売場窓口で買い求めた場合には1000円の割引があり3600円。新聞1部につき5枚まで購入できる。電話での予約や、他の割引券との併用はできない。学生2300円、子供(中学生以下)1800円。7月27日、8月4日の第1部は貸し切り。7月31日は休館。 国立文楽劇場は地下鉄千日前線または、堺筋線日本橋下車すぐ。



「ビハーラ」活動を積極的に
日蓮宗全国ネットワーク結成

 高齢社会になって、限りある命の末期を迎えた病める人の医療が重要になっている中で、「ビハーラ講座」を修了した僧侶たちが6月12日、日蓮宗内で全国的なネットワーク(NVN=日蓮宗ビハーラ・ネットワーク)を結成した。

 「この世とあの世の橋渡し」ともいわれるビハーラ。国内の仏教は死後の祭祀に重点が置かれていると受け止められがちだが、僧侶が仏教の教え・慈悲にもとづいて多くの人の生活の場に積極的にかかわってゆけば、もっと人びとに身近かに、こころの頼りになると期待される。

 「日蓮宗ビハーラ・ネットワーク(NVN)」の設立総会は東京・大田区の池上会館で開催され、会員約60人が出席した。

 日蓮宗現代宗教研究所が平成8年から12年まで5回開いた「ビハーラ講座」修了者が約200人になったことをきっかけに今後、いっそうビハーラ活動が積極的に行われ、また地域での社会活動も進められるよう、互いに横の連携をとりながら情報交換、協力連携を図るためネットワーク結成が浮上した。

 総会では発起人代表の蟹江一肇師(道心寺住職)が「地域における連携や社会教化活動を行うことができるよう伝道宗門にふさわしい全国展開活動にしたい」と挨拶。発起人の柴田寛彦師(秋田県本澄寺住職)が、発足に至るまでの経過を説明し、「一緒に手を携え、本当の仏教、真の僧侶として地に足のついた活動をしていきましょう」と呼びかけた。

「ビハーラ・ネットワーク」として今後、情報交換、会員相互の連携に加え機関紙の発行や研修会も開くことになった。また、代表に蟹江師、副代表に柴田師、両師を含め世話人七人が決まった。

 総会の後、飯田女子短大教授・藤腹明子さんが「仏教と看護─これからのビハーラ活動を考える」と題して講演した。

 藤腹さんは仏教の教えに学ぶビハーラケアの基本姿勢として「四無量心」をあげ、@慈=相手の状態を見て、何とか楽な状態にしようとすること。A悲=相手に対して苦の状態を除こうとすること。B喜=相手が楽になったことを妬まず喜ぶことC捨=怨念や親しみを捨て、相手に対して平等に利することと説明、「ビハーラ」を契機に「いのち」の尊さを考え、その「いのち」を見守る、より大きな「いのち」の存在に気付いていくことが大切、と述べた。



青年僧と檀信徒500人 全国各地から参加

 立教開宗750年慶讃全国唱題行脚決起大会が5月12日行われ、全国の青年僧約300人が天津小湊町清澄寺(奥邨日鳳別当)から誕生寺まで約7`の唱題行脚。行脚の途中、檀信徒が次々と加わり、総勢約500人のお題目が天津小湊の町に響きわたった。

 全国各地ではすでに立教開宗750年慶讃唱題行脚が展開されており、この決起大会で感動を共にし、心を一つにした全国の青年僧は、来年のご正当に向かってより一層邁進する決意を確認した。

 12日午前4時40分、旭が森で青年僧が、雲中から昇り来る旭日を拝みながら、出発式を行った。全日青全国唱題行脚プロジェクトの西山文生全日青750委員会チーフが誓願文の中で、「全国日蓮宗青年会750委員会を組織し、唱題行脚プロジェクト会議に参画、よって決起大会に至るものなり。今この聖地に全国の青年僧を集め、読誦妙経、高唱玄題を以て慶讃の微衷を表し、謹んで立教の大義を体して宗門の本領に覚め、異体同心に宏遠の祖猷を翼賛し奉らんことを誓ふ」と述べ、スタートした。

 午前7時、祖師堂前で奥邨日鳳清澄寺別当から「大聖人の息吹と情熱を持ち帰って下さい」と激励の言葉を受けた後、空砲と共に、白い鳩をかたどった風船が澄みわたった青空に放たれ、300人の大行脚隊が出発した。

 行脚隊は清澄寺を下り檀信徒10数人と合流、伝道車を先頭に、一路誕生寺へと向かった。沿道では、地元住民らが「南無妙法蓮華経」の小旗を手に軒先に立ち、共に唱題しながら手を合わせる姿や、窓を開け伝道車の声に耳を傾ける車、青年僧がお題目への架け橋として配るパンフレットを進んで受け取る人がそちらこちらで見られた。

 休憩に立ち寄った日澄寺で地元日蓮宗寺院の檀信徒約60人、小湊駅前の国道では檀信徒や寺庭婦人会員など約80人、また、妙蓮寺では檀信徒約50人が行脚隊に加わり、総勢約500人となった大行脚隊の力強いお題目の大音声に、町中が包まれた。

 午前11時、誕生寺に到着。仁王門からの散華が一行を出迎えた。石川誕生寺貫首が「今の世の中こそ危機であり、日蓮聖人がお遺しになったのが法華経・お題目。私達が全力でこの危機に向かっていくことこそが、お題目の心」と挨拶。大山智弘大会実行委員長が、「お題目の大音声にこれまで味わったことのない感動を覚えました。この感動を胸にそれぞれの活躍の場に持ち帰り、立教開宗750年に向け歩き続けましょう」と大会終了宣言を行った。

 行脚に参加した檀信徒らは、「行脚は異体同心そのもの。みんなでいるけれど、一人一人がそれぞれに修行をしている。歩きながら過去の自分を省みることができる行脚は、自分にとって懺悔滅罪への入り口。行脚のこの素晴らしさは、体験しないとわからない。ぜひもっとたくさんの方と歩きたい」「100万回歩いてもきっと、この感動の涙は絶えない」「もっともっと歩いていきたい」と感動を分かち合っていた。




4月28日「立教開宗会法要」厳修

藤井管長猊下を導師に清澄寺祖師堂で

 日蓮聖人が清澄寺(千葉県天津小湊町)の旭が森で立教開宗されてから来年で750年。ご正当の前年にあたることし、4月27日から28日にかけ「一天四海皆帰妙法」をめざし、行脚隊が、伝道車が、次々と清澄寺に集まった。清澄寺では聖人と最もゆかりの深い立教開宗会が厳かに営まれた。

 鎌倉開教750年慶讃をかねて全国から伝道隊員ら50人はに27日、鎌倉で唱題行脚、伝道車・街頭布教などを行ったあと、各寺院を参拝しながら清澄寺に結集。28日は暁天法要、清澄寺の朝勤に参列。祖師堂で田端部長を導師に「立教開宗七五〇年全国伝道車清澄結集御正当前年慶讃法要」を営んだ。

また、28日には横川定光院から600`を唱題行脚した京都日蓮宗青年会15人が到着。平成8年から小湊誕生寺から清澄寺旭が森の日蓮聖人銅像まで往復7時間の唱題行脚を続けている中里観正師(日蓮宗教務部長・北海道法華寺住職)一行も旭が森で「750」の円成を改めて誓願した。

 清澄寺の祖師堂で行われた「第749回立教開宗会」には、千葉県南部宗務所(遠藤了義所長)団参をはじめ僧侶、檀信徒あわせ約120人が参列した。法要は午後2時から、藤井日光管長猊下を導師に営まれた。

 その後『清澄寺大衆中』を拝読、参列者一体となって、日蓮聖人が一身をかけた法華経弘通と受難を偲び一心にお題目を唱えた。




綜合財団賞・奨励賞の伝達式

受賞の3師・1青年会、喜びの中に決意

 日蓮宗綜合財団(長瀬日還理事長)は4月18日都内ホテルで第18回日蓮宗綜合財団賞・第10回日蓮宗綜合財団奨励賞の授賞伝達式を行い、渡邉清明宗務総長をはじめ全国の宗務所長ら約150人が出席した。

 今年度の綜合財団賞は、社会教化部門で点訳活動を続ける近江正隆師(東京都法明寺住職)。学術研究部門で立正大学名誉教授の勝呂信静師、日蓮宗勧学院長・身延山大学学長の浅井圓道師の3師。綜合財団奨励賞は布教伝道部門で日蓮宗千葉県南部青年会が受賞した。