今週のフリートーク(97年6月1週)
大井競馬場
今回は中央競馬ではなく地方競馬の話題である。先日たまたま機会があったので大井競馬場へ足を運んでみた。4月からおなじみのトゥインクルレースが始まっており、当日はあいにくの天気にもかかわらず思ったより大勢の観客がいた。
その日のメインレースは準重賞で1200mのレースだった。小生は個人的にダートの短距離レースは好きなので結構楽しみに新聞を見つつ予想をしていた。
そのとき気がついたのだが、出走各馬のレース経歴を見てみると、ほとんどの馬に短距離戦出走の経験がないのである。出走各馬のキャリアは大半が1500〜1800mのマイル前後のレースに集中しているのだ。中には1200mや1000mを経験した馬もいたが、それは最近ではなくおそらく3歳のデビュー直後に走ったものだろう。
ということは1200m以下のスプリントで行われるレース番組はよほど少ないといえるだろう。どのような理由でスプリント戦が少ないのかわからないが、もったいない気がする。
その反面、大井では重賞レースを見渡すと長距離レースが多いことがわかる。先日行われた古馬の大井記念は2600mだし、暮れの東京大賞典は2800m(!)とダートにしてはかなりの長距離である。4歳クラシックにしても東京王冠賞が施行時期の変更に伴い2000mになったものの東京ダービーは2400mと4歳馬にとっては過酷な距離である。
こうした大井の長距離嗜好はどこからきたのか。勝手な推測だが、ひと昔の中央競馬への憧れがあったように思える。かつて中央競馬は大レースといえばほとんど芝の長距離レースに限られていた。天皇賞は春秋とも3200mだったし、短距離の重賞路線は確立されていなかった。そんなわけで長距離を制するものが競馬を制するという傾向が今よりずっと強く、その考えが大井など地方競馬にも浸透していたのだろう。
しかし地方競馬はダートオンリーである。レース体系を中央に倣ってみたところでそれはイギリス式の芝競馬が対象である。手本とするなら本場アメリカのダート競馬だったろう。実際に大井競馬のアメリカ式への移行は進んでおり、サンタアニタ競馬場と提携したり4歳クラシックを3ヶ月足らずの期間で開催するなどレース体系の改革が行われた。ある種の聖域ともとれるクラシックレースを大胆に改革したことは評価されていいだろう。
しかし先にも述べたように短距離路線の充実が望まれるところだ。今のところ短距離重賞は東京杯(1200m)くらいしか見当たらず、中央でのスプリンターズSや高松宮杯にあたるレースがないのは残念だ。
レース体系のソフト面のほかにも観客席などハード面での問題も山積みではあるが、中央の芝レースとは違う魅力があるだけにもっと独自色を出していいと思う。
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