今週のフリートーク

今週のフリートーク(97年11月2週)



牝馬のG1

今週は中央競馬で唯一の4歳以上の牝馬によるG1レース「エリザベス女王杯」が行われる。古馬にも開放された昨年が実質のスタートといえるので、今回が2回目といってもいいだろう。
ようやく日本でも古馬牝馬同士のG1が開設されたのだが、敢えてそれまでに番組を設けなかったのは、暗に牝馬を早めに引退させたいという狙いがあったという話を聞いたことがある。確かに牝馬クラシックを勝ち上がってきた牝馬の多くは、古馬になってからは牡馬に対して歯が立たないのが普通だった。年末の有馬記念では、牝馬クラシックで圧倒的な強さを誇った牝馬たちがことごとく敗れるというのがいつもの光景だった。
しかし、こうした状況がだんだんと変化してきているのは周知の通りである。マイル路線で活躍したダイイイチルビーやノースフライトなどは牡馬に対して一歩も引けを取らなかった。つい先日には牡馬の独壇場であった中距離以上のG1、それも天皇賞でエアグルーヴが勝ってしまった。牝馬だからと無条件で評価を下げるのはもはや誤りであるということだろう。
このように牝馬の進出が目立ってきているが、やはり牡馬をもしのぐ超一流の牝馬はそう出てくるものではない。とくにクラスが上がって一流の牡馬の壁にぶつかる牝馬が多い印象を持つ。やはり古馬になった牝馬たちの目標となるレースは必要だろう。
昨年のエリザベス女王杯の勝ち馬ダンスパートナーはまさに牝馬限定の恩恵を受けた牝馬だろう。4歳時にはオークスを勝つなど牝馬同士では抜けた存在なのだが、トップクラスの牡馬との対戦では苦戦していた。まさにエリザベス女王杯の古馬への開放は渡りに船だったろう。現在は秋の1レースのみだが、将来的には春シーズンにも古馬牝馬のG1レースができるのが望ましいところである。
ただ、懸念されるのは牝馬が牝馬限定のレースにしか目を向けてほしくないということである。やはり力のある牝馬は牡馬と真っ向から勝負してほしい。そういうことから秋の天皇賞を制したエアグルーヴは、出走すればかなりの確率で勝てたはずのエリザベス女王杯を捨てて天皇賞に出走してきただけでもすばらしい。メジロドーベルも来年は牡馬に挑戦してほしいところだ。


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