今週のフリートーク

今週のフリートーク(97年12月5週)



1997年を振り返って

1997年もいよいよ押しせまったので、今年の競馬に関する出来事のうち私自身インパクトが強かったものについて振り返ることとしよう。
項目については順不同で、順位付けするつもりはないので誤解のないよう見ていただきたい。

1.武豊騎手年間最多勝ほか
今更ながらではあるが、今年も武豊騎手の年だった。勝ったG1は宝塚記念と秋の天皇賞と春秋1勝ずつにとどまったが、年間最多重賞勝利(数は忘れたが)を記録するなど、有力馬の騎乗を任されたらほとんどのレースで人気になりながら勝っていることがすばらしかった。
彼の場合毎レース勝てるような人気馬に乗っている印象があるが、実際のところ彼が騎乗しているだけでその馬のオッズが下がるもあり、必要以上に騎手の技量を求められることも見逃してはいけない。
それと武騎手がどこへ遠征しようと騎乗馬に困ることはない。例えば有馬記念の日の中山遠征では1〜9レースに騎乗してたが、関西馬に乗ったのはメイン9レースの有馬記念と5レースだけで、あとの7レースは関東馬に騎乗していた。これが関東の岡部騎手や横山典騎手が関西へ遠征してもこうはいかないだろう。

2.エアグルーヴ、天皇賞(秋)勝利
何よりも彼女の功績は、日本の競馬で半ば常識化していた牡牝のカベを打ち破ったことにある。
前例があるとはいえ、牝馬が天皇賞を勝つことは外国産馬に開放されない限り無理だと思ってただけに、今年の秋の天皇賞は衝撃だった。さらに「正直言って今度はさすがにだめだろう」と思っていたジャパンカップ、有馬記念も勝ちとほとんど違わない走りを見せてくれた。
牡馬でさえきついローテーションを見事こなしてしまったのだから恐れ入りましたと言うしかない。

3.サクラローレル、フォア賞敗戦
平成8年の春の天皇賞、有馬記念の力強い走りから当時は現役最強馬であることを確信したし、父レインボークエストの血統的背景からフランスへ渡っても好勝負をしてくれるものと期待していた。
しかしフタをあけてみれば目標の凱旋門賞はおろか前哨戦のG3フォア賞でよもやの最下位。レース後に故障が判明したとはいえ、これにはがっかりである。
やはり海外ではコース、展開等が異なるため、日本では通用した走りが海外では通用しなかったということだろうか。
先日のスプリンターズSでも海外からやってきた馬が、きついコーナーやテンに速い展開に面食らったのと同じなのだろう。

4.ダートの交流重賞本格化
ダートレースにおいては、中央と地方の垣根はほとんど取り払われたといっても言い過ぎではないだろう。
今年から地方での交流レースに統一グレードが制定され格付けが明確になった。
今のところ中央馬が席巻してるが、レースを面白くするためには地方馬の奮起がぜひとも必要だ。
交流重賞のメンバーを見ると熱心な厩舎とそうでない厩舎と2分されるように感じる。

5.ドバイでホクトベガ骨折安楽死
今となってはレースの順位はどうあれ無事で日本に帰ってきて欲しかったが、どうにも悔やまれる出来事である。
当日はラジオの中継しかなく、落馬直後の状況がなかなか伝えられず、シングスピールの勝利もそっちのけでやきもきしていたのを思い出す。
仮にあのレース、ホクトベガが無事に1週周ってきたとしても、ブリーダーズCのタイキブリザードのように世界のカベを思い知らされる結果になったような気がする。
普段なら4コーナー近くでは前のほうへスルスルと伸びてくるのだが、あの時は追走に手いっぱいという感じを受けた。

6.タイキシャトル、マイルCS・スプリンターズS制覇
今年下半期で一番センセーショナルだったのはタイキシャトルの走りだ。
まず度肝を抜かされたのはスワンSだった。前走ユニコーンSで休み明けで快勝したのも驚いたが、一線級の古馬を余裕でちぎって見せたのだ。
続くマイルCSもハイペースを楽々と追走して、直線これまた楽々と抜け出してきた。これはとんでもない馬が出てきたな、と思った。
もうこの時点で彼がスプリンターズSに出てくるなら勝利は確定的だと思った。そしてその通り彼はやってのけた。恐ろしい限りである。
来年はブリーダーズC挑戦のプランもささやかれているそうだが(おそらくマイルだろうが)、これは楽しみである。

7.グラスワンダー、3歳戦で敵なしの強さ
タイキシャトルと同様に今年後半のレースを盛り上げたのがグラスワンダー。デビュー戦から圧倒的な強さを見せ、G1の朝日杯3歳Sでは驚異の1分33秒台をマークした。
これは何年に1度の、といっても大げさではないが、ただ1つ気になるのは彼がアメリカ産馬ということである。
外国産、特にアメリカ産は早熟でスピード型が多いのが特徴である。はたしてグラスワンダー自信にこれから4歳にかけて成長する余地が残されているかが注目である。
スピードワールドの二の舞は見たくない。

8.サニーブライアン2冠
正直言ってサニーブライアンは本当に強いのかよく分からない。皐月賞に出るまでは弥生賞3着はあったものの、勝ったランニングゲイルにかなり離されてのものだったし、どこにでもいる4歳オープン馬だった。
確かに逃げてしぶといのは分かっていた。しかしあそこまで化けるものだろうか。皐月賞は展開の利だと吐き捨てる評論家もいるようだが、展開の利だけで直線入り口で後続をちぎれるものじゃない。
ダービーもそうだったが、残り400mから200mの脚がすばらしい。他の馬は何やってるのかと見えるが、実は彼が他の馬以上の脚を使っていたのだ。
そのサニーブライアンが1月のAJC杯で復帰するらしい。有馬記念を制したシルクジャスティスを押さえた馬だ、そうそう見苦しいレースはしないと思うが、どことなく不安である。


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