写真好きの店主、普段使う店主の35mmカメラは、気がつくとみんなCarlZeiss【カールツァイス:
ドイツの光学器機メーカー】のレンズになっております。最近、SONYのリミテッド版HandyCamにも搭載されているこのメーカーのレンズ、一体何でこんなに特別扱いされるのか不審に思われる方もおられるでしょう。その秘密はこのメーカーのレンズが持つ「色」にあります。
一般に国産メーカーのレンズは解像度を優先し、シャープに写る事を第一にチューンされてるそうなんですが、ヨーロッパのレンズは解像度よりも、色の再現性、その美しさに重点をおいて作られるのだとか…中でもCarlZeissレンズの持つ「色」の特性は素晴らしく、瑞々しい気品溢れる画面を撮影者に与えてくれるのであります。以前、16mmシネカメラでこの国産レンズとヨーロッパレンズの方向性の違いを、身をもって体験した店主(このお話はまた、別の機会に…)、表現する道具としてのカメラに、このCarlZeissのレンズが欲しくなったのでありました(もっとも、現在のCarlZeissは、民生用は一部の超広角レンズを除くと、日本の京セラが製造を担当しているのですが…)。
そういえば、この日本とヨーロッパのレンズの方向性ですが、映画版「スタートレック(1980)」の特撮をロバート・エイブルから引き継いだ、かのダグラス・トランブルが、総てをコンピュータライズしたシステムで特撮を撮ろうとしたエイブルのやり方に対して、「特殊効果のショットというものは結局、特定の美的魅力をひき出すために、精密なライティングの下で適切な焦点距離のレンズを通して、実際に模型を見ながらの、非常に複雑な審美的判断の結果なのだ」とコメント(注)していたのと、ある種、共通点があるかも知れません。ちょっと強引ですが(いやはや…)。
(注)日本版シネフェックス第4号(1984/バンダイ刊)より |