事務室第2室


大井武蔵野館の特撮映画大事典の巻(1997.01.11)

 やってますねぇ、大井武蔵野館恒例の東宝特撮映画大事典。おおしまも、ちゃっかり観てきましたです。お目当ては「緯度0大作戦」だったんですけど、併映の「海底軍艦」も久しぶりに観たなぁ。ムゥ皇帝陛下も相変わらずお美しい。

 「緯度0」楽しかったですねぇ。ドン・シャープ・プロとの契約から、東宝は上映以外、ソフト化の権利がないそうで、描写に問題がある「獣人雪男」「ノストラダムスの大予言」共々、恐らく今世紀中のソフト化はないんじゃないかといわれてます。しかし、作品はB級SFの魅力爆発!特撮はさすがに疲れの色が見える部分(冒頭の海底火山の噴煙なんか、アララって感じ)もありますが、メカ描写は凄いです。特筆すべきは開巻直後に登場する海洋観測船フジ。全長13メートルの鋼鉄製自走式。立派な「小型船」だそうですが、職人技の波作りと大プールでの自然光による撮影で、もう「本物」です。あのミニチュア撮影の技術が正当に継承されず、失われてしまったのは本当に残念です。「緯度0」についてはまた機会を改めて書きましょう。

大井武蔵野館 東宝特撮映画大事典上映スケジュール
1/12(日)〜1/14(火)

日本沈没

世界大戦争(ニュープリント)

11:55 16:25

14:25 18:55

1/15(祝)〜1/18(土)

電送人間(ニュープリント)

ガス人間第1号(ニュープリント)

エスパイ

11:05 16:00

12:35 17:30

14:15 19:10

1/19(日)〜1/22(水)

幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形
(ニュープリント)

マタンゴ(ニュープリント)

美女と液体人間(ニュープリント)

11:55 16:25

13:15 17:45

14:50 19:20

1/23(木)〜1/25(土)

呪いの館 血を吸う眼
(ニュープリント)

血を吸う薔薇(ニュープリント)

11:40 14:45 17:50

13:10 16:15 19:20

1/26(日)〜1/29(水)

ハワイ・ミッドウェイ大海空戦
太平洋の嵐

太平洋の翼(ニュープリント)

13:05 17:00

11:15 15:10 19:05

1/30(木)〜2/1(土)

連合艦隊司令長官 山本五十六

日本海大海戦(ニュープリント)

11:45 16:20

14:00 18:35

 あと、少し間が開きますが、3月にはこんなプログラムも…

3/13(木)〜3/15(土)

吸血鬼ゴケミドロ

宇宙からのメッセージ

14:00 17:30

12:05 15:35 19:00

               お問い合わせは…大井武蔵野館 03-3771-4934

奈良の思い出(1997.01.23)

 Houryu-ji temple 

 「ぎゃらりぃ」に登録した「降臨」を描くんで、久しぶりに当時作った物語の設定メモとかを見てたら、その頃、何回か奈良とか京都を訪ねてた事を思い出しました。当時は、仏像の彫刻としての格好良さに改めて気付いた頃で、あっちこっちのお寺を訪ねては感動に浸ってました。「降臨」のあのキャラクターも、仏像の持ってる様式美的なカッコ良さを、なんとかキャラクターに持ち込めないかと、試行錯誤した結果です。

 仏像見てると、ウルトラマンの仮面的な、ああいうテイストのものとかが、日本で根づいた理由が分かる気がします(ウルトラマンの造形と仏教美術の関連性については、良く言われる事ですが…)。もう「カッコよさの美学」の追及なんですよね、すぐれた仏像って。造形的なリズムっていうか、身体の動きや筋肉、衣服のひだや皺(しわ)の表現が、全体として大きなムーヴメントを形成するんですね。なんかこう、全体から小気味良いリズムが感じられる気がします。

 個人的には京都の東寺にあるような、密教系の濃ゆい異形の仏像はちょっと苦手で、写実とデフォルメのバランスが良い、ちょっと穏やか目の像が好きですね。

独断で選ぶ 造形ファン向け?"おおしま"おすすめの仏像達

東大寺戒壇院四天王像

(とうだいじ かいだんいん してんのうぞう)

奈良・東大寺・8世紀  大仏殿の脇を抜け、坂を下ると、松林の中に小さな御堂が現われます。これが戒壇院。ここの四天王像はかなりメジャーな存在ですんで、きっと修学旅行で行かれた方も多いのでは?写実彫刻の傑作で、顔面の造作はまるで実人の様なリアルさですが、良く見ると非常に巧妙なデフォルメ表現が施されています。鑑賞には旅行者の少ない冬場がお勧め。運が良ければ、たった一人で彼等に会えます。

興福寺八部衆

(こうふくじはちぶしゅう)

奈良・興福寺・8世紀  奈良公園の入口にある広大な興福寺。ここの八部衆像はバラエティ−溢れる形態と、愛らしい造形で外せません。有名な「阿修羅像(あしゅらぞう)」も、実はこの八部衆の内の一体です。鳥頭の迦楼羅(かるら)、三眼一角の緊那羅(きんなら)、少年相の五部浄(ごぶじょう)…どれも小振りで可愛らしいです。一部は近くの奈良国立博物館に分散展示されてます。

薬師寺金堂・薬師三尊像右脇侍 月光菩薩像

(やくしじこんどう・やくしさんぞんぞう みぎきょうじ がっこうぼさつぞう)

奈良・薬師寺・7世紀  ここも修学旅行のメッカですね。案内の御坊さんがタレント並に話上手なのはここの伝統か?金堂に安置された黒光りする巨大な仏像ですが、向って左側(右脇侍は自身から見ての名称です)の月光菩薩がお勧め。官能的とも思える顔や身体の様式的な表現が凄いです。潔い簡略化が逆に現実感を醸し出します。数ある仏像の中でも屈指の美形です。

妙法院二十八部衆

(みょうほういん にじゅうはちぶしゅう)

京都・妙法院(三十三間堂)・13世紀  三十三間堂と言えば、千体千手観音で有名ですが、二十八部衆の方が、実は彫刻的な満足度は高いです。こちらは鎌倉時代の作なんで、写実表現はさらにエスカレート。力強いポーズは、さすが質実剛健が信条の鎌倉彫刻ならでは。数も多いですが、そのバラエティに富んだキャラクターが何よりの魅力。脇をかためる風神、雷神も、まるでレインボー造形の怪人造形の如し(いやはや…)。見事なデフォルメで魅了してくれます。


PCの「モノとしての魅力」(1997.01.25)

photos: ohshima

 毎日といって良い程使うコンピューター。仕事で使うのであれば、性能やコストパフォーマンスが最重要視されてしかるべきですが、趣味やプライベートで使うのであれば、そこに「モノとしての魅力」を求めたくなるのが人情。しかし、最近の熾烈な販売競争の中で、どうもコストダウンの名目のもと、この「モノとしての魅力」がばっさりと切捨てられてしまっているのは、何とも残念です。

 そんな状況の中で、非常に興味深いコンセプトを持つ製品だったのが、このolivetti製サブノートPC、"QUADERNO33"(クアデルノ33)。プロダクト・デザインを、イタリアの建築家でありデザイナーでもあるマリオ・ベリーニが手掛けたという、モノとしての魅力溢れるPCです。CPUの非力さが、何とも惜しまれますが、本体ケースのメカニカルな質感や、専用の革製ケースに至るまで、デザイナーのこだわりが感じられて、嬉しくなってしまいます。実際、キーボード右上に付けられたトラックボールは、本体側面右上の角にもう一つのクリックボタンがあり、素晴らしい使い心地です。

 やはり、こんなこだわりを持つPCが、もっと出て来て欲しいですね。できれば、ベリーニ氏にはもう一度PCデザインにチャレンジしてもらいたいものです。





土曜日の黄昏(1997.01.28)

 photo: ohshima 

 どこかゆったりしていて、でもどこか人恋しい土曜日の黄昏刻(たそがれどき)。こんな土曜日は、ゆっくりと色を変えて行く空を眺めながら、元麻布へイタリア料理でも食べに行きましょう。テーブルの用意が出来るまで、ウェイティング・バーで一休み。いろんなお話が聴こえてきます…

 最近良く聴くFMのプログラムに、Tokyo-FMの"SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI"があります(東京では毎週土曜日午後5時から)。イタリア料理店"アヴァンティ"のウェイティング・バーを舞台に、店内の常連客の会話を、一緒に楽しんじゃおうっていう、ヴァーチャル・バーですが、徹底して仮想の店を空想させようとする凝った作りが、仲々楽しめます。

そんな"AVANTI"さんが、インターネットにもお店を開きました。一度いらしてみては如何ですか?

 住所はこちら。 SUNTORY SATURDAY WAITING BAR "AVANTI"