事務室第3室


エヴァンゲリオン再放送(1997.01.31)

あやなみ・れい

 東京では、2月2日の午前2時55分から、かの「新世紀エヴァンゲリオン」の再放送が始まりますね。なんか毎週2時間枠で1回4本づつの放映だそうで、こういう型破りな放送の仕方も、やっぱ「エヴァ的」だなぁ。オンエアの時、ビデオがいかれて2本撮りこぼしがある"おおしま"は、千載一遇のチャンスとばかり待ちかまえております。

 作品としてみると、あんまり好きではない部分も多いんですが、非常に純文学的っていうか、登場人物と共に、作品や、何より監督自らが崩壊していく過程がフィルムに焼き込まれてる、これはこれで異様なきらめきを放つ希有(けう)なシリーズだと思います。

 作品に、おのれの持てる総ての力を叩き込み、血反吐を吐きながら延々続く急坂を登り続ける…この作品には、そんな、悩める文学者の苦闘を彷彿(ほうふつ)とさせる様な処があります。

 これを機会に、もう一度その過程をたどってみるのも、意味のある事だと思えますね。


コーヒー(1997.02.02)

photo & digital effect: ohshima 

 コーヒーが好きで、毎日楽しみながら飲みます。さすがに豆を煎ったりはしませんけど、ミルで豆を挽いてサイフォンでいれます。一般にコーヒーをいれるには、ネルの布袋にコーヒーの粉を入れ、熱湯を注ぐ「ネルドリップ」式が一番旨いって言われてるんですが、入れ方による味の差が大きいそうで、"おおしま"は比較的扱いやすく、実験器具みたいで見た目も面白いサイフォンを愛用してます。で、マメを挽くのに使ってるのが、このドイツ、ザッセンハウス社製のミル。

 新宿は紀伊国屋本店の脇、三峰の横の道を入った処に、コーヒー用の器具とか豆を扱ってる専門店があるんですが、そこのご主人に言わせると、「現在求め得る最高のミル」だそうであります。結構ポピュラーなミルですんで、コーヒー関係の器具を扱ってるコーナーには大抵置いてあります。

 この会社のミルは、豆を挽く部分の構造が独特で、歯車の様なメカニズムで砕きながら擦り潰し、他のミルでは不可能な細かな粉を挽く事ができます。サイフォンは細かい粉でいれると、味にコクが増すのであります。但し、細かく挽く分、挽くのに力がいるという大きな欠点が(いやはや…)。一回挽くと息があがるのは尋常じゃないゾ。

まちかどの きりん(1997.02.04)

photo & digital effect: ohshima  

きがつくと

きりんは みしらぬ まちかどに

たっていました

さっきまで きこえていた

さあかすの どらむや

こどもたちの せいえんは

いつのまに とおくなっていたのでしょう



 東京駅の近くで見つけた彫刻のキリンです。作者は動物をモチーフにした彫刻を多く手掛けられる安藤泉さんとおっしゃる彫刻家。以前テレビで、彫刻の製作過程を拝見した事があるのですが、銅板を叩き出し、溶接してこの形は作られるのです。簡略化されたフォルムの中に、こんなに生々しいキリンの姿を封じ込めるには、一体どうすれば良いのでしょうか?…

近況(1997.02.09)

photo & digital effect: ohshima  

 近況って言っても、まぁ店主の近況なんか書いてもしょーがないでしょうから、このサイトに関する準備中の話題をひとつ。

 かねてから店主がNiftyで連載してました「御町内特撮救助隊SFXボイジャー」ですが、バックナンバーについて、現在このサイトでの公開準備作業に入ってます。

 しかしながら、せっかくインターネットでやるのなら、パソ通の単なる焼き直しでは身も蓋もありません。っと言う事で、現在準備中なのはその名も "DIGITAL VOYAGER"。電子ブック版のSFXボイジャーと言う訳です。フリーウェアの電子ブック・ブラウザをヘルパー・アプリケーションとしてNetscapeやInternetExplorerに登録する事によって、閲覧出来る様になります。

 UNIX系端末でアクセス頂いてる方にはちょっと申し訳ありませんが、MacとWinにハイブリッドで対応します。公開に当っての技術的な目処もほぼついて、これから編集作業に入って行く予定です。

 今のところ公開第1弾にはNiftyでも途中までしかライブラリー化されていない「究極の特撮映画編」を予定しています。準備ができましたらまたお知らせします。楽しみに待っててネ。

丸ビル・近況(1997.02.15)

photo: ohshima  

 東京駅前にドンとそびえていた丸ビル、いよいよ取り壊しが迫ってるそうですね。中に入ってた商店街のテナントさんも、既に9割方移転してしまったそうで。

 丸ビルの商店街って、私も何度か行きましたが、レトロな風情がそこ此処に感じられて、味わい深い雰囲気がありました。喫茶店なんかも、高い天井に、大きな羽根の天井扇が回ってたりしてて、いい感じだったのになぁ…

 3月以降はテナントの移転が完了次第取り壊しは秒読み段階に突入しそうです。丸ビルがなくなって近代的な高層ビルにでもなると、東京駅前の風景のバランスも、また一段と悪くなりそうで残念です。日本の町並みがこれほど汚いのは、やはり「調和」って言葉をどっかに置き忘れて来ちゃったからでしょうか?建物が個々に美しくても、街全体としてどうか?そういう視点は、もはや日本には存在しないのかも知れません。人間、自己主張だけでは成り立たないな、新幹線から車窓を眺めてると、そんな気がしたりします。

 あ、先日書いた電子ブック、既にお気付きかと思いますが、本日から公開を開始しました。色々と不備はあるかと思うのですが、何かありましたらご指摘下さい。本当はもう少し付加的な情報も入れたかったんですが、データ圧縮ができないとか色々制限があって難しい処です。でも、普通にモニター上で文章を読むよりは、大分読みやすくなってると思いますが。