最近印象深い出来事をいくつか。
まずは既に皆さん御存知の事だと思いますが、東宝の田中友幸プロデューサーの死ですね。テイストは異なるかも知れませんが、氏は、本質的な部分では日本のロジャー・コーマンの様な方じゃないかと思ってます。
一般には本多猪四郎監督、円谷英二監督と並んで、日本特撮映画の立役者として奉られる事が多いんですが、当然の事ながら、氏にとって特撮映画はビジネスの手段であり、決してそれ以上でもそれ以下でもなかった事でしょう。まぁ、プロデューサーという立場から言えば至極当然のことですが。
時代が特撮映画を要求し、コンスタントな配収が得られたからこそ、特撮映画を制作したのだし、怪獣バトルを煽り、ゴジラをヒーロー化したんでしょうね、きっと。基本的にかなりシビアな現実感をもった方だったと推察します。そういう意味では、プロデューサーとしての手腕は、確かに凄いと思うのですが…
もう一つは、「ティガ」を撮る実相寺昭雄監督です。「なぜ今、実相寺監督なのか?」というのが正直な感想ですが、反面、興味本意な部分で観てみたいという欲求もあります。
とりあえず2本撮ることが決定したらしいんですが、実質、監督のオフィスである「コダイ」のスタッフで制作するらしいですね。これが監督登板の交換条件であるのかどうかは、定かではないのですが、シリーズ作品としては非常に異例です。
先日他界されたらしい大木淳吉(大木淳)監督がご存命であれば、特技監督は決まりだったでしょうが、とにかく怪獣も池谷仙克氏がデザインするそうですし、脚本は「エヴァンゲリオン」も執筆し、監督とも組んだ経験のある脚本家(薩川昭夫氏か?)が執筆する模様なので、従来のスタッフを徹底して排除(?)する方向で制作が行われる様ですね。
これが意味するものは一体何なのか?何だか邪推を呼びそうで、出現する作品と、それが以降の「ティガ」に与える影響が、非常に興味深いですね。 |