ティガの温室・分館

The "KAIJYU" ILLUSTRATED

ザ・カイジュウ・イラストレーテッド


【ナターン星人】 Episode#29

 今回も結構哀しいストーリーでありました。最近の「ティガ」はかなりセブン化が進行してる気がしますね。今回のストーリーなんかも、セブンの頃の市川森一氏辺りが好きそうな題材だったし。ただ、本編演出っていうか、カメラワークとか編集とかに、「セブン」の切れがないのは、やっぱり時代なのかなぁ?なんか線が細い気がするんですよ。まぁ、これは「ティガ」に限った事じゃなく、最近のドラマ全般にそうなんですけど。題材的にこれだけハイブロウなものをやるんなら、映像もそれに合わせて実験的な演出しちゃってもいいと思いますよ。今回は完全にお子様置き去りでしょうから。それから蛇足ですけど、マユミちゃんがマヤのおっかけで持ってたカメラ、T2でしたね(詳しくは事務室第4室を見てネ!)。

 ナターン星人、かなり濃ゆいデザインで、面白かったです。ただ、扱いがどーでも良かったのは、ウルトラでこういうハイブロウなエピソードをやった時には、必ず露呈する問題なんですけどね。ドラマの主体を人間にもって来ると、結果的に怪獣やウルトラマンさえ邪魔になっちゃうんですよ。その意味では、ナターン星人に、単に「追跡者で悪い宇宙人」ってだけじゃなく、テーマに関わる何がしかの役割が与えられてないと、ティガも立つ瀬がないです(いやはや…)。一度、ウルトラマンや怪獣が登場しないエピソード、やってみたら面白いかも(って、無理だよなぁ)。

 でも実は今回一番の不満点は、ナターン星人が地球人に乗り移る時の、余りにストレートな演出とカメラワークでしょう。アレはどう見ても、ぬいぐるみ着た人間がノソノソ歩いて来た様にしか見えなかったです。結構ポイントになるシーンだけに、惜しかったです。「暗闇に立つ宇宙人の姿、ほの見える不気味な顔」ってワンカットを入れるだけでも随分緊迫感が増す筈なのに。

 造形も、ちょっと面白いですね。着ぐるみがかなり薄くて、スーツの様な感じです。カラーリングのせいか、GUTSのユニフォーム着てる様にも見えて、これまた不思議な感じです。頭部は型抜きでしょうが、相変わらずディテールに凝った仕上り。最後に登場する口が開閉する頭部は、同じ型から起こしたダミーヘッドでしょう。口の内部も繊細な仕上げで、ワンカットしか使わないのはちょっと勿体ない。