ティガの温室・分館

The "KAIJYU" ILLUSTRATED

ザ・カイジュウ・イラストレーテッド


【デシモニア】 Episode#34

 久しぶりの小中脚本、しかも「GUTSはこうして生まれた」或は「GUTS誕生」的な部分にも触れ、かつヨシオカ長官大活躍という、結構欲張りな一本。やっぱり作劇的な部分では、他の若い(いや、小中氏だって充分お若いですが)脚本家の方々と比べて一日の長があります。なんか、安心して観てられるっていうか、ほっとするっていうか。でもこうしてみると、「ティガ」は脚本が作品を支え切れてないエピソードが多くてちょっと残念。後一歩の練り込みが足りないばかりに、傑作になりそこねたエピソードの何と多い事か…今回も、サワイ総監がUFOにさらわれそうになる回想シーンとか、脚本的にかなり乱暴っていうか、何とかして欲しいなぁって部分もあるんですが、スピーディーな展開で、何より観てて楽しめるエピソードに仕上がってたのが幸いです。でも、相変わらず侵略の理由は教えてくれないんですね==>小中さん(いやはや…)。

 ヨシオカ長官は、今回のエピソードで、新たな面が描かれて、人物としての深みが随分増しましたね。ああいう多面的な部分がないと、人間としてリアルじゃないですしね。演じる岡部さんは、さすがにアクションも決まっててカッコいいです。日本の、あの年代の役者さんで、ああいう役がキマるっていうのは、すごく貴重な方だと思います。

 特撮は、結構手堅くまとまってたんじゃないかな、今回。特に会議場に浮遊してる小型の生体兵器の描写なんか、すごく良かったです。飛び去るシーンも、ビルにちゃんと影が落ちてて、もう涙出そうでした(いやはや…)。それにウィング2号も、ついに大半CGでいける様になって来ましたね。変形する時のギアの動きなんかイイなぁ。どうやら「ティガ」の後番も「ウルトラ」で決まったみたいなんで、この先が楽しみですね。

 デシモニアは、もうちょっと動けるかと思ったら、完全に硬直してました。ちょっと食い足りない感じです。もう一つ、目立つギミックが欲しい気もします。デザインソースは、ひょっとして代々木の室内競技場じゃないよね(いやはや…)。ティガとの戦いは、演出でもうひと工夫欲しかったですね。イラストは、劇中とは敢えて変えました。