旧作資料館 Part-4


 旧作資料館

天平超人伝説(1991)

Guardians in Tenpyo (1991)

堀辰雄ばりに古都に遊んで想を練ったら、何か面白いものが出来るんではないかと実際にやってみた結果がこの作品(いやはや…)。 奈良や京都で色々と仏像や古代の遺構を見たりしながらイメージを膨らませました。 今までの作品にはない古代日本の雰囲気を取り込んで、天平~鎌倉期の仏教彫刻が持つ様式美みたいなものをキャラクターに具現化できないかと随分試行錯誤した記憶があります。

一万年に一度という大規模な太陽黒点の活動で、奈良の古代遺跡に封印されていた魔神が現代に復活。かつて魔神を壮絶な戦いの末封印した超人時空の軍神(ときのぐんしん)は、共に魔神を封印しその後人間の世界に降臨した盟友、弓の武神(ゆみのぶじん)の末裔である少年ユミガミ・タケルに配下の超人、弦の楽神(げんのがくしん)の力を与え、魔神と戦う事でタケルの超人としての能力の発現を願います。

弦の楽神1 弦の楽神2

弦の楽神〔げんのがくしん〕

主人公、ユミガミ・タケルが楽神符という腕輪の法力で変身した超人。その身に秘められた数々の超能力で古代の魔神達から人々を守る。 時空の軍神配下の超人の中ではもっとも若く、今回の魔神達との戦いが初陣となる少年相の超人。音を司る神であり、背中には正倉院に伝わるのと同じ五弦の琵琶を背負っている。タケルとは互いの身体を共有しており、それぞれの姿の時にも会話を交わすことが出来る。二人は息もピッタリあった名コンビだ。

◎ 登場する超人達はいずれも古代の革鎧(かわよろい)から想を得た武具で着甲しています。主人公ともいえる弦の楽神は興福寺の八部衆像辺りからエッセンスを抽出しました。


時空の軍神

時空の軍神〔ときのぐんしん〕

時空を超えて平和を守護する現存最強の超人。盟友、弓の武神の魂を受け継ぐタケルを新たなる超人に選び、配下の弦の楽神との融合によって彼の超人としての能力発現を願う。奈良の古代遺跡に出現する。

◎ 強大な超能力を象徴するように光背(こうはい)や浮遊する天衣(てんね)等々、仏像彫刻の象徴的なアイテムをデザインに取り込んでみました。フワフワと浮遊する天衣も現在の映像技術ならCGで再現できそうですね。


力の剛神 智の覚神 飛空の雷神

三超人:力の剛神〔ちからのごうしん〕、智の覚神〔ちのかくしん〕、飛空の雷神〔ひくうのらいじん〕

時空の軍神配下の超人達。力の剛神は勇猛果敢な力を司る神、智の覚神は三眼一角の異相。強い念動力で魔神を粉砕する真理を司る神。飛空の雷神は天空を司る神で、天候を自由に変化させる力を持つ。その力は地球そのもののエネルギーが後ろ盾。彼らは前回の魔神達との戦いでも弓の武神や時空の軍神を助けて活躍した。

◎ 弟分ともいうべき弦の楽神を側面から支える勇者達も、デザインや能力設定に仏像彫刻の要素を導入しました。


雲女 緋炎狼

魔神:雲女〔ウネメ〕、緋炎狼〔ヒエンロウ〕

前回の超人達との最終決戦後、千数百年間に渡って奈良の古代遺跡に封印されていた魔神は、一万年に一度という大規模な太陽黒点の活動でエネルギーを得て現代に復活、再び人類の支配を目論む。

魔神はその出自によって様々な形態を持ち、人間に似た外観を持つものや獰猛な獣の姿を持つものなど多様である。雲女は魔神の中でも高位で超能力を持ち、幻術によって人心を攪乱する。配下の魔神達を指揮して暗躍し、人類支配を進める行動隊長の役割を担う。緋炎狼は獣の魔神。怪物の様な外見ながらも知能は高く、人語も解する。怪力と俊敏な動きで人間を襲う。身体のあちこちに生えている刺には猛毒がある。

◎ 超人と敵対する魔神はキャラクターにバラエティを持たせたかったので、人間的な者や怪物的な者の混成にしてみました。天平期のインターナショナルな空気が感じられるような大陸的なデザインを意識しています。


邪法竜王

邪法竜王〔じゃほうりゅうおう〕

邪悪な法力を持つ魔神の剣士。少年相に似ず、その力は超人に迫る。今回の侵略で初めてその姿を現した強力な魔神。頭脳的、且つ計画的な戦いが得意で、巧妙な作戦は弦の楽神をも絶対の危機に陥れる。

◎ 弦の楽神のライバル的なキャラクターとして設定した魔神のプリンス。革鎧のデザインはモロに戒壇院や新薬師寺の仏像からの影響ですね。






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