Mac OS 8.5 の概要
Mac OS 8.5 はネイティブ化された AppleScript を含んだ主に使いやすさに関して細かく配慮を配った改良がなされている。
QuickDraw が書き換えられ描画速度に改善があるはずである。また、QuickDrawText/Font Manager の変更によりアンチエイリアスが可能となり Finder での文字がアンチエイリアス表示できる。 Finder について二つの Finder フラグが追加され、日本語フォントの扱いにやや変更がある。また、このバージョンから Unicode に対応した。Unicode 対応と QuickDraw の書き換えは ATSUI(Apple Type Services for Unicode Imaging) の導入という局面ももたらしている。 WorldScript ( WorldScript I および WorldScript II )はシステムに組み込まれ、アラビア語や 2 バイト文字に関しての扱いがやや変わる。また同時に丸漢サポートもシステムに組み込まれ、インライン入力もシステムに統合された。
Finder フラッグに関しては、 icon badge と custom routing という二つの属性が追加された。 icon badge は AutoDoubler を使っていた方ならおなじみの機能で(圧縮されたファイルにはオリジナルのアイコンに DD という印がついた)アイコンに印(バッジ)を付加することができるようになる。Custom Routing は例えばコントロールパネルをシステムフォルダにドラッグ&ドロップするとコントロールパネルフォルダに自動的に振り分けられて収まるように、ファイルのルート処理を可能にする。
このファイルフォーマットの変更はインターネット上でのファイル転送に影響を与える。現在のデコードツールはこの二つの新フラッグに対応していないため、新しいフラッグは無視されてしまう。 この新しいフラッグに対応するということはインターネットを利用してファイルを入手するユーザにかなりの変更を求めることになる。 BinHexと MacBinary II ではこれらの新ファイルに対応できない。そのためインターネットでファイル転送をするプログラムは対応フォーマットである MacBinary III 対応となるべくアップデートする必要がある。
日本語フォント関連では TrueType の丸漢は不要になる。対応した TrueType の丸漢は不要であるが、対応していない TrueType については「フォントアップデータ機能拡張」によって対応する形になっている。丸漢ファイルを持つ TrueType フォントはシステム起動時に自動的に sbit フォーマットに変換され保持されることになる。これは丸漢ファイル内のビットマップデータを'sfnt' リソース内にコピーすることによって行われ、一度変換されればそれ以降は必要なく、変換された丸漢ファイルは次からは不要になる。(ということはシステムごとにフォントに関してはカスタマイズされることになる)
WorldScript と丸漢サポートの組込みのために、日本語でも shift 起動での文字化けがなくなるという大変大きい利点がある。起動時のプライマリスクリプトの問題も解消されることになる。
AutoStart 9805 が利用した QuickTime による CD-ROM 自動再生はインストール後にオンになっている。必ず QuickTime 設定コントロールパネルの CD-ROM 自動再生は切っておくように。
● Mac OS 8.5 の新機能 |
「パフォーマンスと安定性の改善」
ネットワーク上及びディスクでのコピー速度の向上
AppleScript の改善
AppleScript のネイティブ化による 3-5 倍の速度向上。より多くのコントロールパネルや種々のタスクのスクリプト対応。フォルダへのスクリプトを可能にしてフォルダを開いたりファイルをそこにコピーする時にスクリプトが実行できるようになった。
QuickDraw の改善
スクリーン描画やスクロールの速度が速くなった。
ディスクの保護
Disk First Aid は起動ボリュームでも修復できるようになった。(すでに Disk First Aid 8.2 で可能になっていた)不適切に終了した場合、再起動時に自動的に Disk First Aid が実行されるようになった。
「インターネットの統合化」
Network Browser によるファイルサーバへの容易なアクセスとサーバリストの作成
インターネット検索と検索結果のランク付け、 URL と要約の保存
多言語対応
ブラウザで多言語文字を表示できる。どこの国のサイトでも文字が正しく表示される。
ネットワークタイムサーバへのアクセス
ネットワークタイムサーバにより日付&時間コントロールパネルで時間を合わせることができる。夏時間の自動セット。西暦 2000 年対応のための世紀を含む日付フォーマット。
容易なインターネット設定管理
インターネットコントロールパネルからのインターネット設定の一括管理。複数設定の保存と簡単な切り替え
インターネットロケーションファイル
デスクトップにドラッグしてインターネットロケーションファイルを作成すれば、ダブルクリックでそこに行けたり新しいメールメッセージを開くことができる。
「ウィンドウの改善」
新アピアランス機能
システムフォント、デスクトップパターン/ピクチャ、スクロールとアンチエイリアスオプションなど、デスクトップのルックアンドフィールのカスタマイズは全てアピアランスコントロールパネルで設定する。好みのセットはアピアランスセッティンググループとして保存できる。
タイトルバーアイコン:
フォルダやボリュームのウィンドウタイトルバーアイコンを移動することでそのフォルダやボリュームを移動したりコピーできる。
表示項目のリサイズ:
表示項目の順序を変えたり、幅を変えることができる。
プロポーショナルスクロールボックス:
プロポーショナルスクロールボックスの大きさでウィンドウの内容が視覚的に分かる。
ダブルスクロールアロー
アンチエイリアスによる文字表示
標準表示オプション
Finder 設定の表示ではボタン、アイコン、リスト表示の標準を指定できる。
新しいアイコン機能
「ファイルとプログラム管理の改善」
ファイル内容の検索
1あるいは複数の単語によるファイル内文字の検索ができるようになった。検索前に索引を作らなければならず、ファイル等に変更があった場合にも索引を作り直す必要があり時間がかかることがある。そのためコンピュータから離れるときなどにスケジュールアップデートすることができる。
新しいプログラム切り替え
アプリケーションメニューはティアオフできるようになり、「アプリケーションスイッチャー」ウィンドウとして表示される。アプリケーションスイッチャーではアイコン表示やリスト表示が可能で、簡単に起動しているプログラムを切り替えることができる。ティアオフするにはアプリオープンセーブの新しい方法
・ダイアログで shift キーを押しながら選択すると複数のファイルを一度に開くことができる。
・ショートカットボタンによる AppleShare サーバからのオープン、 AppleShare サーバへの保存
・ショートカットボタンによる AppleShare サーバマウント
・よく使用する項目( Favorites )ボタンへのゾーン、サーバ、ボリュームの登録
・最近開いた項目ボタン
よく使用する項目への簡易アクセス
アップルメニューのよく使用する項目( Favorites )フォルダにより書類、アプリケーション、ゾーン、サーバ、ボリューム、インターネットロケーションファイルへのアクセスが便利になる。これらはネットワークブラウザのオープンセーブダイアログでも使うことができる。よく使用する項目( Favorites )フォルダには赤いリボンがつく。
「Apple ヘルプ:インテリジェントオンスクリーンヘルプ」
Apple ヘルプはインターネットサイトから必要な情報を提示することができる。
拡張された情報ウィンドウ
次のポップアップメニューがついた。
・メモリ割り当て
・ファイル共有
・プリンタビジー、プリンタ設定
・プリンタ使用可能フォント
「メディアの統合」
QuickTime 3.0、QuickTime VR、QuickDraw 3D
書類の変換
DOS/ Windows も含めたほとんどのファイルをダブルクリックで最適なアプリケーションで開くことができる。また、それらの設定を設定できる。
ColorSync カラーマッチング
モニタ&サウンドコントロールパネルのモニタキャリブレーションアシスタントの新設
Text-to-speech
スピーチコントロールパネルの Talking Alerts を設定すれば、コンピュータは警告を音声で行う。書類内の文字を読み上げることができるアプリケーションもある。
インストール関連 |
●インストールできる機種
・PowerPC プロセッサ が搭載されたアップル社の Mac OS ベースコンピュータ
( 680x0 の Macintosh を PowerPC プロセッサアップグレードしたものでは動作しない)
・ディスクの空き容量が 150-250 MB 必要
・16 MB 実装メモリ。仮想記憶を使用して 24 MB 以上のメモリ
以上が米国 Apple 発表のものである。 Mac OS 互換機については Mac OS 8.5 のインストールは可能であるようだ。ただし、いつものことであるが、 CD-ROM ドライブが Apple 純正でないために CD-ROM ドライバが別途必要である。
●インストールの際の注意
セキュリティソフトウェアを外す。
PowerBook は AC アダブタに接続する。
スリープの設定を確認し、スリープになっていないようにする。
ネットワークからインストールする場合は AppleShare 3.6.4 以上を用いる。
CD-ROM から起動しない場合、抗ウイルスプログラムを切り Mac OS のみの機能拡張の構成のシステムで立ち上げること。
クリーンインストール(新規インストール)を推奨する。
インストール前にはバックアップを必ず取っておく。
CD-ROM ドライブがない機種の場合は CD-ROM を丸ごとハードディスクにコピーしてそこから行うか、機種ゲシタルトを一時的に変更した他機種上でインストールしたシステムをコピーする。( "Wish I were..." というユーティリティがある)
●互換性
「 Ultra Wide SCSI カード」
一部の古い Ultra Wide SCSI カードには非互換のものがあり、 Mac OS 8.5 インストール前に firmware アップデートが必要である。非互換の場合には Mac OS 8.5 CD からの起動中またはインストール中にクラッシュする。
「インターネット接続アシスタント」
LAN 内で「インターネット接続アシスタント」を用いてこれまでの設定を変更すると TCP/IP の設定が正しく設定されない。
「 Finder ユーティリティ」
Mac OS 8.5 対応のものを使用すること。 Mac OS 8.5 で変化した Finder の諸機能に関連するユーティリティはこれまでのものは動かないかも知れない。
「 DOS Compatibility card」
DOS Compatibility card は Mac OS 8.5 では動作しない。
「 PowerPC プロセッサアップグレードカード」
Mac OS 8.5 は Power Macintosh 専用である。 680x0 のコンピュータでは動かない。また、 680x0 のMacintosh を PowerPC プロセッサアップグレードしたものも動作しない。
「 400K フロッピーディスクは使えない」
Mac OS 8.5 では 400K MFS フォーマットのフロッピーディスクを使うことはできない。
「 PowerTalk, QuickDraw GX 」
PowerTalk は使えない。 QuickDraw GX の機能を利用して印刷するアプリケーションではそのような印刷はできない。
「 NuBus ベース PowerMacintosh で CPU クロックアップされたもの」
Power Macintosh 6100, 7100, 8100, 9150 で CPU クロックアップしたものは Mac OS 8.5 インストール時にインストーラからインストールできない。
「5200シリーズ、5300シリーズ、6200シリーズ、6300シリーズ Performa または PowerMacintosh 」
これらのコンピュータでハードウェアを修理していないものではインストールできないことがある。 CD のユーティリティフォルダにある 5xxx/6xxx Tester を用いて問題が報告される場合はリペアエクステンションプログラムを受けること。 5260, 6320, 6360 にはこの問題はない。
● LocalTalk Bridge 2.1 : 互換だが一部問題あり
Open Transport 2.0 のお読み下さいには LocalTalk Bridge 2.1 と互換があると書いているが同時に既知の問題があると書かれている。しかし実際には既知の問題についての記述がない。
記載のない既知の問題とは LocalTalk Bridge 2.1 がインストールされていると Ethernet から他のポートに AppleTalk を切り替えるとクラッシュすることである
Apple は LocalTalk Bridge 2.1 と LaserWriter Bridge 2.1 について Mac OS 8.5 では限られた範囲のテストしかしていない。完全な互換はないが、現時点でアップデートの予定はない。
● PowerBook 3400/G3 Modem 機能拡張
PowerBook G3 (最初のモデルであって PowerBook G3 Series ではない)および 3400 で Ethernet を用いる際には PowerBook 3400/G3 Modem 機能拡張が必要である。モデムを使用しない場合でもこの機能拡張を削除しないように。
● Apple Telecom のインストール
GeoPort モデム/Express モデム用の Apple Telecom はインストーラからインストールされない。 CD-ROM の " CD エキストラ" にあるのでそこからインストールする必要がある。現時点での最新バージョンは 3.1.3. であり、 3.1 は推奨できない。Apple は Apple Telecom をオンライン配布する予定だ。
● Token Ring カードはサポートしていない
Apple は Apple 製 Token Ring カードをサポートしない。
● QuickTime Plugin
QuickTime Plugin はインストーラから標準ではインストールされない。カスタムインストールの Internet Access をチェックし、ポップアップメニューをCustomized Installation として、インストールしたいブラウザにチェックを入れる。
● Language Kit
Mac OS 8.5 の機能を機能を完全に使うためには Language Kit をアップデートする必要がある。アップデータは CDエキストラにある。
● Disk Tools
Disk Tools フロッピーディスクは添付されていないが、米国版 CD-ROM 内のイメージディスクから作成することができる。 "Make Disk Tools floppies" DiskScript をダブルクリックする。
● PDF ファイルの見方
Mac OS 8.5 のいくつかのマニュアルは Adobe Acrobat フォーマットである。ファイル名の最後が "pdf" のものがそうである。 Mac OS 8.5 CD の Adobe software フォルダにある Adobe Acrobat Reader をインストールすることにより利用可能となる。
インストール時、インストール後のトラブル |
●インストールの記録
Mac OS 8.5 インストーラからインストールの記録を残すことができるようになった。これはインストールした日付と時間、インストールによって追加、交換または削除されたファイル、インストールが成功したかなどが記録されたテキストファイルで、 Installer Logs というフォルダに入る。
●インストール後のモニタ解像度変更
Mac OS 8.5 インストール直後の起動時にモニタ解像度が変更されていることがある。モニタ&サウンドコントロールパネルによって元に戻す。
●プリンタドライバ
Mac OS 8.5 をクリーンインストールした後にセレクタでプリンタアイコンが表示されない場合はプリンタドライバを再インストールする必要がある。
ただし、 StyleWriter, StyleWriter II, StyleWriter 1200 は StyleWriter 1500 を、また、 Color StyleWriter 2200, 2400 は Color StyleWriter 2500 の各ドライバを使用すればよい。
●アップル登録
Mac OS 8.5 ではオンライン登録ができるようになった。 iMac で最初に使われた機能である。 "Register with Apple" という AppleScript があり、最初にインターネットの設定ができているかどうか調べる。設定できていない場合、インターネット接続アシスタントを起動しユーザが設定した後 Apple のオンライン製品登録サイトにブラウザを接続する。
●インターネット設定の取り込み
すでに前バージョンの OS でインターネット設定がなされている場合で Mac OS 8.5 を最初に起動した時現れるインターネット接続アシスタントを使用せずに以前の設定を取り込む方法。
前バージョンの OS から起動し、 "TCP/IP" コントロールパネルを開いた状態で "ファイル" メニューから "設定..." を選択する
▼
移したい設定を選択して "書き出し..." を選択し、適当な場所に保存する。取り込みたい設定が複数ある場合はこれを一回一回繰り返して行う必要がある
▼
AppleTalk で異なる設定がある場合はそこでも同じ事を行う
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Mac OS 8.5 をインターネット接続アシスタントなしにインストールする
▼
Mac OS 8.5 を起動し、 TCP/IP コントロールパネルの設定画面で "取り込み..." を選択し、先に保存した設定を読み込む。
他のコントロールパネルの設定も同じように行う。
● Mac OS ヘルプが出ない
インストール後 Mac OS ヘルプを参照しようとしたら " QuickTime 3.0がない" とか " AppleScript がない" とアラートが出て参照できないことがある。
ヘルプ表示には AppleScript と QuickTime が必要である。 QuickTime の動作には "QuickTime" 機能拡張と "QuickTime Power Plug" 機能拡張が必要であり、 AppleSc4.2.1ript には "AppleScript" 機能拡張と "AppleScriptLib" 機能拡張が必要である。また、 "Apple Guide" 機能拡張が必要である。
搭載メモリが少ない場合もヘルプが使用できないことがある。そのため、メモリの少ないマシンで Mac OS CD から起動した場合にヘルプを使用することができない場合がある。
● Mac OS 設定アシスタントに希望のプリンタが出ない
Mac OS 設定アシスタントはそのマシンと同じゾーンにあるプリンタしか表示しない。従って、他のゾーンのプリンタを選択したい場合には、 Mac OS 設定アシスタントをいったん設定して終了した後、セレクタまたはデスクトッププリンタユーティリティv1.1 を用いて他のゾーンのプリンタを選択してもう一度 Mac OS 設定アシスタントを起動して設定し直す。
● Outlook Express セキュリティパッチ
Microsoft Outlook Express にはセキュリティバグがあるため使用前に Microsoft でパッチを入手し、 4.01 (297) かそれ以上のバージョンにする必要がある。
Mac OS 8.5 の新機能、変更点 |
● Finder の新機能
「リスト表示」
・表示項目の幅と順序を各ウィンドウごとに変えることができるようになった。項目の幅を変えるにはポインタを項目の境界に置いてポインタアイコンが変化したらクリック&ドラッグする。項目の順序を変えるには項目を希望する位置にドラッグする。「名前」の順序を変えることはできず、必ず最初に位置する。
変更された表示位置を最初の状態に戻すには "表示" メニューから "表示オプション" を選択し、標準表示にセットするボタンを選択する。このボタンが選択できない場合はカスタマイズされていない。
リスト表示での表示項目は "編集" メニューの " Finder の設定..."から 「名前」以外を自由に選択できる。
・アピアランスコントロールパネルの "スマートスクロール" によってプロポーショナルなスクロールボックスとダブルスクロールアローが可能になった。
「アイコン表示」
・ウィンドウ内の背景を command +ドラッグすることでウィンドウがスクロールできるようになった。
●タイトルバーアイコン
Mac OS 8.5 から Finder のウィンドウタイトルバーにアイコンが表示される。これはタイトルバーアイコンと言い、そのアイコンを通常のフォルダアイコンと同じようにデスクトップやゴミ箱、他のドライブやフォルダにドラッグ操作することができる。例えばエイリアスを作るときの操作と同じく、 Command+Optionキーを押しながらこのアイコンをデスクトップにドラッグすればエイリアスができる。また、フォルダやボリュームのウィンドウタイトルバーアイコンを移動することでそのフォルダやボリュームを移動したりコピーできる。
この機能をオフにすることはできない。
● Finderの設定
Finder の編集メニューの " Finderの設定..." には以下の 3 つのタブがある。
「一般」
シンプル Finder メニュー、スプリングローディッドフォルダ、グリッド
「表示」
全てのウィンドウ表示設定を一括して指定できるようになった。(個々のウィンドウごとに設定を変えることは可能)
「ラベル」
バッジアイコン
Mac OS 8.5 では新しいファイル属性が二つ新設された。その一つがバッジである。これまでのアイコンの左下に付加的な小さい印がつく。そのことによってファイルの種類をさらに細かく表示することができるようになった。例えばロックされたファイルは南京錠バッジ、共有フォルダのケーブルバッジ、 AppleScript のバッジ、エイリアスを示す右上がりの矢印バッジというようなものである。
●オートルーティングフォルダ
Mac OS 8.5 ではシステムフォルダにドロップしたフォルダを自動的に適切なフォルダに入れてくれるオートルーティングフォルダという機能が可能になった。 Mac OS 8.5 の Finder は Folder Manager によって以下のように適切なフォルダを判断して振り分ける。
初期設定( "pref" のファイルタイプ)=初期設定フォルダ
ColorSync 特性= ColorSync 特性フォルダ
テーマファイル=アピアランスフォルダ内のテーマファイルフォルダ
テーマサウンドファイル=アピアランスフォルダ内のサウンドセットファイルフォルダ
ピクチャ (JPEG) ファイル=アピアランスフォルダ内のデスクトップピクチャフォルダ
サーチエンジンファイル=インターネットサーチサイトフォルダ
コンパイル済みスクリプト=スクリプトフォルダ
●ナビゲーションサービスダイアログボックス
Mac OS 8.5 ではそれまでのオープンセーブダイアログボックスがナビゲーションサービスダイアログボックスに変更された。各アプリケーションが対応していない場合は使用されない。
・ダイアログボックスのファイルは Finder ウィンドウのリスト表示のように項目表示され三角をクリックすることで階層表示される。
・ファイルのプレビューかサムネイルが表示される。
・ダイアログボックスを開いたまま他のアプリケーションに切り替えることができる。
・ダイアログボックスの大きさを変えられる。
・ shift キーまたは command キーを併用して同時にいくつかのファイルを選択して開くことができる。アプリケーションによっては一枚しか開けないものがある。
・ダイアログボックスにドラッグ&ドロップできるようになった。
・ショートカットボタンによってマウントされていない TCP/IP の AppleShare IP 上のボリュームに接続するようになった。
・ Favorites ボタンには各種ユーザがよく使用する項目を追加できる。
・ Recent ボタンは最近使った項目が表示される。
● Sherlock
ファイル検索は Sherlock となった。検索の設定を保存して繰り返して使用することができる。
これまでのファイル検索のようにボリュームのファイルを検索するには "FindFile" を使用する。これまでファイル検索で隠し機能だったファイル内の文字列の検索は "Find By Content" タブからできるようになった。この機能を利用するためにはボリュームの索引を作成する必要がある。サーバボリュームには索引を付けることはできない。サーチ結果のリストのファイルタイプが TEXT の場合、 Control +クリックするとクリップボードに検索結果のファイルの内容の要約を作成することができる。
Search Internet はインターネット上の検索エンジンを使用することができる。ファイル検索、内容検索を含め、検索をインターネットで用いるためには QuickTime 3 が必要である。
ファイルメニューから保存することで検索基準を保存することができ、繰り返し使用することができる。また、 Sherlock 初期設定により、検索中の経過表示、ラベルによる索引設定、バックグラウンド専有率などを設定できる。
● 情報ウィンドウ
情報ウィンドウは一般的な情報と共にファイル共有の情報も提供するようになった。また、ラベルを変更することもできる。
●アプリケーションスイッチャー
古いアプリケーションメニューがティアオフできるようになり、「アプリケーションスイッチャー」ウィンドウとして表示され、このウィンドウからプログラム切り替えが可能になった。アプリケーションスイッチャーではアイコン表示やリスト表示が可能で、簡単に起動しているプログラムを切り替えることができる。ティアオフするにはアプリケーションメニューを出したままアプリケーションメニューをドラッグすればよい。
書類をアプリケーションスイッチャーのアプリケーションにドラッグ&ドロップすればその書類を任意のアプリケーションで開くことができる。アプリケーションスイッチャーウィンドウは縦置きにも横置きにもでき、アイコンの大きさなども変更できる。
(「アプリケーションスイッチャーのキーコマンド他」)
● Multilingual Internet Access
中国語、韓国語などの多言語の文字表示をインターネットで可能とする。 PostScript プリンタでは出力できないことがある。
●ネットワークブラウザ
アップルメニュー内のネットワークブラウザは、 AppleTalk ネットワーク上の AppleShare サーバを探して接続することを容易にし、よく使用するサーバのリストを作成できる。
ネットワークブラウザを選択するとゾーン選択画面が出るので、接続したいゾーンのアイコン左の三角をクリックする。(ネットワークルータを使用していない場合ゾーンは現れない)ネットワークブラウザ画面ではナビゲーションサービスが可能である。
要するに、セレクタの機能のうち、 AppleShare および AppleShare-IP サーバに限って GUI を改善したもの。従って、セレクタで可能な AppleTalk を利用した他の各種サービスやポート選択、シリアル機器の利用等はネットワークブラウザで利用できない。
●インターネットコントロールパネル
インターネットコントロールパネルによってインターネット設定ができる。ここで扱われる設定は以下。
「パーソナル」
ユーザ名
E-mail アドレス
所属
「 E-mail 」
ユーザ名
受信メールサーバ ( POP)
パスワード
送信メールサーバ (SMTP)
着信を知らせる方法等一般的なメーラで行われるいくつかの設定
使用するメーラ
「 Web 」
最初に表示されるホームページ
検索ページ
ダウンロードファイル保存場所
リンク色
使用ブラウザ
「 News 」
NNTP ニュースサーバ
ニュースサーバへの接続法
ユーザ名
パスワード
閲覧アプリケーション
上記以外に FTP サーバ、ヘルパーアプリケーション、フォント、ファイルマッピングなどをさらに詳しく設定することもできる。
最初にインターネットコントロールパネルを使用するときにはファイルメニューからセットの名称を変更する。設定の仕方が分からない場合はバルーンヘルプを使用すればよい。設定後は設定を保存する必要がある。
これまでインターネット設定を変更するには起動ボリュームの深い階層から InternetConfig を見つけだすか対応アプリケーションのメニューを片っ端から開いて見つけなければならず、ビギナーには分かりづらくほとんど不可能だったと思う。 Mac OS 8.5 のインターネットコントロールパネルはこれを OS の機能として組み込み、分かりやすく統合を図ったものものと考えられる。
●アピアランスコントロールパネル
アピアランスコントロールパネルには 6 つのタブがついた。
「テーマ」
デスクトップのアピアランスをテーマというグループとして設定できる。システムフォント、アピアランス、サウンド、デスクトップピクチャ/パターンの特定の設定をテーマによって一度に変更できる。
「アピアランス」
アピアランス:
メニュー、アイコン、ウィンドウ、コントロールの全体的な見かけ。他のアピアランスファイルをシステムフォルダにドラッグ&ドロップすることでそれらの設定を取り込むことができる。
ハイライトカラー:
テキストをハイライトにしたときの色の設定。
バリエーション:
メニューとコントロールを選択したときのカラーバリエーションの設定。
「フォント」
ラージシステムフォント:
システムのメニューのフォントの設定。フォントはあらかじめ決められたものからしか選べない。フォントフォルダのフォントが選択できるわけではない。
スモールシステムフォント:
説明とラベルのフォントの設定。
表示フォント:
リスト、ファインダアイコンのフォント設定。フォントフォルダのフォントを自由に設定できる。
Smooth all fonts on screen:
12 ポイント以上の文字をアンチエイリアス表示できる。
「デスクトップ」
スクトップピクチャとパターンの設定。モニタの表示色が 256 色かそれ以下になっている場合、正しく表示されないので、モニタを 32000 色かフルカラーに設定する必要がある。デスクトップピクチャが既に選択済みの場合にデスクトップパターンを選択するとアラートが出る場合、デスクトップピクチャを削除してから行う。
「サウンド」
「オプション」
スクロールアロー、スクロールボックス、ウィンドウシェード の設定。スマートスクロールオプションは双方向アローとプロポーショナルスクロールバーを選択できる。
プロポーショナルスクロールバーと双方向アローのどちらかだけを選択したい場合は以下の要領で AppleScript を作成し実行すればよい。
Apple エクストラの AppleScript フォルダから AppleScript エディタ(スクリプト編集プログラム)を起動する。このときアピアランスコントロールパネルオプションタブでスマートスクロールがチェックされていないこと。
「双方向アローのみ」
tell application "Appearance"
set scroll bar arrow style to both at one end
end tell
「プロポーショナルスクロールバーのみ」
tell application "Appearance"
set scroll box style to proportional
end tell
作成したスクリプトはコンパイル済みスクリプトかアプリケーションとして保存すれば繰り返して使用することができる。
● "システム終了時の警告" によるディスク検証修復
一般設定コントロールパネルの "システム終了時の警告" がオンになっている場合、クラッシュ後の起動時に自動的にディスクのディレクトリを Disk First Aid が検証修復するようになった。 検証するのは起動ボリュームのみで他のボリュームは自動的に修復される。
●日付&時間コントロールパネル
HFS + で生じていた夏時間での設定でファイルの日付が狂う問題は修正された。 TCP/IP 上のサーバによって Macintosh の日付&時間を同期させることができるようになった。 TCP/IP に接続されていない場合にこの機能を利用しようとするとエラーが出る。
●世界地図はなくなった。タイムゾーンはどこで設定?
世界地図コントロールパネルは Mac OS 8.5 ではなくなった。タイムゾーンの設定は日付&時間コントロールパネルで設定する。
● PowerBook での省エネルギー設定、コントロールバー
PowerBook では PowerBook セットアップコントロールパネルは廃され、省エネルギー設定 2.1.1コントロールパネルに統合された。(一部モデルでは既に 8.1 からなっている)
省エネルギー設定の詳細設定ではより細かい設定が行える。詳細設定のプロセッサスピードを遅
●メモリコントロールパネル
メモリコントロールパネルはディスクキャッシュを自動割り当てできるようになり、また、起動時のメモリテストをしない設定ができるようになった。
ディスクキャッシュはデフォルトで起動時に搭載 RAM に応じて最適な量が自動的に計算され割り当てられるようになっている。カスタム設定も可能である。
起動時のメモリチェックをしない設定にする場合は Command+Option キーを押しながらメモリコントロールパネルを開くと、通常隠されている設定部分が現れる。
● File Exchange 3.0
File Exchange はそれまでの Mac OS Easy Open と PC Exchange を統合する。
●壊れたエイリアスの修正
Mac OS 8.5 ではオリジナルと連結の切れたエイリアスの連結を修復する機能が付いた。壊れたエイリアスをダブルクリックするとダイアログが出て、ユーザはそのエイリアスを捨てるか修復するかを選択することができる。修復を選択すると、選択ダイアログが出るのでオリジナルをそこから探して指定する。
そのエイリアスの情報ウィンドウから "新しいオリジナルを選択する" によって指定することもできる。
●ファイルメニューの "共有..." がなくなった
情報ウィンドウに機能が移された。
●コントロールバー
Mac OS 8.5 のコントロールバーは見かけも動作もそれまでのものと同様である。しかし、プログラムは安定性を増し、 OS と統合されるように書き直された。
それまでのコントロールバーはファイルタイプが "cdev" となっていてコントロールパネルとして OS にパッチをあてる形になっていた。それに対して Mac OS 8.5 では "APPC" になりアプリケーション化し、 Control Strip 機能拡張が機能拡張フォルダに必要になった。 Control Strip 機能拡張はバックグラウンドで起動し、コントロールバーのホットキーを認識したり、コントロールバー項目を実行する環境を提供する機能がある。
● Apple ヘルプ
新しい Apple ヘルプは Help Viewer アプリケーションを使用して、 HTML で作成されたヘルプファイルやインターネット上のサイトを参照するオンスクリーンヘルプである。 Apple ヘルプを使うためには QuickTime 3 が必要である。
Apple ヘルプはヘルプメニューからヘルプセンターを選択すると起動する。また、コンテクストメニューからも起動することが可能だ。
●スクリプトフォルダ
Mac OS 8.5 のシステムフォルダにできるスクリプトというフォルダにはある種のコンパイル済みのスクリプトを収納する。 Mac OS 8.5 ではフォルダアクションという機能が追加されたがその機能を制御する "Folder Action Scripts" を収納する。
"Folder Action Scripts" のサンプルは Mac OS 8.5 CD の CD エクストラフォルダの AppleScript エクストラフォルダにある。
●非 AppleTalk プリンタからのデスクトッププリンタ作成
Desktop Printer Utility を使用すると AppleTalk 未対応のプリンタからデスクトッププリンタを作成することができる。ユーティリティをダブルクリックして変更ボタンをクリックしてプリンタタイプとプリンタ記述ファイルを選択する。 LPR プリンタにはドメインネームか IP アドレス、プリンタまたはサーバのキュー名が必要である。
また、 AppleScript による方法もある。
● LaserWriter 8.6 Printing Plug-ins フォルダ
Mac OS 8.5 の機能拡張フォルダにある"Printing Plug-ins" フォルダは LaserWriter 8.6 で利用できる新しい機能に伴うものである。 Printing Plug-ins は特定のタイプ(例えば PICT や JPEG など)の書類を PostScript に変換するプラグインコンバータモジュールを収める。
これらのプラグインがあれば、ユーザはデスクトッププリンタに特定のタイプの書類をドロップすることでプリントすることができる。 LaserWriter 8.6 ではこのフォルダに入るプラグインはないのだが、 LaserWriter 8.6 に次のプラグインが既に組み込まれている。
PostScript
EPS
JPEG
PICT
● Drive Setup 1.6 の新機能
・それまでのドライブに施されていたパーティション、形式を維持したまま初期化できるようになった。
・ドライバ更新時に警告が表示されるようになった。
● Disk First Aid 8.5.1の新機能
Disk First Aid 8.5.1 は起動ボリュームを別ボリュームから起動しなくても修復できるようになった他、以下の機能が加えられている。
・不適切に終了した Macintosh を再起動した際に自動的にボリュームを検証、修復する。
・ HFS + 非対応の古いディスク修復プログラムによって損傷した HFS + ボリュームを修復する。
・検証、修復について AppleScript に対応した。
● Apple システムプロフィール 2.1.1
RAM の構成まで分かるようになったなど、かなり細かくマシンとシステムの状態が表示されるようになった。また、 AppleScript 対応となり、部分的に AppleScript での記録に対応した。 Mac OS 8.5 のルックアンドフィールに基づいてインターフェースに改善がある。
● AppleScript 1.3
次の Tech Info Library を参照願いたい。
● Unicode サポート
Unicode は 2 バイト文字をサポートする国際的な工業規格である。 Unicode によってコンピュータの文字の扱いの問題が解消されるかのように言われているのはうそである。私のような日本人としてはどうしても納得のいかない点が根本的にあって、とてももろ手をあげて歓迎できるものではない。(とんでもないものだと言ってもいい)ただ、従来と比べて文字の扱いが改善される環境ではある。(考えてみれば Macintosh での DTP を最初に見たときにもとんでもないものだと思ったものだ)
Mac OS 8.5 での Unicode サポートは次のところで行われている。
・KeyCaps 8.0.2
・Keyboard 8.1
・QuickDrawText/Font Manager
・Text Services Manager 1.5
・Apple Type Solution for Unicode Imaging (ATSUI)
● Open Transport 2.0
DHCP 対応の改善、SNMP (Support for the Simple Network Management Protocol) サポートなど。 PPP はリモートアクセスに置き換えられた。
注意点、操作法など |
●フォントアップデータ機能拡張とモリサワ ATM フォント
・ Mac OS 8.5 では「フォントアップデータ機能拡張」によって OCF フォントの使用が可能
・モリサワ OCF アウトラインフォントで丸漢がないものの場合、上記機能拡張が機能しない。そのため、ビットマップフォントを入手し丸漢をインストールする必要がある
・モリサワ(OCFおよびCID)のフォントの場合、インストールされているビットマップのサイズでかつ 14 ポイント以下の大きさで表示させると全て同じ「書体」で表示されてしまう。
(モニタ表示だけの問題で出力には問題はない)
回避法としては 14 ポイント以下のビットマップをインストールしない。
● Sherlock の内容検索
Sherlock で内容検索をする際に、索引を作成しておかなければならない。索引作成が終了するまで検索ボタンは使用することができない。索引はローカルボリュームにつけられ、サーバボリュームには付けられない。またこの機能には QuickTime 3 が必要である。
索引は各書類に特徴的な最初の 2000 語が記録される。ファイル等に変更があった場合にも索引を作り直す必要があり時間がかかることがあるためコンピュータから離れるときなどに自動索引によりスケジュールアップデートすることができる。( Word 98 の要約機能のようなものだろうか?)
● Sherlock での不可視項目の操作
Mac OS 8.1 ではファイル検索の結果、 desktop database をゴミ箱にドラッグして捨てることができたが、 Sherlock ではできなくなった。 desktop database 不可視ファイルを可視にして捨てる徹底的な方法は情報ウィンドウのコメントを消去する恐れがあるので好ましくない。
Sherlock は次の不可視ファイルを捨てることができる。
・カスタムアイコンの不可視アイコンファイル
・"AppleShare PDS" 不可視ファイル(AppleShare によるファイル共有がオンになっていない場合 )
● Apple ヘルプでは Sherlock でなくファイル検索となっている
Sherlock への名称変更が最近のために間に合わなかった。機能的には問題ない。
●省エネルギー設定が機能しない機種
NuBus ベース Power Macintosh computer( Power Mac 5200, 5300, 6100,6200, 6300, 7100, 8100)
●アプリケーションスイッチャーのキーコマンド他
Command+Tab =アプリケーションの切り替え
Command+Shift+Tab =アプリケーションの切り替え(逆順)
ズームボックスクリック=アプリケーション名称の表示非表示
Option+ズームボックスクリック=アイコンの大小切り替え
Option+shift+ズームボックスクリック=縦置き、横置きの切り替え
他のアプリケーションを Option+クリック=アプリケーションを隠す
アプリケーションスイッチャーウィンドウの右端ドラッグ=ウィンドウの幅の変更
書類をアプリケーションスイッチャーのアプリケーションにドラッグ&ドロップ=そのアプリケーションで書類を開く
AppleScript でしか供給されない機能がある。 Mac OS Help を参照のこと。 Command+Tab と Command+Shift+Tab のショートカットは一部アプリケーション(ファイルメーカーPro、 Adobe Illustrator など)とぶつかることがある。 MacOSヘルプを参照してアプリケーション切替えショートカット自体を使わない設定にすることができる。
●メモリチェックのバイパス: Mac OS 8.5 の隠し機能
Macintosh は起動時にメモりチェックなどハードウェア診断を行う。そのため、メモリをたくさん搭載していると起動時に本体の LED が点灯するまでに時間がかかる。
Mac OS 8.5 からはこのハードウェア診断を省略することができる。メモリコントロールパネルを開くときに Command+Option キーを押しながら開くとウィンドウに下に起動時のメモリテストのオン、オフのラジオボタンが現れる。
●シンプル Finder で使えなくなる機能
以下の機能およびキーボードショートカット
・情報を見る
・ラベル
・ favorites の追加
・エイリアスを作る、オリジナルを表示
・片づける
・ Finder プリント
・全てを選択
・クリップボード表示
・ポップアップウィンドウ
・整頓する、並び替える
・表示オプション(設定は保存されるのでなくならない)
・ディスクの初期化
・スリープ、再起動
・ポップアップウィンドウ、コンテクストメニュー
・フォルダナビゲーション
● Password Security
"Password Security" コントロールパネルでのパスワード設定は複数のパーティションがある場合、起動ディスクにしかなされない。他のパーティションにシステムフォルダがあるとそこから起動できる。(これまでと同じ)
●キーボードショートカット一覧
● QuickTime 設定での CD-ROM 自動再生
AutoStart 9805 が利用した QuickTime による CD-ROM 自動再生はインストール後にオンになっている。必ず QuickTime 設定コントロールパネルの CD-ROM 自動再生は切っておくように。
●デスクトップパターン
これまでと同じようにドラッグ&ドロップなどの機能を使って設定することができる。 Mac OS 8.5 の ヘルプの記載にはデスクトップパターンの追加についてスクロールリストにドラッグするとあるがこれは誤りである。
●デスクトップピクチャ
Mac OS 8.5 ではそれまでのデスクトップピクチャコントロールパネルはなくなり、デスクトップピクチャはアピアランスコントロールパネルで扱うようになった。また、デスクトップピクチャのファイルクリエータがこれまでの "dkpt" から "apcp" に変更された。
そのため、これまでのデスクトップピクチャをダブルクリックしてもアピアランスコントロールパネルが自動的に開かない。 Mac OS 8.5 についているサンプルデスクトップピクチャをダブルクリックするとアピアランスコントロールパネルは開くがこれまでのようにダブルクリックしたピクチャが自動的に設定されるわけではない。
● QuickTake からの画像取り込み
Mac OS 8.5 より前までは QuickTake からの画像を取り込む際に画像取り込みが完全に終了するまでは画像を消すことができなかったが、 Mac OS 8.5 では同時に処理できるようになったため、画像取り込み中であっても QuickTake の画像を消すことが可能である。その場合、画像取り込みも不完全になるので注意のこと。
●Acrobat PDF ファイルのバックグラウンドプリント
Adobe Acrobat PDF ファイルをプリントするには Adobe Acrobat Reader がインストールされ、 ATM コントロールパネルがなければならない。バックグラウンドプリントは ATM コントロールパネルがオンになっている必要がある。 ATM コントロールパネルを開いて確認する。 ATM コントロールパネルがない場合、 Adobe Acrobat 3.0 の中から ATM コントロールパネルを見つけてシステムフォルダにドロップすればよい。
トラブル、非互換 |
●アピアランスでサウンドをオフにしたらFM ラジオが起動した
FM ラジオアプリケーションを使用する前かアプリケーションを終了後にアピアランスでサウンドをオフにすることで回避される。
●メニューバーが白くなるアプリケーションがある
アプリケーションがプラチナアピアランスに対応していないか MDEF ウイルスに感染している。
●タイムサーバ利用時のハング
Mac OS 8.5 で可能となったネットワーク上での日付&時間の同期は日付が 1963 年かそれより前になっている場合、ハングする。 Command+Option+esc キーで日付&時間コントロールパネルを強制終了することでハングからは抜けられる。 PRAM が完全にクリアされているマシンがあるような場合には注意する事。
● LocalTalk 使用後のポートからプリントできない
同一のシリアルポートを使用して、 LocalTalk で接続した後シリアルプリンタに出力しようとして AppleTalk をオフにしてもプリントできないことがある。 AppleTalk をオフにした後プリントする際に問題が発生する場合、 Macintosh を再起動する必要がある。
● LocalTalk Bridge 2.1 : AppleTalk 切り替えでクラッシュ
LocalTalk Bridge 2.1 がインストールされていると Ethernet から他のポートに AppleTalk を切り替えるとクラッシュする
Open Transport 2.0 のお読み下さいには LocalTalk Bridge 2.1 と互換があると書いているが同時に既知の問題があると書かれている。しかし、実際には記述がない。
Apple は LocalTalk Bridge 2.1 と LaserWriter Bridge 2.1 について Mac OS 8.5 では限られた範囲のテストしかしていない。完全な互換はないが、現時点でアップデートの予定はない。
●デスクトップピクチャを使ったらマシンが遅くなった
デスクトップピクチャはメモリに展開されたアドレスに頻繁にアクセスされるため、搭載メモリの少ないマシンではパフォーマンスの低下を招く。デスクトップピクチャ画像の容量が大きいとこのようになるかも知れないので、なるべく小さい容量の画像を使用する。
複数モニタでの使用もパフォーマンスを低下させる。また、仮想記憶をある程度割り当てている場合も遅くなる。
パフォーマンスを改善するには、デスクトップピクチャをデスクトップパターンに変えるか、搭載メモリを増設する。
●アプリケーションインストールによる QuickTime ダウングレード
Mac OS 8.5 インストール後、アプリケーションをインストールした場合に、 Mac OS 8.5 でインストールする QuickTime 3 より古いバージョンがインストールされることがある。 Mac OS 8.5 では QuickTime 3 より古いバージョンの QuickTime では問題が生じることがある。そのような場合は Mac OS 8.5 CD-ROM から追加/削除を選択してからカスタムインストールし直す。
● Mac OS 8.5 にしたらアプリケーションが起動しない
Mac OS 8.5 にしたらそれまで起動できていたアプリケーションが起動できなくなることがありうる。考えられる可能な原因はふたつある。
ひとつはメモリ割り当てを増やさなければならないプログラムである場合で、その場合は最小限のメモリ割り当てを 300K 増やす。
もうひとつはシステムフォントが Chicago でなければならないいくつかのアプリケーションの場合である。アピアランスコントロールパネルでラージシステムフォントを Chicago に変更する。
● Mac OS 8.5 にしたらアプリケーションの見かけが変だ
いくつかのアプリケーションは見かけが変になる場合がある。機能的には問題が発生するわけではないが、アプリケーションのメーカーに問い合わせるように。
この問題は日本語版では多くのアプリケーションのプルダウンメニューが白いという形で問題となる。
● PC ボリュームのマウントに時間がかかる。ハングする?
初めて使用する PC ボリュームのマウントに時間がかかり、まるでコンピュータがハングしたかのように思える。マウントの際のプロセスインジケータのバーはほとんど瞬時に完了位置になるのにそのまま止まってしまうように見える。 Virtual PC, SoftWindows Apple PC Compatibility ソフトウェアで作成したものでも同様になる。
Mac OS 8.5 では PC ボリュームを最初にマウントすると "FINDER.DAT" という情報をドライブ上に作成する。そのため、マウントするボリュームの大きさによって時間がかかる。これは最初のマウントだけなので、次回からの同一ボリュームのマウントに時間がかかるようなことはない。
● Virtual PC
Connectix Virtual PC 2.0 は Mac OS 8.5 と非互換である。 2.0.1 にアップデートする。
● Iomega 6.0.1 と仮想記憶
Mac OS 8.5 ではリムーバブルディスクで仮想記憶を使うことができるが、 Iomega 6.0.1 では使用できない。 Iomega 6.0.2 で対応できる予定。
●デスクトッププリンタ機能拡張
Mac OS 8.5 ではデスクトッププリンタ機能拡張は不要であり、もし入っていると起動時にフリーズする。その場合、 shift 起動からデスクトッププリンタ機能拡張を外す。
● Adobe Acrobat Exchange のフリーズ
Adobe Acrobat Exchange 3.0.1 は Mac OS 8.5 ではフリーズする。 Adobe は次のメジャーバージョンアップ時に問題を修正すると意向を表明している。(つまり、直ちに修正プログラムを配布する予定はない)
Mac OS 8.5 で Acrobat Exchange 3.0.1 を使用するためには Acrobat Exchange 3.0.1の Plug-Ins フォルダから次のプラグインを外す。
ImportPI
OCR
ScanPI
Adobe Acrobat Exchange 3.0.1 を Mac OS 8.5 でインストールする際にはカスタムインストールとして、 " Acrobat Capture" を除外してインストールする。( "Acrobat Exhang","Acrobat Catalog", "Acrobat Distiller" をカスタムインストールする )
私の Acrobat Exchange 3.0aj にはこれらのプラグインは含まれていなかった。
●SoftwareFPU と非互換
Mac OS 8.5 では SoftwareFPU が Folder Actions と非互換のため再起動時にクラッシュする。次回システムアップデートによって修正される。
Mac OS 8.5 アップデート |
Mac OS 8.5 アップデート
次の問題を修正する。
・Microsoft Office 98 で「ヘルプ」メニューが正しく動作しない
・WX III 等の一部の日本語入力プログラムやアプリケーションでのキーボード操作時の不具合
・ことえりで「辞書指定変換機能」が正しく動作しない不具合