SENKIの嘘をいつまでも

記憶し続けていくために



2001年6月28日   小林義也





 ブント(旧名「戦旗・共産主義者同盟」)を自称する組織のホームページ(http://www.bund.org/)に、「ストーカー・小林義也『逆恨みの人生』」「『売春の自由党』佐藤悟志の処世術」という、私や佐藤悟志氏を誹謗中傷する文章が5月下旬頃より掲載されています。それらの文章は、彼らの本質をよくあらわすものであり、彼らに関心を持つ人々には、ぜひ読んでいただきたいと思うものです。
 なお日本の反体制運動の中で、「ブント」は本来、共産主義者同盟の愛称として使われてきたものです。ここに登場する集団は、共産主義を辞めたと言いながら、ブントを名乗っています。この呼称をそのまま使うのは、歴史的に意味のあったブントとの混同を招くので、彼らの機関誌名から「SENKI派」と呼ぶことにします。


嘘では消し去ることが出来ないロフトプラスワンでの3度の暴行


 この文章の発端となったのは、ロフトプラスワン襲撃事件です。これは、’97年の7月16日に、新宿のトーク居酒屋「ロフトプラスワン」をSENKI派のメンバーが襲撃し、当日のイベント出席者であった佐藤悟志氏に暴行を加えた事件です。SENKI派のメンバーはビルの入り口近くで待ち伏せし彼に暴行し、イベントの最中にもまた暴行を加えました。この事件そのものについて詳しく知りたいかたは、「ロフトプラスワン襲撃を許さない共同声明」ホームページ(http://www.t3.rim.or.jp/~punsuka/)をご覧ください。
 この事件についてSENKI派は、「佐藤のほうが先に手を出した」なる事実と異なる宣伝を行ってきました。この「ストーカー・小林義也『逆恨みの人生』」(以下、『逆恨みの人生』と略)(http://www.bund.org/opinion/loft4.htm)でも、それは繰り返されています。しかしながらそれが事実でないことは、ロフト代表の平野悠氏やロフトプラスワンのスタッフたちが証言してくれています。現場を撮影していたビデオテープにも残っています(「共同声明」HPで公開されています)。
 そしてこの『逆恨みの人生』こそ、何よりも雄弁にSENKI派の宣伝が嘘であることを語っています。もし仮に我々が事実を曲げた主張を行っているのだとしたら、それを読んだSENKI派のメンバーが「まだこんなことやってんのかと、そんな冷めた思いで」眺めるなどということがありうるでしょうか? 怒りの感情を持つのが自然ではないでしょうか? この筆者は、自分の感情には嘘がつけなかったようです。SENKI派のメンバーが佐藤氏に一方的に暴力を振るったことを知りながら、自分たちの行った暴力など小さな事だ、とにかく早く忘れ去ってくれという本音が、ここにありありと浮き出ています。
 しかし、忘れろと言われても無理があります。昨年の6月にも、SENKI派は佐藤氏への暴行を繰り返しているのですから。6月15日に、SENKI派の主宰者・荒岱介がロフトプラスワンに出演しました。この時にSENKI派を批判するビラを発表した佐藤氏に、彼らは殴る蹴るの暴行を加えたのです。
 97年の暴行の時も、昨年の暴行の時も、止めに入ったお店のスタッフや一般客にもSENKI派のメンバーは暴行を振るっています。被害者には女性も含まれています。こうしたこと一切に、彼らは謝罪していないのです。


路線論争に勝つためなら盗聴や嘘やゲバルトも必要?


 この『逆恨みの人生』が批判しているのは、ロフトプラスワン襲撃事件に関連して私が書いた文章『三里塚の大地に跪いて』(www.t3.rim.or.jp/~punsuka/sandou-kobayashi.html)です。そこで私は、SENKI派の前身である戦旗・共産主義者同盟の三里塚現闘団として経験した様々な事実を明らかにしています。それは、内ゲバを回避すると主張しながら自分たちより小さな集団には暴行を振るったこと、自分たちの党派利害のために事実と異なる声明を発表したこと、反対同盟の会議の盗聴を命じられたことを差しています。盗聴については、最後の自分の良心を守るために、私は自らその任務を引き受けわざと失敗するというサボタージュを行いました。それを『逆恨みの人生』では、「暴露話」とひとくくりにしています。
 この『逆恨みの人生』では、そうしたSENKI派の行いを「熱田派内における路線論争の中にわれわれがいたことを抜きに、当時の三里塚の状況を語ることなどできない」などと説明しています。要するにこの文章は、路線論争に勝つためには、弱い集団へのゲバルトや、事実と異なる声明の発表、反対同盟への盗聴も正しいということを主張しているのです。
 私が命じられたのは、反対同盟の会議の盗聴です。当時のSENKI派が「最後まで全力で支えぬく」と公言していた、熱田一さんや小川源さんの発言すら盗聴しようとしたわけです。路線論争のためには共闘団体の盗聴もすると宣言したこの文章。SENKI派の本質をこれほど明らかにしたものは、他にはないでしょう。
 当時私が組織内で主張し続けていたのは、路線論争の必要性は分かる、しかしそれはフェアにやるべきではないか、ということでした。それがこの『逆恨みの人生』では、私が主張した内容が「いわゆる青行路線をブントも支持すべきだということだった」とねじ曲げられているのです。
 路線論争をフェアにやっていけば、お互いに得るところもあったでしょう。しかしそのアンフェアさゆえに、SENKI派は反対同盟から共闘関係を絶たれてしまいました。『逆恨みの人生』は、論争相手だった相川勝重氏らが空港推進派として純化しているから、自分たちは正しかったのだなどと主張しています。しかしこれは、自分たちに都合のいい事実だけを取り出したものです。主要な論争相手のひとりであった石井武氏は、今でも空港用地内の土地の不売を続け、空港の建設を阻んでいます。『逆恨みの人生』を書いたのは、三里塚現闘団団長だということです。石井武氏の闘いを黙殺するこの人物は、どんな現闘団活動を行っているのでしょうか?


発言を矮小にでっち上げそれを罵倒するマッチポンプ


 これに付随して、こんなことが書かれています。
「そんな男が、どうしていけしゃあしゃあと『徹底抗戦』派や武装闘争派であったかのように振る舞うのだ。ふざけるのもいい加減にしろ」
 私が書いた『三里塚の大地に跪いて』のどこで、そのように振る舞っているのでしょうか? 具体的に指摘してほしいものです。私はSENKI派を相手に武装闘争の是非を論じようとは思いません。路線論争以前に、SENKI派があまりにもアンフェアだったということを指摘しているだけです。ルール違反をする選手と、試合の必勝法を語るのは無意味なことです。
 次のような記述も、興味深いものです。
「又お前は、どうして現闘団とか三里塚担当の政治局員とか直接関連した人間が何人もいるのに、その全てを吹っ飛ばして、すべてが『荒』『荒』となるのだ。売れないエロ本作家の『有名人』願望の現れか」
 荒岱介が有名人なのはSENKI派の中だけだということを知らない滑稽さはおいておくとして、ここにも彼らの本音が現れています。かつての政治局員は現在、ほとんどがその立場を追われています。過去の過ちについては、今はいない政治局員のせいにしてくれ、神聖不可侵な荒には触れないでくれ、というわけです。しかし実際に、私は荒氏とも対話した上で、批判すべきだと考えたのです。有名人願望などとは関係がありません。
 それに関連して、こんな記述もあります。
「この調子で荒さんとの会話など、小林は好き勝手な話をでっち上げているが、全く反証可能性のない創作だ。つまり空想小説を書いているのだ」
 私の話がでっち上げだというなら、荒氏やそこに同席していた人物が反論すればいいのではないでしょうか? 私の書いたことが事実であるから、反証可能性がないのです。そしてこの筆者は、私が他の指導的立場の人物と交わした会話を、自分との会話だと強弁した上で創作だと断じています。これも、私の文章に反論することが出来ないゆえの苦肉の策でしょう。
 むしろ、私の発言を創作しているのはこの筆者のほうです。
「大体コケてから10年以上もたって、今の自分がうまくいかないのは人のせいだ等と、よくも図々しく被害者ぶって言えるものだ」
「しかも小林は本部ビルでも何でも、全て荒岱介が所有者であるかのようなことを書いているが、そんなブントなら誰でも知っている嘘を何のために言い続けているのだ」
 こんなことは、『三里塚の大地に跪いて』のどこにも書いていません。どこにそんな記述があるのか指摘してほしいものです。
 私が被害者ぶっているということの証左として、次のようなことが書かれています。
「87年に獄中で機関紙が当初差し入れられなかった問題を、言うまで差し入れてくれなかったと、10年以上も恨んで言い続けていることなど、それを端的に表している」
 言うまで差し入れてくれなかったのではなく、言っても差し入れてくれなかった、再三再四催促してやっと差し入れられたのが事実です。『三里塚の大地に跪いて』を読んでいただければ分かるように、私が言っているのは恨み言ではありません。日常の活動では指導部の方針を絶対的なものとして押しつけながら、こちらが獄中に入った途端に、指導部の方針を伝える機関誌の差し入れを怠る不思議さを指摘しているのです。
 これを10年以上前のことだというなら、「かつてはそのような過てる体質を我々は有していた。しかし、パラダイム・チェンジした今、そんな過ちは克服したよ」と言えばすむ話ではないでしょうか? そう言えないところを見ると、10年以上経った今も、同じ体質を引きずっていると理解するしかありません。


離脱者に絶望を求めるあまりにカルト的な願望


 この『逆恨みの人生』における最大の嘘が、次の記述です。
「小林よ。そんなふうに現実の矛盾をみんな他人のせいにして、ナルシズムにばかり浸っているから、お前の『生活は多難に満ち』ているのだ。そしてお前が売れないエロ本作家になったのは、お前の意志であって他人とは何の関係もない。その自分にたいする絶望を何でもかんでも人のせいにするな」
 私の現在の職業は、世間一般でエロライターと呼ばれるものです。私はいくつかの理由で、この職業を選びました。まず、三里塚闘争に関わっていたという過去の経歴を、仕事仲間に隠す必要がないこと。そして私はこの職業に従事する傍ら、小説を書き続けているわけですが、エロの世界で見る人間模様が自分の作品への滋養になると考えるからです。もちろんこれは私の意志であって、他人が関係ないのはあたりまえのことです。
 ですから、私は絶望とは無縁です。絶望しているなどという記述は、『三里塚の大地に跪いて』のどこを探してもありません。これは組織を離れた人間には絶望していてもらいたいという、彼らの願望をあらわしたものでしょう。こうした発想は、カルト集団に特有のものです。
 このように、『逆恨みの人生』は私の言葉を極端にねじ曲げたり、まったくの嘘をつらねたもので、私の文章への反論のていをなしていません。これが「SENKI」990号に掲載されたときは、「今井俊政」という署名がありましたが、ウェブ上ではこれが消えています。今井氏も、恥を知ったということでしょうか?
 また、『逆恨みの人生』は「SENKI」990号では、「アクティビスト 生き様の光と影」というタイトルで、不当な指名手配攻撃を受けながらも控訴時効の成立を勝ち取った大島健造氏の手記とセットになって掲載されていました。大島氏が光で、私が影というわけです。なんと薄っぺらな二元論でしょうか。そして、大島氏の13年間の苦闘さえロフトプラスワン襲撃を正当化する材料に使う厚かましさに、この組織の人間無視の姿勢が現れています。


障害者や第三世界への連帯を「逃亡」と呼ぶ傲慢さ


 「『売春の自由党』佐藤悟志の処世術」(http://www.bund.org/opinion/loft5.htm)にも、私に関する記述があります。
「これは小林義也(五月夢国)の場合も同様だ。共通しているのは二人とも80年代の攻防に耐え切れずさっさと逃亡したということだが、今は被害者面して『ブントのパラチェンを許さない』とかいって糾弾しているのである」
 党派利害のために、弱い集団にはゲバルトを加えたり、事実と異なる声明を発表したり、反対同盟の会議の盗聴を命じてきたりという組織の実態に直面したのが、私が組織を離れた理由です。これを「逃亡」と呼ぶのには、中核派などが熱田派反対同盟を「脱落派」と呼び続けてきた感性と似たものを感じます。
 29歳で組織を離れた私が、多難であったことは事実です。それまで職業的な鍛練を積んでいないのですから、生活を始めるだけでも大変なことでした。その中で私は文章を書く修行をしつつ、障害児をサポートするボランティア団体に参加したり、サンディニスタ革命に連帯するNGOに参加してニカラグア現地にまで赴いています。
 今から振り返れば、自分でもつたない営みだとは思います。しかしこれを「逃亡」と呼ぶ北健一氏や「遊び回っていた」と表現する三里塚現闘団長氏は、障害者や第三世界に連帯しようとする営為に唾を吐きかけていることにならないでしょうか? 「パラダイム・チェンジ」では、「唯一の前衛党幻想を捨てる」という素晴らしい理念が語られていますが、それでもこの組織を離れることは「逃亡」と呼ばれるのでしょうか? ぜひ、北健一氏に答えていただきたいものです。


まともに論争できないゆえに私の個人情報をネットに公開


 彼らの文章では、ウェブ上にアップされているにも関わらず、批判対象である私の文章にリンクが張られていません。自由な意見交換を目指すインターネット社会の中で、これは異例のことでしょう。なぜ彼らがそうしているかと言えば、私の文章を読まれてしまえば、彼らの嘘が即座に明らかになってしまうからです。
 そしてSENKI派は、インターネット上で最も卑劣とされる行為を行いました。私は現在、フジテレビの誤った報道に抗議する「小倉あやまれ友の会」(http://www.loft-prj.co.jp/ayamare/)の会長を務めています。それに関連して「2ちゃんねる」(http://www.2ch.net/2ch.html)というBBSに立てられた「フジテレビにデモ!!した模倣犯 」というスレッドの中に6月9日、彼らは私の住所や電話番号などの個人情報を書き込んだのです(現在すでに削除済み)。そこには、「売れないエロライター」という誹謗中傷が書き加えられていますが、そのような言葉を私に向けているのはSENKI派だけです。私の住所や電話番号を知っているのは、SENKI派の中では数人の幹部メンバーだけです。幹部自らが関与して、そのような書き込みをしているのです。
 自分たちを批判するものには、暴力を振るったり個人情報を暴くといった報復を行う。もはやSENKI派は、地に堕ちたと言えるでしょう。暴行を行いながらテロル反対を唱え、個人情報を暴きながら盗聴法反対を掲げるSENKI派。これほど真実から遠い組織も珍しいと思います。
 このような集団に関わり、これを助けるのは、明らかに道義に反することです。SENKI派のメンバーは、高い上納金を支払って組織の維持に努めるのをやめ、堂々と離脱するべきです。文化人の方々は、わずかな利得と引き替えにこのような組織を助けることをやめるべきです。そしてSENKI派と何の関わりもない皆さんは、恥多い彼らの嘘を反面教師として、堂々と生きていきましょう。



2001年6月28日   小林義也





<SENKIの文章に対する平野悠氏、加藤梅造氏らの発言は こちら>
BBS「おじさんとの語らい」より引用
(http://www.loft-prj.co.jp/OJISAN/bbs/bbs.cgi)