ブント機関紙「SENKI」第921号
(1997年10月25日号)に「吉沢 明」署名で掲載された記事

 この『幕開け』の文章中には、『共同声明』の
呼びかけ人である玄田生氏の戸籍名が勝手に記載されて
いましたが、当HPの判断で伏せ字に変えておきました。



「7・8ロフトプラスワンの幕開け」




 7月8日の新宿はタ刻になっても昼間の熱気が残り、ムンムンと暑かつた。靖国通りに面するロフトプラスワンの店内では、更に人いきれでゴッタ返し、トークの開始が今やおそしと待たれていた。7月8日、午後7時前。そこに、黒のTシャツと黒の野球帽をかぶった小太りの男が現れ、かって知ったような顔でビラを撒き始めた。佐藤がブントを誹誇・中傷する「自作のビラ」を配りはじめたのである。薄暗い店内の明かりを頼りにこの男の撒くビラを読んでみると、「ブント清算事業団管財人」などと名乗っている。「荒岱介弾劾人民裁判に全ての活動家は結集せよ」などとも書きなぐられている。
 そこで学生のH君をはじめ何人かのメンバーがその男に「これは何ですか」と聞いてみた。「こういう批判をするなら根拠を明らかにするべきでは」。
 「うるせーな、俺の自由だろ」とかいうその男の顔をよく見ると、たしか10年程前、予備校生のとき少しだけ当時の労共闘に在籍した「ヒラヌマ」ではないか。それが「第三憲兵隊」とか「売春の自由党総裁」などと名乗り、ロフトプラスワンの牢名主のようにわがもの顔で振る舞っているのである。 「86年に天皇主義右翼との攻防中、社防隊だったのに現場から逃亡したヒラヌマじゃないか」。
 ところがこれにたいして、今やファシストに脱皮した佐藤は、あたりを威圧するように見回しながら「ここはおめえらの来るところじゃない。何できたんだ」等と言い、H君につかみかかってきたのである。そしてあげくのはてに、H君の右の頬に力いっぱいの平手打ちを喰らわせた。「なんで殴るんだ」とH君も反撃した。そこで店員が「警察に通報する」と割って入って、佐藤の暴力行為は止められた。しかしこのときH君は、左の頬にミミズ腫れができるほどのダメージを負わされたのである。
 これが7月8日のロフトプラスワンの幕開けだ。前号で明らかにしたように佐藤は、7月16日にもナチス棒や催涙スプレーを振り回している。つまり佐藤は、「自作のビラ」などによる誹誇中傷といった「言葉の暴力」ばかりでなく、7月8日、16日と連続して物理的な「暴力行為」に及んだのである。「暴力による威嚇と恐怖によって言葉を殺そうという行為」などと、その後言い替えをはかっているが、こうした佐藤の先制的暴力はどう考えても言論行為とはいえない。

 佐藤のロフトプラスワン襲撃

 7月8日に佐藤は、「なんでこんなところ(ロフトプラスワン)にきたのか。おめえら(ブント)の来るようなところじゃない。文句があるなら出ていけ」等とくり返し叫んでいた。当初は、参加者は佐藤が何をいっているのか理解できなかった。しかしその後の調査によって、実は佐藤や「共同声明・呼ぴかけ人」のひとりエロ漫画家玄田生ことXXXXなど元「秋の嵐」のメンバーは、「薄汚いヤジ・罵声」や「暴力行為」によって、しばしばロフトプラスワンを「制圧」して支配していたことがわかってきた。
 その結果ロフトプラスワンでは、常連・非常連をとわず多くの客が迷惑をこうむっていたのである。つまり佐藤やXXはロフトプラスワンを己の「縄張り」と勝手に考えていて、そこがブントに「侵害」されようとしていると思いパニックに陥ったようだ。そして佐藤は、今まで通りに傍若無人に振舞えば自分の横車が通ると勝手に思い、行為に及んだのである。
 こうしたロフトプラスワンにおける佐藤の傍若無人ぶりについては、たとえば塩見孝也氏の次のような証言がある。
 塩見氏によると、咋年11月、塩見氏と映画監督の若松氏がロフトプラスワンで対談する予定であった。だが直前に佐藤が「李英和やRENK」と一緒になって「襲撃する」という風評が流れた。それで塩見氏としては「かつての内ゲバ」のような事態になるのをさけるためロフトプラスワン出演を見合わせたという。これをもって佐藤は「プラスワンから塩見孝也を逃亡させた」などといっているのである。
 実際塩見氏は、ロフトプラスワンでしばしば佐藤の薄汚いヤジや罵声に閉口させられてきた。ちなみに「佐藤は、李英和やRENKなど韓国安企部(韓国版CIA)の手先と手を組む『挑発者』だ。北朝鮮や自分ばかりでなく左翼総体を誹譲中傷するデマ宣伝を専門にやっている」というのが塩見氏の見解である。佐藤は、「ロフトプラスワン襲撃」をちらつかせて塩見氏を恫喝し出演を辞退させ、さらにその「暴力による威嚇」の「成果」を持ち回って「塩見孝也を逃亡させた……赤軍派の最終議長」などと言い回っているわけである。
 こんな佐藤が、ブントの若者を威圧するためにそもそも7・8にいやというほどひっぱたきながら、「ロフトプラスワンは自由な空間」だとか「暴力行為は許せない」などという資格は、ほとんど全くないのではないか。

 モルモットが賛同人!

 ところで「ロフトプラスワン襲撃を許さない共同声明」とかの第一次賛同人の26番目に、ちゅう太郎(佐藤家同居者代表/モルモット)」というのがある。そしてインターネットの「共同声明」のホームページを開くと、なんと本物の「モルモット」の写真がのっている。それには「ちゅう太郎氏の勇姿」とキャプションがつき、「手を出せるもんなら出してみろチュー……(でもファシストとコミュニストの抗争なんてまともな常識から見たら内ゲバでチユー)(殺し合ってどっちも居なくなればいいチュー)なんて思っていないでチュー」とコメントまでついている。どうやら佐藤の飼っているモルモットが賛同人だというのである。「モルモット」と同列に並べられている「賛同人の諸氏」とは一体どういう人達なのであろうか。そしてまさにこういうふざけきった佐藤の物腰こそが、ロフトプラスワンでの数々の暴力事件を引き起こしてきた元凶なのである。
 確かにブントには多少血の気の多い若者も多い。しかし人の人格や尊厳を愚弄し、噺笑して、他人を挑発して喜んだりするような若者はいない。佐藤らこそが傍若無人な暴力行為を改めることが求められている。(吉沢 明)




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