○食べ物の歴史食べ物の歴史と疾患予防栄養学の普及

 産業革命以降流通・保存などの近代技術が発達して畜産物の消費が増えて、小麦の消費が減り、食事が高脂肪食となり、心筋梗塞や生活習慣病が欧米諸国で蔓延しましたが、1970年代から栄養政策心疾患や生活習慣病などの予防医学に転換し、動物性脂肪・飽和脂肪酸(saturated fat・bad fat)の削減に取り組み牛乳・乳製品、肉の低脂肪化を国民に呼びかけました。米国では1970年から90年にかけて、牛肉の消費は2/3に牛乳の消費量は3分の1に減少し鶏卵生産者が廃業に追い込まれましたが、 血清コレステロール値は下がり心筋梗塞の罹患率も、心血管死も劇的に減りました。 欧米では和食もてはやされ、世界文化遺産に指定されました

「料理の起源 吉川弘文文庫 食肉の変遷と発達」  

「フード・ポリティックス 新曜社 もっと食べよう」 食品業界のためにつくられた栄養学
1917年農務省が発表した「食品の選び方」
「果物と野菜」、「肉類その他のタンパク質の多い食品(子どものための牛乳を含む」、「シリアルとその他のデンプン質の食品」、「菓子類」、「脂肪の多い食品」をバランスよく食べよう

「肉食文化と米食文化 講談社 過剰栄養の時代」 はじまるアベコベの栄養指導

予防医学になった栄養学
1977年 「わが国の食生活の目標」
1 果実、野菜、穀類(全粒)の消費をふやすこと。

2 肉類の消費をへらし、鶏や魚をふやすこと。
3 脂質の多い食品の消費をへらし、飽和脂肪の一部は不飽和脂肪にかえること。
4 成分無調整乳を無脂肪乳に切りかえること。
5 バター、鶏卵、その他のコレステロールの多い食品の消費をへらすこと。
6 砂糖や糖分の多い食品の消費をへらすこと。
7 食塩と塩分の多い食品の消費をへらすこと。