リール・リーダー:はじめに

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 このページは、アメリカStellar Games社が製作し、日本ではスザク・ゲームズから翻訳が出版された、三流映画を撮るシチュエーション・ギャグTRPG、
"IT CAME FROM THE LATE,LATE,LATE SHOW"
(邦題「イット・ケイム・フロム・ザ・レイト・レイト・レイトショウ 深夜三流俗悪映画の襲来!!」)

の紹介と普及を目的としたページです。

 内容の説明は個々の章に譲るとして、ここでは私とこの「レイトショウ」……あるいは「れれれ」と言った方が通りがいいかもしれません。私自身もこの呼び方に長年慣れ親しんできたので、ここではそう呼ばせてもらいます……との出会いとその後について触れておきたいと思います。

 思い起こせば、あれは西暦1992年1月のことでした。
 NIFTY-Serveのアクティブメンバーで、ハンドルネーム「雅」さんの主催で、テーブルトークRPG等のゲームを楽しむオフライン・ミーティングが名古屋で催され、私は東京からのこのこ出かけて行きました。その時、ハンドルネーム「JSTAK」さんがマスターをされたのが、「れれれ」でした。
 しかし、実はその時、私は「れれれ」のプレイヤーではなかったのです。
 私と「れれれ」との真の出会いは、オフが終わった後の、二次会の席上でのことでした。

 これが、私と「れれれ」との出会いでした。(笑)
(心象による若干の誇張あり)

 その後、私は1ヶ月以上かけて、大学の教養以来ほとんど触りもしなかった英和辞典を片手に、デモンナのスラングに悩まされながら翻訳に取り組みました。仕事を持つ身ですから、作業は遅々として進みませんでしたが、休日の時間をほとんど費やして、熱中しました。
 それほど、この「れれれ」のルールは私にとって興味深く、そればかりか、ただ読むだけで笑える内容でもあったのです。
 そして、翻訳は細かなデータ部分を除いて完成し、私はそれを元にNIFTY-ServeのRPGフォーラムのRT(リアルタイム:チャットのこと)でプレイしたり、大学時代の先輩後輩たちを誘ってプレイしたりしました。

 ここで話はいったん、2年ほど前に溯ります。
 私のテーブルトークRPG初体験は、私が就職して間もなくのことでした。武田 明宏という「悪い先輩(笑)」に誘われて初めてやったのが、「ナイトメアハンター」というシステムでした。この時のプレイを元にリプレイをまとめたものが、「ナイトメア・バスターズ」として当時の雑誌「RPGコミック」に途中まで掲載されました。(雑誌の休刊により完結はしませんでしたが。ちなみに完結版は ここで読めます)

 実は、武田さんによる一連のキャンペーンが終了した後、今度は私がマスターに名乗りをあげ、プレイを続けていたのですが……。

 正直に言いましょう。キャンペーンは破綻しました。

 その時、分かれ際にプレイヤーの一人であった後輩は、私にこう言い残しました。
「河村さんのマスタリングはタイトすぎる」
 私は、自分の描いたシナリオのストーリーに固執するあまり、プレイヤーの動きを縛りすぎていたのです。今となっては「若気の至り」と笑える思い出ですが、当時は結構ショックでした。自分自身のゲームマスターとしての適性を、疑いさえしました。

 そんな私が「れれれ」と出会えたのは、本当に幸運だったと心から思えます。
 というのは、「れれれ」の「監督」をやるようになり、そして「俳優」にセットを降りられた時、私は初めて気づいたのです。

「ああ、演出を放棄するって、何て楽なんだろう」

 そうです。「れれれ」に限らずTRPGというのはマスター一人の作業ではありません。マスターとプレイヤー全員の共同作業です。そして、ストーリー展開も、演出も、ときに結末さえも、マスター一人の手に委ねられたものではなく、ときにはプレイヤーに全部ゲタを預けてしまったって構わなかったのです。

 TRPGを楽しむ上で、ある意味では最も大事なことを、「れれれ」は教えてくれました。そして、それを教えることができる構造になっているシステムという点で、私は「れれれ」を並びない傑作RPGであると、既にTRPGを楽しんでいる、あるいはこれから楽しもうとしている皆さんに、胸を張ってオススメできるのです。

 話を、「れれれ」をプレイしはじめたばかりの頃に戻します。
 私が「監督」として初めて「撮影」した「映画」に参加してくれた1人が、今回スザク・ゲームズからの翻訳出版に当たって、共訳者として名を連ねてくれている桂 令夫氏でした。
 その後、彼の「監督」の下、朱鷺田祐介氏、金澤尚子氏、田中としひさ氏といった、そうそうたるメンバーを「俳優」として集めた「れれれ」のキャンペーン(共通のキャラクターを使って複数のシナリオを長期にわたってプレイすること)セッションが行われたことが、今回の翻訳出版に至る大きな原動力となったことは、疑う余地のない事実です。

 しかし、その頃にはまだ、「れれれ」が翻訳出版されるなんてことは、冗談で言いこそすれ、本気で考えてはいませんでした。以前にも「翻訳を出したい」という業界の方からの意思表示はあったのですが、その方の預かり知らぬところで会社がテーブルトークから撤退してしまい、御破算になったりもしました。
 そして、私のつたない翻訳が完成してから4年が過ぎ、私は結婚し、私の「れれれ」に対する情熱も少し冷めていたとき、朱鷺田氏から突然連絡がありました。

 その後、朱鷺田氏は本当に、渡米した折Stellar Gamesと折衝し、翻訳出版権を買い取ってきてしまいました。その際、相手の会社からは「本気か?」というようなことを聞き返されたそうです。

 何にせよ、冗談は現実になりました。
 私はかつての翻訳を手直しし(元の翻訳は本国版の1版に基づいていたので、2版を読み直して訂正しなければなりませんでした)、桂氏には私がまったく手を付けていなかったモンスターやエキストラのデータ部分と添付シナリオの翻訳をお願いして、ついに今年の3月、無事にスザク・ゲームズより刊行の運びとなりました。

 ルールブック添付のシナリオは、ホラーものとカンフー映画ものの2本で、もちろん、それぞれに「れれれ」の楽しみをタップリ盛り込んだ、まさに「オススメ2本立て」です。
 しかし、それで終わりではありません。
 「れれれ」には、無数の楽しみ方があります。無数とは言わないにせよ、少なくとも俗悪なTVドラマの数と同じくらいの楽しみ方が。それは、私自身が何度か「監督」をやった経験からハッキリわかっていることです。
 私自身が見つけた「れれれ」の楽しみ方を、少しずつでも紹介していくことで、「れれれ」の面白さを知り、「れれれ」を好きになってくれる人が1人でも多くなって欲しい。このページは、そんな思いで作りはじめました。
 ですから、このページは翻訳者が自ら作っているページではありますが、「オフィシャル」とかそういった大袈裟なものにはほど遠く、あくまで「れれれ」の1ファンが作ったものとして気軽に読んでいただければ幸いです。

 もちろん、「れれれ」に関する疑問等あれば、翻訳者として解る範囲での回答をしていきたいと考えていますので、どうぞお気軽にメールで御相談ください。

 それでは、今度はハリウッドでお会いしましょう。

用〜意、スタートっ!!



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