例会報告

2000/7/9

Last Updated: 2000/9/19

7月例会では、以下のセッションが行われました。
(アイウエオ順)


真・女神転生TRPG 覚醒篇

DM
Radcliffe

PCの概要
PCは全員、18レベル(GP20)からスタートしました。(高レベル作成ルール使用)

柊 綾音(火鳥勇太郎)
技能:コンピュータ−トリック−シューティング
 表向きは女子大生だが、実はクズノハのサマナー。攻撃補助のコカクチョウと回復役のシルキーを仲魔に持つ。
日輪坊(LUCEFER)
技能:抜刀術−マントラ
 カルトマジックの導師の元でマントラの修行にいそしむうち、「殴った方が早い気がして」抜刀術に目覚めた変わり種の坊さん。自称「日輪剣」(データは虎徹)を持ち歩く。
影月 狼輝(里見俊介)
技能:八極拳
 強さ50を誇る八極拳の使い手で、オリハルコンアーマーを身につけているため格闘の威力決定で6D6を振る凶悪なキャラ。モデルはかの「スプリガン」なのだが、格闘バカ一代で射撃ができないために「コスプレ・スプリガン」と呼ばれる(笑)。(もちろんプレイヤーが里見さんだからでもある(笑))

概要
 都内某所の小さな工場の火事。某教授(笑)の推測によれば、出火原因は「高周波の電磁波」だという報告が為されていた。しかし、工場に勤めていた一人の男は、火事の夜、現場で「化け物を見た」と証言した。この証言は、無論、誰にも相手にされなかった。
 そして、男は変死体となって発見された。

 PCたちは、男の娘(大学生)の同級生であったり、先輩後輩の関係であったり、その家が寺の檀家であったり(笑)という様々な関係から事件のことを知る。それぞれに不信を抱いた彼らは、協力して真相究明に動き出す。そう、彼らは知っているのだ。「悪魔」が実在するということを。

 調べを進めていくうちに、工場のあった場所にはかなり強力な国津神の眷族が封印されているらしいことや、近くの工事現場で巨大な石が撤去された後、工事に事故が頻発するようになったこと、ところがここしばらくはその怪現象が急に収まったことなどが判明した。
 さらに、半焼した工場を破格の値段で買い取ったのが「アルゴン・ソフト」であることも判明。クズノハに縁故を持つサマナーの知識では、ファントムソサエティとのつながりも噂される、最近きな臭い会社だ。

 その後も調査を続けた結果、工場の跡地を利用して作られたアルゴンの「研究所」に間違いなく核心があるとにらんだPCたちは、夜陰に紛れて研究所に乗り込む。そこで彼らを待ち受けていたものは……

事件の背景
 上記の工事によって結界の一部が壊れたことで、次第にゲートパワーが上昇し、周辺では異常現象が頻発していました。しかし、アルゴンはここに「電脳的結界」を張り、頻発していた異常現象を抑えつけます。その目的は、一般人の目を逸らすことと同時に、封印されている国津神をコントロールし、ソウル回収に役立てる手法を研究することでした。
 しかし、マニトウネットを通じて侵入した「ムーウィス」が誤算でした。ムーウィスはマニトウの完全復活とネミッサ消去のために、まずその場にいた研究員に次々と憑依し、次いで彼らを操りつつ機械の身体を得て、活動を開始しようとしていたのです。

使用した敵悪魔と戦闘の概要
研究所の地下メインルーム入口前
アルゴンが金で雇ったらしいサマナー2人組が繰り出す仲魔4体との戦闘。

使用した悪魔:妖獣ヌエ(LV20)、屍鬼コープス(LV19)、鬼女リャナンシー(LV19)、堕天使シャックス(LV17) 各1体

 PCサイドが集団攻撃の特技をほとんど持たないため、かなり苦戦を強いられました。特に序盤は、リャナンシーが毎ターン唱えるメディアのために、殴っても殴っても前衛が回復するため、辛い戦いになります。しかし、敵の数が減り始めると急速に流れはPCサイドに。
 最後は、(PC側の戦力不足を補いたいというマスターの思惑もあって)敵が降伏し、「リャナンシー(ただしMPは尽きている)」と虎の子の「サラマンダー」のデータを渡し、雇われサマナーは命を助けてもらいます。(その後、綾音が書いた紹介状を元に彼らはクズノハに入って修行し直しているという噂ですが……それはまた、別のお話しで)

ボス戦
護衛を排除して突入したメインルーム。そこでは、アルゴンの研究員が封印された国津神の放出する力をコントロールする研究をしている……はずでした。しかし、PCを出迎えたのは……

使用した悪魔:電霊ムーウィス(初期状態)(LV25)、電霊ムーウィス(憑依状態)(LV15)×2、邪鬼ウェンディゴ(LV17)×1

 かなりの苦戦でした。特に、日輪坊が1ターン目に食らった「高揚の歌」でシアワセになり、その後数ターン回復しなかったため、手数の差で非常に不利になります。コカクチョウやサラマンダーのタルカジャで威力は上がるのですが、いかんせん命中率が上がらないため、かなりの確率で攻撃が回避されてしまうのです。また、敵の悪運を考えに入れずに狼輝が「決め」に行った(命運を注ぎ込んで当てに行った)攻撃が悪運で回避されたのも大きな痛手でした。乾坤一擲のチャンスを逃したPCは、じりじりと追いつめられていきます。
 形勢を逆転したのは、日輪坊が放った「風神剣」(抜刀術の特技で、敵一列をまとめて剣風で攻撃する)でした。それなりにダメージを受けていた前衛のうち1体がこれで落ち、他の敵もかなりの痛手を受けて、続く他PCの攻撃で次々に落ちていきます。
 防御点の高さと回避の高さ(とDMのダイス目の良さ(^_^;))で粘るムーウィスでしたが、最後にとどめを刺したのも日輪坊の必殺技「火龍箭」(相手の防御点を半分にする突き技)でした。

セッションのその後
 ムーウィスを倒した後、地の底から響くような声が、PCたちの耳に響きます。

「我の眠りを妨げし、小さく愚かしき者どもの眷族よ。うぬらの眷族の愚かしさ、許し難きところなれど、さらに小賢しき者どもの企みを阻み、我が安息を取り戻せしは天晴なり。その功に免じて、我は地上にいずるを思いとどまり、今しばらくの眠りにつかん。再び我が封印の解かれるは、うぬら眷族の愚かしさゆえか、はたまた我が力を貸し与えるに値するほどの力をうぬらが身に付けし時か、今は知るに及ばず。とまれ、今は我が眷族の僕をうぬらに遣わそう」

(訳)「結界をぶっ壊したバカな人間の同族ども。おめえら人間のバカさ加減には呆れるが、おれの力を利用しようとしやがった小賢しい連中の企みを阻止してくれたのは、まあ誉めてやる。おめえらの功績に免じて、今すぐ地上に出てって人間の世界をぶっ壊すのは思いとどまってやらあ。おれがもっぺん地上に出る時は、またどっかのバカが結界を壊した時か、それともおめえらのレベルがおれより高くなって、合体でおれを作った時か知らねえが、今は代わりにおれの舎弟を貸しといてやらあ」

(というわけで、綾音は仲魔「地霊ツチグモ」を得ました)

 今回のアルゴンの計画は未遂に終わり、ムーウィスもまたかりそめの肉体を失って、電異界へと逃亡しました。そういう意味では、ミッションは成功です。
 しかし、事件の真相については、おそらく公表されないでしょう。(悪魔の存在を語らずに、真相を説明するのは困難です)
 父を殺された由希さんは、PCから真相を聞こうとします。
 PCたちは彼女に「悪魔」の存在を理解させようとするでしょうか? しかし、今はそれはかなり困難でしょう。
 あるいは、何か方便を駆使するでしょうか? 由希さんは聡明な女性です。生半可な嘘は、見抜かれるでしょう。

 しかし、やがて彼女も真実を否応無しに理解する日が訪れることになります。日本を震撼させる、天海市での事件が起こるのは、そう遠くありません……

マスターとしての感想
 前回はPCが13レベル、今回は18レベルということでプレイしてみたのですが、覚醒篇は、レベルが上がるにつれてバランスがタイトになると感じました。
 特に今回は、集団攻撃の方法がPC側に少なかったこともあり、非常に苦戦していたようでした。仲魔の特技に頼ろうにも、高度な技が使えないのでは、攻撃の特技はほとんど成功しません。(このレベルの悪魔だと、軒並み30近い回避値を持っているので、高度な技がないと半分は避ける)

(誕生篇の時と違って私の出目が適度に悪かったため(プレイヤーに優しいダイスだなあ(笑))、いつもほどに極端ではありませんでしたが。)

 悪魔の持っている特技だけでは使い勝手が悪い(特技が上位レベルのため、MPの消費が結構でかかったりする)ので、小さいMP消費でちまちま直したりちまちま敵を削ったりという戦略が取れません。やはりPCに最低一人は魔界魔法使いが欲しいと感じました。

 誕生篇では、特性値に比較的余裕が持てるので、特技の系統を2つ(例えば格闘と超能力とか、魔界魔法と格闘とか)伸ばしていけたのですが、覚醒篇では1レベルごとに成長する特性値が誕生篇の半分になっているため、事実上技能の兼任は不可能です。
 そういった意味で、誕生篇では「3人」だったベストバランスは、覚醒篇では「4人(以上)」になっていると感じます。

 今後、覚醒篇で募集する場合には、そのあたりを考慮しつつやっていきたいと思います。またお付き合いいただければ幸いです。

Star Wars RPG 2nd Edition R&E

マスター
Thalion

キャスト
●アラン/Young Jedi/石頭
 才能に溢れる若きジェダイ騎士。少年のころ、無理矢理頼み込んでミックの弟子となった。師匠の影の面には全く気付いておらず、心の底から彼を信奉している。とても生真面目であるが、師匠を尊敬するあまり、自分の能力を過小評価する傾向がある。真の正義を実現するために、同盟軍に力を貸している。
●ミック/Failed Jedi/KOH
 若いころはとても有能なジェダイ騎士であったが、帝国の弾圧を受け、やがて酒浸りの日々に身を堕してしまった。既に高い理想は消え果ていた彼ではあったが、アランと出会った事により、若き日の理想を思い出した。しかし、彼の心には、暗黒面の力が忍び寄っていた。
●ヴァニティ/Smuggler/EL(ゲスト)
 宇宙貨物船YT-1300を駆る運び屋。船を買うためにクライムロード(=犯罪組織のボス。マフィアドンみたいなもの)から多額の借金をしており、その利子の支払いで首が回らない。先月の支払いが滞っており、いわゆる「とてもシリアスな事態」が起きる直前まで追い込まれている。性格的には、一行の中では比較的まともな部類に属する。今回は利息の肩代わりの代償として、同盟軍に協力。
●チャムギ/Wookie/MSR
 ヴァニティの相方のウーキー男性。全身毛むくじゃらで、身長は2mを優に超す。怪力自慢で、ライトセーバーと同等の破壊力を持つ拳骨を誇る。帝国の奴隷狩りにやられそうになったとき、たまたまヴァニティの船に乗って逃げ出したことから、ヴァニティを生涯の相方と決めている。
●イー/Ewok/Rant
 どういう訳かこの船に乗っている、緑の惑星エンドア出身の、小さくてふわふわ毛皮の人。人間の子供サイズのテディベアと言えば良いか。殆ど何の役にも立たないのだが、隠密能力と嗅覚に優れており、その強烈な好奇心とあいまって、様々な事を目敏く見つける。ただ、一行とは言葉が通じないので、伝える事が出来ない(笑)。
●ウェイ・ブロスト/New Empire Pilot/516
 X-Wingを駆る、一行の実質的リーダー。同盟軍に対して強い忠誠心を持っており、優れたリーダーシップを持つ、有能な軍人。今回の特殊任務では、献身的な働きを見せる。どういう訳かドロイドとは相性が悪い。

背景
 別の星系での仕事を終えた一行は、彼らの本拠地であるネビュラ352星系へと帰還した。ハイパースペースジャンプから抜けた後、第2惑星の衛星にある同盟軍基地と連絡を取った ウェイ・ブロスト は、アステロイド帯に隠されていた帝国の研究施設を調査するよう命じられる。そこで研究されていたとされる「蝿の王」と呼ばれる何ものかを入手、あるいは破壊することが、使命であった。
 命令(契約)の変更を指示された一行は、急遽、小惑星ケチス2517へと向かった。

おはなし
【画面】観客の頭上を飛び越えるようにフレームインする YT-1300 と X-Wing
【音楽】スターウォーズのテーマ

「...という訳だ。我々はこれより、ケチス2517へ向かう。ご協力に感謝する」
 スピーカーから響くウェイ・ブロストの冷静な声が、作戦の開始を告げていた。ヴァニティは不機嫌そうな顔で船外を見ていた。宇宙空間をバックに、こちらと並んで飛ぶ X-Wing の姿が見える。コックピットには、同盟軍の赤いエンブレムのついたヘルメットを被った、真面目そうな軍人の顔が見えていた。この声の主、ウェイ・ブロストだ。

 見ると、航法スクリーンに X-Wing から航路がダウンロードされはじめていた。やがてYT-1300と X-Wing は、当初のコースを外れ、小惑星帯へと向かうコースへと入り始めた。同じく不機嫌そうに唸る チャムギ の方に向かって、心配ない、と言うかのように手を振り、操縦席に足を放り投げて座った。
「まぁ、超過料金も払ってもらえるようだし、いいんじゃないのぉ」
 自分があんなに痛い思いをするなんて、全く考えていなかった。そういう男なのである。

 やがて一行は目的の小惑星ケチス2517へ到着した。多少の凹凸はあるものの、半径約1000m、厚みが50m程度の、ほぼ円盤状の小惑星である。微弱なエネルギー反応はあるものの、人工施設としてはほぼ「死んで」いるレベルである。円盤の側面にある、開放型の着床ベイへ降りる。R2の持っている図面によれば、この施設には主、補助の2系統の動力炉があり、その両方ともが現在は死んでいる筈、との事だ。

 内部への通路は大型の防爆ドアで閉ざされていた。ウェイ・ブロストがX-Wingから降ろして連れてきた R2 が開放しようとするが、開閉のための動力自体が死んでいるため、補助動力を起動しなければ開放出来ない事が判明。別室にある補助動力炉を起動し、防爆ドアを開放する。

 次に研究セクションへの通路へ向かうも、再度別の防爆ドアに阻まれる。R2 の解析結果によると、このドアは、主動力炉を起動しないと開かない。しかし、主動力炉はこの扉の向こう側にあるのだ。まさに缶詰の中の缶切りである。爆発物も持たない一行は立ち往生。

 そこで一歩進み出たのが若きジェダイ騎士アランであった。呼吸を整え、フォースの流れに集中しつつライトセーバーを抜き放つ。そして、緑色に輝く光線剣を、なんとドア側面の壁に突き立てたのである。彼がゆっくりと円を描き終えた頃、ごとん、という重苦しい音と共に、壁に直径1mほどの穴が穿たれていた。どよめく一行(含む師匠(笑))。

# 本来ならこんな穴は開けられないのですが、石頭さんのダイス目が異様に伸びたのと、抵抗する側のマスターのダイスが伸びなかった上、ワイルドダイで1を出すという偶然が...(スターウォーズでは、難易度は固定ではなく、マスターがダイスを振って決めます。また、今回のマスターはセッション中、全てオープンでダイスを振っています)。

 一行の前にあったのは、研究施設セクションへと続くリニア列車だった。線路は、地下鉄を思わせる暗い通路の奥へと続いている。勿論動力炉が死んでいるので、稼動してはいない。すぐそばにメンテナンス用とみられるリパルサーリフト車輌もあったし、下手に主動力を入れてしまって、セキュリティが起動することを警戒した一行は、リフトを利用することにした。

 調べてみると、リフトは修理が必要であることが分かった。修理技能を持っている ヴァニティ が早速修理に取り掛かる。一応修理は出来たものの、起動時の爆発音と、微妙な浮力の不足に不安を抱いた一行は、やはり主動力を起動することにした。

# 修理判定でワイルドダイに 1 を出してしまったのだが、マスターが微笑んで「あ、いいよそのまま1として足して。うーん、成功してるね」と言ったのが、やっぱ不安だったらしい(笑)。実際、そのまま乗っていたら、肝心な所で制御不能に陥って貰おうと思っていました。

 主動力炉までの通路は、半ば水没していた。そのためか、R2はそこに行くことを強硬に嫌がる。主人である ウェイ・ブロスト の言う事も聞かない(説得を試みるも、失敗に終わる)。説得している最中に、水中から現れた触手の化け物(サレック。映画 Episode-IVではデススターのゴミ処理施設にいた奴)に襲われたりもしたが、何とか無事動力を起動する。

「頼むから一緒に来て、動力炉のドアを開けてくれ、R2」
「#P$%*T#&!!(嫌がっているらしい)」
「そこを何とか」
「#$%&$#’@+!!!(凄く嫌がっているらしい)」


 リニア列車を利用して研究施設まで着いた一行は、途中にあった情報端末から、今回のターゲットである「蝿の王」の情報を検索してみた。すると「蝿の王」とは、帝国が開発した細菌兵器であり、既にかなりの量が出荷されていることが分かった。出荷先は帝国のネビュラ352侵攻艦隊であり、この艦隊のターゲットがどこであるかは、明らかであった。既に艦隊は1週間ほど前に移動を開始している。時間的にはもうぎりぎりである。

 施設内のデータバンクから導出した情報によれば、この「蝿の王」は、二つの形態を持っている。生体内に侵入すると、第1形態に変化する。その後48時間の潜伏期間を経て発症し、一度発症すると劇症性の全身糜爛を起こし、2時間以内の致死率96%、同時に空気感染可能な第2形態に変化する、という厄介な性質を持っている。ただ、潜伏期間中に抗体を投与出来れば、87%の確率で完治するらしい。第2形態でいられる期間は極めて短く、3時間程度とのこと。現在保管されているウィルスは、大型の特殊装置により、第1形態のまま保管されているが、この機器を持ち出すことは不可能であった。

 悩む一行。その時、不意に R2 が火を吹いて倒れた。見ると、おなじみの白いアーマーに身を固めたストームトルーパーの一団が、こちらに向けて一斉射撃を始めている。必死に応戦する一行。しかし、彼我の武装の差は大きく、このままではじり貧となるのは明らかであった。ウェイ・ブロスト の優れた腕前により、何人かにダメージを与えることには成功していたが、やはり武器射程の違いがいかんともし難かった。
 やがてしびれを切らした ヴァニティ が、ブラストドアの影から飛び出して、愛用のヘビーブラスターピストルを連射する。彼の銃弾は一人のトルーパーを行動不能に陥れたものの、応射を受け、行動不能に陥ってしまう。
 そこで意を決したアランが、ライトセーバーを抜き放ち、一気にトルーパーめがけて突進、二人を斬り伏せた。更に相手がひるんだ所に、チャムギ のボディプレスが炸裂し、ほぼ状況を制圧してしまった。

 トルーパーに尋問を行うが、彼らが知っているのは、「ここに反乱軍の連中が来るから、そいつらを叩け」という命令だけであった。自分たちの行動が漏れている事に疑念を抱く一行であったが、時間がないので、やむを得ず先を急ぐ事にする。トルーパーは彼らが持っていた拘束具で拘束し、ヴァニティ の愛機の船内に監禁しておくことにした。

 一方、ウェイ・ブロスト は苦渋の決断を下した。結局、自身の肉体を使って、ウィルスを運び出すことにしたのだ。

# トルーパーの肉体を使うというオプションもありましたが、これはマスターの罠。それをやると、明らかに暗黒面の影響を受けてしまいます。

 一行は、施設の動力炉を自爆させるための工作班と、脱出のための航路計算を行う船舶班との二手に分かれて行動することにした。

 やっと脱出出来る、と安堵したのもつかの間、船舶班の前に立ちふさがる黒い影が。黒いローブと深いフードに身を包んだその男は、無造作に武器を抜き放った。血を思わせる真紅のライトセーバーの光条が走る。「ここが貴様たちの墓場だ」
頼りの師匠が工作班として動力炉に赴いている今、ここはアラン一人で支えなければならない。ウェイ・ブロスト が放ったブラスターを、その黒いローブの男は、ライトセーバーで弾き返した。その事だけを見ても、かなりの手練であることは知れる。

 一方、動力炉側の工作班。順調にロックを解除し、自爆装置の起動スイッチを押すばかりとなっていた。これを押せば、15分以内にこの施設は爆発する。そうすれば、当面の間、この「蝿の王」は生産出来なくなる。ミック が赤いボタンを押そうとした瞬間、彼の超感覚が、フォースの滞りを感じ取った。強力な暗黒面の力を放つものが、近くにある。

# Force技能の Sense 判定に成功したのです。

 瞬時に弟子の危機を察知した師匠、起動ボタンをそのままに、ドックへと急いだ。

 黒いフードの男は、アランの三段攻撃を軽々と凌ぎきった。常人ならば付いていくことすら不可能な三連鎖なのだが、それを躱し切った男には、息の乱れた気配もない。そして、大振りになって体勢を崩したアランを、赤いライトセーバーの一撃が襲った。

 アランが倒れるのと、師匠が駆けつけたのは、ほぼ同時だった。倒れゆく弟子の姿に、師匠は込み上げる怒りを感じた。怒りが彼のフォースに、新たな力を与えてゆく。それは本来、禁じられた力、暗黒面の力であった。紫色のライトセーバーが引き抜かれる。

「同じ力を使うものなら、強いものが残る」
 黒いフードの男が、ぼそりとそう呟いたのをきっかけに、戦いが始まった。恐るべき唸りを上げて、赤と紫の光線剣が乱舞する。

 戦いが終わった時、立っていたのは、ミック であった。黒いフードの男は、にやりと笑って、崩れ落ちた。その瞬間、そこに残されていたのは、黒いフードだけだった。

 傷ついた弟子を抱き上げ、出発の準備を始める師匠。一行は新ためて爆破の準備を整え、急ぎ出発した。これならば ウェイ・ブロスト が発症する前に、到着出来そうだ。

 小惑星の爆破フレアを背景に、母星へと向かって急ぐ宇宙船。その船内では、ミック が、物憂げに先ほどの戦いを思い出していた。
 かの男が倒れる寸前、フードが捲くれあがり、一瞬だけその顔が見えた。その顔は、青褪め、乾ききっていたが、見覚えのある形をしていた....
 それは今、窓に写る自分の顔だったのである。

【音楽】ダースベーダーのテーマ

PARANOIA (FIFTH EDITION)

コンピュータ
Fighter-KOU

市民(アイウエオ順)
安藤利和(ゲスト)、栗太郎、mash

概要
貴方のセキュリティ・クリアランスに対して、その情報は公開されていません、市民。

BEAST BIND

マスター
依羅使王

プレイヤー(アイウエオ順)
ゾビン、不和彰悟(ゲスト)、やすみよし(ゲスト)

概要
 ルールブック付属のシナリオフック「祟りは人のためならず」をアレンジ。
 屋上でいじめられた挙げ句、屋上から転落死してしまった女生徒の敵を討つために、彼女が大切にしていた人形(自動人形)が、学園内で様々な事件を起こして行き、PCはこの事件を解決するというシナリオでした。

GMの感想
 慣れないGMということで緊張してしまい、導入はうまく行かない、余計なヒントは出す、判定に時間を食うなど反省点がいっぱいありました。もっと勉強して再チャレンジします。
 BEAST BINDをする際、エゴ判定、絆判定は自己申告でも出来るので、どんどんやった方が良いと思います。
 また、キャラメイク時のPC間絆作りのときは、先に「愛」を何点か与えてブーストしてあげた方が「愛」は円滑にまわります。ルールブックにもちょっと書いてあったので、導入をお勧めします。(私は6点ブーストしました。)

[例会報告]

[トップページに戻る]

このページに関するご意見、ご要望、リンク追加/更新/改訂などの情報は:
south_island@anet.ne.jp
までお願いします。
Copyright(C) 1999 by South Island. All Rights Reserved.