●パス伝による鹿児島設定

西郷隆盛関連の人物

●西郷の次弟 吉次郎

西郷のすぐ下の弟。これといった活躍はなく、戊辰戦争中期の北越戦争で負傷、あっさりと戦病死する。

 

・転生体作成の指針

本当に影の薄い人物だが、この影の薄さを逆用すれば、「西郷の影武者」として、彼とほぼ同等の能力を持たせ、分身的活動をさせることが可能である。また生前からそうだった、ということにして、実は西郷は死んでおらず田原坂で死んだのは吉次郎だった、としてもいい。本物は噂どおりロシアに逃れ、後日こっそり帰国して日本の影の実力者になっているのである。

あるいはハワイあたりに逃れており、容貌がそっくりな某横綱は実は子孫だった、とするのも面白い。

 

●西郷の三弟 従道

西郷の三弟。初代海軍大将。兄とはかなり早い時期に袂を分かった。

同じ初代大将でも、初代陸軍大将の兄に比べると知名度は本当に低いが、社会的には一番成功したと言える。名前を間違えられても怒らず、以後それを正式な名前にしてしまうなど、器量は大きく、性格は悪くなかった。兄と別れたのはただ現実的だったというだけのようである。

 

・転生体作成の指針

兄と別れて成功、三男という特性を強調すれば、ジャギにしてしまうことも可能。しかしあまりにむごすぎるので却下。彼の家は華族として続いたので、転生体を作るよりは子孫を船会社の会長などとして出し、活用するほうがいいだろう。

あるいは海軍軍人にして薩摩武士という特性を利用して空手の三戦(さんちん)などを取り込んだ船上剛剣術を創始した、などとするのもいいかもしれない。

 

●西郷の末弟 小兵衛

西郷の末弟。常に長兄に従い、西郷軍団の幹部の一人として働いた。西南戦争で戦死を遂げる。

 

・転生体作成の指針

西南戦争では熊本城攻撃よりも北上して軍艦を奪取し、福岡などの陸軍部隊を味方につけるべきだと献策したというから、ハイテクを習得させ西郷の軍師的存在、切れ者の弟として設定するとらしさが出るだろう。あるいは末弟という特性を強調し子供にして、眉毛の太い腕白坊主などとするのも面白い。

 

●内務卿 大久保利通

西郷の親友にして宿敵。

恐るべき謀略能力を持ち、島津久光に接近して権力をつかみ、最終的には明治政府の最高実力者に上り詰める。

 

・転生体作成の指針

もし彼が由羅−久光親子の正体(つまり他神族のエージェント)という背景を知っていたとすれば、彼らを篭絡したとも彼らに篭絡されたとも考えられる。

また、西郷の盟友・宿敵という点を強調するならば、西郷が「西郷星」として木星の神になっていることから、「大久保星」として土星の神にするのもよい。

転生体を出すなら、年齢は低めに設定すべきである。大久保の転生体がその政治力をフルに発揮したとしたら、日本転覆などはいともたやすいからである。あるいは逆に大規模キャンペーン用の黒幕/パトロンとして若き大政治家、ゴトウのような自衛隊幹部にするのもいい。

 

●島津斉興側室 由羅

お由羅騒動の原因となった妖女。彼女の子が島津周防久光であり、斉彬毒殺の実行犯とも言われる。また彼女自身も斉彬の子供たちを次々呪殺したという風説があり、事実とするならかなりの妖力を持っているといえよう。もしかすると島津重豪の文化開放政策につけこんで薩摩潜入を果たした他神族のエージェントであるのかも。

 

・転生体作成の指針

どのように作ったとしても、悪女になってしまうのは間違いない。これはもう諦めて受け入れるしかないだろう。選択の余地は藤崎竜調妲己にするか、正統派悪女にするかといった色づけの部分しかない。玉藻の前、ベーネミュンデ侯爵夫人、毒・呪術というファクターから連想して蛇姫、などというパターンもあるが、いずれにせよ悪い女という色を消すことはできまい。もう一度言う。これはもう諦めて受け入れるしかない。

特技は戦闘系よりも男をたらしこむ技術を中心に据えたほうがいい。あるいは、色事(トリック系特技、技には「甘い言葉」「偽りの優しさ」「超人技」などが考えられる。解説すると極めて危険なのでこれ以上は書かない)など新特技を自作して持たせるのもいいかも。

・・・・・・PCに使うのはやめておけ。女性プレイヤーがいたら殺されるから。

 

 

●島津斉興

幕末前期の島津藩主。西郷が若い頃の島津家の当主。父斉宣の士風再建策を受け継ぎ、祖父重豪の西洋文明摂取策を否定した。調所広郷を登用しての財政再建とお由羅騒動で知られるが、とにかく頭の古い人物である。官位の昇進にこだわっていつまでも隠居せず、老中安部正弘と結んだ嫡子斉彬に調所の密貿易を幕府に密告され、強制隠居させられる。そのときの隠居願いの理由付けは「痔が悪いので隠居します」だった。

 

・転生体作成の指針

ただの凡人であり、転生体もとても力があるとは思えず、単独でシナリオに組み込むのはまず無理。手下である調所との絡みで、事件の被害者、利用されただけの仮の黒幕として出すのがせいぜいか。

 

●調所広郷

島津斉興に登用され薩摩藩の財政再建を担った軽輩出身の重臣。元は茶坊主だった。

過酷・非道・外道な収奪や借金踏み倒しさらには密貿易や贋金作りまでもやらかし、強引に薩摩藩の財政を立て直した。特に喜界ガ島での砂糖の強制栽培、買い叩きは有名。

蘭癖によって財政危機を招いた重豪に似た気風を持つ斉彬の藩主就任を危ぶみ、斉興や彼の側室由羅一党と結んで斉彬の異母弟久光を藩主にしようとした。最後は斉彬の逆襲を受けて、密貿易の一件を幕府にばらされ切腹に追い込まれる。島津久光公爵家を生み出した影の恩人ともいえよう。

 

・転生体作成の指針

遮二無二金を集めたというところから、ヘブライ神族のマモンや仙族のトウテツをその正体、あるいはその司祭だったとすると面白いのでは。

斉興の転生体を黒幕に押し立てて陰謀を企み(身の安全のためにその内臓の一部を握っているとかすると面白いかも。斉興の切痔で隠居という前世からしてこのパターンは使えると思う)、彼に切られてPCに倒されるという、「ロボコップ」のジョンソン専務のような最期を演出してみるといいかも。

 

●島津斉彬

島津藩史上最高の名君。西郷を登用した恩人。藩主在任はわずか七年にすぎないが、その間に西洋文明摂取・軍制改革・総合工業地域とも言うべき集成館の建設、集成館製品の販売による収入の確立、藩士の江戸留学など数々の革新的な政策を打ち出し、薩摩を雄藩中の雄藩へと押し上げる。幕閣、特に老中安部正弘とは親しく、彼とともに開国問題、将軍継嗣問題に対処した。

政治思想は公武合体論であり、倒幕までは考えていなかったようである。

公武合体を実現すべく率兵上洛する直前、謎の病死を遂げる。

 

・転生体作成の指針

これだけの業績を残した人物だけに、やはり神の転生であったとするのが妥当だろう。神族はおそらく天津神で、弟の久光とは別と思われる。謎の死は日本国内の混乱を狙うヘブライの手の者が仕組んだとすれば、辻褄も合う。実行犯としてはアンドラスやサブナックが適当であるが、「幕府の完全なる腐敗とそれによる浄化(完全消滅)を狙う大物」が手を回したとしても面白い。シナリオに登場させるなら、大物政治家や若き企業主といったキャラとして設定するのがいいだろう。


・薩摩人用特殊特技 

悪意はありません(真剣)。

 本当に悪意ないから怒らないでね。

・習得制限:薩摩(鹿児島)人で武術特技を習得している者にしか習得できない

 

一般鍛錬

・議を言うな!!(ぎをゆな!!)

レベル:− 判定値:精神力 難易度:−10 MP:8 威力:服従の強制

範囲:1 相性:心 使用:通常 単位時間:−

薩摩方言で「ごちゃごちゃぬかすな!」という意味。

こう怒鳴りつけられた者は、−30%のペナルティつきで精神力チェックに成功しないと、特技使用者の命令に従ってしまう。

 

・じゃっどん!

レベル:− 判定値:精神力 難易度:−20 MP:8 威力:命令への抵抗

範囲:1 相性:心 使用:通常 単位時間:−

 薩摩方言で「でも」「しかし」などの意味。理不尽な命令などに対して抵抗する際用いる。こう反論された者は、−30%のペナルティつきで精神力チェックに成功しないと、特技使用者を命令に従わせることができない。

 

・チェストー!

レベル:− 判定値:精神力 難易度:0 MP:5 威力:気勢をあげる

範囲:味方全員 相性:心 使用:通常 単位時間:−

薩摩方言で「いくぞー!」「死すぞー!」という意味らしい。

使用者がチェストー!と叫び、それに他の者が唱和することで効果を発揮する。これに参加した者はハイ状態になり、一切の精神的バッドステータスが回復、さらに1d10ラウンドの間あらゆる精神攻撃を受け付けなくなる。また、戦闘特技の成功率が10%アップする。

 

・稽古の合間に山坂の達者、水練を心掛け・・・

レベル:− 判定値:精神力 難易度:−40 MP:40 威力:ど根性

範囲:自分 相性:心 使用:通常 単位時間:−

本来は寝る間も惜しんで肉体鍛錬、武術に励めという薩摩の教え。使用すると、血反吐を吐く修行を耐え抜く覚悟が備わり、いかなる苦痛にも耐えられる強靭な精神が備わる。この特技を使用した者は、武術の特技の効果、耐久力、強さ、精神力チェックの成功値を2倍にすることができる。ただし魅了に対する魔法回避は1/2になる。ただし、一日最低30時間の鍛錬という暴挙を最低一ヵ月は続けた後でなければ、効果を発揮しない。

 

・捨てがまり(すてがまり)

レベル:− 判定値:精神力 難易度:−10 MP:15 威力:死を決意

範囲:自分 相性:心 使用:通常 単位時間:−

 本来は薩摩独特の退却戦術で、捨石となった足軽鉄砲隊が道端に座り込み、迫ってくる敵に対して弾の続く限り鉄砲を撃ちつづけ、弾が尽きたら敵中に切り込み、暴れるだけ暴れて切り死ぬという非情の戦法のこと。

この特技は、味方のために死ぬ覚悟を決めるためのもので、使用者は死ぬまで戦う戦闘機械と化し、恐怖、スタン、魅了などの精神的攻撃が一切通用しなくなる。また、射撃、投擲攻撃の成功率が+40%、その他の特技の成功率が+30%される。ただし、戦闘が終わってもまだ使用者が生き残っていた場合、死ねなかったとの思いからバッドハイ状態になりダーク値が210増加する。

 

 

 

 

 


パス伝によるその他の地域の設定

●高知

●坂本竜馬

土佐藩の町人郷士。幼い頃はどうしようもないヘッポコピーだったが、姉の猛烈な叱咤激励によって発奮、やがて剣も学問も一流の人物となる。はじめは尊皇攘夷思想に傾倒していたが、勝海舟と出会って転向し、亀山社中、海援隊を設立、長州藩への武器調達、薩長同盟の締結、大政奉還の腹案である船中八策の立案など開国倒幕に多大な貢献をした。

維新直後、何者かの手によって暗殺される。そしてその犯人は今も捕まっていない。

暗殺を実行したのが人間でないとすれば、犯人不明は至極当然である。彼を殺した存在と大久保利通暗殺犯、島津斉彬毒殺犯、西南戦争の黒幕を全て同一の存在とし、唯一その正体を見破ったのが竜馬で、その悪魔を追って転生したなどという展開もいいかも。

このパターンだと、新撰組転生体との共闘もありえる。新撰組の転生体が小学生で、前世での竜馬たちを殺したのが縮地の法を使う剣術悪魔(しかも美少年風)だったとすると・・・・。

世界が違ってきてしまうので勧めないが、やりたい人はどうぞ。

 

・転生体作成の指針

竜馬は「短めの新刀、短筒、国際法」の武装三段進化のエピソードでも知られるように、進取の気風に富んだ人物である。ゆえに、ハイテク(お勧め系統は「法学」を自作すること)、トリック(お勧めは「商売」を自作すること)などが似合う。戦闘技能は速剣(竜馬は北辰一刀流の使い手である)、射撃(拳銃)といったところか。あとは役得で裏社会とのコネや知名度を取れば、らしさが表現できる。

あるいは某金八先生をイメージして作るのも面白かろう。