◆始めに
このシナリオソースは大雑把には、1.ザコを倒す 2.幹部を倒す 3.ボスを倒す の三段階で構成されます。
プレイ時間が長くなるようなら、段階ごとにシナリオを分けた方がスムーズに展開すると思います。
実際、私もキャンペーンとしてプレイしました。◆舞台
場所は山形県の山間部にある、閉鎖的な田舎町とそこにある全寮制の学校です。
地形は、北に山地、南に湖、東に最上川の支流、西に外部と通じる唯一の道、という四神相応の理に沿っており、町には、縦4本、横5本の格子模様に街路が走り、九字の呪を形成しています。
ここを京都に見立てると学校はその御所の位置にあります。
明治の初め、八ッ目源三郎という山師が、この山中に金鉱を発見し、彼は一代で財を成しました。
町はその時の鉱山街ですが、源三郎が強引に区画整理をして今のような町になっています。
いまでは金も採掘されなくなり、町もさびれてきています。◆学校
全寮制で生徒数は700人ほど(1クラス男女15人ずつ30人×8クラス×3学年)。
それと教職員数が50人ほどです。これらの数字は好きなように増減してください。
この学校は八ッ目源三郎の投資によって造られました。
現在の理事長は八ッ目源三郎の甥です。◆背景
八ッ目源三郎は、現在の人類の人口増加を解決するため、異世界への侵略を計画します。
そのために、京都をまねた異世界との接点の多い町を造り、またその先兵を育成するための学校を造りました。
今は協力する同志も増え、徐々に計画を進行させています。
八ッ目源三郎は土蜘蛛です(八ッ目=目が8つ=蜘蛛=土蜘蛛)。
あまり長生きをするのも怪しまれるので、一度死んだふりをしました。
その後、若い姿に化けて甥の理事長の養子になり、現在の体では学校の生徒会長をしています。◆導入
PC達は背景を全く知らない理事によって、「学校内の怪奇現象を解決してほしい」という依頼を受けることになります。その場合PCは、新入生、転校生、留学生、教師のいずれかとして学校に入り込みます。書類の偽造が必要な場合は理事が造ってくれます。
ただし理事にも立場があり、調査は内密に行ってほしいといってきます。もし死亡者が出るようなことがあっても、学校側はその事実を握りつぶすでしょう。曰く、転校した、入院した云々・・・・・・
【編注】
個人的意見ですが、いくらメガテンの世界とはいえ、一介の学校が生徒の死因を握りつぶすというのは法治国家では考えにくいのではないでしょうか。この問題を解決する方法として、とりあえず2通り考えてみました。
ひとつは、PCを「国家的秘密組織(例:警視庁特務七課、神社庁 etc. )のエージェント」と設定し、死亡した場合の死因を事故死、あるいは病死として片づけられてしまう……という方法。
もうひとつは、校長ではなく八ッ目源三郎が、国家権力に対して闇の世界から影響力を及ぼし……という方法です。◆目的
八ッ目源三郎とその仲魔を倒すこと。◆イベント例
- 学校内で怪しい儀式をしている者がいます。これは覚醒した学生が自分の力を確かめるために実験しているのです。この学生を突き止め、魔物の被害者が出る前にやめさせないといけません。
- 世間で風邪が流行り始めた頃、学校の中で覚醒者が増え始めます。同時に情緒不安定になる者が激増します。これは保険医が風邪薬の代わりに覚醒を促す魔薬を配っているからです。情緒不安定になるのは魔薬の副作用です。PC達はこの魔薬を撲滅しなければなりません。
- 覚醒した者達が、選民思想に染まってしまい、一般の生徒を苛めています。増長した彼らは自分たちで魔物を支配できると思いこみ、強力な魔物を召喚してしまいます。彼らに道理を説き、命を救わなければいけません。
- 八ッ目源三郎は西洋の魔術も研究する必要を感じていました。そこで彼は倫敦から、魔道師を招へいします。この魔道師は魔物であり、しかも異界の門を開く魔道書を大英図書館から奪ってきていたのでした。PC達は、倫敦から魔道師を追ってきた追跡者に協力し、魔道師を倒し、異界の門を打ち壊して、魔道書を奪還しなければ なりません。
- 「鉱山には、まだ金が残っているかもしれない」と考えたお調子者の学生が坑道へ入ってしまいました。仲間に頼み込まれたPCは彼らを連れ戻しに向かいます。しかし、坑道の中で待っていたのは事故死した鉱夫の亡霊と、誤って掘り出された不発弾をくわえ込んだ魔物でした。不発弾が爆発すればPCは丸焼けになってしまいます。
- 八ッ目源三郎との決戦。源三郎はPC達の力量を評価し、仲間にならないかと持ちかけてきます。彼は今まで邪魔された事は水に流し、手を取り合って人類のために戦おうというのです。PC達は彼と彼の自分勝手な理想を打ち砕いてこの戦いの幕を引かなければなりません。
◆結末
八ッ目源三郎が死ねば学校は普通に運営され、生徒達のものになるでしょう。
そしてPC達の死闘が知られることも、感謝される事もないでしょう。
それでもPC達にはあまりあるものが送られるはずです。
みんなの笑顔が!
そしてその笑顔を守ったのは自分だという誇りが!
その二つは挫けそうなときPCを支え、次の戦場へと向かうための力になるでしょう!