Rj's SkaaRj Page_138


このシリーズ記事は、私Rjがあのおそろしい3Dゲーム unrealUnreal Tournament をやってみて思ったことなどを書いたのが由来です。今回は、記事存続の危機を経て初夢とか雄大な北海道とかイラクの誘拐事件の話です。(2004.05.01)

  1. 近況 - 続き
  2. 初夢
  3. 雄大な北海道?
  4. イラクの人質三人問題自作自演説について

その百三十八

1.近況 - 続き

冬至。南関東、朝は冷え込みましたが、日中は気温が上がってそんなに寒くありませんでした。夜になったらまた気温が下がって来てるので、明日も晴れそうです。

前回、「近況など」でこのシリーズ記事をどうしようか考慮中と書きました。それについて、メールや掲示板やweb記事(たいしさん@2003.12.18 24:41:49)等で、いくつかのご意見を頂きました。まず御礼。ご意見下さった方々、本当にありがとうございます。

内容は様々でしたが、それらを踏まえつつ改めて考えた私の結論は、「続ける。」です。何となく出来上がっていた前回までの形式を続けるには無理がありそうなので、違った形で細々と気まぐれに行きたいと思います。具体的にどういう形にするかはまだ決めてません。何か書きたくなった時、それを書きたいように書く場を確保しておきたい、というところです。(別サイトのコンテンツの一つとして開始した「Rjにっき」の方は、こことは異なる読者層を意識する度合いが高くて好き放題書く気分にはなれません。)

年末ついでに自らのサイトを振り返ってみますと、最初はらくがき公開用、三年後にSkaaRj記事を始めてt-cupに掲示板を設置してみたりもしつつ今に至る、です。そろそろ八年。大した進歩も発展も無いまま、よく続いたもんだ。当初はjetonという、今は個人向けサービスを止めてしまった小さなプロバイダに全てが置いてありました。その後2MBという容量が厳しくなってrimnetに少しずつ移し始め、やがてjetonが消えてしまってmac.comを利用している、という状態です。

置き場所なんてのは見る人にとってはある意味でどうでもよいこと、しかし、接続する為には、一度得た住所が変わってしまうというのは不便極まりない。だからなるべく同じアドレスでアクセス出来るようにしておきたいという気持ちがあります。jetonの終焉はその意味で痛恨でした。rimの更新が面倒なら楽なmac.comに全て移してしまってはどうか、というご意見も頂きましたが、絶対に信頼できる場所が無い以上、一箇所だけにしてしまうとそこが死ねば繋がらないので怖い。そんな理由もあって散らしてます。

まあ、最近は検索エンジンが優秀なので、多分こっそりどっかに引っ越してしまっても「Rj chaos」という検索語で辿り着くことが出来るでしょう。実際、jeton終焉のことを知らなかった旧い知人がさくっとmac.comを探し当ててくれたこともありました。「移動したくない」というのは、単に私の側の性分なのかもしれません。猫?

自分がwebを利用する形態も随分変化しました。最初は日本語サイトなんて少なくて、やたら落ちまくる不便なブラウザを使い、一分いくらとか気にしながら電話を繋いでわけの分からん頁をあちこち彷徨っていました。そのうちに気に入ったサイトをブックマークからちょこちょこ辿るようになり、やがて更新時刻取得系リンク集(通称「アンテナ」)が流行って自分でも自分用に作ってみるに至りました。それは今でも動かしています。。まだ一年経ってませんね。一部で物議を醸した「はてなアンテナ」なんてのもあって、近頃では誰でも気軽に自分用のアンテナを立ち上げることが出来るようになりました。

個人のwebサイトも様々に変化しています。大昔は自己紹介と自分の趣味や専門について簡素に書き、関連サイトへのリンクを集めたものが多く見られましたが、やがてその趣味の部分を拡張した専門サイトと日記/ニュースサイトに二分化していったように思われます。最近ではその日記の形式として俗に'blog'と呼ばれるものが流行っているようです。web log、つまり蜘蛛の巣航海日誌です。蜘蛛の巣なのにどうして航海なのか考えてみるに、多分初期の画期的webブラウザ'Netscape (Navigator)'に拠る所が大きいのでしょう。世界中に張り巡らされた蜘蛛の巣(World Wide Web)を大海に喩え、そこを見て回る為のアプリケーションたるwebブラウザの風雲児。そのアイコンは、昔の船の舵を象ったものでした。「ネット・サーフィン(「波乗り風」に、「網乗り」)」なんていう言葉も一時期流行しました。

・・・なんて話をまとめた後に書くのも白けますが、logってのは元々航海日誌のことだけではなくて、業務等の日誌/記録、という意味もありましたね。ブラウザが水先案内人を名乗る前から使われていた用語です。まあとにかく、weblogこと「ブログ」が流行っている、というのが現状です。

blogって何でしょう。定義や由来や形態には何やら色々あるらしく私には詳細分かりませんが、要するに「作成者がwebを巡った際の覚え書き」という形式のことで、内容やその社会的意味は様々です。深入り出来ませんけど、blogの為のツールを使ったただの日記、というのも有り得ると思います。そういった点からは、「Rjにっき」をblog化することも理屈上は可能なのかもしれません。ただ、Rjにっきが或いはその他の日記サイトやらニュースサイトがblogだろうがblogじゃなかろうが、書いてある内容が同じならそんなのは読み手にとってどうでもいいことのような気もします。読み手がweb上で(誰もが閲覧可能な形で)コメントを付けたければ掲示板がありますしね。双方向性の無いものは所謂blogとは多少意味合いが異なるかもしれません。

先日、電車に乗っていてふと思いました。山(自体の様相)は、例えば十年前と較べてそう大きくは変わっていない。しかし、人々の情報共有の形態は、ここ十年で大きく変わった。それを扱う人間の性質は、恐らく数万年前から殆ど変わっていない。社会の様相は激しく変化している。その変化を生んでいる人間自体は変わっていない。そこにある地べたも、埋め立て地が多少増えた以外は大して変わっていない。だから何だということではありませんが、何となく不思議な感覚にしばし包まれました。

変わり行くものと変わらずに在るもの。そんな様々な事象の間で、私なりに手探りで情報の発信を続けてみたいと思います。今後も気の向く範囲で宜しくお願いします。

hinata no neko
COOLPIX 3100での初ねこ。

(2003.12.22)

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2.初夢

とは言わないかと思われますが、今年初めて覚えていられた今朝の夢。

高校三年の年の暮れ。二学期最後の部活で、紅白試合をしました。私はいつものように外野を守っています。相手はやたら強打者が多いらしく、ホームから100mくらいあるフェンス際へ打球がどんどん飛んできます。打者によって守備位置を変え、思った方向へ球が飛んでくるとちょっと勝った気分。でも、追いつける範囲なのに打球がフェンスを越えてしまうと、自分のせいじゃないのにちょっと負けた気分。

何度かうまく捕球し、何度か追いつけず苦労し、何度かは負けた気分になりました。初めのうちは返球が思ったように出来ず、もどかしい思いをします。そのうちに勘を取り戻し、腕をきっちり上から回すようにしたらいい球が飛んでいくようになりました。しかし、殆どの打球がセンターかレフトに飛んできます。相手、何者だろう?

私はレフトの奴と交替でセンター/レフトを守っていましたが、何故かその間には野球部じゃないはずの女の子の友達二人がいました。今更、体験入部?しかも紅白とは言え試合中に何やってんだか。まあいいや、部活に出るのもこれで最後だし、色々教えながら楽しくやりました。

やがて試合は終わり陽は傾き、片付けをして仲間と共に校舎へ戻ります。すると、グラウンドの端っこから小さなイボイノシシの子供が出てきました。黄色いボディです。内気に物陰からこちらを見ていた彼(彼女?未確認。)は、私がCoolPix 3100を向けると途端に寄ってきました。カメラに引っつこうとします。何だこいつ?あまりにしつこいので、走って逃げました。子供のくせに結構足が速い。まだ体重2kgくらいだからいいようなものの、大きかったらどうなってるんだろう。

校舎に入り扉を閉めて猪を締め出し、ほっとして四階の更衣室に向かいます。山登りに較べればこんな階段は楽だよなあ。四階に着き、いつもの(そして初めて見る)更衣室で着替えを済ませ、ロッカーの中にあった「もう使わない」物を山で使っている45リッターのザックに詰めて廊下に出ました。向こうから先生が数名歩いて来ます。そのうちの一人、英語の先生と他愛ない話をしながら階段を降りました。

校舎を出て、歩き慣れた道を先程の女の子らを含めた仲間と話しながら進みました。三学期はもうあんまり来ないんだよな、なんて話をしていると、いよいよ高校生活もおしまいに近づいたんだと実感されます。その時の私には、高校生活の終わりは全ての終わりのような感覚がありました。因みにそこで話していた仲間の大半は、中学時代の仲間でした。

みんなそれぞれの進路がこれから決まり、来春にはそれぞれの道へと散ってゆく。帰宅時に散っていくのを拡張したような感じです。その後の人生で偶然誰かと誰かの道が交差することもあるかもしれないけど、基本的にはみんなばらばらになっていく。そして私にとっては、「その後の人生」なんていうものは全くリアリティを持たない。寂しい気持ちです。

それでもみんなと楽しく話し、そんな寂しい結末が近いなんてことは忘れているふりをする。まあ、私みたいなのはやや例外的だとしても、他のみんなだってそれぞれに色んな思いを抱えて歩いているんだろうなと思いました。すごく子供っぽい感情だけど、私はそこにいるみんなのことが好きでした。出来れば彼らといつまでも一緒に笑っていたい。でも、それが叶わぬことだと理解出来ぬ程には子供ではありません。暮れ行く空は心を映したもののようでした。

蛇足めも。舞台の学校は見知らぬしかし馴染んだ所、私は高校の時野球部ではなかった、先生は高校の先生、黄色いイボイノシシの由来は不明、夢自体の引き鉄は恐らくまきさん@すばひびの2004.01.04記事、etc。

新年明けましておめでとうございます。

kinjo no neko
近所のねこ。ぶれぶれ。

(2004.01.04)

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3.雄大な北海道?

北海道は雄大だとよく言われます。確かにひぐまはでかいし、都道府県単位で見ればその面積は断トツです。しかし、地べたの造りという点からは実は殆ど本州に勝てません。較べてみましょう。

項目 北海道 本州
面積 77982km^2 227943km^2
山の高さ(火山) 旭岳:2290m 燧ケ岳:2346m
山の高さ(非火山) 幌尻岳:2052m 飛竜山:2069m
川の長さ 石狩川:268km 利根川:322km
川の流域面積 石狩川:14330km^2 利根川:16840km^2
湖の大きさ サロマ湖:151.6km^2 霞ヶ浦:167.7km^2
湖の深さ 支笏湖:363m 田沢湖:423m
湖面標高 阿寒湖:420m 猪苗代湖:514m

この中で、「日本で二番目」になっているものは北海道自体の面積と石狩川の流域面積と支笏湖の深さだけです。平野の大きさも較べたかったんですが、正確なデータに辿り着けませんでした。ただ地図を見る限りでは、石狩平野+勇払平野も十勝平野も濃尾平野を中心とする名古屋圏の平野と同等か少し小さい感じです。

ということで、地べたの造りでは北海道は本州に較べて全然雄大じゃないという結論が出てしまいました。(レンタカーの料金設定は何なんだ、と言いたくなりますが置いといて、)このままでは北海道が可哀想なので、そこに棲む動物を較べてみましょう。

種類 北海道 本州
くま ヒグマ:2m ツキノワグマ:1.5m
さかな イトウ:1.5m タキタロウ:2m
ももんが エゾモモンガ:小さくて可愛い。 ホンドモモンガ:小さくて可愛い。
さんしょううお エゾサンショウウオ:15cm位 オオサンショウウオ:1m位
かめ いない? いる。

†亀については、本来居なかったけど本州等から持ち込まれたクサガメやミシシッピアカミミガメ(所謂「ミドリガメ」)が野生化しているという報告があるようです。但し、噂によると繁殖は不可能とか。

ということで、動物に関しても北海道は分が悪いという結論が出てしまいました。どうしよう。ええと、私にとっては北海道はいつか行ってみたい所なので、一応フォローしておきます。

ookura no neko
下に降りようとしてる本州のねこ。

(2004.01.30)

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4.イラクの人質三人問題自作自演説について

前置き

Rjにっきの方で扱っていた話題です。初めにお詫び。更新や閲覧の手間を減らせるかと思ってあちらに書いてみたのですが、途中からこちらへ移すことにしたので結局閲覧の手間を増やしてしまいました。移した理由はこう:RjにっきはSWAMPSサイトのおまけコンテンツですが、SWAMPSサイトの掲示板には時々荒らしが来るのでご迷惑掛けたくないが故に身近な人の記事へのリンクを張りづらく、しかし正常なやりとりをする上でそんな身勝手な事情/行動はよくないからです。

ひとえに私の当初の判断(「この話題もRjにっきで行けるかな?」という甘い希望的観測)が誤りだったということです。INT.さんごめんなさい。

m(_   _)m

では、まず基盤となる事実(らしきもの)を大雑把に整理します。

  1. 不用意に入ると危険だと思われるイラク(アンマンからバグダッド方面)へ不用意に入った日本人の民間人三人が、イラクの「武装勢力」とされる人達に捕まって人質となった。
  2. 「武装勢力」の要求は「日本政府は三日以内に自衛隊をイラクから撤退させること」で、それが達成されなかった場合は人質三人を殺すと暗示する犯行声明がカタールのTV局アル・ジャジーラの番組で放映された。
  3. 日本政府は要求に応じず三人の身が危ぶまれたが、在日経験のあるイラク人通訳一名(や、他の人)の尽力によって三人は無事解放された。

これについて、或いは以下に書くことでも、私の誤認等あればご指摘お願いします。正直言って、あまり積極的に情報収集していないので私のカン違いバクハツ発生可能性大です。


ここまでの話

次に、これまでの話の展開をこれまた大雑把にまとめてみます。

  1. まきさん(グレッチ兄さん)が、「しこたまMacintosh」の2004.04.11記事で「発育中の投稿(下で詳しく扱います)」を引く。内容は、日本人三人の誘拐事件が「自作自演」であるという憶測の根拠とされる情報を列挙したもの。(このころ、国内では誘拐された三人やその身内を叩く風潮が拡がる。)
  2. それを見たINT.さんが、「Diary」の2004.04.12記事で同じ記事を「ジョーク」と題して引く。
  3. INT.さんが、「Diary」の2004.04.15記事でイラクで人質となった伊太利人四人のうち一人が殺された記事に言及しつつ、最初に人質となった日本人三人の家族に嫌がらせをした人達について疑問を呈する。
  4. Rjが、Rjにっきの2004.04.15記事先週イラクで誘拐された三人が解放されました。よかったよかった。...余談ですが、あの三人って冬山に入って遭難する人とちょっと似てると思いました。とか書く。
  5. INT.さんが、「Diary」の2004.04.16記事で日本人三人が解放されたニュースに言及し、ひとまずホッとすると同時に、三人の帰国後について案ずる(国内では人質&その身内叩きが横行していたから)。
  6. Rjが、Rjにっきの2004.04.20記事イラクで最初に人質になった日本人三人は解放後にエラい拷問に遭ってるようで。...彼らの判断が完璧だったとは言いませんが、調子こいて彼らを叩いた人って他にやる事無かったんでしょうか。とか調子こいて書く。
  7. INT.さんが、「Diary」の2004.04.28記事で解放に至るプロセスであの3人に不愉快さを抱いている理由を述べる。勝手にまとめるとこんな感じ:
    1. そもそも三人のイラク入国が無謀すぎ。
    2. 誘拐後の家族の発言が不快なほど自衛隊撤退に偏りすぎ。
    3. 「自作自演」の真偽は不明だが、疑わせる状況証拠がありすぎ。
  8. Rjが、Rjにっきの2004.04.28記事んーむ、私もあの三人に落ち度が無いと思ってるわけではないです。...あの誘拐自体が「自作自演」だったという説についてはよくわかりません。優しいアラブ人に頼んで誘拐して貰ったということ?とか書く。
  9. INT.さんが、「Diary」の2004.04.30記事で前回の記事へ補足する。
  10. で、今Rjがこの記事を書いているところ。

私の立場

INT.さんとの相違点

思うに、「某掲示板への発育する投稿」に対する扱い(理解度?)が主たるものです。私の理解度の低さについて、下で改めて述べます。

テロリスト/優しいアラブ人

民間人を誘拐してその命と引き換えに何かを要求するというのはテロリズムと言えるでしょう。しかし、今回の事件を起こした人々が「残忍なテロリスト」であるという印象は私には希薄です。彼等は、そこらにいる普通の人々なのではないかという感じ。ただ、これは憶測に過ぎません。誘拐した彼等についてのみならず、私はイスラム社会全般についてあまりにも疎い。

しかし、それは私だけではないかもしれません。現代のアラブ(人や文化等)について詳しく知っていて「語れる」程の人は今の日本に数名しかいないのではないか、というようなことを早稲田大学イスラム科学研究所客員助教授(か何か)の保坂さんという人がどこぞで言ってました。彼自身も現代アラブの専門家ではないそうです。(うろ覚えにつき、認識に歪みがあるかも・・・)

ということで、ロクな知識も経験も持たない私が勝手に抱く印象を、Rjにっきでは象徴的に「優しいアラブ人」と書きました。やたら血を見たがるキリスト教徒(ブッシュ大統領のもたらした偏見)や時に過剰防衛にまで発展する程強い保身意識を持つユダヤ教徒(シャロン首相のもたらした偏見)と一見似たような宗教を信ずる人々だけど、イスラム教徒は彼等に比して総じて温厚である、という勝手な思い込みです。それを身近で実感した経験は希薄。ならばどうしてそんな印象が私の中に形成されたのかを考えてみるに、色々ありましょうが例えば古代エジプト(ピラミッドとか)の研究をしている吉村作治氏の話なんかが案外効いているような気もします。

2chやらマスコミやらの情報の扱いについて

2ch等の匿名掲示板に載った情報だからといって吟味するに値しないという考えはありません。私自身、限定された分野ではありますが2chの情報をも活用しています。ただ、情報の評価は必要です。玉石混交でしょう。これはテレビの映像等マスコミ発表の情報についても同じです。フィルタが掛かっているからと言って全て無意味だとは思いません。ここら辺は基本通り(のつもり)。

家族の言動について

あの時期に身内がイラクへ行くと知ったら、「何か悪いことが起きなければいいが(=何か悪いことが起きるかもしれない)」という思いを抱くのはそれほど突飛なことではないでしょう。私の観察した限りでは、人は容易に予測可能な事態が実際に起きた場合、予測困難だった事態に直面するよりも冷静にそれを受け止めることが出来るという傾向を持つようです。一方で、肉親や近しい知人等自分にとって重要な人物が誘拐され、「○×しなかったら殺す!」とか言われたら、大きく動揺してしまう人も少なくないでしょう。

家族やら何やら、テレビの格好のネタとなった「誘拐された三人の身内」の誰がどういう言動をテレビカメラの前で取ったのかの詳細については私は知らない部分が多いのですが、上述のようなことからすると、彼等の様子が冷静に見えても感情的に見えても、つまりどんな様子であっても(相反する様相が混在してさえも)私にとってはそれ自体不思議ではありません。

また、「自衛隊を撤退させなければ殺す」と脅されたとすると、人質の生命を第一に考えるならば(身内がそう考えるのもまた不自然なことではないでしょう)、取り得べき最善の(最も安直な)手段は、つまり政府が「(人質の身内の誰かが言ったらしい)全力を尽くす」為の方法は、自衛隊を撤退させることです。日本政府は、政治的事情から人質の生命を第一に考えることはしなかった、ということだと思います。それが悪いとか間違っているという意味ではなく、素朴に。

ただ率直に言って(Rjにっきの記述と重複しますけど)、私はこの「家族の言動」というものにあまり興味を持てません。

私の政治的信念

特に固定的な偏ったものは無い、と自分では思っています。強いて言えば、殺戮が嫌い。これは私の感覚では政治的信念ではなく、殆ど生理的嗜好のようなものです。


自作自演説の根拠とされる2ch某所への投稿(発育中)について

元のスレッドを(板すらどこかも)知らないので、孫引きさせて頂きます。

自作自演じゃない!!
日本の歴史と現在の情勢をものすごくよく知っていて、
企業関係者、大手マスコミ、大手NGOがバグダッドにいるにもに関わらず
たまたま左寄り弱小市民活動家と朝日系フリージャーナリストをターゲットにして、
韓国は軍隊を増員派遣しているのに、韓国人7人は即開放して、
今までイラクのテログループは崇高な大義名分が無くなる理由から、
絶対に女性を人質にした事は一度も無いのに、なぜか女性の高遠さんを人質にして、
女性を誘拐するのは身代金目的の犯罪組織だけなのに要求はお金ではなく「 自衛隊撤退 」だけで、
読みやすいように犯行声明文をキリスト暦で書く細やかな心遣いを持っていて、
三日後の4月11日がイスラム教シーア派の祭典という大切な日なのに無視して、
人質の後ろに兵を並べるのは南米のゲリラ組織のやり方で、イスラムはあんな撮り方をしないのにわざとやって、
普通のイラク軍やレジスタンスは使用しない高価なイタリア製の自動小銃を使っていて、
しかも屋内で発射すると、自らも発射ガスで傷つく事が必然の
ロケットランチャーも屋内に持ち込んで射撃体勢をとっていて、イラク人を何千人も殺害している
アメリカ軍よりも、軍隊増員している韓国軍よりも、一人も殺していないたった600人の自衛隊の方がより嫌いで
今井君が持ってるiBookと同じiBookを持っていて、アディダスのシューズを履いて
SONYのナイトショット搭載の比較的新しいDVハンディカムを持っていて
ビデオ撮影時には撮影用ライトを使うことができて
iBookにIEEE1394で接続してエンコードを行い、【イスラエル製】のCD-Rメディアに動画を書き込み、
FAXソフト内蔵しているiBookも所持していて、解放文ではスペルミスを8回もしていて
日本の報道の内容をを何らかの手段で得ていて、指摘されたキリスト歴に加えてイスラム歴も付け足して
自分が拘束して殺害予告をしておきながら『日本政府に代わって人質は自分達が守る!』なんてギャグセンスに長けていて
高遠様が影響を受けたタクシー運転手と交渉役が同じ部族だったりして
3人の政治的信念(3人とも以前から自衛隊反対のサヨク活動家)と全く同じ考えを持っているような
生粋のイラク人の武装テロリストが偶然いたんだよ!!

Colorful Days Writing Notes - 2004/04/13(Tue)より

続いて、これを細かく見ていきます。但し、私があまりにも無知な為、根拠の無い思い込みベースの疑問等が多くなります。

日本の歴史と現在の情勢をものすごくよく知っていて、

どのくらいが「ものすごくよく」なのか、またそれをどのように判断したのか分かりませんが、仮に私のような歴史や政治の専門家ではない、日本育ちの一般市民レベルの認識程度で「ものすごくよく」だとすると、捕まった人質三人に訊けば必要な情報の入手は大体済みそうです。

企業関係者、大手マスコミ、大手NGOがバグダッドにいるにもに関わらず
たまたま左寄り弱小市民活動家と朝日系フリージャーナリストをターゲットにして、

バグダッド市内では事を起こしにくかったということじゃないでしょうか。そもそもバグダッド市民じゃないかもしれないし。また、右翼的思想を持つ日本の民間人がこの時期私的にイラク入りすることは少ないかもしれません。いや、多いかもしれませんね。ただ、思想に関係なく企業関係者等の人達はもう少しマシな安全確保をしている・・・と思いたい。とすれば、迂闊に無防備なまま危険地帯へ入った彼等が捕まったのは「たまたま」ではなく、「軽装での無謀な冬山登山→遭難」にも似たある種の必然性があったとも言えると思います。

韓国は軍隊を増員派遣しているのに、韓国人7人は即開放して、

これは韓国の人に失礼な物言いかもしれませんが、彼等にとっては「日本」というブランドの方が「韓国」よりもインパクトがあったのではないかと思われます。無理矢理日本の山岳に喩えると、「谷川岳」の方が「武尊山」よりもすごそう、という感じ。

その前に、韓国人七人を誘拐した人達と日本人三人を誘拐した人達って同一なんですか?でないと、この比較はあまり大きな意味を持たないように思われますが。

今までイラクのテログループは崇高な大義名分が無くなる理由から、
絶対に女性を人質にした事は一度も無いのに、なぜか女性の高遠さんを人質にして、

「今までのイラクのテログループ」と括れる程に彼等が一様であったかどうかについて私は判断基準を持ちませんが、曖昧な憶測を基盤に言うと女性を人質にするのは確かに少々不自然な気もします。例えば狙った相手にたまたま一人女性が含まれていて困ったけど、彼女だけその場で解放する訳にも行かなかったという可能性は考えられないでしょうか。情報が漏れますから。とにかく、そうまでして人質を確保したい理由が何かあったのかもしれません。実際のところは彼等に訊いてみないと分かりませんが、亜米利加軍の重圧が相当なものになってきたというのは想像可能です。

女性を誘拐するのは身代金目的の犯罪組織だけなのに要求はお金ではなく「 自衛隊撤退 」だけで、

上記のような妄想に基づくと、三人を誘拐したのは身代金目的の犯罪組織ではなかったという可能性が導かれます。要求が自衛隊の撤退だったというのは、それまで「仲間」だと思っていた(少なくともキリスト教国に対するよりはある種の親しみを感じていたであろう)日本が、ジャイアンに媚びるスネオの如く亜米利加に尻尾を振って占領軍に加わったという認識が彼等にあったからでは?

自衛隊は何をしにイラクに行ったのか。それについて、イラク国民全般が十分な理解をしているわけではないということが考えられます。私見ですが、自衛隊は迷彩服を着て行かず、ただの(軍隊的ではない)作業着で行った方が良かったのではないでしょうか。(税金で別のユニフォームを用意することには異論があるかしら。)

読みやすいように犯行声明文をキリスト暦で書く細やかな心遣いを持っていて、

そりゃあ、西洋暦で動いている人達に向けたメッセージですから、そのくらいの心遣いをしても不思議ではないでしょう。私だって亜米利加人に向けて日付を記す時は「平成十一年十二月二十四日」ではなく'24, Dec. 1999'とか書きますもの。

アレ?亜米利加式は'Dec. 24, 1999'でしたっけ。

三日後の4月11日がイスラム教シーア派の祭典という大切な日なのに無視して、

誘拐した連中がシーア派の人だったのかどうかを私は確認していませんが、そうだったとして、その三日後の祭典の日が彼等にとってどのような/どの程度の意味を持つ日なのか、私には全く分かりません。これを、何かを判断する為の有用な情報の一つであると認識する人は、恐らく相当なイスラム通ですね。私は自らの不勉強を恥じるばかりです。

で、重要な日だったとして、誘拐した彼等はその重要な日までに自分らの行動の始末をつけたいと思ったのでしょうか。或いは、その宗教的重要性をも超えて事を起こす程の必然性が彼等にあったのでしょうか。そこらは分かりませんが、米軍が激しく攻めてきていたら状況は平穏でなく、通常の感覚では「非常識」に当たるような事が多々あっても不思議ではないでしょう。

人質の後ろに兵を並べるのは南米のゲリラ組織のやり方で、イスラムはあんな撮り方をしないのにわざとやって、

これについても私の認識が希薄すぎ。イスラム式の「人質の見せ方」といった作法があるのでしょうか。

普通のイラク軍やレジスタンスは使用しない高価なイタリア製の自動小銃を使っていて、

きっと、「俺達はこんなすごい武器を持ってるんだぞ!」というやや子供じみた誇示。

しかも屋内で発射すると、自らも発射ガスで傷つく事が必然の
ロケットランチャーも屋内に持ち込んで射撃体勢をとっていて、

上に同じ。精いっぱいの強がりかと。まさかそこで撃つつもりはなかったでしょう。

イラク人を何千人も殺害している
アメリカ軍よりも、軍隊増員している韓国軍よりも、一人も殺していないたった600人の自衛隊の方がより嫌いで

彼等が亜米利加軍よりも自衛隊の方を強く嫌っているというのがどうして分かったのか私には全く分かりませんが、初めから「単に嫌い」な(そして、自分達の力が全く及びそうもない)亜米利加軍に対するよりも、「仲間だと思ってたのに裏切られた」感のある(そして、自分達の力が及ぶかもしれないと思わせる部分のある)日本の軍隊に対する感情の方が複雑なのかもしれません。仲間だと思いたいが故に占領軍には加わって欲しくないという思い。(韓国軍については前述の通り。)

今井君が持ってるiBookと同じiBookを持っていて、

短絡的に考えて、今井君のiBookを使ったんじゃないんですか?それをジャイアンのように無理矢理取り上げたのか、或いはもっと紳士的に使わせてもらったのかは知りませんけど。

そうではなく、別に持っていたものがたまたま同じだったとすると、ええと私は彼の地でiBookがどれくらい普及しているのか(それを持っていることがどのくらい珍しいことなのか)分かりませんが、ひとまず「Apple、やるじゃん」という印象です。稀な機種(TAMとか)だったらものすごくびびりますけどね。

アディダスのシューズを履いて

彼の地でアディダスのシューズがどのくらい普及しているのか(入手困難なのか)、私は全く情報を持っていないので、この情報が何らかの意味を持つのかどうか判断出来ません。

SONYのナイトショット搭載の比較的新しいDVハンディカムを持っていて

これも同じ。或いは、人質からジャイアンのように取り上げた/紳士的に使わせてもらったという可能性を否定する情報があれば是非。

ビデオ撮影時には撮影用ライトを使うことができて

これはそんなに不自然だとは感じませんが、イスラムの教えでは撮影用にライトを使ってはいけない、とか?

iBookにIEEE1394で接続してエンコードを行い、

ぬ?iBookにFireWire対応のデジタルビデオカメラを繋ぐんだと、それが普通なのでは?USBの方が普通なんですか?自分、デジタルビデオカメラなんて持ってないのでいまいちイメージが沸きにくいんですが。

【イスラエル製】のCD-Rメディアに動画を書き込み、

私が大分前に買ったimationだったか何かのCD-R媒体の包装には、確か「台湾製」と書かれていたような気がします。また、別に買った三菱化学かどっかのCD-R媒体にも、同じく「台湾製」と書かれていたような気がします。三菱化学は多分日本の会社だと思いますが、imationなるブランドでCD-R媒体を作っている会社がどこの会社なのかは知りません。CD-R媒体の製造国やそれを売っている(作らせている)会社がどこの国に属する企業なのかを普段特に意識していないだけです。

で、彼の地でどの程度CD-R媒体が普及しているのか、或いはその製造国はどういった分布なのかについて私は全く情報を持ちません。よって、それがイスラエル製であったということがどういった意味を持つのか判断出来ません。また、これが彼等によって買われたものなのか、それとも彼等が今井君か誰かからジャイアン式に取り上げた/紳士的に提供してもらったものなのかについても判断材料がありません。

アラブ人がイスラエル製品を「アラブの敵国製品」として忌避すべきなのかどうか。例えば私はブッシュ大統領の政治的方針やら何やらが大嫌いですけど、亜米利加製品はいっぱい使ってます。シャロン首相の方針も嫌いですけど、私のコンピュータの内蔵電池には確かイスラエル製のものがあったと思います。他にも気付いてないだけでいろいろあるかもしれません。アラブ人が身辺をイスラエル製品で固め、崇めているならともかく、CD-R媒体といったものにまで神経を尖らせているのかどうか、私には想像の難しい領域です。

FAXソフト内蔵しているiBookも所持していて、

例えば今井君のiBookにfax送信ソフトが入っていてもさほど不思議ではないのではないかと思われます。今井君のじゃなくても、 faxソフトくらいなら比較的容易に入手出来るのでは?

解放文ではスペルミスを8回もしていて

「解放文」って何語で書かれていたんでしたっけ。「スペルミス」って言うくらいだから英語だったとすると、それを八回もしていることは何を意味するのでしょうか。「書き手は英語を母国語とする教養のある人物ではない(か、そう思わせる為にわざとやった)」ということかしら。

日本の報道の内容をを何らかの手段で得ていて、

「アル・ジャジーラ」の番組で日本の様子を流していたという話をどこかで目か耳にしたような気がします。その他のルートがあったのか無かったのか、あったとしたらどんなものだったのか詳細は分かりませんが、その程度の情報を彼等が得ることが何か不思議なことなのでしょうか。とすると、それはどうして不思議なのでしょう。

指摘されたキリスト歴に加えてイスラム歴も付け足して

「イスラム暦くらい付けとけやゴルァ!(意訳)」と内部の誰かが言ったのかもしれませんね。

自分が拘束して殺害予告をしておきながら『日本政府に代わって人質は自分達が守る!』なんてギャグセンスに長けていて

いやマジ、日本政府になんか頼れませんって。危険な地域を無事に通過するには、現地の事情に通じた人の案内が大事でしょう。私がもし「解放されることになった人質」で、危険な領域からどこか少し安全な所へ連れ出して貰うなら、日本政府ではなく現地の事情に通じた人々に頼みたいところです。

あっさりとした方針転換(殺害予告→やっぱやめ)は、彼等が生粋のテロリストではなくて普通の(という表現も曖昧ですが)人達だったのではないか、という憶測を呼びます。本物の(気合いの入った)テロリストになるにはちょっと優しすぎるというか何というか。好ましいことですけど。

高遠様が影響を受けたタクシー運転手と交渉役が同じ部族だったりして

「影響を受けた」ってのがどういった逸話なのか、或いは「交渉役」というのが誰のことか知らないので、これが何を意味するのか想像出来ませんでした。すみません。

蛇足かもしれませんが、私は彼の地での「部族(と訳される概念)」がどういったものなのかについて殆ど何も理解しておりません。

3人の政治的信念(3人とも以前から自衛隊反対のサヨク活動家)と全く同じ考えを持っているような

あの三人の政治的信念が全く同じだったとは知りませんでした。別個の人間でそんなことが有り得るということも知りませんでした。私の不勉強です。

・・・そういう極端な話じゃないのかな。もう少し穏やかに言いますと、対面して間も無い人々は互いの一致点を見出して安心したがる傾向があると同時に、会って話をしているうちに互いに影響を受けがちでもある、というところでしょうか。例えば、この発育中の投稿が為されているスレッドに張り付いている人達の間には、何らかの共通認識が生じたりしてません?そんな感じ。それが変に増幅されていないといいんですけれど。

生粋のイラク人の武装テロリストが偶然いたんだよ!!

生粋のイラク人かどうか、いや、なにじんなのかすら私には分かりませんが、彼等が生粋のイラク人かどうかという点と三人の誘拐がその三人による自作自演であるかどうかという点はどういった関係にあるのかしら。素朴な疑問。(いちいち書きませんでしたが、上の情報が全て真実だったとして、それがどういう形で三人の自作自演と繋がるのかをうまく想像出来ないものが多々ありました。)


現時点での私の結論

取り敢えず、全体を正当に評価/判断する為にはあまりにも情報が少なすぎます。上では自作自演説を否定する方向で踊ってみましたが、実際には自作自演説を肯定も否定も出来ません。というより、極言すればどっちでもいいです。初めは意気込んで誘拐したけど、話をしているうちに意気投合してしまった(人もいた)、なんていう曖昧な状態だったのかもしれませんしね。

一つはっきりしたのは、私がいかにイスラムについて無知であるかということです。

kamosawa no neko
鴨沢のねこ。

(2004.04.30-2004.05.01)

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