ニセ元首相の顔内需の拡大についての新しい提案(新版)

内需の拡大についての新しい提案(新版)

 アジア経済危機への対応を協議する先進七か国とアジア諸国の計十七か国の緊急蔵相代理会合が1998年6月20日に開かれました。これに先立つ日米の為替市場への協調介入によって円安にともかくも、歯止めがかかり、一安心というところではあります。しかし、これは飽くまでひとまずの「安心」であるにすぎません。先述の会議においてわが国は、国際的な公約として「金融機関の不良債権問題の解決」とならんで「内需の拡大のよる日本経済の景気の回復」をあげています。つまり、国際的な認識として、アジア発の世界恐慌を防ぐためには、何はさておき日本の景気を上向きにすることが重要であるとされているのです。

 ではいかにして内需を拡大すればよいのでしょうか。これまでの経済対策の柱であった公共投資は、今やその機能を果たしているとはいえません。そのため、この緊急蔵相代理会合で議題にあがったのが、「法人税と所得税の税制改革」だったのです。高度経済成長期の日本経済の規模であれば、国による公共投資により大きな景気浮揚効果が期待できましたが、現在のような日本経済の規模になれば、国家の支出による購買力の強化によるものよりも、個人や企業の増収による購買力の高まりのほうが、景気を押し上げる働きが強い。日本の景気の底上げのためには、税制を改革し、恒久的減税を実施するべきだ、というのが、諸外国の一致した見方だったのです。我々はこの会議において国際公約となった税制改革を断行するべく、日々検討を重ねています。

 しかし、所得税の減税の景気浮揚効果については、不安もあります。それは、「減税分はかならずしも消費にまわされるとは限らない」という点です。わが国の現在の不透明な経済状況では、将来の不安のため、減税分は貯蓄にまわされる可能性が強い。普段でさえ、貯蓄性向の強いわが国ですから、この不景気下では、なおさら貯蓄性向が強まるのは当然と言えましょう。もし、減税分がすべて貯蓄にまわってしまうとすると、減税政策に景気浮揚効果は期待できないことになってしまいます。

 この事については、我々以外の各政党も懸念しており、ユニークな減税方式を提案している党も散見されます。中でもユニークなのは、公明が提案している「商品券」方式であります。この「商品券」方式の詳細は以下の通り。


    公明の提案する「商品券」方式の減税案

  1. 六兆円規模の恒久減税(所得税、住民税、法人税)と消費税アップ分に見合う四兆円規模の「特別戻し金」の合わせて十兆円の大型減税を行う
  2. 十兆円の減税分の内の「特別戻し金」は赤ちゃんからお年寄りまで、すべての国民一人当たり一律三万円、四人家族では十二万円となる
  3. 消費税負担増を取り払い、恩恵が国民全員にいきわたる、できるだけ単純で合理的な減税手法として、「特別戻し金」は現金でなく「商品券」で引き渡されることとなる
  4. この「商品券」は有効期限を一年間とする
  5. 「商品券」は、日常生活に「有効かつ便利に使える」ように、五百円、千円券を単位に支給する。「商品券」は日本国内でのあらゆる消費行動に使用することができる。
  6. 「商品券」を受け取った小売業者は、郵便局に持ち込み現金化する。国は郵便局に商品券相当額を現金で支払う。
この「商品券」方式の最大の特徴は、減税の還付金を強制的に一年以内に国民に消費させるという点にあります。一見したところ、期限を一年にすれば消費性向を高めることができるようには思われます。

 しかし、詳細に見ればこの「商品税」形式は数々の欠陥があります。まず第一に、いやしくも民主主義、自由主義、資本主義を標榜する国家において、「一年以内に減税分を消費せよ」と国家が国民の経済活動に対して強圧的な態度にでることが許されるのか、という疑念が真っ先に浮かびますが、そのような原則的な観点をひとまずおき、現実の景気対策として有効がどうかという点で検討したとしても、いくつか重大な欠陥があるように思われます。

 まず、商品券を製作する費用の問題です。おそらくは、大蔵省の印刷局で紙幣と同じように製作されることとなるのでありましょうが、デザインの決定から、必要枚数の印刷までを含めて考えれば、莫大な費用がかかるのは必至です。いくら「商品券」といっても、紙幣とほぼ同じ役割を担うのですから、偽造される恐れは大いにあります。偽造防止の為、透かしを入れたり、特殊なインクを使用することも考えねばなりません。つまり、新しく紙幣を作るのと同じ作業が要求されるのです。しかも、その作業は「商品券」の有効期限である一年間がすぎれば無駄なものになってしまいます。

 また、公明案では500円券、1000円券などの単位で商品券を作り、国民のあらゆる消費活動において使用できる便利なものを作る、となっていますが、ここにも問題があります。公明案では国民一人当たり3万円の商品券を配布することとなっていますが、確かに一年間の有効期限の商品券を配布すれば、この商品券分3万円は確実に消費にまわされるでしょう。しかし、一体どういう商品がこの商品券で購入されるでしょうか。500円や1000円という単位の商品券3万円分となれば、それは日常の生活必需品の購入に使用される可能性が高いと思われます。つまり、その減税還付の商品券がたとえ配布されなかったとしても購入されていた商品の購入にあてられるのです。その結果、家計において商品券によるもの以外(つまり現金)の出費が3万円おさえられます。そして、その3万円分はどうなるのか-----貯蓄にまわされるでしょう。

 他にも、小売業者が郵便局で現金化する際に、その商品券が本当に商品の購入に使用されたものなのかどうかチェックしなければならないなど、実際の運用面でも様々な難しい問題があると思われます。上記の問題点を見れば、やはり「商品券」方式では国民の消費性向を上向きにするのは難しいと言わざるを得ません。

 この「商品券」方式では、一年以内に使わなければ無効にするという、いわば恫喝によって国民に消費を強いるというアイデアでありましたが、我々のアイデアは、これとは全く逆の発想によって生まれました。恫喝ではなく、消費に対してよりよい条件づけをすることで国民の消費性向を高めようとするものです。まずご紹介するアイデアは「消費税 Point Card」システムです。このシステムの詳細は以下の通り。


    「消費税 Point Card」システム

  1. 「消費税 Point Card」システム加入希望者は、最寄りの国税局で申し込む。(要身分証明書)加入手数料は1,000円。その場で、消費税 Point Cardを発行する。
  2. 消費税 Point Cardシステムに加入している小売業者での買い物の際、このカードを提示すると、その買い物に対して発生した消費税額の5%が消費税ポイントとして、加算される。
    *100,000円の商品を購入した場合、消費税は5,000円。この消費税の5%の250円が消費税ポイントとなる。
  3. 溜まった消費税ポイントは、消費税 Point Cardシステムに加入している小売業者での買い物の際に、消費税分の支払いに当てることができる。
    *1,000ポイントを持っている加入者は、1000円までの消費税の支払いにポイントをあてることができる。ただし、消費税を除いた価格部分の支払いにあてることができない。つまり、1,000ポイントを持っていても、価格1,000円のものの支払いにあてることはできない。消費税分50円分の支払いに50ポイントをあてることができるだけである。

このシステムにおいては、小売業者の加入数をできるだけ増やすことが肝要ですが、幸いなことに順調に加入店は増えているようです。消費税を払えば払うほどポイントがたまり、消費税が割安となることが、顧客への新しいサービスとなると判断されているのです。 このシステムが本格的に運用を開始すれば、必ずや現在冷えこんでいる消費者の購買意欲を高め、内需が拡大することでしょう。

 もう一つのアイデアも、国民の消費行動を勇気づけるべく考え出されました。毎年、国税局から「長者番付」が公表されますが、これと似たもので、収入に比して消費額の多かった人をランクづけし、最優秀者を表彰するというものです。題して、「消費王番付」。詳細は以下の通り。


    「消費王番付」

  1. 「消費王番付」参加希望者を年度前に募集する
  2. 「消費王番付」参加者は年間の消費について領収書などを保管しておく
  3. 年度の終了とともに、「消費王番付」参加者は、領収書など消費行動の記録を国税局に提出する
  4. 国税局は、「消費王番付」参加者を、年収によって部門分けする。グループ分けは年収の総額で1億円までは1,000万円ごとに、1億円を越えれば1億円ごとに区切ることとする。
  5. 各年収グループごとに、年収に対する購買金額の割合の多い参加者から順位づけする
    (ただし、参加者が年度内に破産した場合は、棄権したものとみなす)
  6. 同一グループ内で年収に対する購買金額の割合が同じ参加者がいたばあい、年収の少ない者が上位になる事とする
各年収グループの1位は、「消費王」として表彰され、副賞としてそれぞれ500万円と記念メダルが贈られます。2位から6位までは「消費大臣」として表賞、それぞれの順位に応じて副賞と記念メダルが贈られる予定です。また特典として、「消費王」は一年間消費税無料、「消費大臣」は一年間消費税3%据え置きの権利が与えられます。

 国際的な公約を守り、我が国の景気を底上げさせるために、上記の新しいシステムの早期の導入が必要なのです。国民の皆様には是非とも御理解いただき、このシステムの導入に御協力をいただきたいのであります。

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