ニセ元首相の顔一票の格差について

一票の格差について

 選挙の際に常に話題となるのが、「一票の格差」です。選挙区ごとの有権者数がはなはだしく異なっている場合に、一票の価値に違いが生じてしまうのです。

 Aという選挙区に10人の有権者が、そしてBという選挙区に100人の有権者がいるとし、当選する人間がそれぞれの選挙区で1人とすると、Aの選挙区の一票はBの選挙区の一票より10倍の価値を持つことになります。

 国民全てが法の下に平等であると憲法にうたわれているにも関わらず、選挙区によって投票される一票の価値に上下があるというのはおかしい。先頃の衆議院の選挙制度改革の引き金の一つとなったのも、この「一票の格差」問題でした。この問題の解決についての国民の皆様全ての熱意が、選挙制度改革につながったのです。難産の末の改革でしたが、一度改革に成功したのですから、これからは一票の格差があまりに大きくならない間に選挙制度の改正が行われていくでしょう。

 しかし、選挙区ごとの有権者数が一定になったとしても、実はまだ「一票の格差」問題は残っているのです。

 それぞれ100人の有権者がいるA、B両選挙区に、どちらも2人の候補者が立候補したとしましょう。A選挙区では51票対49票の僅差で当選が決まり、B選挙区では100票対0票の大差で当選が決まったとします。この場合、A選挙区では当選者に投票した51人の一人あたりの一票の力は1/51、それに対してB選挙区では1/100です。A選挙区の当選者への一票のほうがB選挙区の当選者への一票よりもおよそ2倍価値があるわけです。

 これでは、「法の下の平等」とは言えません。この難問を解決するにはどのようにすればよいか?我々の内閣が協議に協議を重ねてつくり上げた革新的な案が「投票プール制」なのです。骨子は次の通り。

  1. 有権者は候補者でなく党に対して投票する。
  2. 全国の選挙区のそれぞれの党への投票数の総計を出す。
  3. その総数が、次の選挙までの間、各党の持ち点となる。
  4. 国会の議決の際、各党の代表一名は持ち点の中から投票する。
  5. 持ち点を使い切れば、次の選挙まで国会の議決に参加することはできない。
 この制度の利点は、一票の格差是正の他に、死票がまったく生じないということ、それから議員を基本的に各党で一人にすることができることなどがあります。

 われわれニセ前内閣は、この制度を導入するために不退転の決意であたる覚悟でおります。国民皆様のご理解とご支援をお願いする次第であります。


「投票プール制」導入後の国会シミュレーション
(参考)

国会中継


「国会中継です。会期もいよいよおしつまってきましたが、重要案件を抱えて、緊迫した様子を見せております。まず、何と言っても目を離せないのが、行政改革法案です。与党自民党が提出したこの法案に対して、新進党、民主党ともに対決姿勢を強めております。それから野党提出の少年法の改正案、株主総会をめぐる商法の改正案、それからこれが最も問題とされております憲法9条の改正案。解説の後藤さん?、今後の国会ですが、どのように御覧になられますか」

「そうですね、終盤にさしかかり、各党とも持ち点がかなり少なくなっておりますから、どの法案に点数を集中させるか、が問題でしょう。各党にとって重要でない、と判断すれば投票を棄権することも出てくると思います。」

「残り持ち点ですが、自民党が現在10万点、新進党が6万、民主党が4万点となっています。社民党は、持ち点を使い切りましたので本日は出席していません。」

「与党としては、なによりも行政改革法案を通したい、という強い意志を持っているようです。これにたいして、新進、民主がどのように対抗するかが見物ですね。新進党が憲法9条改正案を急遽持ち出したのも、数の上で優位に立つ自民党の持ち点を分散させ、行革法案を否決する可能性を高めるためだ、という見方がもっぱらです。」

「それから、ミニ政党の全国楽天党が5千点まだ持っています。」

「そうですね、この政党は前回の選挙で獲得した持ち点を一度も使っていませんね。本日、この党が提出した唯一の法案が採決されます。」

「ええ、あの「日本の国名をニコニコ楽天パピプペプラス思考国に変えるという法案ですね。」

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「さあ、本日最初の採決は、「少年法の改正案」からです。各党の代表が、フリップに記入し終えたようです。」

議長「少年法改正案について、自民党は?」

自民党「少年法改正案の反対に、1万点」

議長「新進党は?」

新進党「少年法改正案の賛成に、3万1千点」

議長「民主党は?」

民主党「棄権します」

議長「全国楽天党は?」

全国楽天党「棄権します」

議長「賛成3万1千点 反対1万点。よって本法案は可決されました。」

「少年法改正案が可決されましたが、どう御覧になりますか後藤さん。」

「いやあ、新進党にとっては、可決は良かったとはいえ、自民の賭け点を読み違ったのは痛いですね。新進党は自民が3万点ほど賭けると見ていたようですが、フタをあけてみれば1万点でしたからね。差し引き2万1千点。これは、行革法案否決に賭ける新進党としては手痛いミスです。」

「この結果は、新進党のこれからの投票戦略をかなり縛るものとなりそうですね。」

「そうですね、今後はかなり持ち点を温存するようになると思います。ただ、民主党が今回棄権しましたから、新進党としては行革法をめぐって共闘することができればまだチャンスは残っていると思います。自民党としても油断できません。」

「さて、続いての採決は、「日本の国名をニコニコ楽天パピプペプラス思考国に変えるという法案」の採決です。各党の代表が、フリップに記入し終えたようです。」

議長「「日本の国名をニコニコ楽天パピプペプラス思考国に変えるという法案」について、自民党は?」

自民党「棄権します。」

議長「新進党は?」

新進党「棄権します。」

議長「民主党は?」

民主党「棄権します」

議長「全国楽天党は?」

全国楽天党「賛成に5千点全部」

議長「賛成5千点 反対零点。よって本法案は可決されました。」

「驚くべき結果です。なんと、「日本の国名をニコニコ楽天パピプペプラス思考国に変えるという法案」が可決されました!これにより、来年4月より、わが国の名称はニコニコ楽天パピプペプラス思考国となります。」

「いやぁ、本当に驚きました。まさか可決されるとは。自民、新進、民主ともちょうど三すくみになってしまいました。ちょど、ライトとセンターとセカンドの中間にフラフラっと上がったフライをお見合してしまったような感じです。」

(以下略)

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