ニセ前首相の顔国旗法制化問題について

国旗法制化問題について

 今国会での争点の一つが「国旗の法制化」問題でありました。広島県の高校の校長が学校行事において日の丸を掲げるかどうかで、文部省の指導と組合側の反発との板挟みになり、自殺してしまったという事件がこの問題が大きく扱われることとなったきっかけでした。

 「国旗の法制化」問題において人々がとる様々な視点を整理してみましょう。まず第一の論点となるのは、「国家にとって国旗は必ずしも必要なものであるか」という点であります。そして「国旗は必要である」ということを肯定する人々の中で、次の論点となるのは、現行ではほぼ国旗と準ずる扱いを受けている「日の丸」をそのまま国旗として法律で定めるのは妥当かどうかというところです。

 私見になりますが、上記二つの論点のうち、現在、焦点となっているのは第二のもののように思われます。国旗を法で定めることについては認めた上で、「日の丸」を国旗としてそのまま認めてしまっていいのか、という論点であります。日中戦争から太平洋戦争にかけてのいまわしい記憶がこの旗にまとわりついているのがやはり大きな障害になっているのでしょう。「日の丸」が我が国のアジア諸国への侵略の歴史の象徴として扱われているのは、やはり否定できない事実です。現在でも、対日感情が悪化した際には、我が国の大使館の前で「日の丸」が焼かれたり、破られたりしています。このように悪印象を周囲からもたれているものを国旗としていいのか、というのが日の丸反対派の大きな論拠の一つです。

 一方、愛国主義的な心情を大きな拠り所としているように見える日の丸肯定派ですが、戦争の歴史を忘れないためにこそ「日の丸」を国旗とすべき、とする立場もあるようです。過去の不幸な侵略の歴史の責任を忘却しない為に、周辺国から憎悪の対象ともなり得るこの旗をむしろ国旗とすべきである。「日の丸」という過去の歴史を背負った旗を、新しい旗に変え、自らの行為を都合よく忘れてしまうよりも、過去の歴史に「血塗られた」旗を、ホーソーンの「緋文字」のようにかかげ続けるほうが、むしろ正面から歴史の重みと対峙することになるのではないか、という意見です。肯定派、反対派、どちらにしても国論を二分する論議になることは間違いありません。

 しかし、この議論のおいては、最も重要である視点が一つかけています。誰も、「旗の本質」にふれていないのです。現在「国旗の法定化」問題で議論の対象となっているのは単に「図柄」であり、「意匠」あるいは「デザイン」にすぎません。自動車という工業製品と比較してみれば、国旗論議における論点の矮小化は明らかになります。確かに、自動車においてデザインが重要なファクターであることは否定できませんが、しかし、それは自動車としての基本的な性能、すなわち、走ること、止まること、居住性、安全性などが十分に満たされていることが前提であります。旗においても、デザインが問題とされる前に、旗としての基本的な性能が問題にされなければならない筈なのです。しかし、現在のところ、この「旗の基本性能」にまで突っ込んだ議論はなされてはおりません。

 では、一体旗の基本的な性能とは何なのか。同語反復めきますが、旗の基本的な性能とはやはり「はためく」ことではないでしょうか。僅かな風にもゆらめくように柔らかく、それでいて悪天候下でも破れることのないように丈夫であること。こういったことがまず重要であるはずです。そして、たとえ燃やそうとして火をつけても燃えない不燃性や、汚れにくさ洗濯のしやすさなどの保守性が、それに準じて大切であるといえます。「日の丸」に限らず、アメリカ合衆国の国旗「星条旗」もよく焼かれますし、植民地の独立闘争においては旧宗主国の国旗は必ずといっていいほど焼かれたり、破られたり、踏みつけられたりしています。このような苛酷な条件下にあっても簡単に燃えることなく、そして破られることなく、はたまた汚れることもなく、風が吹けば何ごともなかったかのようにふたたびたなびくこと。このことこそが旗のもつべき基本的な性能ではないでしょうか。図柄やデザインなどは、これらのことに較べれば、瑣末でとるに足らない細事と言わざるを得ません。

 この基本的な性能を明確なものとするため我々は、JISに「国旗規格」を制定しました。

我々の提案は、通産省の工業技術院において上記の規格にかなった材質を毎年選定し、各年度の国旗とする、というものです。なによりも、旗本来の性能を重視し、合理的に国旗を選ぶ為の画期的なアイデアであると自負しております。「国旗」という国を象徴する大切なものであるからこそ、図柄やデザインといった表面的な事でなく、旗本来の基本的な性能・材質といった本質的な事に着目して選定しなければならないことは誰の目にもあきらかであるはずです。悲しいことに、現在の国旗論議では、この当たり前の事が忘れられ、「日の丸」といった単なる図柄に対する是非論に終始しています。このように袋小路に入ってしまったこれまでの国旗論議を乗り越え、何よりも旗の本質を第一に考えて、よりよい国旗を勝ち取る為に、この我々の提案に対し国民の皆様の幅広い御支持と御協力をお願いしたいのであります。

****** 参考 ******

 まだ、この提案は法制化されてはいませんが、参考の為に我々は上記国旗規格に則って材質の選定を行いました。この結果、1999年4月現在において最も優秀だと認められた材質は「タフロック」でした。このまま国旗規格が法律化されれば、戦後初めての法律で定められた日本国旗は「タフロック」になることでしょう。

******************************

戻る