ニセ首相の顔特殊法人改革について

特殊法人改革について


 2001年12月18日、163の特殊法人と認可法人の約4割を廃止・民営化する整理合理化計画を決定いたしました。今回の整理合理化計画は17法人の廃止、45法人の民営化、38法人の独立行政法人化によって、年間5兆円を超す財政負担を来年度に1兆円以上削減しようとするものです。

 内閣が掲げる「聖域なき構造改革」の実現に向けて精力的に作業を続けたスタッフに対して、まずは労いの言葉をかけたいと思います。

 勿論、今回の整理合理化計画が完璧なものとは言えないことも認めなければなりません。廃止・民営化対象になった法人では所管省庁などの抵抗で改革のペースが緩められた面もあります。廃止法人では年金資金運用基金が2004年まで結論を先送りし、そのほかも大半は事業を引き継ぐ受け皿組織の設立が認められました。一方、独立行政法人についてみると、情報開示や業績評価の仕組みがあるとはいうものの、既に発足している法人の現状を見る限りでは業務目標が甘く、天下りの役員が多くみられます。個別の事業の見直しでも、必ずしも「廃止・縮小の保証」をしたものではない為に、最終的な事業継続の決定については各法人の判断に任せられることになってしまいました。

 所管省庁による各法人ごとに具体的な改革法案は、今回の整理合理化計画をもとにこれから作成されることになります。ですから、上に挙げたような”改革の抜け穴”をより小さなものにする為に、国民全体で今後作成される法案を厳しくチェックすることが必要なのです。

 しかし、この「厳しいチェック」が逆に作用しかねないことも留意すべきです。昨今では官僚や特殊法人職員の無能さをあげつらうことが自己目的化しているかのような報道も多く見受けられます。しかし、このような状況は、必ずしも特殊法人廃止にとってプラスに働くとは限りません。人は、あまりにひどく追い詰められると逆に反発してしまうものです。誰にでも経験があることでしょうが、たとえ自分に非がある場合であっても、咎めだてが激しすぎれば反省するどころか「自分は悪くない」と思い込んでしまいがちです。

 また、これは民主主義の根本の問題に関わる問題でありますが、国民全体に関わる利益と少数者の利益が相反し衝突する場合、往々にして少数者の主張が通ってしまいがちです。この傾向は、少数民族の権利獲得運動などの場合には、「寛容さ」となってあらわれ、他の政治制度に無いプラス面となることもあります。しかし一方、全体の福祉からみてマイナスとなることであっても、少数者の強固な意志があればそれが「少数者のエゴ」という形でまかり通ってしまうという悪しき面も持っています。特殊法人をめぐる利権についてはこの「悪しき面」が表面化していると言えましょう。特殊法人において税金の無駄使いがあれば、国民全体から見れば金銭的な被害を被っていることになりますが、その国民全体にわたって広範囲に共有される被害者意識は、税金の無駄遣いによって利益を得ている人々の既得権益を守ろうとする意識に比べると如何せん希薄なものになってしまいがちです。この既得権益を守ろうとする人々の意思は、選挙の際に大きな力を発揮し、議会においていわゆる「守旧派」として改革を阻む勢力を為すわけです。

 ではどうすればよいのか。上に、特殊法人に対する国民が持つ希薄な被害者意識を問題点として指摘しました。これまでは、既得権益にしがみつこうとする少数者の強い意志に対するに、こういった国民世論だけを後ろ盾としてきたのです。これに加えて、特殊法人改革を貫徹することによって極めて大きな個人的な利益を得ることができる少数者層を新たに作り出すことができれば、改革にあたっての強力な援軍となることは間違いありません。こういった少数者の存在によって初めて「少数者のエゴ」に対峙することが可能となるのです。またこれとは別に、激しい非難の声によって少々意固地になって組織防衛に走っているように見える官僚や特殊法人職員の心をほぐすことも必要でありましょう。この2点を同時に満たそうというものが我々の試案です。詳細は以下の通り。




 この試案で重要な点は、廃止される特殊法人の最後の理事など、内部関係者から功労者が選考されるというところです。このことによって、抵抗勢力が守ろうとする法人そのものの内部に廃止しようというモチベーションが生じるからであります。報奨金を国債をもってあてるのも、我が国の国債に対する格付けの低下を防ごうとする意欲を内部関係者たちにかきたてる効果を期待しているのです。  このような措置に対しては「ここまで赤字垂れ流しの事業をやってきた当事者に報奨金を出すとは何事か」という非難の声があがることも予想されますが、逆に言えば、たった十億円の支出でこれ以上の赤字をふせぐことができるのです。これまでの特殊法人における気の遠くなるような負債の伸びをみれば、この十億円は決して無駄な支出ではないことは容易に理解できる筈です。

 特殊法人廃止と、それに付随して官房機密費の有意義な使途を確立しようという一石二鳥のこの政策の実現の為、国民の皆様の御理解と御支持をよろしくお願いいたします。

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