Heart To Heart

旅のこぼれ話

マダガスカルにて:最初の外国人同行者イアン
この写真はついこの7月彼本人からメールで送ってもらったもの。

4月7日タイ・バンコクのゲストハウス前のテーブルで:

僕らのいたフレンドリーゲストハウスのすぐ近くにチェリーゲストハウスという、別の宿があり、そこの12歳くらいの女の子が筒のような強力な水鉄砲で7歳くらいの男の子と派手にやりあっていた。僕は高頭さんという青年と話していた。彼はボルネオなどでオランウータンなど猿の研究施設でボランティアしていたという猿マニア。長髪で、いい色に焼けている。

たかとうさん「あの女の子は悪(わる)ですよ。この間は宿のおばあちゃんに水かけてましたもん」
とうどう「へー、滅茶苦茶やりますねえ。でもあれくらいの歳の子って普通はもう水鉄砲でガキと遊んだりしないですよねえ」
たかとうさん「バカですよ。大バカ。この辺の幼児のボスですよ」
とうどう「タイの子ってみんなそんなかんじなんすかね」
たかとうさん「あいつだけですよ。でも僕あいつの5年後くらいが楽しみなんすよね」
その子は結構手足が長く、すらっと背が高い。髪はおかっぱに近く、服装は膝までのジーンズに体操服のような
Tシャツを着ていて顔立ちはまあまあ可愛い。
とうどう「ああいうの、好みですか。オリーブ系ですね。」
たかとうさん「そう、手足長い、スレンダーなの好きなんですよ。」
とうどう「じゃあ、タレントで言うと藤原紀香とか小松千春とか好きなんですか?」
たかとうさん「いえ、ゼンゼーン駄目。いくら手足長くても胸がドーン!じゃないすか。ああいうの駄目なんですよ。」
とうどう「小乳マニアですか!珍しいですね。ぼくも自他共に認めるミスター巨乳好きなんですが。」
たかとうさん「そうなんですよ。どこで話しても少数派で。いつも数で圧倒されちゃいますね」
とうどう「うーん、これは意見が合わないですね。じゃ、どんなタイプが好きなんですか」
たかとうさん「いま本上まなみとかいいですね」
とうどう「(あ、でもこれはいいと思う…)」
彼はこの後西へと向かい猿を巡る旅をもう一年ほどするらしい。

昨年9月上旬、ハラレPawPawロッジにて
南米からわたってきて、すでに南ア、ザンビア、マダガスカルとアフリカに3ヶ月ほど滞在してる長距離旅行者遠藤さんと。

遠藤さん「僕、アフリカに来てから日本のおねーちゃんにまだ会ってないんですよ」
とうどう「おねーちゃん?」
遠藤さん「そう、ただの日本の女じゃなくて若い女の子」
とうどう「話してないとか、友達になってないとかじゃなくて、見てもいないってことですか」
遠藤さん「そう、見てもいないんです」
とうどう「…そうですか…」
彼の旅程ではさもありなんという感じではある…その後、静岡大のバリバリの現役女子大生やすこちゃんとさくちゃんが来た。
とうどう「遠藤さん、念願のおねーちゃんですよ!」
遠藤さん「…あっ、そういえばそうですね。」

そこまで飢えていたわけでもなかったらしい…。

同じく昨年9月上旬 マダガスカルのアンタナナリヴォにて

僕はハラレから乗り換えのナイロビ空港で出遭ったマダガスカル5回目(この後3月にもマダガスカルに渡り現在は6回)の佐藤さんこと元ピンサロ店長ピンク佐藤さんとホテルをシェアしていた。一見まじめそうなオジサマなのだが
「ピンサロの頃は店の子がクスリに手エ出したりしてさ、大変だったよ。」
「マダガスカルの子(売春婦)はすげえスケベだぜ。見た目も実際も全然子供でも***のウラまで舐めてくれんだぜ」
と彼との話題は終始こうだ。
彼はホテルの中にケロシンコンロを持ち込んでスープや即席麺なんかも作ってくれた。でもそのまま火は消さない。
「佐藤さん、火は消さないんすか?」
「うん、なんかこうやって火を見てると落ち着くんだよね」
「はあ、そういえばそうですね」
そうやって2人でぼーっと火を眺めていたら同じ宿に泊まる日本人カップルの女性の方・籔田さんが来た。
「何やってるんですか?2人で?」
後で他の人からも聞いたが相当異様な光景に見えたらしい。

9月下旬同じくマダガスカルのフォートドファンで

僕と同行者・イアン(英国人)はよーく気が合い、いろんなことを話した。
とうどう「ワールドカップはどこが勝つと思ってた?」
イアン「フランスが勝つとは予想できなかった。俺はスペインが勝つと信じていた。でも奴等はゴミだったね」
イアンはブーイングの恰好で親指を下にして揺すった。
とうどう「ベッカムはどう思う」
イアン「いや、いい選手だよ。アルゼンチン戦は残念だったけどね」
大体イアンはマンチェスターユナイテッドの大ファンなのだ。
それからイングランドの歴代監督について延々と語ったりもした。

僕とイアンは金を浮かすため、ドーファンホテルのツアーに参加せず、自力でアンボシャリまで行き、そこから歩いてベレンティ保護区で猿を見ようとしたのだ。顛末は本文を見て欲しいが、アンボシャリでタクシーブルースに乗って行こうとした。
現地の車掌「5000マラガシーフランだよ」
距離的にいくらなんでも高すぎる。だって10kmもないのだ。
とうどう「すこし負けろ!1000にしろ」
車掌「だめ。5000でなきゃ行かないよ」
とうどう「うーん…」
イアン「どうする?歩くか?俺はどっちでもいいけど」
とうどう「うーん…じゃあ歩くかあ…」
しばらく歩きながら僕らは話した。
イアン「藤堂、でもどうしてさっきタクシーブルースに乗らなかったのかい?」
とうどう「いくらなんでも5000フランはないよ。そりゃ僕らには大した金額じゃない。だけど問題は金額ではなく、彼らが僕たちを外国人だからふっかけてきたということなんだ。だから乗らなかった。もし乗ってしまったら次の旅行者もふっかけられてしまうだろう」
イアン「…藤堂、君は俺と同じアタマをしているよ!」
英国人も日本人もバックパッカーの人情はみな同じ。通じ合うものがある…
道中サイザル畑の間の道をどこまでも進んだ。青い空に果てしないサイザル畑が印象的だった。もう去年の9月のことだ。

イアンとの会話:同じくフォートドファンにて朝食中

とうどう「イアン、君はコーヒーは砂糖入れないのか」
イアン「うん、見ただろう俺がインシュリン打ってるのを。糖尿だから砂糖はまずいんだ」
とうどう(意志の強い男なのかなと少し思う)
しかし夜、夕食の際はビールをよく飲む飲む。
しかも翌日昼は、お菓子屋でショートケーキまで買って食っている。
とうどう「いいのか?君はビールもよく飲んでるし、しかもそんなケーキを食べて…」
イアン「いや、いけないのは分かってるんだ。でもどうしても我慢できないんだ…」
コーヒーに砂糖を入れないのは、単に好き嫌いだけの問題らしい…やれやれ。

10月上旬 タンザニア・ダルエスサラームのYWCA食堂にて

ジンバブエで盗難に遭った僕はダルエスの日本大使館でデジカメを、スタンダードバンクで臨時のVISAカードを受け取り、ザンジバル行きに備えていた。同じ宿の京大・山根裕子さんとともに、日本大使館で知り合った岡本うららちゃんを別の宿に送り届けた後、YWCAの食堂で夕食を取った。すると白人の、かなりの年配の女性が隣りに座ってきた。
とうどう「こんなヨボヨボのおばあちゃんが1人で旅行してるんですかね」
山根さん「こんな安宿に泊まるくらいだから、かなり元気ですよね」
そんなこといってると、おばあちゃん話かけてきた。
おばあちゃん「あなたたち日本人なの?」
そんな当たり障りない、つかみだったのだが
おばあちゃん「今日私ね、医者に行ってきたのよ。そしたら治療費、いくらといわれたと思う?」
とうどう「さあ?」
おばあちゃん「26000シリングよ。高すぎるわよ。ちょっと見てもらっただけなのよ。それで、保険の件もあると思って、私はここの国の住人だということも言ったのよ。そうしたら最後は住民料金になったけど、とにかく大変だったわ。だって26000シリングよ!26000!」
とうどう「この国に住んでる人だったんだ。でもよっぽど驚いたんでしょうね。治療費。」
山根さん「そうですね。26000シリングって何度も言ってる。」
とうどう「そもそもこの話を誰かにしたくてしょうがなかったんでしょうねえ。だから僕らに話し掛けてきたんだ。またすぐ26000シリングって言い出しますよ」
そんな話を彼女に分からないように日本語で話してたら案の定、
おばあちゃん「それにしても、26000シリングよ、治療費が!」
思わず僕と山根さんは失笑した。
「やっぱり!」
とうどう「この話ばっかり、このおばあちゃんって子供の頃からこういう人だったんでしょうね。黒柳徹子みたい」
山根さんクスクス笑いながら「ホントだ。おもしろーい…」
で、この話ばっかりされてもしょうがないので、山根さんと日本語でいろいろしゃべってたら、またおばあちゃん割り込んできて
「本当に驚いたわ。だって26000シリングもするのよ!」
僕らも更にコケそうになりながら笑って
とうどう「ほんとこればっかり!」
山根さん「ほんとこればっかり!」

11月下旬 フランス・エクサンプロバンスにて

僕はスペインのバルセロナのユースホステルで友達になったフランス人ティエリーにフランスのこの地まで車で連れて来てもらい、さらに家に泊めてもらっていた。詳細は、pt17あたりを見て欲しいが、実はこの家おばあさんが日本人で、大変な親日家一家だった。そのティエリーの家でお茶をごちそうになった。
とうどう「君はブラックコーヒーを飲むのかい?」
ティエリー「ああ、外国人はみな俺たちフランス人はみんなカフェオレを飲むと思っているだろう。だけど実際はそうじゃない。みんなカフェオレなんかめったに飲まないんだ。」
とうどう「それはフランス全体がそうなのかい?フランスといっても大きいが…」
ティエリー「確かにおれたち南部はとくにそうだ。でも南部ほどじゃないがパリなんかでもやっぱりカフェオレよりブラックコーヒーを良く飲むんだ」
フランスの旧植民地なんかはマダガスカルもカンボジアもマリもみな大甘のカフェオレを飲む。特にマリではグラスの半分くらい練乳を入れ、そのあとコーヒーを注ぎ何度もグラスを移し替えて混ぜて飲む。最初は「ウッ」と感じるが、3日も飲めばこれなしにマリの朝は始まらなくなる。当然フランス文化の伝播と思うが、そうでもないらしい。旅は行ってみないと分からない発見がいくらでもある…


リヨンのミケーレ宅。ミケーレ、同居人エリナ、ミケーレの彼女エウジニア

12月上旬 フランス・リヨンにて

ティエリーたちと別れた後、僕はフランスのリヨンに97年ナミビアで知り合った旧友ミケーレ(イタリア人)を訪ねた。なんとミケーレは彼女でもないフランス人の女の子エリナと同居していた。電話したら女が出るので、まず俺はびびった。
「やるな、ミケーレめ。フランスに行く前は言葉もしゃべれないから不安だよ、とか行ってたくせに。さすがイタリア人調子がいい!」
しかし彼女は別にいるらしい。これは勘違い。3人で食事中いろいろ聞いてみた。
とうどう「フランスではこういうことは普通なのかい?」
ミケーレ「うん、決して珍しいケースではないらしいよ。僕がエリナの大学の事務所で部屋をシェアする相手を探しに当たってたら電話をかけてきたのがエリナだったんだ」
とうどう「イタリアではどうだい?こういうことはよくあるの?」
ミケーレ「フランスほどではないけど、やはりそう少なくはない。藤堂、日本ではどうなの?」
僕は自分の名前で呼ばれるのが苦手なので他人、特に外人にはほとんど名字で呼ばせている。
とうどう「恋人同士はあることだけど、そうは多くはないし、少なくとも表立っては行えないよ。まして恋人同士じゃなければ、部屋を男女がシェアするなんてほとんど無いケースだね。」
ミケーレとエリナ「ふーん…」
2人は趣味も生活スタイルも影響し合って本当に楽しそう。外国の女の子と部屋をシェアなんて、素敵だね。

そのあとエリナと2人で話した。
エリナ「でもね、ミケーレの彼女のエウジニアは最初すっごくヤキモチ妬いたのよ。電話とか掛かってきて私が出たら、もう大変だったの」
とうどう「うん、それがフランスほど一般的じゃない国なら自然だね。日本人の女の子なら全く理解できないだろうね。」
ミケーレの彼女エウジニアはミケーレの地元・パドヴァの子。でも最近のメールではいよいよ結婚という運びになりそうだ。ミケーレとはナミビアで僕がレンタカー事故で怪我をさせたのがこれほど仲良くなったきっかけなのだ。本当に怪我からも全快、少し安心したよ。

12月9日 イタリア・ミケーレの実家のあるパドヴァにて

僕はミケーレの実家のあるパドヴァを訪れた。ミケーレの強い勧めもありミケーレ本人もいないのに実家に2泊させてもらった。前日は職場の同僚の皆さんとホームパーティの最中よる9時半頃に着き、一同の度肝を抜いた。この日はミケーレのお父さんとお母さんと3人で食事。おかあさんの手作りのラビオリが前菜で、カルパッチョなんか食べた。
おとうさん「藤堂、僕は実は15年前日本に行ったことがあるんだ。」
とうどう「へえ、どこに行ったんですか」
おとうさん「うん、東京、京都それから大阪だね。で、日本は今ほど物価は高くはなかったが、一つ高すぎて驚いたものがあるんだ。」
とうどう「それは何ですか」
おとうさん「果物だよ」
とうどう「ああ、特にメロンですね」
おとうさん「ああ、イタリアでいうと10円とか100円くらいと思ってたら0が2つか3つ多いんだ。妻と2人、目を疑ったよ。」
確かに日本の果物は異常なほど高い。
とうどう「あれは日本人にとっても高いですねえ!」
一見ただのメロンが、10,000円ではそりゃ高い。

 

 さらにおまけにつづく:もっと待ってね。