title2.gif ラミジ艦長物語 title2.gif

著者 ダドリ・ポープ (Dudley Pope)
題名原題訳者 出版社 定価
イタリアの海"RAMAGE"山形欣哉 田中航訳 至誠堂 \1350
28門フリゲート艦シベラ号の三席将校ニコラス・ラミジは、フランスの74門戦列艦バラス号との戦闘で、頭に怪我を負い気を失っていた。 気がつくと艦長以下、先任将校は全員戦死し彼が指揮官となっていた。 沈みかけるシベラ号から脱出したラミジは、一艘のボートで数人の部下と共に、任務である反ナポレオンのイタリア人貴族救出に向かう。 間一髪でボルティア女侯爵ジアナとその一行を救出したラミジはコルシカ島のバスチア英国海軍基地へたどり着くが、提督であった父を理不尽な理由で失脚させた仇敵の一人、クロウチャー艦長にシベラ号喪失の責任と救出作戦の際の臆病な行動の疑いのため、軍法会議にかけられてしまう。
岬に吹く風"RAMAGE AND THE DRUM BEAT"出光宏訳 至誠堂 \1350
仇敵ゴダード提督と、その取り巻きのクロウチャー艦長の開いた軍法会議をネルソン司令官の機転で逃れたラミジは、カッター艦カスリン号艦長に任命され、ジアナとその従兄ピチ伯爵アントニオをジブラルタルに送り届けるため勇躍地中海へ乗り出す。 嵐を乗り切った航海の途上、全てのマストを失ったスペインのフリゲート艦を火薬を満載した"爆破ボート"を使用した奇策で拿捕し、意気揚々と曳航を始めるラミジであったが、彼らの行く手にはスペイン海軍のフリゲート艦、そして運命のセント・ビンセント沖海戦が待ちうけていた...
ちぎれ雲"RAMAGE AND THE FREEBOOTERS"田中清太郎訳 至誠堂 \1030
セント・ビンセント沖海戦においてスペイン艦隊の戦列艦サン・ニコラス号にカスリン号を体当たりさせ、イギリス艦隊勝利のきっかけを作ったラミジは本国送還となった。 休む間もなくラミジに与えられた任務は、スピッドヘッドの反乱に加わっていたブリッグ艦トライトン号の指揮である。 トライトン号を座礁寸前に持ち込むことで反抗的な水兵達を持ち場に着かせ、出帆することが出来たラミジであったが、地中海、西インド諸島の艦隊に至急報を届けるための長い航海が残っていた。 ラミジに協力するのは艦長付艇長ジャクソン、航海長サウスウィク、水兵のスタフォード、フラー、ロッシ、マクストンら、元カスリン号の乗組員だけであった!
カリブの磯波"RAMAGE AND THE FREEBOOTERS"田中清太郎訳 至誠堂 \1030
反乱を起こした首謀者を軽い罰で処分し、秩序を取り戻したトライトン号は無事、西インド諸島バルバドス島に到着した。 そこでラミジは新たな指令を受けるが、それは非常に不可解な事件の調査であった。 事件とは、グレナダ島を出帆した多数の商船が、わずか160海里しか離れていない目的地マルチニク島までの間で姿を消してしまったというもので、それらの船はいずれも遭難の可能性はなく、フランスの三色旗を掲げて現れるということもなく、痕跡も残さず完全に消えてしまうというものであった。 ラミジは商船の動向をフランスの私掠船に知らせるスパイがいると推理し、調査を開始する。
ハリケーン"GOVERNOR AND RAMAGE R.N."小牧大介訳 至誠堂 \1030
バルバドス島に仇敵ゴダード提督とクロウチャー艦長がやってきた。 ラミジとその乗艦トライトン号は、ゴダード提督の艦隊で商船団の護衛を行う命令を受け出帆する。 護衛する商船の一隻、トパーズ号の船長、シドニー・ヨークと知り合ったラミジは、ゴダード提督からつまらぬ嫌がらせを受けながらも平穏な日々を過ごしていた。 ところがある晩、ゴダードが船団に加わることを許可した商船、ピーコック号が不審な動きを始める。 身分を隠してはいるがフランスの有力な王党派亡命者と思われる重要な乗客を乗せたトパーズ号に接近し始めたのだ! 僚船がこの動きに気づかぬ中、ラミジは疑惑に確信を持てないまま乗員を戦闘配置に付ける。
謎の五行詩"GOVERNOR AND RAMAGE R.N."小牧大介訳 至誠堂 \1030
ゴダード提督の率いる商船団とその護衛艦隊は激しいハリケーンに襲われ、トライトン号とトパーズ号はスネーク(クレブラ)島の暗礁に座礁してしまう。 スペイン領であるその島に上陸した一行は偵察隊を島内に送り、そこで数人のスペイン陸軍兵士と将校を発見する。 彼らは奴隷を使い、墓穴大の穴を掘っては埋めるという謎の行動を繰り返してた。 ラミジは奴隷の協力を得てスペイン兵士を襲撃、捕虜にし、スペイン人将校から財宝を探していたという話と、その場所を示しているという詩を聞き出す。 ヨークやトパーズ号の乗客達と共に財宝の探索を始めたラミジが詩の示す場所から見つけたのは夥しい数の人骨であった。 が、しかし...
消えた郵便船"RAMAGE'S PRIZE"出光宏訳 至誠堂 \1030
無事にジャマイカに帰還したラミジは、再び仇敵ゴダード提督によりトパーズ号が襲撃された一件で軍法会議にかけられてしまう。 しかしフランス人亡命者ブルターニュ公爵の証言によって、逆にゴダード提督を破滅させる結果となった。 その後、休暇中呼び出されたラミジは、ジャマイカ鎮守府司令長官サー・ピルチャー・スキナーから、フランスの私掠船のために郵便船を大量に喪失しているその原因を突き止めろとの命令を受ける。 指揮艦を持たないラミジは、カスリン号以来の部下達と友人ヨークと共に調査のため危険な郵便船に乗り込む。
裏切りの証明"RAMAGE'S PRIZE"出光宏訳 至誠堂 \1030
ラミジらの乗った郵便船アラベラ号がフランスの私掠船ロシニョール号に襲われた。 しかし、スティーブンズ船長と郵便船水夫は全力で逃げようとしない。 ラミジは指揮権を取り上げるが水夫長らの妨害にあい、遂に私掠船に捕らえられてしまう。 捕虜宣誓を拒否し監禁されたラミジは、ただ一人協力的であったアラベラ号航海士マッチから乗組員の不審な行動の理由を知る。 水夫が個人で商品を持ち込み、各地で売買するという、禁止されているはずの"商売"。 その商品には多額の保険が掛けられ、私掠船に拿捕された場合、莫大な保険金が乗組員の懐に転がり込むというカラクリであったのだ。 この犯罪を一刻も早く英国に伝えなくてはならないラミジは、私掠船船長ケルギュランにアラベラ号購入の取引を持ちかける。
Xデー"RAMAGE AND THE GUILLOTINE"田中航訳 至誠堂 \1350
休暇中のラミジはとある舞踏会において、セント・ビンセント卿とネルソン卿から密命を託される。 その指令とは、イギリス侵攻に向けて準備を進めるフランス軍の軍備再編成の進行状況を、現地に潜入して調査せよというものであった。 ラミジは密輸屋を知るケント州の叔父を訪ね、潜入のための船を手配する。 その船の船長は、以前トライトン号の反乱事件の首謀者の一人、"どろどろダイソン"であった。 ダイソンは反乱の罪を軽い鞭打ち刑で済ませてもらったことを感謝しており、ラミジらに全面的な協力を約束する。 潜入チームのラミジ、スタフォード、連絡役のジャクソン、ロッシを乗せた密輸船は、フランス私略船やイギリス海軍の封鎖艦の目を避け、夜の英仏海峡に乗り出す。
タイトロープ"RAMAGE'S DIAMOND"山形欣哉 田中航訳 至誠堂 \1030
遂にラミジは念願の正規艦長となった。 ところが与えられた艦ジュノー号は酒に溺れた前任艦長のために規律が緩み、ラミジを迎えた一席将校までが酔っている始末であった。 共にジュノー号へ移った航海長サウスウィクや馴染みの水兵達の協力を得て乗組員を鍛え上げ、何とか目的地西インド諸島バルバドス島に辿り着くラミジであったが、与えられた指令は退屈きわまりないフランス領マルチニク島フォート・ロイアル港の封鎖任務であった。 それまでのマルチニク島近海を遊弋して補給を絶つだけの封鎖任務に疑問を感じたラミジは、マルチニク島の各所に配置されている砲台の破壊・占領を試みる。
眼下の敵"RAMAGE'S DIAMOND"田中航訳 至誠堂 \1030
ラミジは夜襲を仕掛けてきたが危ういところで捕らえた2隻のスクーナーと、フォート・ロイアル港を奇襲して無傷で拿捕したフリゲート艦シュルクフ号にジュノー号の人員を振り分け、小規模ながら臨時の戦隊を率いていた。 フランスの輸送船団が近々到着するという情報を捕虜から得て、得意の奇襲作戦を思いついたラミジは、早速その準備に取りかかる。 その作戦とは、フォート・ロイアル港へ入る唯一の水路を見下ろすダイヤモンド大岩礁の頂上に砲台を作り、拿捕したフランス艦を囮にして敵船団をおびき寄せ、集中攻撃をかけようというものであった。 しかし、現れた敵船団は、十分な数の乗組員を乗せたフリゲート艦4隻に護衛されていた!
密命の結末"RAMAGE'S MUTINY"小牧大介訳 至誠堂 \1350
フランスのフリゲート艦2隻、商船7隻、スクーナー船1隻を拿捕してアンチグア島イングリシュ・ハーバーへと帰還したラミジ。 その中のフリゲート艦の1隻シュルクフ号改めカリプソ号の指揮を命じらたラミジは新たな任務を受ける。 2年前に暴君ウォリス艦長に対して反乱を起こした水兵が乗っ取り、南米北岸のスペイン領へと逃亡したフリゲート艦ジョカスタ号を奪回せよというものであった。 再整備されたジョカスタ号は狭い水路の奥にある港、サンタ・クルスに停泊中である。 しかしサンタ・クルスの水路は、両岸を百門以上の大砲を備える堅牢な要塞が守っているためカリプソ号の侵入は不可能である。 そこでラミジはカリプソ号乗組員に反乱水兵を演じさせ、サンタ・クルスに逃げ込むという作戦を立てる...
鬼哭啾々"RAMAGE'S AND THE REBELS"田中清太郎訳 至誠堂 \1030
脱走艦ジョカスタ号とスペイン副王の特殊貨物−1トンもの宝石−を手に入れて生還したラミジに、休む間もなく次の指令が発せられた。 それはイギリス商船に莫大な被害を与え続ける、フランス私掠船を掃討せよというものであった。 私掠船の根城、カリブ海南部オランダ領キュラソー島へ、カリプソ号とスクーナー艦ラ・クレオル号と率いて急行するラミジ。 航海の途上、彼らの目の前に現れたのは襲われたばかりの商船と逃走する私掠船であった。 商船に乗り込んだラミジは、女性も含めた全乗員が虐殺された惨状の中、女性客の一人が私掠船に襲われるまでの状況を書き留めた手紙を発見する。 私掠船の名はスペイン船ヌエストラ・セニョーラ・デ・アンチグア号!
総督の陰謀"RAMAGE'S AND THE REBELS"田中清太郎訳 至誠堂 \1030
キュラソー島の首都アムステルダムに到着したラミジとカリプソ号、ラ・クレオル号の乗員達は奇妙な光景を目の当たりにする。 停泊中の私掠船は帆をはずし、北部では火の手が上がっていたのだ。 その時、オランダ総督邸と2つの要塞に白旗が揚がり、同じく白旗を掲げたボートがやってくる。 ボートでやってきたのはキュラソー島総督ファン・ソメレン。 フランスと同盟を組んでいるオランダには敵であるはずにラミジに、彼は驚くべき取引を持ちかける。 フランス革命を支持する若者達と私掠船乗組員達が、総督が真に革命的でないとの理由から謀反を起こしている。 彼らから島を守って貰う代わりに総督はラミジに降伏し、キュラソー島をイギリスに明け渡そうというのだ...
海に沈めた秘密"THE RAMAGE TOUCH"窪田鎮夫 出光宏訳 至誠堂 \1350
全てのイギリス艦艇に撤退命令が下った地中海。 カリプソ号は敵の通信・輸送を可能な限り破壊せよとの特命を受け、唯一のイギリス軍艦としてそこにいた。 イタリア沿岸を進んでいたある晩、2隻の奇妙な帆装の船を発見する。 追跡してみると、それは商船を改装した臼砲艇であった。 休息のため投錨した2隻の間に、フランス軍艦のふりをして当然のように投錨するカリプソ号。 翌朝ラミジは臼砲艇指揮官に来艦命令をだす。 やってきた指揮官2人は捕らえられ、2隻共無傷で拿捕することに成功する。 ただ事ではない臼砲艇の出動を怪しんだラミジは早速指揮官達を尋問するが、彼らは目的地がクレタ島、途中のエルコレ港で人馬を満載したフリゲート艦2隻と合流すること以外には何も知らされていなかった。 ナポレオンが再びエジプトを狙っているのでは?と推理したラミジは、真相を探るためジプシーに変装してエルコレに潜入する。
遠い船影"RAMAGE'S SIGNAL"出光宏訳 至誠堂 \1350
ラミジは特命の任務期間も終わろうとしていたある日、南フランス沿岸に新しい信号塔が建てられているのに気がつく。 それは地中海最大のフランス海軍基地ツーロンから、同じく地中海最大のスペイン海軍基地カルタヘナへと続く新型信号塔であった。 信号塔を占拠し、ニセの情報を流すことを思いついたラミジは、南フランスのフォワ信号塔付近に上陸する。 彼らはカリプソ号をフランス軍艦と思いこんでいた敵に大した抵抗を受けることもなく、易々と信号塔を占拠した。 数日後、バルセロナで護衛フリゲート艦を待つ輸送船団がいることを知ったラミジは、"護衛艦はフォワ湾で合流予定 直ちに出港せよ"とニセの指令を出し、カリプソ号の待ち受けるフォワ湾へと輸送船団をおびき寄せる。
孤島の人質"RAMAGE AND THE RANEGADE"影山栄一訳 至誠堂 \1350
1801年、ロンドンで両親、そしてジアナと過ごすラミジのもとに、イギリスとフランスとの間にアミアンの和約が締結されとのニュースが届く。 ほどなくラミジは海軍大臣セント・ビンセント卿に呼び出され、新たな任務を与えられる。 条約から漏れ、何処の国の領土でもなくなったブラジル沖の島、トリニダデ島の測量して領有権を主張せよという命令だ。 ラミジは初めての平時の航海に戸惑いながらも、民間人技術者らを乗せて出帆する。 同じ頃、ジアナは故国ボルテラ侯国へと向かい、消息を絶っていた。 トリニダデ島に到着したラミジは、イギリス、フランス、オランダ各国の商船とブリストルの私掠船リンクス号が停泊しているのを見つける。 戦争が終わった今、私掠免状は無効である。 ラミジは私掠船船長に拿捕した商船を解放するよう説得するが聞き入れられない。 ラミジは自分がやる気のない艦長であるかのように見せかけ、乗客達を盾にする私掠船を取り戻す機会を窺う...
悪魔島"RAMAGE'S DEVIL"小牧大介訳 至誠堂 \1350
ラミジは私掠船に捕らえられていたイギリス商船ドッズワース伯爵号の乗客であったサラー・ロックリーと結婚し、フランスへ新婚旅行に来ていた。 旅行も終わりに近づき、2人がラミジのブレージー伯爵家と古くから親交のあるレンヌ伯爵のブルターニュの館に立ち寄っていたある晩、フランス兵が館に踏み込む。 イギリスとフランスとの間で戦争が再開したのだ! 戦時中イギリスに避難していた王党派レンヌ伯爵とその客、ラミジ夫妻を捕らえに来たのだ。 レンヌ伯爵の従者ジルベールの手引きでその場をやり過ごしたラミジは、王党派の漁師オーギュストの助けも得てブレストに潜入し、イギリスへ渡る船を探す。 偶然にも反乱水兵が持ち込んだイギリス海軍のブリッグ艦ミュレクス号がブレストに入港、夜陰に乗じてこれを奪う。 しかしこれより数時間前、レンヌ伯爵は輸送フリゲート艦レスポアール号に乗せられ、南米ギアナ沖の悪魔島に連れ去られた。 妻サラーを乗せているという不安はあるが、ラミジはミュレクス号を大西洋へと向ける。
狂気の目撃者"RAMAGE'S TRIAL"小牧大介訳 至誠堂 \1350
カリプソ号艦長に復帰したラミジは首尾良くレンヌ伯爵を救出、フランスのレスポアール号とフリゲート艦ラ・ロビュスト号を拿捕し、バルバドス島に停泊していた。 そこでラミジに届いた手紙は、ブレスト沖で別れイギリスに向かったはずの、サラーを乗せたミュレクス号が未だに到着しないという知らせであった。 追い打ちを掛けるようにウィンドワード諸島鎮守府長官テューチンに、拿捕した2隻を率いてイギリスへ向かう輸送船団を護衛しろとの命令を受けたラミジは暗澹とした気分になった。 が、輸送船団の中に旧友シドニー・ヨークを見つけ、気を取り直し出帆する。 足の遅い輸送船団にイライラしながらも、ヨークとその妹アレクシスとの交流に心を和ませるラミジ。 ところが、突然前方に現れたイギリスのフリゲート艦ジェーソン号がカリプソ号に片舷斉射を浴びせ、逃走したのだ! ラミジはジェーソン号を追跡し切り込みをかけるが、誰も反撃してこない。 それどころか、甲板にいたシャーリー艦長は何事もなかったかのように振る舞い、乗員も口を揃えて砲撃などしなかったと言い張るのであった...
ナポレオンの隠し札"RAMAGE'S CHALLENGE"小牧大介訳 至誠堂 \1350
ラミジはアミアン平和条約破棄後に人質となった23人を救出するため、地中海へと向かった。 人質の居場所に関する情報は、トスカナ王国の内陸にある小都市ピチグリアーノとういことのみ。 ピチグリアーノはラミジが幼少時に訪れたことがあり、周囲の状況が分かっていることだけが救いである。 徒歩で潜入する作戦を立てたラミジら一行は、フランス兵と護送中のイギリス人捕虜に変装し首尾良くピチグリアーノへ無事に辿り着く。 しかし人質は1ヶ月も前に他の場所へと移された後であった。 移送先は何処かと頭を悩ますラミジであったが、偶然出会ったフランスに反感を持つ農夫にサント・ステファノから船に乗せられるという情報を得、再度イタリア本土に上陸する。 フランス兵に化けたラミジは皇帝直々の特殊任務と偽り、人質全員を無傷で脱出させることに成功するが、彼らの妻達が別の場所に捕らえられていることを知らされる。 フランス人守備隊長が口にした"ヘラクレスの腕の中で無事生きている"という謎めいた言葉だけが唯一の手がかりであった...
トラファルガー残照"RAMAGE AT TRAFALGER"小牧大介訳 至誠堂 \1350
ラミジはダイヤモンド大岩礁の戦闘による功績のためロイド愛国基金から100ギニー相当の刀を送られるとの手紙を受け取り、贈呈式のためロンドンへ赴く。 ロンドンに到着して間もなく、ネルソン宅へ招待されたラミジは彼の艦隊で勤務をしないかと誘われる。 艦隊勤務に対する不安にもかかわらず二つ返事で志願し、カリプソ号で艦隊と合流したラミジに与えられた任務は、カジスに逃げ込んでいるビルヌーブ率いる仏西合同艦隊のイギリス本土侵攻作戦の準備状況を探るため、フランスへ潜入するというものであった。 現地の協力者ペレスから仏西合同艦隊が近々地中海に向けて出帆するという情報を得たラミジは、その旨をネルソンに報告、遂にイギリス艦隊は動き出す。 運命のトラファルガー海戦まで後わずか...
サラセンの首"RAMAGE AND THE SARACENS"小牧大介訳 至誠堂 \1350
大西洋での任務を終えたカリプソ号はナポリ湾に錨をおろしていた。 途中、2隻のフランス戦列艦を衝突、自滅させ、フリゲート艦を1隻撃沈、もう1隻を拿捕し、下級提督チャールズ・ラッドへ報告に来たのであった。 ところがラッド提督は喜ぶどころか、フランス戦列艦を拿捕しなかったこと、カリプソ号に乗せるには多すぎた400名の捕虜を途中のカプラヤ島に降ろしてきたことをなじり、そして提督の取り巻きアーバスノット艦長の指揮下に入り、捕虜を取り戻せと命じるのであった。 しかし捕虜達は既に救助され空振りに終わる。 帰還したラミジに新たに与えられた難題は、シチリア島を荒らし始めた凶暴なアルジェリア海賊の退治であった。 海賊達はシチリア島沿岸の町マルサラから順に襲っていることに気づいたラミジは、次に狙われると考えられる町リカタに部下を配置して罠を張ることにするが...
マルチニク島の新月"RAMAGE AND THE DIDO"小牧大介訳 至誠堂 \1350
ついにラミジは74門艦ディド号の指揮を命じられる。 それ以上にラミジにとって嬉しかったのは、今までの働きを考慮し、カリプソ号の乗組員達全員を移籍させるという決定であった。 再艤装を終えたディド号は新たな任地バルバドス島へと向かう。 航海の途次、フランスの74門艦と2隻のフリゲート艦に追われるイギリスのフリゲート艦を発見して救助に向かい、ディド号と砲撃を交わした74門艦は爆発、残りのフリゲート艦も難なく排除し、74門艦の戦闘力に改めて驚くラミジ。 74門艦の指揮に自信を得てバルバドス島に到着したラミジはサミュエル・キャメロン下級提督から、早速マルチニク島封鎖の任務を与えられる。 しかし当初、楽に思えたこの任務は、フランス海軍74門艦やラミジの裏をかく腕前の艦長が指揮するフリゲート艦等の出現によって、次第に困難の度合いを増して行った。