title2.gif マーカム家の海の物語 title2.gif

著者 ジョン・ウィリアムズ (John Williams)
題名原題訳者 出版社 定価
若者は恐れずに歌った(上)"THE PRIVATEER"出光宏訳 至誠堂 \1350
マーカム父子商会のため、そしてアメリカ独立のためにジヒュー、ジョサイア、マラカイの3兄弟は、それぞれに私掠船を率いてイギリスと戦っていた。 七年戦争(1756-63 米国ではフレンチ・インディアン戦争と呼ばれる)後のある日、3兄弟はジヒューが手に入れた私掠免状を分配するため、カリブ海で会合する。(この時点で長兄ジヒューは密輸摘発の任務に就いていた英国海軍スクーナー、ガスピー号を座礁、炎上させ、アメリカ独立戦争のキッカケを作り、そして翌年にはボストン茶会事件が起きる。) 合流した彼らは先に捕獲した英国海軍の船団護衛カッター艦フェレット号を囮に使って英国輸送船団を襲い大成功を収める。 拿捕船を処分した数日後マラカイが指揮するコサック号は英国西インド貿易船アネガダ号と遭遇し、これを拿捕する。 そして彼は便乗客であったレディー・ジョージナと恋に落ち、上陸した後も密会を重ねるようになる。 再び航海に出、拿捕船とはぐれてしまったマラカイは予め決めてあった会合点に向かうが、そこには英国海軍フリゲート艦メランプ号が待ち受けていた! 何故メランプ号が会合点を知っていたのか...?
若者は恐れずに歌った(下)"THE PRIVATEER"田中清太郎訳 至誠堂 \1350
ある日マラカイ・マーカムは、レディー・ジョージナの館に、ロイド保険協会調査員オルビーの従僕が出入りしていることを偶然に知り、レディー・ジョージナの召使いゼルダが情報を流していると当たりを付ける。 しかし従僕を拉致して調べると、彼はレディー・ジョージナの手紙を持っていた! マラカイはニセの手紙でオルビーをおびき寄せて射殺し、ジョージナと別れる。 1年後、マラカイは東インド貿易船を拿捕するが、怪我を負い、同時に赤痢が悪化して倒れてしまう。 その彼を偶然、拿捕船に乗り合わせていたレディー・ジョージナがマラカイを看病する。 回復後、レディー・ジョージナの不幸な過去を聞いたマラカイは彼女を許し、共に新たな航海に出る。 そして、独立戦争は更に激しさを増して行く...
ジョニーよ帆を上げ舵につけ"THE YANKEE"小牧大介訳 至誠堂 \1550
マーカム3兄弟が戦い始めた時代から40年後、次男ジョサイアの息子ギデオンは、マーカム家最後の私掠船乗りであった。 ナポレオン戦争下にあった英仏両国の、相手国に入港する中立国の船は全て拿捕するとの宣言を恐れたジェファーソン大統領が出港禁止法を発布し、マーカム家の貿易業が成り立たなくなったためであった。 更に米国議会は大陸海軍の艦艇を持て余した末に全て売却してしまい、再建はされつつあるものの海軍としての戦力は無いも同然であった。 ところが1812年、第2次独立戦争が勃発してしまう。 ギデオンは急遽、伯父マラカイから引き継いだガラガラ蛇の旗を掲げ、私掠船サリバン将軍号の船長としてメキシコ湾へと向かう。
サムは軍艦に乗って行ってしまった(上)"THE RAIDER"田中航訳 至誠堂 \1350
マーカム家の長兄ジヒューの息子であり、一族の中で唯一の海軍将校ファビアン。 彼は米国海軍フリゲート艦ユナイテッド・ステーツ号の一席将校として、スティーブン・ディケーター艦長の元で戦い続けていた。 自らの砲撃指揮で捕獲した英国海軍フリゲート艦マシドニアン号をニュー・ポート港へ回航したファビアンは、その足でワシントンへと向かい、ブリッグ艦イクスペリメント号を将校艦長として指揮するよう命令を受ける。 故郷のニューイングランドで乗組員を補充したファビアンは、独自の繰帆術と砲撃術でイクスペリメント号を優れた軍艦へと変えて行く。 次々と敵艦を捕らえ続けるイクスペリメント号は命令を無視し、いつしか英仏海峡へと進入していた...
サムは軍艦に乗って行ってしまった(下)"THE RAIDER"田中航訳 至誠堂 \1350
かつてのジョン・ポール・ジョーンズの様に、イギリスの艦船に多大な被害を与えたファビアン・マーカム艦長の指揮するイクスペリメント号は、ノルウェーのベルゲンに寄港していた。 そこへ、ノルウェーを領有しているデンマークの第1王子、クリスチャン・フレデリックからの晩餐会への招待状が届く。 ファビアンはその席上、英国海軍のバルト海封鎖を打破するために、デンマーク海軍へ協力して欲しいと持ちかけられる。 しかし、小さなブリッグ艦であるイクスペリメント号1隻が加わったところで戦局が変わるはずもない。 彼は代案として、デンマーク海軍フリゲート艦ナヤド号で行う通商破壊作戦を提案する。 そんなある晩、ファビアンは晩餐会で親しくなったアニタ・クルトアを世話しているグラム伯爵に嫉妬され、決闘を申し込まれてしまう。 数日後ファビアンは、何人もの決闘相手を殺傷している剣とピストルの名手、グラム伯爵の待つ入り江へと向かう...
風よわが兄弟に急を告げよ"THE MACEDONIAN"田中航訳 至誠堂 \1550
英仏海峡での通商破壊作戦の帰途、英国海軍ブリッグ艦ティーザー号を破ったファビアンは、祖国アメリカで国民的英雄となり、正規艦長に昇進した。 そして新造される6隻のスループ艦のうちの1隻、シャーク号の建造に立ち会い、監督するためニューロンドンへ向かうよう命じられるが、出発しようとしていた矢先に、メイン州沿岸を荒らし回っていたカナダの私掠船ロイアリスト号を撃破してほしいとの要請が届く。 再びファビアンは、新艦長が決まっていないイクスペリメント号に乗り、嵐の中でロイアリスト号を追いつめ、座礁させる。 ところが激しい嵐のためイクスペリメント号も座礁し、同船を失ったファビアンは軍法会議にかけられてしまう。 判事は手強いベテラン正規艦長達であったが全員一致で無罪となり、新たな指揮艦としてマシドニアン号を手に入れることができた。 強力な英国の封鎖艦隊を突破するため、マシドニアン号は嵐をついて出帆する...
かくてわれらが戦いは終わりぬ"CAT ISLAND"小牧大介訳 至誠堂 \1550
バミューダ島近海で英国コルベット艦カーネーション号を拿捕し、英国のニューオリンズ攻略作戦を記した機密文書を入手したファビアンは、マシドニアン号で現地に向かった。 ワシントンを焼き払った英国陸軍部隊はジャマイカへ移動して準備を整え、さらなる増援部隊を待っていたのだった。 攻め込まれるのは時間の問題であったのだ! しかし、ニューオリンズの狭い水路ではマシドニアン号のような大型船は役に立たない... ファビアンは従兄の私掠船船長ギデオンに協力を求め、彼の快速スクーナー"マラカイの復讐号"とともに、英国船団へと立ち向かう!!