title2.gif 白石一郎 title2.gif

著者 白石一郎
題名原題訳者 出版社 定価
海狼伝 - - 文春文庫 \552
海と船へのあこがれを抱いて対馬で育った少年笛太郎は航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍に捕まり、その手下となって、やがて"海のウルフ"に成長して行く。 日本の海賊の生態を生き生きと活写し、海に生きる男たちの夢とロマンを描いた海洋冒険時代小説の最高傑作。 第97回直木賞受賞作。
海王伝 - - 文春文庫 \552
海と船への憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は海賊船黄金丸の船大将となってシャムを舞台に活躍する。 バンコクは明国の海賊マゴーチの本拠地。 マゴーチは笛太郎の実父だが、笛太郎が異母弟を殺したことから、親子の宿命的な対決となる。 海に生きる男たちの夢とロマンを描いた直木賞受賞作「海狼伝」の続編。
風雲児(上) - - 文春文庫 \476
慶長15(1610)年、駿府で生れ育った伊勢山田の神主・山田仁左衛門長政は御朱印船で長崎を出港、高山国(台湾)から黄金の都シャム(タイ)のアユタヤに渡った。 シャムの女性と結婚し、国王の親衛隊として頭角をあらわし、やがて日本人でありながら、シャムの王族にまで登りつめた一代の快男児・山田長政の波瀾の生涯を描く。
風雲児(下) - - 文春文庫 \476
シャムに渡ってアユタヤの日本人町の頭領となった山田長政は内戦の鎮圧が国王に認められて、宮廷の武将としての頂点に立った。 寛永6(1629)年、リゴール国王となったが、翌年、毒薬で非業の死を遂げる。 江戸時代、海を渡って異国で41年の生涯を終えた日本人山田長政の夢と冒険を描いた渾身の歴史長編。
天翔ける女 - - 文春文庫 \440
−男には負けたくなか− 長崎の油問屋の娘として生まれ、幕末動乱期に女ひとり上海へ密航、やがて日本茶の輸出に成功する、日本で最初の女貿易商・大浦慶。 その全盛期には、勤王の志士を財政的に庇護し、維新実現の陰の功労者となった。 男まさりの女豪商の波瀾にみちた生涯を描く長編歴史小説。
幻島記 - - 文春文庫 \440
慶長元年、別府湾上にある周囲三里もある爪生島が大地震と津波で一夜にして陥没した - 水戸彰孝館に田舎儒者と侮られた豊後府内藩儒笠春兆は"爪生島海没"の地誌を編纂した。 しかし、その信憑性が問われた。 果たして実在の島か、幻の島か。 その謎をめぐる論争は現代まで続く。 表題作など時代小説の秀作五篇。
サムライの海 - - 文春文庫 \619
砲術家・高島秋帆の庶子で、海に憧れる野生児蘭次郎は勝海舟の海軍伝習所に入所して航海術を学ぶが、五島沖で演習中、遭難して鯨組主に助けられたことから、近代的な捕鯨法の開発に情熱を注ぐ。 幕末から維新にかけて、捕鯨の世界に生きがいを見出す若きサムライの姿をのびのびとした筆致で描く長編小説。
島原大変 - - 文春文庫 \450
「島原大変、肥後迷惑」寛政4年、島原の前山の大噴火が地震と津波を誘発し、島原の城下町は一夜にして埋没、砂漠と化した。 大自然の猛威の前に崩れゆく小藩の運命と恐怖におののく藩主、武士、医師、町民の姿を、島原藩御抱えの青年医師の目を通して描いたパニック小説「島原大変」ほか、歴史小説三篇を収録。
蒙古の槍 孤島物語 - - 文春文庫 \419
1274年の蒙古襲来で島を襲った蒙古兵に五歳の孫を無残に殺された老漁夫は、復讐のため独り島に残った。 老人は孫を刺殺した蒙古兵の槍でいつか蒙古兵を殺し、孫の恨みを晴らそうと、待ちかまえていた。 九州、瀬戸内海、小笠原など、島と海にまつわる七つの物語。 いずれも歴史の中の男の生きざまを描く傑作。
オランダの星 - - 文春文庫 \419
17世紀、中国産生糸の利権をめぐって日本に乗り込んできた東印度総督特派大使・台湾長官ノイツの栄光と挫折 - "幸運の星"の彼の目に映った日本とは何であったのか。 異邦人の見た"菊と刀"を描く表題作ほか、「モンゴルの海」「いれずみ国姓爺」「オランダ胡弓」「名人」「もう一人の爆死者」など異色作品集。
海峡の使者 - - 文春文庫 \408
派手好みの対馬藩の殿様は真夏の演能の催しに合わせて「氷進上」の行事をおこなうため、わざわざ朝鮮から氷塊を取り寄せる。 その役目の御船方にとっては、氷の解けぬ間に海峡を渡らなければならず、命がけの航海となる。 直木賞受賞第一作の表題作をはじめ、著者得意の海を舞台にした力作時代小説。
水軍の城 - - 文春文庫 \427
25歳から文筆生活に入って30数年、地方に在住してひたすら歴史時代小説を書いてきた著者のはじめてのエッセイ集。 1987年、8度目の候補で受賞した直木賞のこと、受賞作「海狼伝」の舞台になった場所を訪れた取材のこと、「なぜ海ばかりかくのか」、仕事の周辺、日常生活など、1981年から1989年に書かれたエッセイを満載する。
戦鬼たちの海 織田水軍の将・九鬼嘉隆 - - 文春文庫 \620
織田信長が天下統一を志して伊勢、志摩の平定に乗り出したとき、志摩の土豪から身を起こした九鬼嘉隆は真っ先に信長の麾下に馳せ参じた。 信長の知遇を得て、九鬼の運命がひらけた。 文禄の役で織田水軍の総大将として海戦に明け暮れた戦国大名の数奇な人生を描く長篇時代小説。 第5回柴田錬三郎賞受賞作。
江戸の海 - - 文春文庫 \437
三日働いたら三日は釣りをする指物職人岩蔵、暇を持て余している無役の御家人金八郎、頭巾をかぶり屋形船で釣り場に現れる妾おさえ - 無類の釣り好き三人が沖釣りで風に流されて木更津に漂着する。 そこで初めて三人が釣りの動機、身の上話などを語り合う。 表題作など、海にまつわる情感溢れる作品十篇。
切腹 - - 文春文庫 \420
文化5(1808)年、英国軍艦フェートン号が三色のオランダ国旗をマストからおろし、ユニオンジャックの英国旗を掲げて鎖国下の長崎に入港、三日後には要求した全ての食料、薪水を獲得して引き揚げた。 この国辱的事件の責任をとって切腹した、時の長崎奉行松平康平の無念の最期を描いた「切腹」など異色作三篇。
海よ島よ 歴史紀行 - - 講談社文庫 \438
壱岐島は海賊の基地、対馬は海賊の集合地だった。 佐渡島では遠く離れた長崎と同じバッテン言葉が使われていた...。 四面環海という立地条件に恵まれながら、海に背を向け陸地中心の考え方ばかりしてきた日本人に異議を唱える。 海洋時代小説の第一人者が、自らの足でたどって考えた、海から見た日本の歴史。