題名 | 原題 | 訳者 出版社 定価 |
船団編(上) | "CONVOY" | 田中航訳 至誠堂 \1030 |
イギリス海軍大尉エドワード・ヨークは左腕に重傷を負い、ロンドンのセント・スティーブンス病院で入院生活を送っていた。 乗艦であった駆逐艦アズテック号がドイツ空軍機の爆撃で沈みかけるポーランドの駆逐艦を救助しようとしたところ、アズテック号自身も激しい攻撃を受けて先任士官は全員死傷してしまい、ヨークはアズテック号の指揮をとり始めるが激しい爆撃のために負傷してしまったのだ。 ロンドン市民は連日ドイツ軍の激しい爆撃を受け、いつ頭上に爆弾が落ちてくるかと不安な日々を送っていたが、ヨークはクレア・エクストン看護婦と出会い、それなりに入院生活を楽しんでいた。 そんなある日、ヨークのもとに海軍省ASIU(対潜水艦戦情報部)からの出頭命令が届く。 ASIU部長ワッツ大佐のもとで勤務することになったヨークの初仕事は、護衛艦に発見されることなく輸送船団に密かに接近して多大な被害を与えているUボートのトリックを見破ることであった。 |
船団編(下) | "CONVOY" | 田中航訳 至誠堂 \1030 |
ヨークはUボートに大きな被害を受けた輸送船団の中には必ず中立国スウェーデンの船が加わっていることを発見し、自分の推理を証明するために輸送船団に同行する。 そこで彼が見たものは、毎日一定時間、機関の故障との理由で船団から離れ、夕刻に追いつくという行動を繰り返すスウェーデン船ペンタ号の姿であった。 そして、その夜8時には必ずUボートからの攻撃があった。 一緒に接近することでペンタ号の機関音がUボートの機関音を消し、護衛艦の水中聴音機を妨害していたのだ。 ペンタ号がUボートを手引きしていることを確信したヨークは、武器を隠し持った部下と共に救命ボートに乗り込み、撃沈された輸送船の船員をよそおってペンタ号へと向かう! |
暗号編 | "DECOY" | 田中航訳 至誠堂 \1030 |
ヨークはワッツ大佐と共に、チャーチル首相から直々に命令を受ける。 現在、イギリスが解読可能なUボートが使用しているエニグマ2号機のハイドラ暗号が、近々新しいエニグマ3号機のトライトン暗号に切り替わるというのだ。 トライトン暗号はエニグマを使わなければ解読に1年かかってしまうという複雑な暗号である。 任務の内容は、このエニグマ3号機をドイツ軍に悟られないように奪取せよというものであった。 ドイツ軍にエニグマが奪われたことを覚られないよう、Uボートを沈没したと見せかけて乗っ取る計画を立てたヨークは、同僚のジェミーと元締め、数人の部下と共に、Uボートの頻繁に出現する大西洋の海域に向かい、救助を待つ商船員に化けて救命ボートで漂流を始める。 そして漂流8日目、遂に海面に潜望鏡が現れ、ヨーク達は行動を開始する。 |