大事なちょっと

 1961年に僕は生まれた。
 あの頃の日本はまだ砂利道が多かった。
 隣のおやじに子どもは叱られた。
 オリンピック景気とか言って、みんな必死に働いていた。
 アメリカのように裕福な生活をしようと日本人は喘いでいた。
 
 1997年。
 僕たちはどこへ向かって走っているのだろう。
 心の豊かさを求めるって、いったいどんなことなんだろう?
 若い人たちが規則に従わなくても怒る人はいない。
 僕たちにとって価値あるものってなんだろう?
 何のために喘いでいるのだろう?

 風の流れを感じることも、波の音を聞くことも、もちろん素敵。
 そして、僕はなにをするべきなんだ?
 
 食べて、寝て、子どもを作り、笑って、泣いて、あくびする。
 ちょっと以前とちょっと違う何かをし、ちょっと満足してこの世を去る。
 このちょっとが大事かな?

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