共感

  僕の書いた本を読んだ人に
  「あなたの本を読みました、
   面白かったです」
  と言われると、つい反射的に
  「ありがとうございます」
  と答えてしまう。
  特に初対面の人が相手だとそうだ。
  でも、そう言った後で、
  自分が表現したかったこととのあいだに
  齟齬を感じる。
  確かに本を買ってもらえれば
  印税が入るのでありがたいことは
  ありがたいのだが、印税をもらうために
  本を書くのではない。
  本には自分の考えや思いを書く。
  読者がもし共感してくれるのなら
  それは嬉しいことだ。
  でも、それにへりくだって感謝する必要はない。
  共感してくれた読者はいわば僕の考えや思いの
  共有者、同士といってもいいだろう。
  そう、そういう人とは握手するのがいいだろう。
  「ありがとうございます」では共感にならない。

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