ケルズの書

  それはアイルランドの首都ダブリンにある
  トリニティ・カレッジ内に展示されている。
  七世紀頃に書かれたという聖書の写本だ。
  そこには天使や動物、文字などが緻密に錯綜し、
  じっと見ているとめまいを起こしそうになる。
  このころの写本は普通羊皮紙に書かれるのだが、
  ケルズの書は牛の胎児の皮に書かれたとか。
  複雑に絡まる模様を見つめていると
  永遠の命の編み目にからめ取られそうな気分になる。

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