拳銃を撃つ

五月の暑い日、サンフランシスコの射撃場に行った。
ついたてに仕切られた狭い場所から、
何人もの人たちが銃を撃っていた。
手渡された拳銃をインストラクションに従いこわごわ持った。
弾を一発ずつつめる手は、油断をすると震えそうだった。
青い空から降り注ぐ日の光は、うなじをジリジリと焼いていた。
耳あてをしてマガジンを装填し、遠くの的を狙い引き金を引き絞る。
激しい炸裂音と心臓を掴まれたような反動と共に、
的に小さな穴が開く。
はじめの一発は恐怖心を噛み殺しながら撃ったが、
二発目以降は快感に変わっていった。
莫大なエネルギーが細い銃身からほとばしる。
そのエネルギーが僕の思いのままだ。

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