風船

     子供の頃、縁日に行くと風船を買ってもらった。
     風船のひもを握りしめ、人混みのなかを歩いた。
     風船はひもによってつかず離れず
     ふわふわと僕のそばを漂いながらついてきた。
     風船の嬉しいところは、そのつかず離れずだ。
     特に力をいれているわけではないのについてくる。
     無理に力をいれるとかえって割れてしまう。
     大好きな人と気持ちよく一緒にいるのと似ている。

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