初のマニアックテキストです。
興味のある方だけご覧くださいませ。
『少女革命ウテナ』とは、現在テレビ東京系で、毎週水曜午後6時から放送中のアニメです。
昨年、『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメがブレイクしましたが、過激という点では、ウテナの方が過激です。
音楽を担当している一人が、寺山修司の天井桟敷のJ.A.シーザーというのも過激点のひとつです。
これが世間に受け入れられたら、多分、もうアニメで扱えない問題は無くなるでしょう。
かつて、筒井康隆氏が「小説はマンガを相手に、マンガにはできない表現をしなければ滅びる」という言い方を
しておられました。
師匠・山陽から「伯鶴の『海賊退治』はマンガのように、目に見えるようにやらなくてはいけない」と教えられ、また
尊敬する宮崎駿氏からは「アニメこそ講談の伝統を継いでいる」(このホームページの「宮崎駿の講談論」参照)
と言われた以上、第一回アニメ対象・シナリオ部門受賞者の小山高生先生の元・弟子としては、アニメを超える
講談を目指さずにはいられないのです。
てなわけで、来年2月28日(土)からの独演会では『講談革命』という題をつけようかと思っている次第です(^ ^;。
以下は、ニフティの会議室に投稿した文章です。「ウテナ」は粗筋を紹介できる作品ではありませんので、
このあたりからご想像くださいませ。
34話の感想と総論(?)です。 (今晩片づけるべき仕事からの逃避ともいう(^^;) ちなみに、私は「黒薔薇編」をまったく見ていませんので(見始めたのは 第3部から、一部はビデオと原作で補完)、勘違いその他はお許しを。 今週は謎解きなのか? それとも謎が増えただけなのか? ディオスと暁生の関 係もよけいわからくなったし…。 それでも、ひとつ考えたことがあります。 「光の王子」と「世界の果て」の関係は? 「王子」と「世界の果て」なんて、どう考えても同一パラダイムの中にある 言葉と思えないのですが、こういう解釈はどうでしょう? 「白馬の王子さま」というのは、女の子が待ち望む(とされている)ものの象徴 ですよね(一節では今の女子中学生の「白馬の王子」とは堂本光一クンとか)。 対して「世界の果て」とは、男の子が行ってみたいロマンの象徴ではないかと 考えます。男に「白馬の王子サマ」を待ち望む女の子の気持ちが分からないよ うに、女性には分かってもらえないかも知れない「世界の果て」へのあこがれ。 これが前提にならないと後が続かないのですが…。 「白馬の王子サマ」が「待ち望む」ものであるのに対して「世界の果て」は自 分から探し求めねばならない、とか、意味的な対応ばいくらもありそうです。 でも、実際に「白馬の王子さま」に迎えに来てもらえる事は稀×一千億パーセク ですし、「世界の果て」に到達できる男もそうそういるとは思えません。 だから、「王子」が「世界の果て」になった、とは、少年少女の「待ち望む」も のについての一般的なコード(ルール)が壊れた、ということを表しているのでは ないでしょうか。 多分それは、「混乱」しているのではなく、「壊れてしまった」のです。だから 「影絵劇団カシラ」では「世界の果てになって」「しまった」と言っているので しょう。 さて、一気に話は飛びますが、「影絵芝居」の中で、「自分の手にはめた魔物」 に襲われた女の子が「クリスマスなのに一人きり」というセリフを吐いてました。 あれ、単なるギャグじゃなく、そんなことが一番声高に喧伝されたバブルの時期 を思わせるようなカンジがしました(「フランス料理の店」てのが泣かせる(^^;)。 そして、ラスト近くの山小屋。結局「王子」はすべてを引き受けなければならない から倒れてしまった。これを暁生が知っているとすれば、彼はウテナを「王子」に したくなかった。だから、なんとか他のものに倒させよう(救わせよう)としたが、 結局さらに(暁生の)苦しみが増すことがわかりつつ、自らウテナを「負かした」 (これが33話)。ところが、ウテナはすでに過去のルールに生きる人ではないので、 一向に「負けて」いない、いや、「勝負など成立しなかった」。のではないでし ょうか。(恐らく、今、一番暁生よりの解釈ですね)(実は一番苦しんでいるのは 暁生だという話(^^;)。 ウテナの夢の中、突き刺されたアンシー(?)のために、軽々と深淵を飛び越えた ウテナには、ディオスよりも遙かに強い「世界を革命する力」が眠っているの かも知れません。 あと、「ありがとう、泣いてくれて」の所、萩尾モト(いや、字が浮かばなくて) さんの『鳥になった少女』を思わせるシーンでした。 最終回が近いようですが、とりあえず、本放送に間に合ったことを幸運に思いやす。 高校時代は、剣道部で演劇部で生徒会だった。なぜって 結局世界を革命するには武力を持つか、思想を大衆的に 浸透させるか、権力を握るかしかないと思ってたから ちなみに役職は西園寺 普通青年 (普通青年、というのが私のネット名です)。