■◇■僕のおしゃべり 00.12.07 Vol.13 クライオニクス

 みなさんはクライオニクスという言葉をご存じだろうか? 治療不可能な病人を冷凍保存して、将来その病気が治療可能になったとき解凍し、治療しようとするものだ。なんだかSFまがいであるが、すでにアメリカではかなりの人数が冷凍保存されているらしい。しかしアメリカでは、冷凍保存される人が自然に息を引き取るまでは冷凍できない。無理に死に至らせれば殺人になるからだ。だから死んだらすぐに冷凍できる体制を整えて死を待つのだそうだ。そんなクライオニクスを日本で普及させようとしている団体がまぐまぐから「クライオニクス・マガジン」というメールマガジンを発行している。12/4にこんな記事が掲載された。

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 日本からクライオニクスサービスを受けるために
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JCAではいざというときに米国できちんとクライオニクスのサービスを受けられる体制作りに着手しています。Paul Wakferの助言もあり、アルコーの近隣に、以下のようなミッションを持つサポートグループを作ろうとしています。

ミッション :

死期が近い米国外の市民が、スムーズにサスペンションサービスを
受けるための支援を行なう。

1)死を迎えるまで暮らす部屋を見つける

2)ホスピスケアが必要な場合、ホスピスを紹介する。

3)クライオニクスに理解を示す医者を紹介する。(サスペンションが迅速に行なえるようにすばやく検死をする)

4)米国に着いたとき、生活するのに必要な情報を提供するなどのガイドをする。

5)もし必要であれば、サインアップを手伝う。(サインアップ=サスペンションサービスを受けるための契約をすること)

このようなグループをどうやって作っていくか調整を始めたところですが、アルコー自身もまだクライオニクスに理解を示している医者のリストの整備はできておらず、まだまだグループができるまでには時間がかかりそうです。 

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 ついに日本人もクライオニクスが受けられるようになるのですね。複雑な心境です。しかしまだクライオニクスには問題があります。

1.冷凍された死体を解凍する技術がまだない。

  解凍する際に組織の一部が失われます。それを補修するためにナノマシンが使われるはずなのですが、ナノマシンはまだ実現していません。

2.クライオニクスの会社が存続できる保証はない。

  会社はどんなバックアップ体制を整えてもつぶれる可能性がない訳ではありません。死体を冷凍保存している会社がつぶれたら、死体はどうなるのでしょうか?

3.自然死した死体を蘇生できるのか?

  これは僕の疑問なのですが、生きているうちに冷凍したのではなく、死んでから冷凍するのですから本当に蘇生できるのかどうか心配です。治療法が見つかっても蘇生できないんじゃねぇ。

 これだけの問題を抱えていても未来を信じて冷凍される人がたくさんいるのです。まあ、自然死するまで待つのだから死んだ後にもう一度よみがえる可能性を持ったと考えればいいんでしょうね。でも、何百年かたったら世の中は全然変わっているだろうなぁ。江戸時代の人が現代によみがえったら絶対びっくりするよなぁ。僕が二百年後に蘇生したらどんなもんだろう? それを見るためにクライオニクスを受けるってのは面白そうだ。うん。

    

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