■◇■僕のおしゃべり   Vol.32     迎春
    
 2002年になった。今年はどんな年になるのだろうか。ウォルフォビッツ米国防副長官は7日、ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、対テロ軍事作戦の次の候補として、ソマリア、イエメン、インドネシア、フィリピンを挙げたそうだ。2002年は戦争の年になるなどと書いている雑誌もある。テロリストを殺すことで世界からテロをなくすというのは幻想にしか思えない。テロリストを殺せば、また別のところでテロリストが生まれる。泥沼だ。テロの種を全世界にまいているようにしか思えない。

 ブッシュ大統領がプレッツェルを喉につまらせて失神し、ソファから落ちて頬に怪我をしたそうだが、あれも僕には嘘に思える。ソファから落ちて両頬に擦り傷ができるものだろうか。獅子身中に虫がいるんじゃないか? ま、そんなことはどうでもいいけどさ。人を殺したり、罠にかけたり、そんなことにエネルギーを使わずにもっとやることがあるだろうに。
        
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 次の本が2月下旬に主婦の友社から発売される。「あなた自身のストーリーを書く(仮題)」という本だ。(仮題)とつけたのは、まだはっきりとは決まってないからだ。担当の編集者さんがあれこれ迷っている。最初のタイトルは「みずからを癒す自分史の書き方7つのステップ」というものだった。ところが数字をつけるタイトルは少し前はちょっとした流行だったらしいが、最近では古くなってきたので7つのステップというのをはずして「みずからを癒す自分史の書き方」とした。しかし、これではちょっと長い。「みずからを癒す自分史」というものに落ち着きかけた。ところがしかし「自分史」というとなにか年輩の方がターゲットの本に思えてしまうというので「自分史」という言葉は使わないことになった。その後、いくつものタイトル案が出て編集部内で検討中だそうだ。いろいろと検討していただいて大変有り難いと思っている。本にとってタイトルはとても大切だ。

 大学生の頃、本屋さんでアルバイトをした。レジで会計をしたり、返本と言って売れない本を出版社に返したり、棚を整理したりした。届いた本を棚に並べることもした。その際にどこの棚に並べるかは店員の勘に頼ることになる。タイトルを見て、これは若者向けの文学とか、専門書だとか、ハウツーものとか、かなり適当に分類して棚に置く。書店の店員は適当だとは言っても、著者がどのような人か、どのような層に売れるのか、専門性の高いものか、広範囲の人の興味を引くものかなどを考慮して棚を決める。棚の選択によって売れ方が変わるのでとても大事な作業だ。

 出版社としてはターゲットとする層に確実に届くように考えなければならない。また、いろんな棚に置いてもらったほうが売れやすくなるので、なるべく多くの棚に置いてもらえるようにもタイトルを考える。しかし、あまり曖昧だと結局どこに置かれるか分からなくなるので、あまり汎用性の高いタイトルもよくない。このようなことを勘案してタイトルを決める。だから、いろいろと検討していただけるというのはとても光栄なことだ。最終的にどんなタイトルがつくのか楽しみである。

    

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