■◇■僕のおしゃべり   Vol.35     幻
     
 先日「日刊 気持ちいいもの」に「16kmならなんとか走れる自信ができた。」と書いたところ、ある人が「だったらホノルルマラソンなら走れるよ」と言うので、まじに行こうかどうか考えている。ホノルルマラソンはフルマラソンだが、時間制限が厳しくないのだ。

 僕がマラソンをしたいのには理由がある。実はマラソンに慣れたらトライアスロンをしたい。まだ広告会社に勤めていたころ三年間、琵琶湖のトライアスロン大会に行った。出場したのではなく、スポンサーと一緒に看板やらのぼりやらがちゃんと掲出されているかチェックに行ったのだ。で、そこでトライアスロンをしている人たちを見て、僕もやってみたくなった。選手たちはみんな楽しそうだった。ゴール直前に家族と一緒に手をつないでゴールする人や、足はガクガクでフラフラなのに顔だけ笑っているような人がたくさんいた。あんなにつらそうなのに、なぜ笑うのか。よっぽど充実感があるのだろう。

 トライアスロンなんて大変なスポーツはもちろんまったくやる必要はない。しかし、自分で決めた目標に向かって走るのはきっと楽しいことだろう。しかも、その目標は難しいほど楽しさも大きくなる。

 トライアスロンをこの目で見て、40歳には挑戦しようと心に決めてしまった。それからいつの間にか10年が過ぎようとしている。40歳にトライアスロンはもう無理だが、42歳でも45歳でもいい。とにかく参加してみたいのである。僕が二年前からジョギングしだした理由のひとつがトライアスロンだった。心に決めたことを簡単にはあきらめたくない。

 トライアスロン(アイアンマン)の参加者たちは朝の五時頃から4kmほど泳ぎ、自転車で180km走り、そのあとにフルマラソン42.195kmを走る。実際にこの目で見るまでは気違い沙汰だと思った。ところが実際に見てみると、確かにつらそうではあるが時間をかければなんとかなるような気がした。白髪の明らかに60歳は過ぎているような人が何人も参加していた。それに最後は夜の10時までにゴールすればよいことになっている。

 2kmを一時間でなら泳げる。二時間あれば4kmも泳げるだろう。高校生の頃は自転車で30kmを一時間で走った。いまでも20kmくらいなら簡単に走れるだろう。それを九時間続ければ180kmになる。(笑) そのあとに走るのもマラソンを何回か体験すればなんとかなるのではないかと考えている。でも、スイムと自転車とマラソン、それぞれ一つだけならなんとかなるかもしれないが、三ついっぺんにやるのはかなり冒険だ。今はマラソンを完走することさえ確約はできないが、とにかく始めないかぎりは何も起こらない。

 最終的には二時間のスイム、九時間のサイクリング、四時間のランで、夜の九時にはゴールできるようになりたい。と、すごい捕らぬタヌキの皮算用である。現実的にはまずはマラソンの完走が目標だ。ホノルルマラソン、どうしようかなぁ・・・。

 と、書いたのは去年の9月10日。翌日の事件で以上の文章はお蔵入り。

    

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