AI着色は昭和時代の夢を見るか(その38)旭川機関区4


PhotoshopのAIカラー化のニューロフィルターのプラグインの鉄道写真への利用を実験するこのシリーズ。今回から4年目に突入です。またしてもカラー化のネタで随分引っ張ってます。創成AIが隆盛の中、プロ用のAI君がCGではなくどこまで自然に実用のカラー化をしてくれるのか、とことん付き合ってみましょう、ということで、今回も最初の北海道撮影旅行で1972年7月17日に行った旭川機関区で撮影したカットのカラーをの続きで4回目。もう旭川機関区の遺跡も残っていないので、どうでもいいカットも半世紀以上前の貴重な記録。全部出します。



庫の中には本日は非番のC5550号機が休んでいました。北海道なので庫には頭から突っ込んでいるので、お尻の方から見てゆくことになります。まずは外光を受けて鈍く光る50号機の側面の見返りショットを、バルブで撮影しました。庫の外が写っちゃっているので明暗の差が激しく、モノクロでコントラストを付けるのにはいい感じですが、カラー化はかなり厳しい構図です。AI君もかなり難儀している様子で、これがカラー化と言えるのかというようなギリギリの色乗せをしてきました。色味そのものはリアルとは言えないですが、塗装の部分と鉄の磨き出しの部分との質感の違いを出し分けているという点は努力賞ですね。上回りと下回りに分けてそれぞれカラーバランスを調整すれば、結構イケると思います。


庫の奥まで入って、C5550号機の顔を撮ります。とはいっても狭い庫の中、機関車の全貌はおろか、正面の全体像も撮り切れません。収差でユガむような超広角レンズならいざいらず、通常の鉄道写真に使うレンズではマトモな構図になりません。ここは視点を変えて、窓からの光線に照らされて光っているナンバープレートと前照灯、煙室扉ハンドルという正面の主要パーツに絞って作画することにしました。結果は上々で、この写真の本来のモノクロ版はいろいろなところに掲載していますのでご覧になったことのある方もいらっしゃると思います。これもカラーバランスが赤味に寄っちゃってるんで、なんか夕焼けに照らされたような感じになっていますが、このときは小雨が降る真昼間です。しかし「架線注意」はここでもちゃんとカラー化してますね。AI君はお気に入りなのかな。


ひとまず庫内撮影は一段落、表に出てきて扇形庫周辺の様子を撮影します。これは模型のジオラマ用の資料ですね。当時から車輛模型だけではなくレイアウトにも興味が深かったので、けっこう雰囲気のカットも撮影しています。今から思うとこういう写真の方が記録としては貴重なのかもしれません。全体に悲哀の漂うカラー化ですが、蝦夷梅雨に濡れる北海道の機関区の雰囲気という意味では結構良くできてますね。ジオラマで作ってもこんな感じの着色にするんじゃないかと思います。転車台の向いている7番線の奥の方にはDD53がチラりと見えます。かすかに赤を入れてきていますね。DE15のものと思しき台車の付いたラッセルヘッドも見えますが、これは建物と認識したのか色は入れてないですね。でも防水シートには青を入れてる。この頃はまだブルーシートはないんですが。


前にチラリとだけ写っていた29669号機が出てきたので、アップで非公式側の形式写真を撮影します。ゼブラ柄には微妙に黄色を入れてきていますね。北海道の9600形式らしい汚れ感・ヘタれ感も良く出ているんじゃないでしょうか。しかしこの29669号機、北海道の9600としてはなんか妙な感じがします。まずAD66180様式でのナンバーの吹き返しは、戦前でも苗穂ではやらないです。パイプ煙突への換装もやりませんね。そう思ってみてゆくと、背の高い蒸気ドームや大型のキャブの吊り輪、コンプレッサ排気管のマフラーなど、大宮工場持ちの9600の特徴がそこここに見て取れます。それもそのはず、29669号機は大宮・新鶴見・平など一貫して関東地域で活躍していたカマで、無煙化が進む1969年になって渡道し旭川配属となった比較的新参の機号です。


29669号機の先頭部分のアップ。個人的には9600形式のこの部分のアップのカットは好きで、けっこういろんな機番で撮ってます。こうやって見ると踏段改造された9600のデフって完全にボイラの陰に隠れちゃって、デフなし機のように煙室の先端部分が丸見えになるんですね。夜間撮影とかでこんな感じでシルエットにして撮ったら面白かったかも。デフ先端もゼブラ塗りなのですが、これはゼブラと認識しなかったようで白のままですね。コンプレッサ排気管のマフラーは、大宮工場あるあるの大型のヤツを煙突脇に取り付けていたのを、わざわざ煙突後に移設してるんですね。全体に彩度が低いですが、北海道の働くカマらしい質感は良く出ていると思います。バックの詰所の感じも中々です。


しつこくもC5530号機の、今度は非公式側の模型化資料の撮影です。主としてパイピングの全貌がわかるように撮ったものと思われます。質感的にはワリといい感じに表現できていますが、下回りはウェザリング掛け過ぎですね。確かに鷲別とかだとこのくらい汚いカマもいますが、旭川のC55はもうちょっと手入れが行き届いてます。でもまあ模型だとこのぐらい汚してくる人もいるので、表現という意味では間違いとは言い切れません。しかし模型化資料とはいっても、こういう写真を見ていると実物の線の細さは模型では表現できない(金属原子の大きさはどうしようもない)ことにため息が出るばかりですね。スポークもこのぐらい細くしたいけどそれでは強度が持たないし。


今回の最後は、再び出発線に居並ぶカマ達の姿です。手前の線にはこのシリーズで何度も登場したD51738号機とその後ろにはC5530号機。どちらも石炭を満載して仕業準備完了。その奥には今回初めて登場する旭川機関区の49686号機。奥の線にはキハ22がいますが、これはなかなかリアルな気動車標準色に塗ってきましたね。発売当時色が問題になった天賞堂のプラ製キハ52よりはらしい色なんじゃないでしょうか。学習してますね。そのおかげもあって全体にかなりリアルなカラー化という感じです。カマの色味や質感、ウェザリングもいい感じではないでしょうか。どれもこのレベルで塗ってこれれば、相当に実用性が高まるんですが。




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