AI着色は昭和時代の夢を見るか(その40)苫小牧操車場1


PhotoshopのAIカラー化のニューロフィルターのプラグインの鉄道写真への利用を実験するこのシリーズ。まだまだカラー化のネタがあるので引っ張ります。生成AIが隆盛の中、プロ用のAI君が合成CGではなくどこまで自然に実用のカラー化をしてくれるのか、今月も付き合ってください、ということで、今回からはやはり最初の北海道撮影旅行からですが、1972年7月15日の午前中に行った苫小牧操車場で撮影したカットのカラー化が始まります。モノクロのオリジナルカットは全カットここで3回に渡って公開していますので、それと同じシーケンスで掲載します。今回のオリジナルは<男の仕事場からの眺め(信号扱所から見た苫小牧貨物駅・その1) -1972年7月15日->です。各カットの解説等はそちらをご覧ください。なおモノクロ版は4:3にトリミングしましたが、今回はフルサイズでお届けします。



まずは小樽築港機関区のD51193号機から。逆向の単機回送で苫小牧駅方面に向かいます。発電機のスチームがスゴいですが、ライトも付けていないのにフル回転とはこれいかに。北海道の幹線はけっこう単機回送が多かったですね。拠点駅に転車台や給炭・給水設備がないところもあったせいでしょうか。カラー化の具合はなかなかいいですね。なぜか副灯のリングは磨かれていませんが、全体に築港のカマらしくしっかり手入れされている感じが良く出ています。全体としてはAdobeのAI君お得意の低めの彩度で、バックの苫小牧の街並みもいい感じに出ています。構内踏切のゲートには薄っすら黄色を刺してきているのもらしいところです。このゲートは前回のトリミングでは切られちゃっていましたが。


次はこれまた小樽築港機関区のD511057号機の牽引する、札幌貨物ターミナル行きの特急貨物。コキとワキで編成されています。ワキは苫小牧から新聞用紙を積んで東京に行き、東京から札幌へは日用雑貨を運び、札幌-苫小牧間は回送という三角運用でした。コンテナはうっすらと緑を入れてきていますが、青台枠ではコキ10000になっちゃいますね。完全な見当違いではないのですが、惜しいな。ワキは普通の貨車と思ったのか黒に塗ってきました。DD13は色褪せてウェザリングも効き、なかなか渋くていい感じでは。軽自動車(三菱ミニカかな)も白のままではなく、ちょっぴりアイボリーを入れているのが効果的です。


鷲別機関区のD51629号機が牽引する貨物列車が発車します。機関車はウェザリングが効き過ぎという感じもしますが、鷲別のカマなのでまあいいか。この殊勲賞は手前で入換中のワキ5000をちゃんとワキと認識して、とび色2号に塗ってきたところですね。奥のワキもちゃんとした色になってます。しかし妻板だけ見えているワキを黒塗りしたのは惜しい。プレス妻板を、ワラ1かなんかと勘違いしたのでしょう。よく見るとセキの黄帯とか、背景に見える三菱自動車のディーラーのスリーダイヤの看板に赤を刺しているところとか、なかなか小技を効かせています。煙の感じも夏らしくていい感じだし、カラー化が難しい情景ながらなかなかの出来だと思います。


続けてD51629号機を引きで撮ります。まだオーバーウェザリング気味ですが、なんたって鷲別ですからね。でもヘッドライトのレンズは磨いてありますね。副灯も含めて。まあ、そういうのもいたということでしょう。こちらもワキ5000はちゃんとした色に塗ってきてますね。こちらの方がウェザリングはウマいな。なかなからしく仕上がってます。リベットだらけでいかにも鋼材といった感じのシキ40は、なかなか味のある質感で仕上げてきてます。うっすら細い黄帯が入っているようにも見えるのは目の錯覚でしょうか。AI君お得意の「架線注意」はしっかり目立っています。北海道には珍しく大宮工場仕様のキャブ吊輪ですが、昭和40年まで常磐筋で活躍していたカマなので納得するところです。


下り線に岩見沢第一機関区のC57149号機の牽引する旅客列車がやってきました。一輛目がオハフ60なのが北海道らしくていいですね。東北とか四国とかにもいたようですが、やはり狭窓と切妻のコンビネーションは北海道名物というイメージが強いです。この区間は直線ということもあり、乗車時にキロポストからストップウォッチで測ったところ90km/h以上出していたこともあり、イコライザー台車の乗り心地は強烈でした。149号機はテンダだけが135号機との振替で保存されています。手前のトラは、PC製の建築部材でしょうか、すかすかですが、重量級部材でこれで17tいってるんでしょうね。ゲートの上の十字は緑だと思うのですが、黄色を刺してますね。ちょっと残念。


丁度真正面で両列車がすれ違います。機関車が交錯する瞬間を押さえます。走行中の蒸気列車のすれちがいは、室蘭本線でも筑豊本線でも何度か撮っていますが、真横からキャブが重なるカットというのはこれだけですね。なかなか迫力あるシーンに仕上げてくれました。両機とも乗務員がちゃんと写っているのがいいですね。だから模型でもキャブに人形は大切なんです。バックの街並みも生き生きとしてていいですね。トヨタのディーラーの看板の文字にしっかり赤を刺しているのも活きています。こういうちょっとした色味は、レイアウトを作る時にも大いに参考になります。一輛目のトラ70000は全検明けのようにきれいですが、妻板内側の鉛丹色をちゃんと塗ってきてますね。これは優秀。


下り線を鷲別機関区のD511098号機と岩見沢第一機関区のD5111号機が重連回送でやってきました。1098号機の錆まみれのテンダはやり過ぎ感もあるのですが、こうやって重連にすると岩見沢第一と鷲別の違いという感じが出ていて悪くないですね。モノクロで見る限りそんなに質感の差を感じないのですが、艶の具合が違うということでしょうか。こっちはゲートの十字に薄っすら緑を入れてきているようです。奥のワラをモノトーンのままで色を付けなかったのも正解です。よくみるとその前の貨車入換機の端梁には黄黒のゼブラを入れてますね。あっぱれ。係員のヘルメットは黄色に緑帯で保線係のものですが、ナッパ服の制服ではないので、これで正解でしょう。


今回の最後は、D5111号機の真横からのカット。踏段改造されたナメクジの真横からのカットは、流線形度が強調されるので結構好きなんですよね。今回もトヨタのディーラーの看板が目立ってます。継電器箱を錆止色にしてしまったのはちょっとナニですが、まあ夏の北海道らしい、それなりの雰囲気にまとめてきてくれました。基本的に遠景以外は車輛と鉄道施設だけの場所なので、なかなか難題ではありましたがかなり進歩してきているといえるでしょう。生成AIでカラー化すると、機関車は天賞堂16番の銀箱のカマみたいにべったりとキレイな色になりますし、全体の彩度もアメリカ人好みというかかなり濃い色にあげてきます。自然な感じを残してカラー化するというのがプロ用ツールメーカーとしてのAdobeの矜持なのでしょう。




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