Strategic Love Simulation Game

SIM LADY (仮)

企画書


Sep/30/89

オフィス 猫屋





1. はじめに

 女ゴコロは、十人十色。ゼニ金に目がくらみ、ころころなびくヤツもいれば、純愛一筋、真心が通じない限り、決してころばないヤツもいる。とはいうものの、惚れっぽいのは、男のサガ。いかんいかんと思っても、今日も落ちてく、恋の罠。
 このゲームは、いわば、男女関係版の、「Balance of Power」。こんな、甘く、切なくも、どことなく滑稽な男ごころを、リアルにシミュレートするものです。
 百戦錬磨のプレイボーイなら、歴戦の数々を思い起こしながら。若葉マークの、恋の初心者なら、これからあるだろう出会いに思いを馳せながら。次々登場してくる、魅力的な女性達と、恋のひとときを、思い入れタップリにお過ごしください。
 もしかすると、ゲームを忘れて、本当に恋してしまうかもしれませんよ。


2. このゲームは

 プレイヤーであるあなたは、あなたの分身である主人公を、ゲームの中で演じます。まず、生活しなくてはなりませんから、仕事をします。お金がたまってくれば、いろいろ、遊びもできます。そして、そのような日々の暮らしの中で、女性達との出会いがあります。
 どうでもいい娘もいるけど、やっぱり気になる娘もいる。でも、あったとたんに、ひと目惚れ。そんな娘がいたら、声をかけてみましょう。デートに誘いましょう。だけど、恋は異なモノ。やっぱり一筋縄では行きません。どんなにアプローチしても、振り向いてもくれないこともあります。強力な恋がたきがいることもあります。だけど、時は何よりの味方。最後には夢がかなうかもしれません。くじけずに、アタックしましょう。

 というように、女性達との出会い、コミュニケーション、そして親交を、コンピュータの上でシミュレートするのが、このゲームです。
 ゲームは、1週間を1ターンとして進行します。1週間を単位として、イベントが進行します。その結果、出会いがあったり、「親交」が深まったり、失恋があったり、波乱にとんだ人生が進みます。一応、本命の女性を「モノにする」ことが、ゲームの当面のゴールとなりますが、このゲームの楽しみは、これだけではありません。いろんな女性との、ゆきずりの恋を楽しむこともできます。ひとりの女性を巡って、強力なライバルとの、恋の駆け引きを楽しむこともできます。そして、主人公はゲームの進行と共に、「人間的に成長」しますから、この、「精進」を楽しむこともできます。
 思わずのめりこむ、この思い込み。主人公も、女性達も、自由に名前がつけられますから、リアリティーも人一倍。
まさに、このゲームは、あなたの人生そのものをシミュレートしているのです。


3. ゲームの進行

 あなたは、まず、仕事をしなくてはなりません。1週間の生活の基本部分が、これで決ります。今までの貯金と、この1週間に稼ぐお金が、あなたの軍資金です。のこりの時間は、遊びの時間。ここがゲームの主戦場です。この「ヒマな時間」に、この「金」を注ぎ込むコト。これが、このゲームでも、あなたの人生の本質です。「ヒマな時間」には、大きく分けて、2つの使い方があります。

まず、一番目は、女性との出会いのきっかけをつくる時間としての使い方です。

 「六本木のディスコに行く」。「休暇をとって新島へゆく」などという、安易でひっかけやすいけど、ろくな女に出会うことが少ないやり方は、イージーながら、王道です。「自分の趣味のサークルに入ってあそぶ」とか、「英会話学校に行く」とか、なかなか出会うチャンスは少ないけど、意外と上玉にあたる可能性がある方法もあります。もっとも、「仕事中」にも、「いい女」に出会うことはありますから、こと、出会いのきっかけがこれだけというワケではありません。

つぎは、出会った女性との「おつき合い」の時間です。

 これは、まさに、このゲームのメインとなる時間。金がないときゃ、電話ですますか、お茶してデート。金さえあれば、どんなアソびもこっちのもの。外洋クルーザーだって、借り切れる。プレゼントも、やっぱり大事です。いろいろアタックして、あなたのポイントを上げてゆきます。
 だけども、慢心は大敵。女心は難しいもの。なかなか動いてはくれません。ぴったりの雰囲気のときに、ぴったりのコミュニケーションができてはじめて、ちょっとだけ好意をよせてくれます。だから、一挙一動に気をつけて。しかし、女の子はあなたをよく見ています。あんまりワザとらしくしたり、無理したりしても、必ずしも好結果になるとは限りません。自然に、しかし相手の気持ちを考えて、エスコートしましょう。とにかく、あいての気持ち次第なのですから。やっぱり、slow&steadyが、一番のポイントアップへの近道なのです。
 また、相手の行動や言葉の端々が、重要なヒントになっているのも、見逃してはいけません。何かを求めているサインがあるかもしれません。これを見逃したら、ポイントは大失点です。また、裏に、強力な恋ガタキがいるかもしれません。これも、それとなく行動や、発言でわかるモノです。

 このようにして、愛が高まれば、結婚を申し込んでみましょう。ポイントが十分あがっていれば、きっと、いい返事がくるはずです。しかし、なにも、結婚が人生の目的ではない、というヒトもいるはずです。そういうヒトは、そのヒトなりのゴールを決めて挑戦してください。ホテルに誘うのに成功するのをゴールとしてもいいでしょう。逆玉を以て、「人生のゴール」としてもいいでしょう。このゲームのなかの女性達は、あなたのあらゆる目標にも、きっとそれなりに応えてくれるでしょう。


3. 本ゲームの3大特色

 このゲームには、ほかの「ラブゲーム」にない、3つの特色があります。

1.完璧な人生ゲーム機能
 このゲームは、女性との「ラブ・ライフ」がメインのストーリーですが、主人公の人生という部分も、それ自体ひとつのゲームとして成り立つような深さがあります。華やかな人生を送っていても、一転没落することもあります。地道に生きていれば、いつか成功するかもしれません。職業の選び方、変わり方、そしてお金のため方、使い方。これもまた、このゲームの焦点のひとつです。画面を切り替ると出てくる、おなじみのスプレッドシート画面で、きちんと将来を考えながら、ゲームを進めましょう。うっかりクルマなんか買っちゃうと、「武器」にはなっても、資金繰りがつかなくなってアソべなくなってしまうんじゃ、どうしようもありません。

2.疑似AI機能による、自然言語コミュニケーション
 このゲームの華は、なんといっても、女性達とのコミュニケーション。電話、ラブレター、デート、そして場合によっては電子メール。いろいろな方法で、愛する彼女とコミュニケーションが楽しめます。でも、これが、メニュー方式とかでは、せっかくのリアルさも、興ざめです。このゲームは、この、コミュニケーション部分に、疑似AI機能を導入し(ウソ。実は、インプットした文中から、キーワードを自動切り出しし、ポイントを評価するだけ)自然なコミュニケーションが楽しめます。また、使用しているFEPを自動判別し、ラブレターをしたためる画面が、愛用のワープロそっくりになる機能も、自然なコミュニケーションを助けます。

3.フルグラフィックスによる、ビジュアルコミュニケーション
 女性のコミュニケーションは、ちょっとした仕草も見逃せないのが現実。これを取り入れなくては、「恋愛シミュレータ」としては失格です。このゲームでは、この点にも力をいれ、女性達の微妙な表情の変化まで、リアルに再現します。また、スピーディーなゲーム展開がご希望の方や、活字のイマジネーションにコダわる文学青年派の皆様のために、アウトプットをテキストのみで表示するテキストモードも利用可能です。このモードでゲームをすれば、まるで、インタラクティブな恋愛小説。「もうひとつの楽しみ方」も、ご堪能ください。


4. 主人公のあなたは

 すでにのべたように、まず、仕事を選ばなくてはなりません。

ヒマな時間はいっぱいあるが、お金の全然ない、ぷー。
金もほどほどあるし、安定しているが、ヒマのないエリート・ビジネスマン。
湯水のごとく金が使えるが、いつ悪事がバレて没落するかわからない、青年実業家。
アタれば大きいが、アタるまではぷーと変わらない、自由業。

 その他、いかにもありそうな、いろいろなキャリアが選べます。しかし、どれが得ということはありません。毎週毎週、いろいろな事件が起きます。一流企業のエリートも、会社がツブれることがあります。ぷーをやってても、見込まれて、安定した職業につけるチャンスがあります。こういうチャンスは、DODAを買って、情報をつかんでおきましょう。

 そして、いろいろなアイテムがあります。

 お金さえためれば、夢の数々が、ゲームの中では叶います。ボディコン・ギャルを口説くには、アルマーニのスーツぐらい買って着こなしておかなくちゃ、お話になりません。 クルマもポイントですね。サーファーギャルなら、スカイラインGT-R。お嬢様女子大生なら、アウディ100。レンタカーでもいいときもありますが、やっぱり、無理しても買っておきたいのがクルマ。しかし、駐車場、維持費と、思わぬ出費がかさみますから、破産しないように。
 住んでるところも大事です。都心の億ション、というだけでついてきちゃう尻軽女もいるでしょうし、せっかく連れ込もうとした女の子が、共同便所の下宿アパートじゃ、逃げられちゃった、ということもあるかもしれません。

 細かいアイテムも、見のがしてはいけません。ドライブにさそう前に、ちゃんと彼女の好みのCDを買っておく。こういうちょっとした気遣いも、けっこうポイントになります。
このへんは、ゲームをやる前に、「ホットドッグプレス」でもよくよんで、研究してください。

 まさに、「なり切れる」シチュエーションの数々。そう。女性にアタックする前に、いろいろ楽しみつつ、お金をためておくというのも、ひとつのアソび方ですよ。また、主人公の経験値はセーブできますから、いろいろな失恋を乗り越えて、強くなっていく自分を楽しむのも、いいかもしれません。


5. そして、女性達

 このゲームの主役、華ともいえるのが、多彩な女性達です。性格、趣味、指向、考え方など、現実の女性に取材して調査した、いろいろなデータに基づき、人格のシミュレーションを行っています。ですから、リアルそのもの。女子大生。短大卒のOL。キャリアウーマン。アソび人。おのぼりさん。お嬢様。その他、いかにも「いそうな」娘、ばかりです。また、性格を反映したルックス、しゃべり方、行動をしますから、ますます、あなたのそばにいる「現実の誰か」と、オーバーラップしてくるかもしれません。

 また、女の娘のデータは、ディスクにより追加・変更が可能です。アイドル風ギャル編、アニメキャラクタ風ギャル編、等々、ユーザーの趣味にあわせた、各種データ・ディスクも発売予定ですので、いろいろにお楽しみいただけます。

6. その他のおまけ機能

1.「溜る」
 主人公のあなたは、男性ですから、当然溜ります。溜ったら、解消しなくては、ときどき、いきおい余って、変な事件を起こすかもしれません。そんな時は、すかさず「風俗」しましょう。しかし、風俗もお金はかかります。あまり、ここにいりびたってもなんですが、「この道を究める」という生き方もありますから、トライするのもいいでしょう。

2.エディタキット
 女の子のデータについては、エディタキットによって、「あなた好みの女の子」がつくれます。これで、思い入れは、人一倍。落せない娘も、口説けるようになります。コンピュータの中の世界で暮らしたいぐらい。とても、他人には、プレイさせられませんね。

3.アダルトモード
 別売のアダルト・ターボ・キットを使用すると、「交戦シーン」が、リアルタイムグラフィックで楽しめると共に、その場でのテクニックが、ポイントに含められます。もうひとつの、ウラの楽しみ。でも、「あなたって、ベッドの中じゃ、ダメなのネ」なんて、いわれないようにネ。




(89/09)



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