D51(118・北海道型・乗工社)




乗工社のD51は、90年代の後半にはいると、いろいろなバリエーションを増やしていきました。北海道型もその一つですが、その中では生産量が多かったのか、比較的出物もよく見ます。この時期のバリエーションは、多かれ少なかれ「なんちゃって」が多く、あくまでも「タイプ」であり、特定のプロトタイプがあるとは言いがたいです。その中でも、この「北海道型」は、密閉キャブやテンダーのエッチングや、分配弁やオイルコックなど、カバー付きのロストパーツなど、新たに起こしたパーツが多い反面、「ありえない」部分がけっこう目立ちます。発電機の排気管(キャブまで引き回したら凍結してしまう)、ステップの手すり(もっと大きい)なんかは、画龍天晴を欠く感じですし、関東・東北タイプの空気作用管とかコンプレッサー排気をテンダーまで持ってゆく配管、動輪から検出するスピードメーター、回転火粉止めなどは、すべてがそうではないので間違いとはいえませんが、北海道らしさを演出するには欠かせないポイントではないかと思うんですけどね。まあ、いろいろ問題があるのは確かなものの、全体としてみると、それなりに北海道のD51っぽさは出ているというのが、ファインスケールの魅力ということでしょうか。まあ、芸風そのものでないということも含めて、コレクションとしては押さえておきたい、というところでしょうか。とはいいつつ、ModelsIMON製の北海道型D51が増えてくると、せっかく同じプロポーションなのに、ディティール面の物足りないところ・妙なところが目立ってきました。ステップの手すりや発電機の排気管などは、IMON製のパーツを入手したので、レトロフィットで取り換えてしまいました。これで、少なくとも公式側から遠目で見る分には、並べても何とかなる感じですね。

(c)2022 FUJII Yoshihiko


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