hobby diary

「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2010年10月-




10月31日(日)

夏のJAMコンベンション、MP出展者のお疲れさま会。基本的に知った顔が多かったが、行きがけの駄賃で、蒲田のショーに行ったかたもちらほら。即売ショー的になったこの数年は、ぼく的には余り興味がなく全然行っていないが、今年はZゲージが目立ったとのコト。まあ、新しいものを出さないと売れないというのはわかるのだが、違うスケールで同じことをやってもねぇ。

10月30日(土)

来年のJAM総会にあわせて開催する、フリーマーケットを中心とするイベントの企画打ち合わせ。夏の国際鉄道模型コンベンションが、どちらかというと一般のお客さんをターゲットに開催するのに対し、モデラー、趣味人同士が交流を深めることを主眼としたイベントとすることで、新たな目玉となるべく、いろいろ企画中。ということで、来年2月をお楽しみに。

10月29日(金)

中国「滬杭高速鉄道」開通のニュースで、JR東日本のE2系をベースにしたCRH2を「改良」した、CRH380A型が登場。350km/h運転といえば、CRH2系を350km/hで運転して、JR東と川崎重工から「抗議」された前科があっただけに、自国の「改良」型なら文句はあるまい、ということか。中国得意のパクりと見る向きもあるが、旧満鉄のミカィ型が、解放型になり、長く中国鉄路の標準的な貨物機として使われたように、中国におけるデファクトスタンダード化といえないこともないのでは。いっそ、九州新幹線とかは、中国から車輛を買い付けたほうが、安くて済んでよかったんじゃないの。地理的にも近いし。

10月28日(木)

先日交通政策審議会が、東海リニアのルートとして南アルプスルート(直線ルート)を選択したが、今度はJR東海が、営業線仕様の超電導リニア新型車輌の概要を発表。その名も「L0系」だと。色や形も、かなり東海道新幹線を意識したものとなっている。とはいうものの、その後の技術の進歩で、通常の鉄道方式でも400〜500Km/hは出せるようになってきたし、路線は今回のルートとしても、実際の運用は装輪式の鉄道でいくんじゃないか、という気がしてならないのだが。

10月27日(水)

本日の日経産業新聞・新製品面は、「女性や子供、ファンに引き込め 鉄道模型に新路線」と題して、モロ、トミー、カトー、バンダイの特集。トミーは、101系型コントローラーと動くバスコレ用「レール」。カトーは、復活したポケットラインシリーズ(コレは新製品かな?)。バンダイは、ソフビ製の「やわらかのりもの」シリーズ。新路線なのか、鉄道模型なのか、という突っ込みはさておき、すっかり「鉄」記事ではおなじみになった高倉万紀子記者の解説は、当を得ている。この部分だけでも、既存の鉄道模型メーカーの経営者に読んでもらいたいものだ。

10月26日(火)

あまり関心を持って見てなかったので気がつかなかったが、天賞堂の3Fで、ダイカストC62に、空気作用管への色刺し、ナンバープレートと「架線注意」の貼り付けを代行して、4200円というサービスをやってるのね。上得意向けには、石炭を積んだり、こういうサービスをやっていたのは知っているが、オープンでやるようになったのか。模型のショップは、メンテやアフターサービスで稼ぐようにしないと生き残れないというのが、かねてからの主張なので、方向としてはいいとは思うが、どこまで本気でやるかだなあ。

10月25日(月)

インターネット時代になり、読者からの投稿がコンテンツの中心となっていた雑誌は、方向転換を図らないと、かなりキビしい状況になってきた。実物でも模型でも、鉄道趣味誌は、多かれ少なかれその傾向があるので、皆さん、苦労の跡が感じられる。正攻法は、編集部主体の企画記事だが、これはリソースを喰う分、ビジネス的にはハイリスク・ハイリターンである。そんな中でふと目に付いたのが、「中の人の裏話」的な記事。さすがに、中の人は企業秘密をBlog等で書くわけにはいかないし、企業が公式に発表することでもない。とはいえ、こういうのはファンとしては聞きたい話である。特に実物誌では、このあたりに大きな鉱脈がありそうな手ごたえを、いくつかの記事から感じた。

10月24日(日)

昼に寿司を喰っていて、ふと思った。1972年に、北海道へ蒸気の撮影に行ったとき、親戚にご馳走になって食べたのが、生の「甘えび」を使った握り寿司。今では信じられない話だが、同時の技術を輸送手段では、生で食べられる状態では、東京まで甘えびを大量出荷できなかったのだ。当時でも、高級料亭向けとかで、飛行機で輸送していたとは思うが、北海道からの卸売市場向けの水産物輸送の中心は鉄道だったからだ。まさに鉄道がライフラインを支えていたワケだが、それだけに必ずしも鉄道が得意とするアイテムではないものも、鉄道輸送に依存せざるをえない時代だったということができる。鉄道に対するロマンも、ある意味、そういう「鉄道しかなかった」時代ならではの遺物というべきなのかもしれない。

10月23日(土)

週末のスケジュールが忙しい中、やらなくちゃいけないことがあるので、千葉にいく。もちろん、庭の整備とかもやるのだが、多少時間的に余裕があるので、今回もNを走らせる。まあ、GからZまで、なんでも手を出しているので、特別のゲージやスケールに思い入れがあるというよりは、そのゲージやスケールのもっている魅力を見つけて楽しむ方だと思う。そういう意味では、NとHOでは、実物に換算した距離感が違う。Nのいいところは、ちょうど手で持ったぐらいの距離感が、街中で列車を見かけたり、景色の中に線路を見つけたりするような感じになる。やはり、走らせてナンボなのはそのせいだろう。これがHOになると、その距離感が、グッと意識を集中して凝視した感じや、近寄って見つめる感じになる。走らしても、眺めてもOKというのは、この特徴によるのだろう。その一方で、Gとかなると、スケールというよりは、リアルサイズの「物体」が現実の中にある、という感じ。こういう風に考えてゆくと、どれもそれなりに魅力がある、ということになるワケで…。

10月22日(金)

RMライブラリ135号、マニ35・36・37型 -改造荷物車のバリエーション-(下)を買いに模型店に行くと、なにやら知った顔が。まあ、模型店の数も、モデラーの数も、世間一般からみればたかが知れた数なので、知り合いと顔をあわせるのは日常茶飯事だが、どうやらそちらも同じ本を買いにきた模様。こういうのは、アダルトショップで知り合いと出会うような感じで、なぜか気恥ずかしいもの。というより、それだけ話題を読んで売れているんだ、と言うように解釈しておこうか。

10月21日(木)

羽田空港の新・国際線ターミナルが開業。ワイドショー等でも、大いに取り上げられている。ショッピングモールや使い勝手は、関空やセントレアといった、近年開港したターミナルと共通したものだが、モノレール直結という便利さは別格のものとして取り上げられている。考えてみれば、かつて羽田が国際空港だった頃は、飛行機は鉄道や自動車より「高級」な交通機関だったのが、いまや長距離バスなどと並ぶ、一番ベタな乗り物になってしまったワケで、こういう「乗換至便」な環境こそ、今の航空ビジネスを取り巻く環境にピッタリなのかもしれない。

10月20日(水)

今月の「記憶の中の鉄道風景」コンテンツ制作。3ヶ月連続での高島線特集、やっと最終回。まあ、40年前の中学生の頃写した写真なので、作品以前のモノばかりだが、元が多いので、記録としてみればそれなりに興味をひくカットもそこそこあるということ。それにしても、まさに蒸気機関車がライフラインを支えていた時代らしく、個々の機関車の個性よりも、数の力のほうが前面に立っている感じ。こういう「匿名の機関車が、黙々と働く」シーンは、そのあとは北海道の函館本線、室蘭本線ぐらいしか残ってなかったなあ。

10月19日(火)

趣味誌の店頭販売日。久々に正攻法(?)で、平日の19日。それにしても、最近の店頭販売日、かつてのように賑やかではない。明らかに購入者が減っている。4階で「蔵出し」が行われた回数だけ、定期購読者、それも全誌購入するようなヘビーユーザーが、この世から消えている勘定なので、そりゃ目に見えて減ってくるわな。そのワリに、一般書店で売られる、一般向け出版社から出ている鉄道関係の雑誌やムックは多くなっているのだが。

10月18日(月)

流石に本日の朝刊は、各紙とも201系のラストランを取り上げている。いちばん気合が入ったのは、朝日新聞。一面にカラー写真、東京面で浜田知宏・三浦英之両記者の署名入り記事が全三段の取扱。次が、産経新聞。第一社会面に、四段抜きでカラー写真付き。日経と読売は、それぞれ「窓」「おあしす」という社会面のコラムでの取り上げ。毎日は、東京版のみの扱いだが、大平明日香記者の署名入りで、カラー写真つき三段抜き。朝日の「鉄」度が高いのは順当なところだが、いつも好勝負を繰り広げる日経がイマイチなのが残念というところか。

10月17日(日)

ということで、本日はJAMの月例理事会。それなりに回るようになると、キチンと決めなくてはいけないことがけっこう多く、これはこれで一日仕事。世の中的には、201系のラストランで盛り上がっているんだろうな。しかし廃車回送も、臨時の団体列車に仕立てて、400人だか売り切っちゃうというのも、なかなかしたたか。中国の内陸部で、羊を飼っている遊牧民が、最後に群れをそのままセリが行われる市場まで、自力で歩かせて追い込むシーンを20年ぐらい前に見たが、なんかそんな感じ。

10月16日(土)

この週末、16・17日はJAM関係のお仕事が目白押し。本日は、打ち合わせとヒアリング。会社の仕事ではないのだが、やっていることは極めて仕事的なので、なんか変な感じ。妙に疲れる。まあ「鉄関係の用事ではあるが、鉄分はない」のは、毎度のことではあるが。

10月15日(金)

本日の朝日新聞夕刊第一社会面のトップは、「オレンジ最後の輝き JR中央線201系17 日引退」と題して、モロ201系ラストランの記事。宮嶋加菜子記者の署名入り。朝日新聞らしく、旧大井工場、東京車輛センターの塗装係を狂言回しにしている。それにしても6段抜き。なんか事件があったら、すぐ飛んでしまうが、ネタがなかったので載ったのだろう。それだけ平和だともいえるが。

10月14日(木)

鉄道の日(ex.鉄道記念日)。最近は、このせいで10月に一般向けの鉄道イベントが多くなっている。カニバっているのか、相乗効果が出てくるのか、評価は難しいところ。で、関連あるのかないのか、警察庁が電車内での痴漢被害の実態調査を発表。それによると、痴漢にあった女性の年齢別構成比は、10代26%、20代18%、30代10%、40代11%とのこと。一見なんでもないようだが、ちょっと待て。ということは、10歳以下と50代以上で、35%いるということではないか。ロリコンと熟女マニアで35%。これを多いと思うか、なるほどと思うか。このあたりは、裏世界にどのくらい精通しているかにかかっているかも。

10月13日(水)

天4に、鉄道模型社の塗装済みキットの手付かず状態のものが、けっこうまとまって出ていた。見たところ、部品を小分けしたビニール袋も未開封のまま。プラキットだと、キットコレクターというのがいて、未開封・完揃のキットにはけっこう値がつくけれど、鉄道模型では珍しい。世の中には「鉄道模型社マニア」な方も多いので、すぐ売れてしまうと思うが、どういう人がキットを未開封のまま今世紀まで保存してきたのか、なかなか興味があるところではある。

10月12日(火)

さて、よく見ていただけばわかると思うが、↓の写真。決して、トリミングでお茶を濁したものではなく、別のカットである。カメラとの距離を変えて、焦点距離が違う感じを出したのだが、実はミラーレス一眼は、こういうトリックにもメチャクチャ強い。ビューカメラ同様、構図や被写界深度をリアルタイムで視認しながら撮影できるだけでなく、その画像が常に適正露出でチェックできるのだ。最近の製品のモニタなら、画面上で充分焦点合わせができるし、凝った画面を作るなら、こんなにいいことはない。しかし、よく考えると、35mm版用のレンズなら、イメージサークルが倍ぐらい余裕があるはずなので、「アオリを効かせられるレンズアダプタ」というのも作れるではないか。コレができたら、模型の撮影には無敵だなあ。どこか出さないかな。

10月11日(祝・月)

土日とはうってかわって、快晴の一日。体育の日の特異日は、日付が変わっても生きているということか(笑)。家から、黒々とした富士山まで見えるという、台風一過のような陽気。ということで、久々のフォトセッション。今回は、前回のセットでは使いきれなかった東欧レンズ、ツアイス・イエナ製のゾナー135mm f3.5。マイクロ3/4だと換算300mm近い望遠になってしまうが、1mまで寄れるので、これは使いかたによっては面白いかも。最近ハヤリの「復活国鉄色」という感じでワンカット。イメージとしては、ワリと単調な直線区間なので、手前のカーブ越しに、ほぼ正面を超望遠で狙った感じだが、SLブーム世代のオヤジ撮り鉄なら、多分、こういう構図で狙うだろうというのが、さいしょのカット。だが、このところ高校生や大学生の撮り鉄の作品を見ていて、今の若者なら多分こう撮るだろうな、というのが下のカット。
そうなんだよね、望遠で正面から狙って、車輛が画角一杯というような作品が、いまどきの若者にはメチャクチャ多い。328みたいなレンズって、昔はアイドル専用みたいだったのが、今は鉄御用達という感じになってるし。まあ、これは趣味・好みの問題なんで、どうこういう話ではないけど、鉄道ではなく車輛が好きなんだろうな、きっと。鉄道模型と車輛模型みたいに、鉄道写真じゃなくて車輛写真。まあ、鉄道に対する社会的なロマンがなくなっちゃった以上、それはそれで仕方ないことかもしれないけど。

10月10日(日)

10がゾロ目の、二進数みたいなめでたい日付。雨が降っていたので予定はキャンセルになってしまったが、昼から晴れたので、ちょっとで歩いてみた途中。これだと、わかる人にはどこへいったのかわかってしまうが(笑)。仕事用の携帯が機種変更になり、今度のは510万画素のカメラがついている。田端から隅田川に向かう線のところに、EH510とEF65が並んでいたので試写してみる。確かに、それなりに機能が向上しているのはわかる。それより、携帯だと、金網の目から本体を外に突き出して撮影ができるのね。下半分を押し付けるようにすると、意外と安定するし。それなりに機能が上がると、使える撮影法かも。

10月9日(土)

ネコパブから出版された、新ムック「鉄道タイムトラベルシリーズ」。その第1回配本、「日露戦争を走る 明治三十七年の鉄道旅行」と「新幹線、東京オリンピックを走る 昭和三十九年の鉄道旅行」が、一般書店に並んでいた。なんか、JTBパブリシングとかが出しそうな企画。第一巻と第三巻からスタートというのも面白いが、紀行作家の芦原伸氏が企画・編集を行っているというので、どんな仕上がりになっているか興味があり、手にとってみる。結果としては、着想はいいのだが、やはり趣味系の出版社ではまとめがイマイチというか、なんか消化しきれていない感じ。こういうものは、総合出版社か文芸系の出版社のほうがやはり強いというのが印象。ちょっと残念かも。

10月8日(金)

考えてみれば、ハイエンドホビーはみんなそうなのだが、趣味に毎年7桁の金を投入できる人達が、マーケットを支えている。年に一度、自分へのご褒美を買うようなヒトもけっこういると思うが、マーケット的にはメインではない。極めて単純化した計算だが、マーケット全体を300人とした場合、その内50人が年平均100万円、残りの250人が年平均20万円使っても、濃い人達の支出が5000万円、その他の人達の支出も5000万円で均衡してしまう。かなり荒っぽいシミュレーションだが、構造という意味ではそう違いはない。リスクを考えれば、濃い人達にオプティマイズしたほうが、経営的には安定するワケである。個人レベルでは好き嫌いがあるから、この「濃い人達」全員と親密になることは難しいが、ビジネスという意味では、容易に重要顧客として囲い込める人数である。たとえばカーディーラーの営業マンは、もっと多くの顧客を抱えている。ビジネスモデルとして考えた場合、「総取り」も不可能ではない規模なのだ。それには営業努力が必要だし、既存の鉄道模型業界とは根本的に違うマインドも求められるが、今後、顧客足りうる人達が日本にいる間、鉄道模型を供給し続けるためには、このくらいの「コペルニクス的パラダイムシフト」が必要になるのではないか。

10月7日(木)

こういう状況下では、マーケティング的に考えると、製造者より、消費者や流通の方が圧倒的に優位になる。まあ、マニアックな商品では、見込み生産は意味がなく、完全受注で作った方が、製造者も消費者もメリットが最大になるという、極めて常識的なことなのだが。ある意味、米国の方が市場は大きいものの、インポーター主導のマーケットが形成されていたということは、かなり昔からこういう最適化が成されていたということになる。日本でも、本業が別にある企業が、ユーザー視点から作った製品を供給したり、ユーザーがそのままガレージメーカーになったりという状況が、この十年ほど目立っている。そして、概してそういうところのほうが、元気がいいし、魅力的で質の高い製品を提供している。その一方で、旧来の模型メーカーには、軒並み経営的な限界が見えてきている。すでにワンロット5台とか10台とかいう「製品」が多くなっている以上、早晩ハイエンドモデルは、全て「特製品」しかあり得ない世界になるだろう。そうであるなら、なるべく早く新しいスキームにシフトした方が、可能性は大きい。そろそろ、機は熟したのではないか。

10月6日(水)

マーケティングという意味で言えば、ライトオタク系と量販品系についていえば、それなりに対応できているということができるだろう。もっともライトオタク系は、鉄道模型業界というよりは、別の世界の人達が、上手にマーケティングターゲットにしているということなのだが。ここで問題なのは、ハイエンドユーザーの扱い方である。昔からの模型メーカーは、昔ながらのやり方でしか、このターゲットにアプローチしていない。しかし、模型雑誌の実売を見ればわかるように、この層は確実に減少している。減少しているというより、もはや「特定少数」になっている、といった方がいいかもしれない。実数もほぼわかるのだが、こういうオープンな場に書くべきことではないので、公表は差し控える。さらにこの中でのごく一部の人々のバイイングパワーがものスゴいことが、全体の減少の影響を小さく見せている。ということは、不特定多数を相手にするときのような、リスク含みのマーケティングではなく、事前に全需要を掌握してから生産することが可能なのだ。

10月5日(火)

さらにその外側には、ライトオタク系というか、昔でいう模型ファンや鉄道趣味者の外側に位置する人達がいる。昨今の鉄道ブームを支えているのは、実はこの層である。鉄コレや街コレといった、食玩的なブラインドボックス売りをしているアイテムや、Bトレインショーティーなどの売り上げが、量販品の鉄道模型と比べても桁外れに多いのは、こういう人達にまでターゲットが広がっているせいである。趣味誌とは、全く関係ない世界にいるが、一般向けの鉄道書や週刊百科等には手を出している模様だ。もちろん、この層は模型店には行かない。この3つの層は似て非なるもので、相互に独立しており、相互の連関が極めて低いのが特徴である。キットを組むようになって、量販品系からコアユーザーへ移行する人や、ライトオタク系だったのが、けっこう本格的なNのレイアウトを作る人など、個別に見て行けば、流出・流入はあるものの、この三層構造全体の規模からすれば、わずかなものといえるだろう。

10月4日(月)

このところ、単なるお客さん、単なるユーザとは違う立場から、模型業界、鉄道趣味業界を見る機会が増えた。そうなると仕事柄もあるが、マーケットの構造につい目が行ってしまう。ここでも何度か述べたように、模型のユーザー層は、大きく見ると三層構造を成している。一番コアなハイエンドユーザーは、ブラスモデルを買ったり組み立てたりとか、レイアウトやモジュールを作ったりとかする層である。16番/HO以上のスケールをメインにしている人が多く、昭和30〜40年代においては、この層が鉄道模型のメインユーザーだった。パーツをうっているような「模型店」に集まったり、趣味誌を定期購読するのは、この人達である。その外側にいるのが、量販品の鉄道模型を買い求める層である。主としてNゲージャーが中心であるが、最近では日本型16番もそこそこ広がったようだ。コレクション中心の人も、レイアウトを持っている人も、貸しレイアウトや運転会で走らせる人も、それぞれいる。量販品中心の模型店や家電等の量販店での購入が中心であり、趣味誌は時々買うこともあるが、メーカーカタログやムック、インターネットが情報源の中心となっている層である。

10月3日(日)

すっかり恒例になった、軽便祭。ぼくは軽便はやらないのだが、家からバス一本で目黒まで行けることもあり、顔だけ出すのは、これまたすっかり恒例に。まあ、知った顔ばかりなので、挨拶して雑談して廻れば、時間は経ってしまうということ。しかし、それにしても、モジュールというのは、作り手の顔がストレートに出るというのは、改めて実感。地面や樹木のタッチ、色味とかいったルック&フィール面はもちろん、モジュールの設計やコンセプトの立て方といったところも、極めて個性がはっきり出る。こればっかりは、まあ、モジュール関係の作り手の数が限られているという事情もあるんだが。

10月2日(土)

夏からはだいぶ時間が経ってしまったが、HOMPのJAM打ち上げ会。まあ、かなり無理もあったが、力技で押し切ったような展示で、当日はだいぶ疲れたが、暑さも一段落した今頃になれば、思い出として語れる、という感じか。来年もHOMPはJAMへは参加することを目標としますが、諸般の事情により去年・今年のようなスタイルでは参加が難しいので、またちょっと目新しいことをしよう、という方針が決定。まだ概要は語れないものの、ご期待ください。

10月1日(金)

RMライブラリ134号、マニ35・36・37型 -改造荷物車のバリエーション-(上)が、さっそく再版がかかったようで、再び店頭に平積みされていたので買ってくる。上巻は、マニ36の特集。読んでみてはじめて知ったのだが、この著者はなんと、荷物輸送が廃止されてからマニアになった、若いヒトなのね。改造は、1960〜70年代なので、その時代にファンだったヒト、特に70年代に入って、荷物輸送のシステムが変わってから、荷物列車のファンなったひとが多いから、そういう人かと思っていたら、全然違ってびっくり。マニアに歳は関係ない、ということでしょうか。


(c)2010 FUJII Yoshihiko


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