「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2014年1月-




1月31日(金)

それにしても、こと鉄道趣味に関しては、この1月は例年になく飛ばした感じ。去年余りできなかった反動が、天候や体調などの関連で余った時間に一気に噴出したような感じ。まあ、こういう趣味は時間があってできるときにやっとかないと、いつまでたっても仕掛りの山になってしまうからなあ。でもまあ、こんな感じでスタートすれば、今年はそれなりにこっち方面でも成果が残せるかな。

1月30日(木)

定期「あけぼの」が廃止になるというので、「葬式鉄」が騒がしくなっている。このシーズン、雪で遅れて予定外の時間に上ってくることが多いのだが、毎日どこかで誰かが撮影していて、Blogなどに載っけているという感じ。まあ「なくなるものに萌える」のは、百年以上前からの鉄道マニアの習性なので仕方ないといえばそうなのだが、こういうのを見ていると、無煙化直前のSLブームをシニカルに見ていたベテランファンの気持ちがやっとわかった気がする。

1月29日(水)

今年になって、海外の鉄道趣味のニュースもいろいろ伝わってくるが、英国ヨークの鉄道博物館に全世界の保存機を集めた「A4クラス全員集合」とか、UPのビッグボーイ復活プロジェクトで、ロス郊外のヤードまで、静態保存機を本線上で輸送して展示イベントを行なう(まあ、あんなデカいもの、線路上以外運びようがないのも確かだが)とか、とにかくスケールが違いすぎる。現役蒸気を追いかけていた1970年代に比べれば、日本の鉄道趣味界をめぐる社会的状況は飛躍的に改善されたとはいえ、まだまだ彼の地とのレベルの差は大きいことを感じさせられた。動態保存がない時代に、欧米には動態保存の蒸気がいるというのを聞いてびっくりした驚きが、よみがえってきたような感じでもある。

1月28日(火)

天賞堂製の16番、カンタムサウンド付きブラス製C62が発売になっていたが、なんとその価格は42万円から42万5250円。Models IMON製のHO1067の蒸気機関車、シンガーフィニッシュ・サウンド付きより高い値付けじゃないの。こんなところで意地張って、一等賞取らなくてもいいと思うけどなあ。こういう逆転現象が起きるようでは、16番のブラスモデルも、もうオシマイじゃないの。豊富な既存パーツの利用と量産効果で、まだ16番の方が安くできるというのが、ブラス製16番の矜持だと思っていたんだけど。

1月27日(月)

天賞堂の3階が、気がついたら模様替えしていた。前、レジカウンターだった靖国通り沿いのところが外国形モデルの売場になり、入れ替わる形で前の外国形売場だったところが、開架型の書籍売場になった。大きな構造変化はそこだけだが、多少のコーナーの入れ替えを伴っている。書籍はかなり見やすくなったし、ストックの書籍も手にとって見れるようになったのは、販売上プラスかも。そう考えると書籍類のてこ入れと考えた方がいいのかも。

1月26日(日)


雨とかいう予報だったが、けっきょく降られず。降ったところもあるらしいけど。そういう予報なら一気に工作を仕上げてしまおう、ということで、次々とパーツを半田付け。午前中+αで、ひとまず工作部分はカタチにしてしまった。乗工社製のD51は、細密に作りこめばIMON製同様になるワケだが、元が乗工社最初期のD51キットということもあり、「ファインのプロポーションを生かし、控え目なディテールでもらしさを出す」という、乗工社的なフィニッシュにマトメて見た。一説によると、乗工社製の門デフ付きD51の完成品があったらしいが(このぼくが現物を一度も見ていないので、ホントのところは不明)、もしあったらこんな感じかな、というところ(よりはちょっと、272号機という特定番号化のためのディテールが付いてるけど)だろうか。しかし、1月中に1台上がるとは、われながらちょっとびっくりのハイペース。あんまり中間進行形は出さないんだけど、ハイペース記念に(笑)。

1月25日(土)

11日の脱線事故以来運転を休止していた銚子電鉄が、やっと運転再開とのニュース。去年の年末には、いすみ鉄道で脱線事故があり、当該区間は1月まで不通になっていたし、小湊鉄道も昨年豪雨にやられたし、千葉の地鉄はご難続きですな。特に財務基盤が弱いところは、大きな事故や災害があるとヒトタマリもないので、運転再開というのは、ひとまずよかったという感じでしょうか。

1月24日(金)

元々目がいいヒトにとっては、老眼が進むことは、模型を楽しむためには本当に致命的なようだ。こっちは、子供の頃から近眼なので、確かに焦点はあわせにくくなっているが、メガネを外せば近くのほうがよく見えるし、ルーペや凸レンズのメガネをつければ、逆に極端な至近距離に焦点を合わすことができる。とはいえ、被写界深度が浅くなっているので、一点にしか焦点が合わなくなってきているのは確か。細かいものもよく見えるが、3D的な意味での遠近感をつかむのは辛いかも。でも、心眼も使えば(笑)、まだ何とかなるかな。

1月23日(木)

そう思ってよく考えると、クラフツマンの中には、何かを作るために工作するヒト(手段派)だけではなく、工作すること自体を楽しむ人(目的派)も、かなりの数いるのではないか、という気がしてきた。というより、「アマチュア職人を楽しむ」とでもいうような、手を動かすのが趣味というヒトがけっこう多いのだろう。それなら、目的に対しては必ずしも合理的でなくても、プロセスが楽しめればいいのだから、ワザと遠回りしてもそのほうが面白いということになってもおかしくはない。しかし、それが工作の王道になってしまっては、ちとおかしいのではないか。工作が手段ならば、精神論で乗り切るより、いい工具、優れた道具を揃えて、ささっと処理してしまった方が、よほど出来栄えはよくなる。

1月22日(水)

そういう意味では、手馴れたヒトほど「いろいろなやり方」を知っている。完成形が同じでも、そこに至るプロセスは一つではないし、TPOに応じて一番「費用対効果」がいいやりかたをすればいい。本来手段とはそういうものだ。「バカの一つ覚え」を、後生大事にしても始まらない。ノウハウの引き出しが多くて、極端な話、やってる途中でも効率が悪ければすぐに別の手法に発想を切り替えられるぐらいのフレキシビリティーが必要である。しかし、日本人の「職人魂」ってのは、これとは逆に、手法は一つ、あとは気合と根性だみたいなところにすぐ行っちゃうし。それをアマチュアのモデラーがマネても、全く無意味だと思うけどねぇ。

1月21日(火)

日本人は、何でもすぐ「○○道」にしてしまい、「正しい型」を崇拝したがるところがある。工作法なんかもそれで、半田ゴテでも糸ノコでもヤスリでも、みんな「道」になりがちだ。実は達人ほど、目的のためには手段を選ばないところがあり、ワリとフレキシブルに対応するのだが、あまり工作しないヒトに限って、「これはこうやらなくてはいけない」とか「誰々さんはこうやっていた」とか、声高に叫びがちである。それで意見が合わないと、ほどんど喧嘩状態になったりするから、なにをかいわんや。まあ、ヒマなヒトが多いということなんだろうけど。

1月20日(月)

どうやら、今月は18日の土曜日が趣味誌の店頭発売日だったようだ。17日にはごく一部の雑誌以外きていなかったし、19日には全部揃っていたから。こういう週のめぐり合わせだと、17日金曜日が店頭発売日となって、一番前倒しで繰り上がるパターンが多いのだが、流石に一月は年末進行が挟まるので、そこまでは早まらなかったのだろう。

1月19日(日)

ぼくは、常設の工作台や、ましてや工作室など持っていないので、工作をするときには、毎回お道具を持ち出してきて、工作スペースをしつらえてから作業している。もっとも、準備と撤収で小一時時間はかかってしまうのだが。したがって、工作スペースは座卓型で、床に座って作業する。床には毛足の短い絨毯が敷かれている。しかし、これが功を奏することもある。それは、パーツ類を落とした時だ。落下距離が少ない上に、床にはほとんど反動がない。落としたとしても、身の回りの絨毯の上を探せば、まず出てくる。それで出てこなくても、撤収の時の掃除で、粘着ローラーでごろごろやれば、およそ見つけることができる。というより、その位念を入れて切りカスや削りカスをキレイにしないとマズいのだ。昨日も、1φ1oなんていうビスを二つ飛ばしてしまったが、きっちり見つかった。1960年代までのTMSでは、床に座って座卓で工作というシーンをよく見たが、まんざら意味がないものでもないようだ。

1月18日(土)


飲み会がある予定が、風邪で体調を崩した人がいて、中止に。で、午後がヒマになってしまったが、結構寒そうだし、雪も降るなんて予報があるので、模型を製作することに。で、前からやっていた乗工社のD51仕掛りジャンクの再生が、段々佳境に入ることになってしまった。再生は細かいところの修正が中心だが、デカいロストパーツの付け外しがあるので、一番コテ先がデカく比熱の面でアドバンテージがあるコテを使う。しかし、やっぱり半田ゴテはコテ先の熱容量だ。ちっちゃいパーツなど、余熱でいくらでもサクサク付けられるし。で、本体も修復したが、煙室扉とデフもそれなりの気合いで作る。それにしても、富士山型のシンダー除け、広島工場タイプの煙室扉ハンドル、ナンバープレート脇の標識灯掛け等々。特定番号考証にたけたひとなら、すぐ272号機ってわかるぐらい個性的な顔立ちだよね。気分が盛り上がるなあ。

1月17日(金)

JR北海道の元社長の坂本相談役が、余市港で自殺とのニュース。3年前には、現役の中島社長が自殺するという事件があっただけに、事故が続発するJR北海道の異常さを一段と強調するような事件である。そもそも坂本相談役は、引退後も影響力が大きく、ガバナンスという面で問題があったともいわれるだけに、一層闇が深くなった感もある。もはや、一大ブラック企業かも。

1月16日(木)

今月の「記憶の中の鉄道風景」のコンテンツ作成。「無意味に望遠」シリーズも、九州編の3回目。三ヶ月にしてやっとツアー二日目という、この「引っ張り感」も、無意味さに拍車をかけるようなノリですなあ。まあ、今回のカットは、マンネリではあるモノの、ちょっとはマシかも。とはいえ、シーケンシャルに、サブボディーの望遠で撮った列車は全部出しちゃおうというのが、このシリーズの主旨なので、まだまだ行きますよ。

1月15日(水)

本日は、夜吉祥寺のライブハウスに出演するので、その準備もあり一日鉄分なし。吉祥寺はほとんどライブ出演の関係でしか行かないので、行くたびにいろいろ変化があって面白い。今回も、井の頭線吉祥寺駅のビル工事がかなり進み、JRから井の頭線への取り付けの部分はほぼ出来上がっていた。工事中はいろいろ複雑な動線になっていたので、果たして完成形はどうなるのかなと楽しみだったのだが、けっきょく基本的に元の構造にもどったような感じでちょっと拍子抜け。まあ、その形が一番こなれているということなんだろうが。

1月14日(火)

来たらめっけもんぐらいの感じで、かなり低めで入札してたブツが、けっきょく落ちちゃった。こういう緩いノリで応札したオークションって、けっこうほっといても落ちるんだよね。ということで、今年に入ってからも、なんだかんだで妙に車輌の増殖が続いているなあ。ジャンク仕掛再生のも、着実に動いているし。まあ、こういうのはめぐり合わせやタイミングもあるので、鉄は熱いうちにってことでしょうか。。

1月13日(月)

この連休は、いまいち体調がベストではないので、あまり無理をせず家でゆったり過ごしたが、家にいるとなんかやりたくなってしまうことも確か。かといって、気合入れて工作をズンズン進めるほど元気はない。ということで、ふと思いついて、加工の下準備と称して、穴あけや細かいところの修正などを先に進めることにした。どちらかというと、ブロック毎に同時進行で製作と加工を行い仕上げることが多かったのだが、こういうやり方もけっこういい。ブロック単位だと、早くカタチにしたくて気がせってしまいがちだが、これだとじっくり穴とか開けられるし、精度も上るみたい。作るもののプランがしっかりしていれば、こういう一人流れ作業的なのもいいのでは。

1月12日(日)


本年初のフォトセッションではあるが、またお立ち台の利用。今度は九州っぽく。九州だと、この感じは初冬のイメージ。冬休みに撮影に行った時の雰囲気なので、ワリとイメージは湧く。ストラクチャも利用して、ジオラマっぽく展開しての撮影。9600クラスだと、このサイズでも結構余裕があり、飾り台状態でも、貨車一輌ぐらい連結して展示できるから、なかなかムードを出しやすい。こういう楽しみ方もいいと思うのだが。

1月11日(土)

連休ではあるが、体調もダブル病み上りだし、特に詰め込みスケジュールではなくのんびり過ごす予定。家でゆったりしていたのだが、ふと思い立って、世田谷公園のD51272号機の取材に。現役時代から見ているし、保存状態でも何度となく見ているので、およその特徴はアタマに入っていたが、細かいところの確認。それでも発見はあるもので、九州が長いカマにしては、なんとテンダ後面の溢水管がつけられていないではないの。ぼくの場合、特定番号機を調べに調べて作り始めるというよりは、記憶の中のイメージである程度まで作って、それから似たプロトタイプを探して作りこむというパターンが多い(その分、○○号タイプになりがち)のだが、今回はパーツが足りなくて溢水管をつけなかったのが功を奏した感じ。その足で、不足パーツを買って帰ってくる。D51のほうは、これで本体にも着手できそう。

1月10日(金)

1月もこれでやっと上旬が終わったのだが、なんだか一ヶ月たったぐらい、波乱万丈でいろいろメリハリがあった。車輌も、けっこう増殖しちゃったし。カゼひいたり腹コワしたり、体調的には大ヤバなんだけど、全体の感じとしては今年はけっこういいかも。アベノミクスとオリンピック景気の影響というワケではないのだろうが、この調子で行って欲しいものだ。

1月9日(木)

三軒茶屋から千歳台まで行く用事ができてしまった。いわば、世田谷区の対角線。区内の移動は、環状線形の同心円的移動でも公共交通機関を使いにくいのだが、ここまでくるとほとんどお手上げ。クルマでもそれなりに時間がかかる(そもそも都心に出るより直線距離がある)のだが、公共交通機関となると絶望的に手間と時間がかかる。世田谷区内では、「世田谷独立論」というのが根強くあるのだが(世田谷区だけで政令指定都市の要件を満たしているし、人口を県レベルで比べても山梨県なんかよりデカい40位)、その大きさを実感。だからといって、これだけコンパクトに密度のあるエリアでも、公共交通機関を作って利用を見込めるとは思えないので、ローカルの公共交通事情など、推して知るべし。

1月8日(水)

休み中は、いろいろな意味でけっこう飛ばしていたので、今年はこのペースで進むんだとトンでもないことになるのでは、と戦々恐々としていたが、仕事が始まってみると、まあ日常的にはなるわなぁ。とにかく時間の配分をウマくやれば、けっこう効率よくいろいろなことができるし、あれこれ考えるよりは同時並行的に手をつけちゃったほうが結果はついてくるということはよくわかった。まあ、今年はこのやり方だな。

1月7日(火)

今年は年末年始の休みにけっこう工作をやったので、塗料の溶剤や接着剤、半田付けの塩化亜鉛などで指先がボロボロになっている。乾燥した冬場は、スマホやタブレットのタッチパネルがウマく反応してくれないものだが、指先がこういう状態だと、全く操作ができない、仕方なく、指の腹とか、まだ生き残っているところで何とか操作しているが、これはこれでなかなかのおとし穴かも。

1月6日(月)

今日から仕事始め。だが、朝の電車は、通常の正月休み明けとは全然違う様相。正月明けは、いつものラッシュが戻るまで、数日かけてジワジワといく感じなのだが、今年はのっけからスゴい混雑。時間帯を考えると、下手すると通常の朝ラッシュより混んでいるかもしれない。休み明けからフルに一週間あるからなのか、理由はよくわからないが、正月早々とんだ洗礼という感じ。

1月5日(日)

冬休みも今日までだが、どちらかというと「3が日+土日」という感じだったので、なんか普通の週末が終わって、明日は会社という雰囲気かな。ずっと家にいたワリには、なかなか収穫も多かった休日。今年は、こんな感じでグイグイいってくれると、それはそれでけっこう調子いいのだが。

1月4日(土)

今年は正月から、いろいろとクリエイティブな作業をこなしているせいか、なんか作る気充分。ということで、模型製作も始めてしまった。構想だけはいろいろあったが、手つかずだった仕掛りジャンクの機関車2輌を、一気に再生製作開始。ひとまず、それぞれのテンダーを、九州風の味付けで完成させる。1Q中にカタチにして、2Q中には塗りたいな。去年に比べれば、スゴい勢いかも。

1月3日(金)

新春初模型店めぐり。一回りしてみたが、新春早々けっこう出物がある。ご祝儀相場もあって、ひとまず気になるものはGetしてきた。なかなかの収穫。こりゃ春から縁起がええわい、という感じか。こんな感じで、今年はペースに乗れるといいのだが。

1月2日(木)


新春早々初写し。例の「フクヤ」製、HOスケールターンテーブルと専用アクリル展示ケースのセット。アクリルの表面がキレイな状態なので、写り込みが激しくて結構撮影に苦労する。偏光フィルターで反射をカットすると、こんどはアクリルが透明になってしまうし。ブツ撮りでも、こういうの難しいんだよね。まあ、お茶を濁す感じですが……。

1月1日(祝・水)


ということで、2014年の幕開けです。今年はどういう年になるんでしょうか。今年は年賀状は3パターン作ったけれど、これが鉄分の濃い趣味人向けの、特別バージョン。ここをお読みになっている方の中には、現物が届いた方もけっこういるのではないでしょうか。本年もよろしくお願いします。




(c)2014 FUJII Yoshihiko


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