HOモジュールプロジェクト 第1回運転会 -2006年11月5日- 於豊島区民センター(池袋)


HOスケールの1067mm、12mmゲージのモジュールを提唱する、HOモジュールプロジェクト。その第一弾としてスタートした田舎電車モジュールも、構想から一年半で運転会が実現しました。第1回運転会当日の2006年11月5日には、会場の池袋の豊島区民センターに、10人が持ち寄った13台のモジュールが集まりました。それらのモジュールを、簡単に紹介します。では、入り口側から、つないだ順にいきましょう。



まず最初は、近藤さんのS字モジュールのうち、丘のモジュールのほう。本来の接続からすると、S字モジュール同士を接続する側が、外側にきています。このモジュールは、近藤さんのblogでもおなじみですが、トレードマークともいえる「田んぼ」を作るべく、穴の開いた水面が「田植え」を待っています。


続けて近藤さんの作品です。規格立ち上げ当初に製作された、30cmのモジュールをベースに、さらに30cm継ぎ足して、60cmモジュールにしたものです。ストラクチャーにも、得意の「から竹割り」がしてあります。実際に「田植え」を行って製作した田んぼの表現は、何度見てもインパクトがあります。


次は、奥さんの作られたモジュール。現在製作中で、手前は茶畑にするプランとのこと。どう茶畑を表現するか、材質や工法など、当日も他の参加者といろいろアイディアを交換されていました。関西からの参加ということで、輸送時のケース等にも、いろいろと工夫されていたようです。


ぼくの作った、「駅のモジュール」です。DDFの「上総鶴舞駅」の出物を手に入れたのが発端で、「マキシぷちラマ」的にまとめてみました。トイレはスクラッチ、倉庫はグラントライン製プラキットの改造です。日本代表、「食玩」のチャンバラごっこ少年と、米代表、ウッドランドシーニックスの野球少年が、空き地を遊び場にしています。


続いて、ぼくの「林のモジュール」。Nゲージャーが固定式レイアウト製作に使う、一般的なテクニックだけでまとめてみました。実は撮影用の「お立ち台」として、いろいろなシーンが撮影できるよう、休耕田や畑、道路や用水路といったシーナリー自体もモジュール化してあり、気分で景色も変更可能です。


掘り下げ型モジュールのテストケースとして、川田さんが製作しているガーダー橋のモジュール。製作中ながら、確かにホリゾントのレベル変化は、モジュール間でメリハリがつきますね。繋げたモジュールにそって、ウォークアラウンドをやると、実物の景色と同様、橋にさしかかるとともに。一気に視野が広がる感じがします。


近藤さん、3つ目の登場は、S字モジュールのうち、川のモジュール。最初のモジュールと対になっています。二つのモジュールでは、曲線通過のテストを兼ねて、S字の線形を変えてあるというコダわり方。ここにもちゃんと、狭いながらも田植えを待つ「田んぼ」が控えています。


曲線モジュールをはさんで、松村さんの駅のモジュールです。このプロジェクトでは、皆さん誰よりも松村さんのお世話になっているワケで、今回開催できた最大の貢献者といえるのではないでしょうか。ありがとうございます。製作中ですが、個性的な駅舎が、狙った雰囲気をイメージさせています。


山形さんの、里山のモジュール。広い側のスペースを、手前に持ってくるモジュールが多い中、逆に構えることで、かなり大き目の山を違和感なく表現した、アイディア賞的なモジュールです。ヒルマのキットを裏表逆に組むことで、モルタル壁を表現するという住宅の組み方も、これまたアイディア賞ですね。


鈴木さんの、牧場のモジュール。このモジュールは、トップがネジ止めで、外してひっくり返して止めなおすことで躯体内に収納し、輸送モードに大変身する大力作です。他のモジュールが、昭和40年代っぽい雰囲気を出している中、昭和30年代のレトロな風情を醸し出しているのは、さすがにベテランの味といえましょうか。


浅野さん製作のモジュール。このモジュールは、参加モジュールの中でも一番最後に完成した、出来立てほやほやでの登場でした。話題の「とうもろこし畑」を、ハイライトとして使用していますが、あれって製作するの、大変なんですよね。オマケにこの本数。一晩で製作したことも含めて、とても気合いが入っています。


川田さん製作の、規格モジュール第1号。FABの店頭に飾られていたので、皆さんおなじみですし、松本謙一さんのレイアウトムックでも紹介されました。これを見て、田舎電車モジュールのイメージをつかんだ方も多いでしょうし、まさに「このプロジェクトの原点」とでもいうべきモジュールです。さしずめ「鉄道記念物」とでもいえましょうか。


針金のたわみを利用した、独自メカのスプリングポイントを装備した、西野さんが製作した交換駅のモジュールです。線路のみの状態だったこともあり、ちゃんとしたアップの写真を撮り忘れてしまいました。ということで、中途半端な写真しかありません。どうもごめんなさい。


(c)2006 FUJII Yoshihiko


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