京王線下高井戸駅 -1972年-


下高井戸の駅は、世田谷に住み出してからはよく使っていますが、この当時は実際の距離以上に「縁の薄い」場所でした。その分、エキゾチックというか、「来たぞ」感が強かったことも確かです。実は、この時の撮影はこの3カットしかないのですが、ウマい具合に当時の主要車種が網羅されています。息子に見せたところ、さすがに6000系は「けいおうせん」とわかりましたが、あとの電車は見たことない、という反応でした。当り前ですね。しかし、こうやってみると下高井戸のホーム自体はあんまり変ってないですね。ここに8000とか9000とかやってきても、何も違和感がないみたい。



当時皮肉っぽく「グリーン車」と呼ばれていた中でも、新性能では最も古いタイプの2000系。通っていた中学・高校が井の頭線の沿線にあったので、そちらを見慣れていたため、京王本線の「グリーン車」は、妙に幅が狭くてアンバランスに感じましたね。特にこの車輛のように、旧型前照灯が二つついたのは、ちょっとゲテモノ的な感じもあって、恐いモノ見たさ、とでもいうようなワクワク感があったのを覚えてます。


この頃が全盛期だったといえる5000系。よくみたら、これは最初期車の第3編成じゃないですか。冷房のない屋根上というのも、今となっては「昔なつかしい」ものの一つになってしまいました。実は、地上の京王新宿を知っているので(そこから多摩動物公園に行った)、当然5000系のデビューは知っているし、それまでの京王のイメージを一気に打ち破るインパクトも、子供ながらに覚えていたりします。


この時がデビューしたての6000系。この写真があったので、撮影したのが昭和47年と判明したのでした。京王線初の大型20m車という以上に、この面構え、サイドビュー、イヤが上にもアクの強いデザインが、ファンの間でも賛否両論だったのもなつかしい限り。この6000系初期車ですら、もはや姿を消してしまったのですから、時の流れというのは恐ろしいものですね。


(c)2004 FUJII Yoshihiko


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