一見シリーズ
20世紀の終わりに、
クモハ42を訪ねて。


 クモハ42。これまで2度ほど、出会えずにいた。
 あれは‘83年の夏だったか、四国へDF50を撮りに行った時、そのまま九州の親戚の家へ行く途中に、 以前より気になっていたクモハ42のいる小野田線本山支線に立ち寄ろうと思ったのだが、 旅程が狂って叶わなかったのだった。
 ‘87年の春。国鉄最後の日を、全線乗り放題の「謝恩きっぷ」での列島縦断で締めくくってみようと考えた。 青春18きっぷとの合わせ技でその前々日の晩に大垣夜行で発って西へ向かう旅程を組みながら、 どうにも引っ掛かってたクモハ42のことを思い出し、なんとか立ち寄れそうだということになった。 しかし皮肉な巡り合わせだろうか、肝心の当日、途中の濃霧で大垣夜行は大幅に到着が遅れ、 ここでもやはり、諦めざるを得なくなったのだった。新幹線でリカバーするには持ち合わせも無かったのだが、 今思えばそれほど重く考えていなかったのかも、しれない・・・。その後、本州のはずれまで行くこともなかなか叶わず、 ズルズルとここまで来てしまった。
 そんな私とは無関係に、西の老兵は、その間もゴトゴトと元気に走り続けていた・・・・・。



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