言い古された表現で小恥ずかしいが、初めて会う車両なのに、どこか懐かしい。これまで見てきたものの面影を、 きっとそこに宿しているから、なのだろう。折り返しを待つ間、車内を見回したり、ホームへ出たり、 また車内へ戻ったり・・・・・そこで私は、ひとつ失敗をおかしたような気分になった。 それは、持参したカメラが、プラスチックのAF一眼レフだったこと。今の気分には軽過ぎるというか、 どうもこう、潤いに乏しい。じっくりと、光や空間と戯れるように過ごすには、もっと相応しいものがある。