松任谷由実選集五七五(Update '01.4.8 00:35)

2000年10月2日〜2001年3月30日の採用作品

(もっと前の採用作品はこちらです。)


この週の題目「制服」

3月30日(金)

*優秀作品発表!

春風に たなびく襟(えり)の 愁(うれ)いかな (神谷努 30才 会社員)

*選評
今はない風にはためく襟元、ふとそんな感覚が蘇ってきた時に、
制服って着てたんだな〜という時間の経過やせつなさがね、
春風からの言葉の並びに、すんなり良く出ていたような気がします。

*挿入曲 「あの日にかえりたい」

3月29日(木)

折りまげた スカートのあと なつかしむ (柳沢芙美 18才 高校生)
寒空に おまわりさんの 姿勢も正しく (遠藤里美 30才 主婦)
春風に たなびく襟(えり)の 愁(うれ)いかな (神谷努 30才 会社員)

*挿入曲 「グッド・ラック・アンド・グッドバイ」

3月28日(水)

寝押し皺(じわ) ボヤきつつこぐ 朝の道 (広野啓子 49才 主婦)
よごれても きずついていても 僕の服 (斎藤孝幸 12才 小学生)
窮屈(きゅうくつ)も 傍目(はため)にみれば 美しき (青木睦子 39才 主婦)

*挿入曲 「SUGAR TOWNはさよならの町」

3月27日(火)

制服(チェック)の 1mm単位(いちミリたんい)に ドキドキし (宇都宮真理子 39才 主婦)
墨飛ばし 小言云う母 ベンジンでたたく (藤井英子 34才 主婦)
(けが)れ無き 人かや巫女(みこ)の 白装束(しろしょうぞく) (安元文紀 48才 調理師)

*挿入曲 「あの日にかえりたい」

3月26日(月)

制服の 冷たさ感じる 春の朝 (冨野広通 12才 小学生)
店員に 間違えられて 店を出る (一柳圭志 40才 広告屋)
春風に 笑うプリーツ ひざ小僧 (竹多恵子 28才 歯科受付)

*挿入曲 「ベルベット・イースター」

この週の題目「玉」

3月23日(金)

*優秀作品発表!

(つゆ)一つ 西日つかまえ オレンジの線 (藤井英子 36才 主婦)

*選評
風景がさかさに映ったり、西日がほんとに線になったりする
対象の見つめかたっていうのがね、作品に広がりを持たせると思います。

*挿入曲 「最後の春休み」

3月22日(木)

線の雨 傘に降りたち 玉となり (奥村真美 38才 主婦)
果てしない 宇宙(そら)に輝く 青い地球(ほし) (勢柄友紀子 27才 主婦)
ビー玉の中に 硝子の海がある (山上秋恵 25才 事務員)

*挿入曲 「消息」

3月21日(水)

白玉(しろだま)が ことりと落ちて 残念賞 (西川文彦 35才 会社員)
子ら去るも サッカーボール(たま)転がりて 雨の中 (辻野布由子 25才 OL)
波の音 十円玉の きれるまで (広野啓子 48才 主婦)

*挿入曲 「心ほどいて」

3月20日(火)

傷だらけの 温泉宿の 卓球台 (納谷光男 56才 会社員)
同窓会 目立たぬあの娘が 玉の輿 (望月勝子 57才 主婦)
宝石も 身に付けぬ老い 曾孫(ひまご)みる (中西喜美子 85才 無職)

*挿入曲 「忘れないでね」

3月19日(月)

黄玉(きいだま)を 巳(えと)にもたせて 祥(さち)を待つ (小林祥晃(Dr.コパ)53才 建築家)
飲み終る ラムネビー玉 舟をこぐ (城名景琳 39才 秘書)
(つゆ)一つ 西日つかまえ オレンジの線 (藤井英子 36才 主婦)

*挿入曲 「最後の春休み」

この週の題目「卒業」

3月16日(金)

*優秀作品発表!

さようなら 約束なしで 逢えた日々 (奥野明子 35才 主婦)

*選評
今までいろんな卒業の解釈を、ひとの言葉から入ってきたり
自分で考えたりもしましたけれど、卒業ってきっと素直にシンプルに
こういうことなんだなと思わせてもらえた作品でした。

*挿入曲 「春よ、来い」

3月15日(木)

春光(シュンコウ)や 送辞よむ君 神々(こうごう)し (水原節子 37才 会社員)
体育館 さがしに行っても 気配なし (室田絢子 15才 中学生)
春がきて 明日(あす)からかわる 通学路 (川合竜童 12才 小学生)

*挿入曲 「冬の終り」

3月14日(水)

第2ボタン 残して君は 町を去る (安原めぐみ 36才 主婦)
想い出に なりつつあるよ 君の声 (関加奈美 15才 中学生)
さようなら 約束なしで 逢えた日々 (奥野明子 35才 主婦)

*挿入曲 「卒業写真」

3月13日(火)

見渡せば せまくなったな 教室 (川村亮輔 12才 小学生)
卒業したら 急に勉強 したくなり (五十嵐三津江 49才 主婦)
ねえセンパイ この制服のいろ 覚えていてね (野口結衣 13才 中学生)

*挿入曲 「影になって」

3月12日(月)

君の文字 手に入れたくて 寄せ書きす (西野洋子 35才 主婦)
しつけ取り 娘の袴を 先に着る (石井恵美子 41才 主婦)
なみだがお そっとふいた はるのかぜ (落合奏映 11才 小学生)

*挿入曲 「春よ、来い」

この週の題目「並ぶ」

3月9日(金)

これは私、とっても好きでした。

*優秀作品発表!

風をうけ 勝負をかけた ラストスパート (大槻智佳子 21才 大学生)

*選評
スリップストリームというか、誰かの後ろで飛び出した時に風を受け。
この一瞬を切り取っている感じがとてもいきいきしています。

*挿入曲 「まちぶせ」

3月8日(木)

少しだけ あなたと並べる 混む廊下 (亀卦川拓美 17才 高校生)
恐らくは 躾(しつけ)厳しき チューリップ (滝澤朋子 30才 エンジニア)
長い影 遠い記憶の 君と僕 (飯田由美子 38才 主婦)

*挿入曲 「Sweet Surrender」

3月7日(水)

電線で 雀(すずめ)が歌い 音符調 (小幡フミ子 58才 ホームヘルパー)
束縛(そくばく)の とけたタコ焼き 口にする (城名景琳 39才 秘書)
風をうけ 勝負をかけた ラストスパート (大槻智佳子 21才 大学生)

*挿入曲 「Raga#3」

3月6日(火)

朝もやの 苗(なえ)のあぜ道 ふたりと一匹(いっぴき) (熊谷可奈子 32才 主婦)
寝袋で トリップしてる 徹夜組 (南村香里 36才 コピーライター)
アナタの右 アタシの左 アシタ晴れ (十川由佳 33才 病院勤務)

*挿入曲 「まちぶせ」

3月5日(月)

席替えで 君の横顔 独り占め (菅又由香 26才 主婦)
よそ様の 献立見てる レジの列 (増田正 49才 靴小売業)
父と子が 水槽覗(のぞ)く 背中かな (辻桂子 40才 主婦)

*挿入曲 「TWINS」

この週の題目「答」

3月2日(金)

*優秀作品発表!

手を挙げて 答えし快感 なつかしき (小川和子 62才 主婦)

*選評
疑問を感じず、すっくと立った時の気持ち良さが、自分でも覚えているのか
覚えてないのか、気持ちの良い作品だったと思います。

*挿入曲 「少しだけ片想い」

3月1日(木)

「あんた誰」「あんたこそ誰」リダイヤル (斉木哲也 28才 会社員)
惰性でも 「NO」(ノー)をきり出せなぬままの二人 (藤田加津代 38才 会社員)
生きる意味 探すあなたは 生きている (矢月秀作 36才 自由業)

*挿入曲 「そのまま」

2月28日(水)

見直せば 見直すほどに 自信失(う)せ (滝澤朋子 30才 エンジニア)
答えから 問題つくるも 大人かな (西川文彦 35才 会社員)
手を挙げて 答えし快感 なつかしき (小川和子 62才 主婦)

*挿入曲 「吹雪の中を」

2月27日(火)

"幸せか?" 元彼に聞かれ うなずいた (伊藤久詠子(ちよこ) 37才 主婦)
沈黙を 「心」ととるか 「無」ととるか (内藤貴嗣 27才 会社員)
信実(しんじつ)と 幻想(ゆめ)との中(なか)で 現実(いま)を眼(み)る (菅野雄貴 16才 高校生)

*挿入曲 「少しだけ片想い」

2月26日(月)

消去法なのに すべてに×(ばつ)がつく (福田ひとみ 19才 大学生)
大人って いったい誰が決めますか (佐々木ともみ 26才 看護婦)
「うん。帰ろう」 この都会(そら)にあきたから (白井久美子 38才 主婦)

*挿入曲 「緑の町に舞い降りて」

この週の題目「コピー」

2月23日(金)

*優秀作品発表!

葉桜の ピンクと緑が モネの様(さま) (大越純一 16才 高校生)

*選評
きれいな色彩が浮かび上がってくる
シンプルですけれども、とてもいい作品だったと思います。

*挿入曲 「情熱に届かない〜Don't Let Me Go」

2月22日(木)

うそでしょう? そんな風にしゃべってる? (堀典子 37才 会社員)
あの人の 面影たどり 恋をする (志水信彦 38才 高校教諭)
葉桜の ピンクと緑が モネの様(さま) (大越純一 16才 高校生)

*挿入曲 「出さない手紙」

2月21日(水)

ヤジ馬の 隣を見たら 父だった (斉木哲也 28才 会社員)
焼き増しの 写真くばって 終る旅 (前川佐千子 34才 POPライター)
歩いても 足あとちがう 同じ道 (星野あい 14才 中学生)

*挿入曲 「セシルの週末」

2月20日(火)

カタログで見た髪型と、何か違う (堀典子 37才 会社員)
姉のふり 受話器越しに 話す母 (西岡健二 34才 システムエンジニア)
かがみには いじげんせかい あるんだろう (中澤裕子 12才 小学生)

*挿入曲 「情熱に届かない〜Don't Let Me Go」

2月19日(月)

足で戸を 閉める2才に 反省し (中村あまよ 46才 主婦)
食卓を はさんで娘の メイク見ている (西山和子 48才 主婦)
これも仕事 これが仕事 コピー機光る (丹下純 32才 主婦)

*挿入曲 「返事はいらない」

この週の題目「告白」

2月16日(金)

*優秀作品発表!

ハムスター こっそり飼ってて ごめんなさい (戸塚美知子 10才 小学生)

告白するのに一番勇気がいるのは、この10才ぐらいの
ペットのハムスターだったんじゃないかな、と。
そのウェイトをくんで優秀作品にしました。

*挿入曲 「Valentine's RADIO」

2月15日(木)

簡単にされても困る 夕間(ゆうま)(ぐ)れ (波岐由 36才 主婦)
「好きでした」 別れるときに言う切なさ (中嶋晴美 18才 高校生)
母去りし時 一生一度の「愛」を説く父(ひと) (藤田加津代 38才 会社員)

*挿入曲 「Saint of Love」

2月14日(水)

捏造(ねつぞう)の 恋煩いに 自我(われ)を抱く (臼井孝治 22才 大学生)
「ごめんね」が 胸に刺さった 精一杯の夜 (櫻井紀子 41才 主婦)
告げて白くなる。 告げて赤くなる。(小林正孝 40才 会社員)

*挿入曲 「幸せになるために」

2月13日(火)

受験生の 「勉強」に負けた 愛の告白 (楠原由加里 17才 高校生)
のど元を 行ったり来たりの 秘め言葉 (延原洋子 44才 主婦)
そこそこに 嬉しそうだが 無言なり (西川文彦 35才 会社員)

*挿入曲 「Valentine's RADIO」

2月12日(月)

霧の中 10,000メートルの決意 目の前のチョコ (鈴木ともみ 28才 キャビンアテンダント)
送信を クリックするだけ 告白終り (江波戸和代 40才 主婦)
ハムスター こっそり飼ってて ごめんなさい (戸塚美知子 10才 小学生)

*挿入曲 「フォーカス」

この週の題目「法則」

2月9日(金)

*優秀作品発表!

この五七五の形をとらないものが、なんか「法則」という題目に合っているような気がして

好きな人は冷たく どうでもいい奴に 好かれる (大貫綾子 28才 会社員)

*選評
この音律ですね。何となくこのリズムの乗り方が、法則にピッタリなような気がしたのと、
内容も正にこの通りだなぁという気がして、選ばせていただきました。

*挿入曲 「不思議な体験」

2月8日(木)

好い天気 勤労意欲と 反比例 (太田博 38才 公務員)
愛の手紙の愛は 書いたその時の愛 (安田稔 65才 無職)
約束の季節(とき)に 塩吹く梅を見る (横井くみ 40才 会社員)

*挿入曲 「セイレーン」

2月7日(水)

お買い物 親につれられ めんどくさい (亀川文則 13才 中学生)
汗かいて 図書館行ったら 休館日 (久野仁志 14才 中学生)
流行は巡り イケてる母の服 (毛利由美 40才 主婦)

*挿入曲 「ありのままを抱きしめて」

2月6日(火)

性格が 逆に振れ出す 二十歳(はたち)過ぎ (西川文彦 35才 会社員)
ニュートンに させてあげたい バンジージャンプ (こだま缶人 42才 柔道整復師)
好きな人は冷たく どうでもいい奴に 好かれる (大貫綾子 28才 会社員)

*挿入曲 「魔法の鏡」

2月5日(月)

衣替えする度(たび) 服が縮む謎 (あそあつこ 39才 主婦)
テスト前 「やってないよ」にだまされる (森川由紀子 17才 高校生)
夏と海 ただそれだけで 恋をする (横井沙穂 16才 高校生)

*挿入曲 「不思議な体験」

この週の題目「湯気」

2月2日(金)

*優秀作品発表!

ゆずの実は 黙って聞いてる 湯気の中 (倉橋芳香 41才 主婦)

*選評
音もなく柑橘系の皮がね、プチプチとつぶれる時に、
言葉にはならないお風呂の中の色々なつぶやきを
ゆずが聞いている気がしました。

*挿入曲 「ダイヤモンドダストが消えぬまに」

2月1日(木)

ぷんぷんと 君の後ろで 軽くヤキモチ (横田百恵 17才 高校生)
ゆずの実は 黙って聞いてる 湯気の中 (倉橋芳香 41才 主婦)
お湯割りの 湯気たつベランダ 星つなぐ (藤井英子 34才 主婦)

*挿入曲 「瞳はどしゃ降り」

1月31日(水)

(ワン)・2(ツー)・3(スリー) 手品みたいな 鍋(なべ)の蓋(ふた) (中山優子 30才 主婦)
寒き中 ラーメンすすりて 白メガネ (中根千夏 35才 主婦)
湯浴(ゆあ)み娘(ご)に 纏(まと)わる湯気も 眩(まぶ)しかり (藤田千春 51才 会社員)

*挿入曲 「曇り空」

1月30日(火)

風邪ひきの おかゆの白き湯気 懐かしき (入江百合香 21才 アルバイト)
心地よい 汗が湯気のよう 寒稽古(かんげいこ) (原田つとむ 51才 プランナー)
ママ見て見て ミルクがフワフワ 逃げてくよ (林寛 11才 小学生)

*挿入曲 「ダイヤモンドダストが消えぬまに」

1月29日(月)

冬晴れに ほしたせんたく 湯気を出す (玉川瞳 40才 主婦)
ブチブチっと 音立て熱き血 気化してゆく (藤井英子 34才 主婦)
湯気あばれ 屋台うずもり 客を呼び (藤田千春 51才 会社員)

*挿入曲 「Bye bye boy」

今週の題目「肩書」

1月26日(金)

*優秀作品発表!

えらいかもしれないけれど しらないひと (畠山恵美 37才 自営業)

*選評
ほんとにこの通りのことが多いですね。
というわけで今週の優秀作品は
「えらいかもしれないけれど しらないひと」でした。

*挿入曲 「サーフ天国、スキー天国」

1月25日(木)

のしかかる 私の肩には 優等生(おりこうさん) (宮澤綾 15才 中学生)
肩書きがなければタダのエロおやじ (小木曽愛 34才 フリーター)
肩書の とれる春待つ 旅行本(ガイドブック) (川村澄子 58才 主婦)

*挿入曲 「ビュッフェにて」

1月24日(水)

先生の 肩書き邪魔な 片思い (日比谷始 48才 主婦)
社長夫人 名刺は無いが 実力者 (佐藤敬介 37才 自営業)
空見上げ 堅苦しい世に 白い雲 (磯目絵里花 14才 中学生)

*挿入曲 「サーフ天国、スキー天国」

1月23日(火)

空調に 揺れる肩書き 吊り天井 (西川文彦 35才 会社員)
えらいかもしれないけれど しらないひと (畠山恵美 37才 自営業)
楽ちんな 気分でサラリと 主婦と書く (小倉陽子 48才 主婦)

*挿入曲 「真冬のサーファー」

1月22日(月)

*「2001ソニーオープンゴルフインハワイ生中継」のため放送はありませんでした。

この週の題目「冬」

1月19日(金)

*優秀作品発表!

降り積もる 雪を見ている 雪だるま (山上秋恵 25才 アルバイト)

*選評
好きですね。動詞がうまく重なったときに思わぬ効果があります。
そして、なにかずっとその景色が続いているような、
雪だるまも生きているような、とても素敵な作品だったと思います。

*挿入曲 「守ってあげたい」

1月18日(木)

さくさくと 道路が白き 冬の道 (只野一樹 15才 中学生)
雪化粧 しばし異星の女性(ヒト)となり (西野洋子 35才 主婦)
街角に 吹きだまりでき 易(えき)の火灯(とも)る (望月勝子 57才 主婦)

*挿入曲 「ためらい」

1月17日(水)

「寒くない?」 問いかけてみた 制服姿 (今井普子 26才 主婦)
霜柱 踏みしだくごと 別れ告ぐ (波岐由 36才 主婦)
降り積もる 雪を見ている 雪だるま (山上秋恵 25才 アルバイト)

*挿入曲 「かんらん車」

1月16日(火)

縄のれん くぐればメガネ くもりだし (増田正 49才 靴小売業)
北風の 体温となる すべり台 (西川文彦 35才 会社員)
(よい)の辺(べ)に たふたふと降る ぼたん雪 (加藤尚美 35才 公務員)

*挿入曲 「守ってあげたい」

1月15日(月)

凍った道 滑ったふりして 抱きつく私 (藤江美帆 16才 高校生)
氷点下 車の窓は 自由帳 (菅原絵璃 13才 中学生)
黄落(こうらく)や なかまはずれの 美しさ (田島龍 9才 小学生)

*挿入曲 「流星の夜」

この週の題目「新」

1月12日(金)

*優秀作品発表!

昨日(きのう)まで新しかった このパソコン (板垣茂 46才 ボイラーマン)

*選評
シンプルですけれど、とても深読みできる、新しいっていうことは
きっとこういうことなのかな。
新しいと思っていた物が次の新しい物が現れることによって、
あ〜新しかったんだあれは、って実感するようなことが
新しいっていうことの本質なのかもしれません。

*挿入曲 「A HAPPY NEW YEAR」

1月11日(木)

新米のママ 桃のごと 子をいだく (水野黒兎 61才 無職)
お財布に 整然と収(おさ)まるお札(さつ) (戸塚恵子 40才 主婦)
足跡の 一番乗りかな 銀世界 (道上能亘 23才 会社員)

*挿入曲 「彼から手をひいて」

1月10日(水)

お茶の間を リビングと呼ぶ リフォーム後 (こだま岳人 42才 柔道整復師)
待ちわびたCD 正座し封を切る (中根千夏 35才 主婦)
初鏡(はつかがみ) 恋する吾(われ)を 咎(とが)めるなかれ (中原由紀子 36才 教諭)

*挿入曲 「甘い予感」

1月9日(火)

新しい友と出会える習(なら)いごと (青木武志 68才 無職)
窓ガラス 替えたら空が 寄ってきた (一柳圭志 40才 広告屋)
たんぽぽを 早く見せてよ 新世紀 (小松梨沙 16才 高校生)

*挿入曲 「SHANGRILAをめざせ」

1月8日(月)

新しいカレンダー まず連休数える (藤井英子 34才 主婦)
昨日(きのう)まで新しかった このパソコン (板垣茂 46才 ボイラーマン)
まっ白な 猫(ニューフェイス)来て 春の屋根 (西川文彦 35才 会社員)

*挿入曲 「A HAPPY NEW YEAR」

この週の題目「カウントダウン」

12月29日(金)

*優秀作品発表!

音もなく あなたと二人 世紀(とき)を越す (木崎雅子 19才 会社員)

*選評
特別な世紀をまたぐ年の瀬にふさわしい、シンプルだけれど
全て言い表せているような作品を選ばせていただきました。

*2000年最優秀作品発表!

(字幕)2000年応募作品総数 40,617作品(12月13日到着分迄)

今年だけで4万作品以上お寄せいただきました。
本当にありがとうございました。
その中から選ばせてい・・・これが悩んでしまって
いい作品をたくさんお寄せいただいたんだなあと、
しかも私って何ていい作品を選んできたんだろうと(笑)
エ〜感心することしきりだったんですけれど
悩みに悩んでですね、「誘惑」という題目の

木蓮(もくれん)を 抱(いだ)く我を 盗め五月 (中原由紀子 35才 教諭)

これを年間最優秀作品とさせていただきます。
今年もどうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしく。

*挿入曲 「雪だより」

12月28日(木)

(かみ)を捨て 軽くなりゆく 20世紀(せいき) (敦井ひろ子 21才 大学生)
仲良しが 逆に数えて 上がる風呂 (安田稔 65才 無職)
音もなく あなたと二人 世紀(とき)を越す (木崎雅子 19才 会社員)

*挿入曲 「雪だより」

12月27日(水)

二つ三つ 熟れた実残し 雪を待つ (倉橋芳香 41才 主婦)
年明けまで あと何回会えるかな (中野真結 16才 高校生)
カウントダウン "1"(イチ)の次は あらたな光 (石橋典子 16才 高校生)

*挿入曲 「Happy Birthday to You 〜ヴィーナスの誕生」

12月26日(火)

晦日(つごもり)に 煮豆のつぶやき ききながら (望月勝子 57才 主婦)
答案と 時計を往復している目 (毛利由美 40才 主婦)
年末(おわり)から 新春(はじまり)へ変(か)する 世界(とき)の不思議 (与田真由美 20才 大学生)

*挿入曲 「ずっとそばに」

12月25日(月)

「おいとまを頂きます」とミレニアム (藤田千春 51才 会社員)
これから告白(コク)る・・・ 高鳴り(むね)を押えて 主将(カレ)を待つ (田中利奈)
日の出(い)づる 国より自転の順に 声挙がる (安元文紀 48才 調理師)

*挿入曲 「Angel Cryin' X'mas」

今週の題目「クリスマス」

12月22日(金)

*優秀作品発表!

何となく 魔法じみてる 星一つ (冨田そら 37才 主婦)

*選評

シンプルだけれどすごくクリスマスの感じがする、
このなんとなくで始まる「なんとなくクリスマス」なんていう
似たようなタイトルの小説が、あったかな〜(笑)、関係ないですね。
え〜今週の優秀作品は「何となく 魔法じみてる 星一つ」でした。

*挿入曲 「ロッヂで待つクリスマス」

12月21日(木)

クリスマス わたしがねないと サンタこないね (山崎いずみ 5才 園児)
いずこより メール届けし サンタかな (井上恵吾 37才 飲食業)
そしてあと 一週間の 今世紀 (滝澤朋子 29才 エンジニア)

*挿入曲 「恋人がサンタクロース」

12月20日(水)

いつもと同じ夜なのに なぜかさみしい (佐藤いず美 17才 高校生)
アジア発 混沌(こんとん)の聖夜(イブ) ヤモリ鳴く (上山怜 18才 フリーター)
何となく 魔法じみてる 星一つ (冨田そら 37才 主婦)

*挿入曲 「3−Dのクリスマスカード」

12月19日(火)

背伸びして 飾りしツリーも 今は見下ろし・・・ (藤田加津代 38才 会社員)
生活も 揺れるサンタの プラカード (青木武志 68才 無職)
ゆえもなく 地(ち)に伏(ふ)しみたき 聖夜(せいや)かな (木芳子 67才 無職)

*挿入曲 「忘れかけたあなたへのメリークリスマス」

12月18日(月)

「娘」より 「彼女」の立場 選ぶイブ (毛利由美 40才 主婦)
待ちわびた 雪景色に舞う 着信音(ジングルベル) (与田真由美 20才 大学生)
街じゅうが 魚眼レンズに 包まれる (一柳圭志 40才 広告屋)

*挿入曲 「ロッヂで待つクリスマス」

この週の題目「ママ」

12月15日(金)

*優秀作品発表!

”ママ、くもがオレンジになったよ”と空を見て (内田泰江 28才 主婦)

*選評
これが何とも私は好きでした。経験は残念ながらないんですが。
ママと呼ばれる幸せ、子供へのママとしての愛が
ライティングの動きやなんかの中にいっぱいつまった
すごく素敵な作品だと思いました。

*挿入曲 「BLIZZARD」

12月14日(木)

おっぱいの 甘い香(かおり)と 太いうで (山下新三 37才 公務員)
軒下を 去年のままに 燕(つばめ)待つ (滝澤朋子 29才 エンジニア)
「お母さん・・・」 呼び方変えて 我が腕巣立つ (池田知子 31才 主婦)

*挿入曲 「Home Town へようこそ」

12月13日(水)

”かあさん”をリッチな家の子 ”ママ”と呼び (安部奈津紀 32才 家事手伝い)
ママはパパの女と 息子言い (田辺秀子 41才 会社員)
ワガママな娘でごめんね・・・ ありがとう (木須純子 15才 中学生)

*挿入曲 「12月の雨」

12月12日(火)

紹介され 「ママ」と呼ぶ彼 愛冷める (赤堀清子 47才 主婦)
ママさんの 機嫌次第の お勘定 (増田正 49才 靴小売業)
”ママ、くもがオレンジになったよ”と空を見て (内田泰江 28才 主婦)

*挿入曲 「BLIZZARD」

12月11日(月)

がい虫と たたかうママは おそろしい (糸井しおり 8才 小学生)
じいちゃんの前で 少女にもどるママ (佐藤陽子 39才 会社員)
柔らかな 頬(ほほ)の曲線 独占す (木村由佳子 23才 主婦)

*挿入曲 「Broken Barricade」

この週の題目「デート」

12月8日(金)

*優秀作品発表!

分かれぎわ 奢(おご)った僕が ありがとう。 (松島正幸 28才 自営業)

*選評
とてもリアリティと、そう本当にそういう機会を与えてもらって
誰に、相手にというより誰だか分かんない神様なのか何なのか、
ありがとうという気持ちが、いいデートに使うお金は死にがねじゃないぞ
という感じで、これを優秀作品に選ばせていただきました。

*挿入曲 「LOVE WARS」

12月7日(木)

いろいろなバージョン考え 何も出来ず (相馬芳子 52才 山岳救助隊)
片方は デートだったと 思ってる (倉重きっこ 34才 アルバイト)
再会は ムーンリバーの聞ける店 (安田稔 65才 無職)

*挿入曲 「12階のこいびと」

12月6日(水)

声ばかり ほめないでね 逢ってるのに・・・ (斎藤美和子 37才 主婦)
鏡の前 上目使いで 微笑んでみる (永田恵子 24才 会社員)
猫が寄り添う塀(へい)の上 遠い昔へタイムスリップ (島村陽子 34才 主婦)

*挿入曲 「2人のストリート」

12月5日(火)

デートって いったいどこから デートなの? (立石ひとみ 16才 高校生)
手をとりし 振り向く君に 湖水波立つ (加藤尚美 34才 高校教諭)
分かれぎわ 奢(おご)った僕が ありがとう。 (松島正幸 28才 自営業)

*挿入曲 「LOVE WARS」

12月4日(月)

一本の 勇気の電話 夢かなう (新垣さやか 22才 主婦)
キスシーンに 早鐘(はやがね)を打つ 映画館 (安元文紀 48才 調理師)
つれづれに 会うと待つ間が じゃれあって (玉城未来 16才 高校生)

*挿入曲 「きままな朝帰り」

この週の題目「山」

12月1日(金)

*優秀作品発表!

峰に立つ 君の背こそ 吾(われ)の目指す場所 (山本まりの 31才 主婦)

*選評
雄大ですね。美しいスローモーション、逆光になっている何か、峰、
それをめざしている姿。
山っていうのは憧れという気持ちが、美しくまとまっている
作品だなと思いました。

*挿入曲 「やさしさに包まれたなら」

11月30日(木)

肩組みて 山ゆうゆうと 秋を待ち (藤田千春 51才 会社員)
(さじ)をさす 場所など迷う かき氷 (城名景琳 39才 秘書)
白き富士 心に焼いて 日本人 (皆藤知恵子 35才 会社員)

*挿入曲 「さよならハリケーン」

11月29日(水)

動じない その大きさに 憧れる (大森文子 34才 高校教師)
生足に 腰を引きつつ 青空を見ゆ。 (川村孟 17才 高校生)
神官(しんかん)の 不意(ふい)に出(い)でくる 山路(やまじ)あり (木芳子 66才 無職)

*挿入曲 「自由への翼」

11月28日(火)

山の中 まいごになって くりみっけ (河村和美 10才 小学生)
今消える 故郷(ふるさと)の山 越せぬまま (島本雅己 29才 建築業)
峰に立つ 君の背こそ 吾(われ)の目指す場所 (山本まりの 31才 主婦)

*挿入曲 「やさしさに包まれたなら」

11月27日(月)

登山中 富士山(やま)はどこかと 聞く子供 (森川香代子 44才 主婦)
ひと山を 値切って主婦の 顔になる (斎藤佐代子 47才 主婦)
青紫(むらさき)の 夜明けの空から 降りてくる (西川文彦 35才 会社員)

*挿入曲 「続 ガールフレンズ」

この週の題目「メール」

11月24日(金)

*優秀作品発表!

スクーター 露地(ろじ)を縫(ぬ)いゆく 眞昼(まひる)かな (高木芳子 66才 無職)

*選評
手紙にしろeメールにしろ、夜つづるイメージがあるんですけれど
実際届くのは意外に昼。
顔の知らないメッセンジャーが、どこかに気持ちをたずさえて
持っていくようなイメージ。
これがスクーターという言葉でね、不思議なSF感が出ていて
ユニークな美しさを放っていると思いました。

*挿入曲 「青春のリグレット」

11月23日(木)

その時刻 過ぎてから見たことにする (森葉子 61才 主婦)
誤字一つ 恋の暮れゆく 予感かな (樋口千晃 28才 コピーライター補)
パンドラの 箱を開けゆく パスワード (滝澤朋子 29才 エンジニア)

*挿入曲 「Walk on,Walk on by」

11月22日(水)

喜怒哀楽 小さき窓に 入れられぬ (印南静子 41才 婦人服販売)
顔見えぬ 貴方(あなた)想って 誘惑す (堀千恵子 45才 主婦)
送信キー 押す勇気なく 風向(かぜ)変わる (広野啓子 48才 主婦)

*挿入曲 「風の中の栗毛」

11月21日(火)

変換の漢字で よそよそしさ演出 (奥村真美 38才 主婦)
癖の有る 文字なればこそ 熱(あつ)からむ (安元文紀 48才 調理師)
(こ)を想(おも)う 母の手紙は 黄(き)ばみたり (木芳子 66才 無職)

*挿入曲 「青春のリグレット」

11月20日(月)

顔文字で 三十路の恋の テレ隠し (波岐由 36才 主婦)
会おうよと 届くメールに 動揺隠せず (原梨沙 16才 高校生)
スクーター 露地(ろじ)を縫(ぬ)いゆく 眞昼(まひる)かな (高木芳子 66才 無職)

*挿入曲 「思い出に間にあいたくて」

この週の題目「聞く」

11月17日(金)

*優秀作品発表!

夜も更けて 古屋(ふるや)の漏(も)りの 独り言 (石岡あづみ 48才 主婦)

*選評
耳をかたむけるともなく入ってきてしまう気配、
姿のない住人のね、存在に気づいてしまうような、
そういう秋の物語性のある作品だったと思います。

*挿入曲 「シンデレラ・エクスプレス」

11月16日(木)

水温を 目指して 氷弾けゆく (滝澤朋子 29才 エンジニア)
猫の恋 うとましく聞く 花曇り (横井久美子 40才 会社員)
夜も更けて 古屋(ふるや)の漏(も)りの 独り言 (石岡あづみ 48才 主婦)

*挿入曲 「恋は死んでしまった」

11月15日(水)

添い寝して 孫の寝息で 夕暮れる (都田真知子 51才 主婦)
ソーダ水 別れの証人 なりにけり (野田福子 33才 派遣社員)
首かしげ かわいい君は 聞き上手 (藤瀬道子 44才 フットセラピスト)

*挿入曲 「木枯らしのダイアリー」

11月14日(火)

他の女(こ)と 話すあなたの会話 無関心のふりをする (潮野沙菜)
アリの動きから 心臓の音を確認 (池田文生 17才 高校生)
みつ豆と 母の初恋物語 (岡本恵 44才 主婦)

*挿入曲 「シンデレラ・エクスプレス」

11月13日(月)

また同じ ばあちゃんの声 間違い電話 (藤林郁甫 45才 主婦)
せみのように 聞く耳もたず 独(ひと)り泣き (小田真由美 15才 中学生)
静謐(せいひつ)に 膝を正して 香り聞く (横井久美子 40才 会社員)

*挿入曲 「オールマイティ」

この週の題目「ドライブ」

11月10日(金)

*優秀作品発表!

☆該当作品なし

ん〜、最後にご紹介したの(車窓から 柿の実一つ ただ朱(あか)く)を
いれようかなと思ったんすけれど、クルマでドライブするという実際の
行為を歌にしたものでだけじゃなく、もっと「Drive me crazy」じゃないですけど、
そのドライブ感を意図したような作品をお寄せいただけると嬉しいなと
思ったんですけれど、残念ながらありませんでしたね。
優秀作品該当作はなしということにさせていただきました。

*挿入曲 「リフレインが叫んでる」

11月9日(木)

都バスから サイレントムービー なぞる午後 (新野久美子 32才 会社員)
座るたび シートを直す せつなさよ (巴由佳 34才 主婦)
車窓から 柿の実一つ ただ朱(あか)く (深沢光梨 35才 会社員)

*挿入曲 「もう愛は始まらない」

11月8日(水)

車庫入れに 横向くあなた 止まる息 (森山幸子 29才 主婦)
高速の とぎれとぎれに 映る顔 (渡部美香 30才 主婦)
トンネルを 抜けて南の 光満つ (大木裕子 39才 家事手伝い)

*挿入曲 「さまよいの果て波は寄せる」

11月7日(火)

同じ歌 好きなの知って ちょっと嬉し (辻かよ子 33才 受付)
沈黙に ワイパーゆっくり 「NO」という (斎藤美和子 36才 主婦)
夕焼けに 向かう2人は セピアの横顔 (平賀雄 16才 高校生)

*挿入曲 「リフレインが叫んでる」

11月6日(月)

ハンドルを 握りて別の 女(ひと)となる (中原由紀子 36才 OL)
三人の車内に 探りあう心 (林美千代 41才 主婦)
砂浜に タイヤの跡の 平行線 (源長美砂子 37才 主婦)

*挿入曲 「地中海の感傷」

この週の題目「うるさい」

11月3日(金)

*優秀作品発表!

襟首に ざわめき立てる 一月(ひとつき)の髪 (安元文紀 48才 調理師)

*選評
使っている言葉もとてもきれいですね。
さあ今日、明日あたりはすっきりしてこようという「前のりのさわやかさ」が
逆にこの「うるさい」という題目から導き出されたような気がします。

*挿入曲 「輪舞曲(ロンド)」

11月2日(木)

梯子(はしご)持つ 妻があれこれ 指図する (安田稔 65才 無職)
遠い昔 自分で叫んだ声 こだまする (岡本恵理 39才 主婦)
「だれと行く?」 問いかける父に 無言の微笑(えみ) (上村加奈 17才 高校生)

*挿入曲 「朝陽の中で微笑んで」

11月1日(水)

立ち読みし 店の主(あるじ)の 眼に疲れ (伊藤ゆき子 59才 無職)
前の客 生歌(ステージ)よりも デカい声 (臼井孝治 21才 大学生)
夕暮れの 湖面に広がる 乱反射 (板垣茂 46才 ボイラーマン)

*挿入曲 「11月のエイプリルフール」

10月31日(火)

着メロが 図書館中に 響いてる (藤林正則 45才 公務員)
恋に揺れ 風鈴が泣く ほっといて (下敏子 44才 主婦)
遠花火 口のうるさい 父なりし (増田正 48才 靴小売業)

*挿入曲 「りんごのにおいと風の国」

10月30日(月)

めざましを 止める指先 いっぽ届かず (尾堂航 9才 小学生)
ひとり占め されて嬉しい 日々も過ぎ (毛利由美 40才 主婦)
襟首に ざわめき立てる 一月(ひとつき)の髪 (安元文紀 48才 調理師)

*挿入曲 「輪舞曲(ロンド)」

この週の題目「揺れる」

10月27日(金)

*優秀作品発表!

本当に上手だと思いました。

別れても 揺れて声待つ ストラップ (北信子 43才 会社員)

*選評
この歌には出てこない単語がたくさん入ってます。
その周りの心理をストラップの揺れに託してね、
本当にきれいにまとめてもらいました。

*挿入曲 「DANG DANG」

10月26日(木)

駅ふたつ 踏んばる君の ランドセル (志野瑠伊 23才 グラフィックデザイナー)
いいなりの 風の使者する 青柳 (城名景琳 39才 秘書)
伴侶なき シーソーに居て 喜怒もなし (滝澤朋子 29才 エンジニア)

*挿入曲 「時をかける少女」

10月25日(水)

別れても 揺れて声待つ ストラップ (北信子 43才 会社員)
おじさんの 乙女心に 動揺す (西川文彦 35才 会社員)
酔客(すいきゃく)を 乗せて電車は 星を縫(ぬ)う (南村香里 35才 コピーライター)

*挿入曲 「旅立つ秋」

10月24日(火)

かつおぶし あついところで フラダンス (倉田大輔 7才 小学生)
寝台車 夢の画像に ブレの有り (安元文紀 48才 調理師)
ムネトムネ オレンヂコロゲ タソガレリ (十川由佳 33才 病院勤務)

*挿入曲 「DANG DANG」

10月23日(月)

前の席 舟漕ぐ頭で 催眠術 (花森浩子 29才 主婦)
風のたび 陽の篩(ふる)われて 夏木立 (滝澤朋子 29才 エンジニア)
そのままで いるのがいいのね やじろべえ (居成浩美 38才 主婦)

*挿入曲 「Autumn Park」

この週の題目「おいしい」

10月20日(金)

*優秀作品発表!

これは幼児の絵がピカソを超えてしまうような

うん、おいしい 目がキラキラするほど (大西理絵 7才 小学生)

*選評
おいしいっていうのは単に味がおいしいんじゃなくて、囲んでいる何人かが
こう本当に目がキラキラしている、自分の目もキラキラしているのが映っているような
楽しいバイブレーションがキュッと込められたような作品だったと思います。

*挿入曲 「カンナ8号線」

10月19日(木)

いらないと 言うと思って 聞いたのに (染谷龍馬 9才 小学生)
熱がある時に食べてる アイスクリーム (佐野陽子 39才 会社員)
うん、おいしい 目がキラキラするほど (大西理絵 7才 小学生)

*挿入曲 「入江の午後3時」

10月18日(水)

主演より ひきたて役の 1(ワン)カット (畠山恵美 36才 自営業)
ラーメンを のこさずたべる わけがある (とおしけいた 5才 園児)
手掴(づか)みで 分ける人あり 手で食す (森葉子 61才 主婦)

*挿入曲 「CHINESE SOUP」

10月17日(火)

たいやきは あたまから食え きみはきみ (山下雅子 44才 中学講師)
大皿の 対角の死角 キープする (臼井孝治 22才 大学生)
朝もやに 太陽を宿す 果実噛む (島本雅己 29才 建築業)

*挿入曲 「カンナ8号線」

10月16日(月)

君がとる ピッツァの隣の ピッツァとる (大熊博貴 25才 会社員)
乳(ちち)飲む顔 ビール飲むパパ うりふたつ (佐藤まゆみ 31才 主婦)
孫摘めば 苦手な茄子(なす)も 食べる爺(じい) (秋場祐美子 33才 会社員)

*挿入曲 「さざ波」

この週の題目「秋」

10月13日(金)

*優秀作品発表!

蟷螂(かまきり)と ベンチを分ける 昼休み (デビット・ソーンデイル 35才 英会話講師)

*選評
使っている言葉、全てを結んでいくと秋の初めの日差しの弱まった
独特の光が見えてくるような、ラフカディオ・ハーンかアンディ・フグかという
日本の心を教えられた気がします。

*挿入曲 「巻き戻して思い出を」

10月12日(木)

詰め替えの ファンデを一つ 明るくし (滝澤朋子 29才 エンジニア)
いもの葉に 校庭うつす 雫かな (重松亜由子 15才 中学生)
寄りそいて 来たりし道や 傘寿(さんじゅ)の秋 (児玉八重 80才 主婦)

*挿入曲 「Cowgirl Blues」

10月11日(水)

秋晴れの 鼓膜に残る フライング (南村香里 36才 コピーライター)
まだ遊びたいのに 役場のチャイム鳴る (安元文紀 48才 調理師)
蟷螂(かまきり)と ベンチを分ける 昼休み (デビット・ソーンデイル 35才 英会話講師)

*挿入曲 「巻き戻して思い出を」

10月10日(火)

家庭菜園の 茄子が連日 並ぶ膳 (毛利由美 40才 主婦)
虫たちが 落ち葉を探し 眠りだす (布施早苗 14才 中学生)
仕事できたので 働きます 案山子(かかし) (城名景琳 39才 秘書)

*挿入曲 「きみなき世界」

10月9日(月)

日焼け跡 にじむ肌に 当たる秋風(かぜ) (萩原陽子 29才 歯科衛生士)
砂浜で 花火のあとは おかたづけ (飯塚淳也 8才 小学生)
廃校の 廊下をまっすぐ 鬼やんま (納谷光男 56才 会社員)

*挿入曲 「丘の上の光」

この週の題目「タフ」

10月6日(金)

*優秀作品発表!

一転び 一起き重ねて 数えない (十川由佳 33才 書店勤務)

*選評
この「数えない」というところにタフさを感じました。
格言カレンダーみたいになってしまいましたが、
タフっていうのはこういうことなんじゃないかと、まとめのような作品です。

*挿入曲 「ふってあげる」

10月5日(木)

板バネを 足腰に埋め 父は耕す (安元文紀 48才 調理師)
そろそろ「幸せ」こないかな 私はそんなにタフじゃないんだから (青柳佑佳 18才 大学生)
なぜかしら 君を想うと がんばれる (村田浩美 30才 会社員)

*挿入曲 「わき役でいいから」

10月4日(水)

スーツでこぐ 通勤自転車 前後に子 (中嶋美那子 33才 公務員)
「強い」と思い込まれて 一人、涙、落とす (村武寿江 39才 主婦)
月並みな 言葉を託して 夢を継ぐ (古谷昌彦 27才 自営業)

*挿入曲 「罪と罰」

10月3日(火)

すしずめの 力を借りて 肩寄せる (岡田睦子 37才 会社員)
泣きながら 首をたてには 振らぬ君 (竹田多映子 36才 事務員)
父の手の 広し温(ぬく)しや 腕相撲 (滝澤朋子 29才 エンジニア)

*挿入曲 「ふってあげる」

10月2日(月)

焼き肉屋 ミノを奥歯で かみつぶす (今道栄治 38才 設計士)
一転び 一起き重ねて 数えない (十川由佳 33才 書店勤務)
数ミリの 亀裂を床(とこ)に 咲く野花 (こだま岳人 42才 柔道整復師)

*挿入曲 「Take me home」