暦の基礎知識


■ 二十四節気

 中国や日本の昔の暦は、日本では「旧暦」と呼ばれています。で、旧暦は多くの人は太陰暦と思っているのですが、 正確には太陽太陰暦です。太陽太陰暦は月の満ち欠けを基本としていますが、太陽の動きによって閏月を挿入することで、 季節的なずれを修正しています。
 その際考えられたのが、「二十四節気」です。
 「二十四節気」とは、1年の長さを24分割して、それぞれの時点に季節を表す名前をつけたものです。
 24分割の方法としては、冬至から冬至までの時間を24等分する方法と、太陽が黄道上のどの位置にあるか、すなわち地球の周回軌道の角度を24等分する方法がありました。前者は計算が簡単ですが、この方法では天文上の春分、秋分、夏至が一致しないため、現在では(というかかなり昔から)使われていません。
 現在では、黄道上の太陽の位置(太陽黄経の角度)で二十四節気は決められています。

■ 節月

 旧暦(太陰暦)の1ヶ月は、月齢が新月から次の新月までをとる方法で、これを「暦月」と呼んでいます。
 これに対して、「節月」とは、上の二十四節気に基づき1ヶ月を決める方法です。すなわち太陽が黄道上を30度進むのを1か月とします。
 例えば、「節月」でいう正月は、立春(2月4日頃)から啓蟄(3月6日頃)の間のことです。
 この考え方では、1年の始まりは、立春ということになります。
 月の干支はこの節月に割り振られており、中国占術ではこの干支を使うことになります。

■ 土用

 土用というのは、季節の変わり目の時期で、二十四節気とは関係ありません。
 日本では、夏の土用(例えば鰻を食べるといった習慣)だけが有名ですが、季節の変わり目には土用がありますので、春にも秋にも冬にもあります。
 五行説では、土用の期間は土の気が強い時期ということになっています。
 土用の決め方ですが、現在は太陽の黄経が27度、117度、207度、297度にあるときを、土用の入りと定めています。なぜこの度数かといえば、五行に等しく角度を割り当てる場合に一行あたりの角度は360度÷5=72度ですが、それを4で割ると18度となります。春夏秋冬の季節の変わり目の前に18度分土用を入れると太陽黄経はその角度となるわけです。

■ 節気表

 以上をまとめて表にすると下のようになります。月将については大六壬編で解説します。

季節太陽黄経節気節月月支月将新暦月日
315度立春正月2月4日頃
330度雨水2月19日頃
345度啓蟄二月3月6日頃
0度春分3月21日頃
15度清明三月4月5日頃
春土用27度-4月17日頃
30度穀雨4月20日頃
45度立夏四月 5月5日頃
60度小満5月21日頃
75度芒種五月6月6日頃
90度夏至6月21日頃
105度小暑六月7月7日頃
夏土用117度-7月20日頃
120度大暑7月23日頃
135度立秋七月 8月8日頃
150度処暑8月23日頃
165度白露八月9月8日頃
180度秋分9月23日頃
195度寒露九月10月9日頃
秋土用207度-10月21日頃
210度霜降10月24日頃
225度立冬十月 11月8日頃
240度小雪11月23日頃
255度大雪十一月12月7日頃
270度冬至12月21日頃
285度小寒十二月1月5日頃
冬土用297度-1月18日頃
30度大寒1月21日頃

 長い表になりましたが、季節、二十四節気、月支、土用などの関係がよくわかると思います。


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   作成  2008年 5月19日
   改訂  2021年 6月 3日  HTML5への対応、一部修正

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